【感想・ネタバレ】デボラ、眠っているのか? Deborah, Are You Sleeping?のレビュー

あらすじ

祈りの場。フランス西海岸にある古い修道院で生殖可能な一族とスーパ・コンピュータが発見された。施設構造は、ナクチュのものと相似。ヴォッシュ博士は調査に参加し、ハギリを呼び寄せる。 一方、ナクチュの頭脳が再起動。失われていたネットワークの 再構築が開始され、新たにトランスファの存在が明らかになる。 拡大と縮小が織りなす無限。知性が挑発する閃きの物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

以前TVで人間が病気にも罹らず死にもしない、という内容を何かでやっていた。
正しくこのWシリーズの世界だ。
さらにこの本ではAI以上の存在であるウォーカロンと人の意識の中に入れるトランスファの存在が出てきた。
いやー恐ろしい。人間は死ねなくなるのか?

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2025年06月14日

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ネタバレ

今回はリアルの世界だけでなく、電脳空間でのAI同士の戦いという新たな戦場が登場。シミュレーションと学習を繰り返し高度な戦術を繰り出すAIはリアリティーに溢れる。7年前から、現在のAIの流行を見越していたんだろうか。
本筋の謎解きは少しずつ進んでいるが、まだ全貌は見えない。2つの陣営に分かれて戦うAI、誰がこれらのAIに使命を与えたのかというのが、謎の解明に繋がるんだろうけど …

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2023年10月04日

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ネタバレ

Wシリーズ第4作目
展開に無駄がなく、デボラの存在と前作で見つかった巨大なシステムの名前もわかった。
人の頭に入って直接乗っ取る攻撃になり、戦うシーンなどにより臨場感があった。
何より、最後のウグイのシーン。
舌を出すお茶目さがでて、ときめいた。

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2022年05月13日

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ネタバレ

既存の「人間」という定義から我々が徐々に離れていることを、一個ずつ証明されている感覚。
信じる神も持たず、続く子孫もいないから歴史も持てない、さらに、電子空間と反転している、していく可能性の浮上。

ーー我々ははたして本当に生きているのか。
永久に動き続けるものはない。ただ、エネルギィが供給され続ければ、ものは動く。だが、動くことは生きている証ではない。
すべてを諦め、すべてから手を引き、生きることをやめてしまうという選択が、残されている道なのだろうか。何百年も生きられるとしたら、最後にはその選択をするのだろうか。

電子空間に存在するものがいる、というのは正直、怖いという感情が先に立つ。現代では想像できないから。知らないという感情と、恐怖や嫌悪はとても近い。だからこそ、人は理解できないものを拒絶し、迫害する。その距離を埋めることができたら人は認めることができるかもしれないけれど。

生きるために人間であることを諦めるというのは、つまり、生きるために死ぬようなものなのか。
人間は人類が脅かされることに怯えるあまり、トランスファやウォーカロンが生きているということを認めることができない。しかしその結果は巡り巡って、自分達は生きているといえるのか?というパラドックスに陥っている。
「存在しているものを生きているというのだよ」と話すヴォッシュの言葉を、純粋に受け入れられたら楽になるけど、簡単には難しい。
まぁでも、この一連の思考全てがトランスファにとっちゃ「無限ループに陥るため、演算に適しません」ってことなんだろうな。

サリノの扱いを見ると、肉体が死なないって厄介だなとしか思えなかった。
命の価値が、どんどん軽くなっていく。

それにしても、この巻までずっとウグイもアネバネも人間じゃないと思ってた。ハギリ博士がずっと他者や読者を騙してるのかと…

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2022年03月19日

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Wシリーズ4作目。ハギリと他の登場人物との質疑応答が主な内容。人工細胞をもつ人間ともたない人間、ウォーカロン、人工知能、コンピュータ・・・と立場を整理しながら慎重に、時には一気に読み進めていった。マガタ・シキの存在の大きさよ。
コーヒーをおいしいと思ったり生命の価値を考えたりするハギリの人間味を忘れずに次作も読めたらと思う。

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2020年08月29日

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p142
コントロールが難しいものには、女性名をつける習慣があったように思える。いや、私の個人的な感想だが

p183
 正義も悪意も、同じく雑音であり、輝きを演じる装飾の屈折にすぎない。


AIに対する認識は変わらず、仮想世界と現実の世界の境界が曖昧に混ざり合う4作目。
思うにこのシリーズのテーマの一つとして、人と人が作った機械の境界とは、という問いがあげられると思うが、作者のイメージは一貫していて、機械と呼ばれていたものが人と呼ばれるようになる。言葉の意味は変わる。
ブラックミラーのエピソードを想起したりも。人とAI。人のほうが優れている発想が(エッセイとかで散々書いていた気も)今作の核に。
今後もちびちびと次作も読み進めたいと思います。

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2024年02月09日

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Wシリーズ4弾。フランスの西海岸にある古い修道院で生殖可能な一族とスパコンアミラ。
デボラ眠っているの?の声。ニュークリアに収入したウォーカロンの少女サリノ。コンピュータ間を移動するトランスファデボラ。有機ウォーカロンに対して人間が平均的に優れている点は発想力。
人工知能であるアミラとベルベットの対決。

有機ウォーカロンに対して人間が平均的に優れている点は発想力。後の話で、ある特定の遺伝子を用いて量産しているためという部分もあるのかも。
カンマパはデボラの娘らしい。
トランスファだけが通れる回路を大昔から設計に密かに組み込み言葉なども含めたストッパとなっている?
修道院のオーナーはジャン・ルー・モレル.

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2021年02月28日

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読みやすいけれど、理解しているかというとそうでもないのだろうな。。。

ウォーカロンがより人間らしく、というのがテーマの一つだが
人間だって改造していくとより機械に近づいている、と言えるかもしれない。
あまり人間らしいと感じなかった主人公を警護する女性が
だんだん可愛らしくなっている。。
というのが一番の感想なので。

博士の、こういう行動は人間だからこそだ、と思ったり、「機会だからそんな事はしませんと」なるシーンで なるほど。。 とも思う。

映像化してくれないだろうか。。。
でもイノセントほど殺伐とした世界ではなく、どことなくほんわかしてしまうので森氏のなせる業だのだろうか。。

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2017年04月06日

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Wシリーズの第4巻~ハギリ博士がニュークリア正面玄関に差し掛かると聞こえた声は「デボラ、眠っているの?」だった。少女が警備を解除し,ウグイを無力にして,内部へ潜入したが,地下深くまで進んで,電池切れのように倒れた。イシカワの元研究員でチベット奥地で暮らしていたタナカは,その正体がデボラというトランスファーだという。兵器として開発されたもので,ネットワークを介してウォーカロンを支配し,人にも埋め込まれているメモリで交信が可能だ。ヴォッシュに相談すると,フランス西海岸でスーパコンピュータが見つかり,神殿のスーパコンピュータ・アミラとも盛んに交信しているという。そのコンピュータを見に行くと,ベルベットと名付けられたスーパ・コンピュータがウォーカロンの修道僧と操って攻撃を仕掛けてきた。デボラはサリノを呼び出し,ベルベットのシェルの破壊に乗り出す。酸欠でサリノの肉体は死に,ヴォッシュに従うウォーカロン・ペィシェスを使って反撃にでるが,持ち込まれたルータを放り出して事なきを得,サリノが蘇生して,デボラも復活した~出向いた先はモン・サン・ミッシェルだね。前回の表紙はヨットだったので,今回は読む前に気がついた。人口増加はエントロピーの増大。電子戦…人間が私腹を肥やしたい・権力を欲するが故に創り出したものだ。P146「彼らは、そろそろ人間社会のスイッチをオフにしても良いと考え始めています」「どうして、そんなふうに考えるの?」「エネルギィの無駄だからです」「それは、なるほど、そのとおりだね」

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2017年03月17日

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