あらすじ
生殖による人口増加が限りなくゼロに近づく中、いまだに子供が産まれている地、チベット・ナクチュ。子供たちの脳波測定のためその地を再訪したハギリは、子供が生まれる理由にある仮説を立てていた。講談社タイガの誇る「Wシリーズ」第三作!
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Posted by ブクログ
Wシリーズ3つ目。とうとう子供を産むウォーカロンが出てきた。ウォーカロンに時々起こるバグを修正できたら人間になるのでは?という素敵な考え。揺らぎとかそういった規則にないものを許容できるのが人間なんだなあ。ここでの注目は、フフシルで襲撃された時、ペイシェンスが柱を支えて人を守ったところ。なんと心強い味方か!その前にウォーカロン工場からの帰りに迎えに来たアネバネとペイシェンスが襲撃され、反撃したところもかっこよかったなあ。
Posted by ブクログ
ウォーカロンと人間の謎が少しずつ解き明かされていくが、そこには新しい謎が… 今回は戦闘シーンは少なめかな。
そして、最後の1行に驚愕。
Posted by ブクログ
ウォーカロンは子孫を残さないから歴史がない、そんな環境下にあって人間のような意識が生じるのか。
「歴史がなければ、神もない。となれば、人というものの概念が生じないのではないか。人という概念こそが、意識の源であるはずだ。アダムには意識がなかった。意識が生まれたのは、イブからということになる。ただ、彼らには、神はあった。」
人以外は「神」という存在を持たない。神を信じる者が「人間」と定義するならば、ナクチュの人々は確かに「人間」だ。「口にすれば果てる、目にすれば失う」と信じるのだから。そしてナクチュの人々は子孫を残す事ができる。ただハギリ博士は、科学が進んだ世界(ここでは日本の我々といってたかな?)を生きる私達も神を信じていた「時代もあった」と話している。
そして現代を生きるハギリ博士達は、生殖機能を失った。進化して手放した、と言うべきなのかもしれないけれど。文頭に戻ると、子孫を残さないから歴史がない=人間のような意識がないと言うならば、進化したハギリ博士達は「人間」ではない。
だからハギリ博士の言う「ウォーカロンが生きていないなら、人間も生きていない」につながるんだなぁ。
ウォーカロンの頭脳に起こる突然変異の気まぐれ、それが人間になるあと一歩。その気まぐれが今回の暴力を生み出した、その事実を「人間」は認められるだろうか。
「正しいとは何か。我々の頭脳が下す評価として、特徴的なものです。しかし、けっして、自然界に存在する一般的な概念ではない。」
正しさを追い求める先に、崩壊や絶滅、しか見えてこないのだが。
途中、デボラ?ん?Fの?ってなったけど全然思い出せなかった。そっちも読み返した方がいいのかなーでも長いからな…
Posted by ブクログ
展開にワクワクが止まりません。
子供が産まれる種族を見つけたかと思ったら、今度は子供を産むウォーカロン。
今後の展開からますます目が離せないです。
Posted by ブクログ
タナカの娘がシキという名前だと分かって終わる。
神殿の中を調べる話、HIXの敷地内で軽く襲撃される。
フフシルで襲撃されタナカに出会う。
1、2巻と4巻のつなぎの話みたいな印象だった。
Posted by ブクログ
p46
「目にすれば失い、口にすれば果てる」
p119
「だいたい、そういった分野では、一人で活動できない。何人かで協力し合う場合が多い。自然に、そんな中からリーダが生まれる、というわけ」
p134
もはやせまい窓からキーツの部屋をのぞきこむ観光客はいなかったし、詩人の末期の眼に映った最後の光景を見ようともしなかった。
p200
ウォーカロンは、全体でリンクしています。
p249
「私はどこから来たのか、私は何者か。私はどこに行くのか?」
引用は、アルフレッド・ベスターの『虎よ、虎よ!』。
シリーズ3作目。まだ近い未来の展開中という感じ。何かで書いていましたが、シリーズものは最初はつまらなく書くと(もちろんその中にもいくつかの優れた部分があるのでしょうが)。徐々に世界は明るみに、またストーリーのテンポと構成もエンタメに振り切るのかなと想像。だいたい半分(5作?)行ったところからギアが上がるのを期待。ウグイとのやりとりもほぼサービスのようなもの。
本シリーズ、ただの幻想小説として読めない。優れた研究者、作家、語弊はあるけど頭の良い人。だからその世界情勢や人との関係やテクノロジーの数々は自分の見ることのない未来のように思えてならない。
数年か数十年のラグはあるものの言ったこと、思ったことがだいたい当たる著者のことだから適当に書いているわけではなさそう。
攻殻の『機械たちの時間』を彷彿する。すべてのAIやアンドロイドが意識を共有する未来。素敵。と無責任に思える時代に今私はいる。
Posted by ブクログ
ウォーカロンが人間になれるのかという部分が進んできて、今後どういう展開になり、元々の人間たちはそれによっとどうなるのかなど想像が膨らむところで終わりました。最後も意味深な子が出てきたし、なかなか気になります。
Posted by ブクログ
3
Wシリーズ3弾。チベットナクチュ地区の神殿は冷凍人体があり発電・保存され聖地とされた。150年前からの話。子供の識別測定について、ウォーカロンメーカーの連合組織ホワイトから見学の要請。メーカーの研究者ヴァウェンサ。仕事場や家への訪問。曼荼羅があり100年シリーズとのつながりも。何者かによる攻撃。カンマパはカンマパ・デボラ・スホらしい。メーカー近くのフフシル村への訪問。メーカー研究所から逃げ出したタナカとの出会いと潜水艦。天文台と頭像、スパコン。最後のタナカの娘の名がシキであることも謎が深まる。
マガタシキについて、彼女の頭脳が何らかの方法で生きている、彼女が作った頭脳がウォーカロンを操っている。シキが生きているとしたら250歳。
工学的という意味は理屈ではなく対処ということ。人間の勘、経験t的判断も同様。
ポストインストールという技術。ある程度成長した脳への書き込み、プログラミング。法的に人間には禁止されているが、ウォーカロン同士では行われている。
コミューターと呼ばれる車のようなものがある世界観。