森博嗣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シリーズの登場人物達もないし、未来や架空の世界にぐいぐい引き込んでいく訳でもなく、淡々としている印象。森博嗣の独特な濃密さはあまり感じられなかった。とはいえ、無駄のない精緻な文章だと思う。
終幕の急展開には息を飲んだが、正直、何が犯罪の原因だったのか、消化不足に終わった。
「レナルド・アンペールが殺した」というリオンの供述に対し、そのレナルドなら犯人の可能性に思い至って良いんじゃないだろうか。その点、ちょっと不満が残った。犯人の犯行時の行動も特に主人公レナルドから記されてないので、その点も物足りない。
まあ、ミステリーを書こうとした訳じゃないんだろうな。
解説の萩尾望都からこの作品の倒錯的 -
Posted by ブクログ
『ゾラ・一撃・さようなら』も読んだけど、もはや覚えてない。一応、同シリーズだけど、覚えてなくても問題なく読めた。
この話は、ミステリィというより森ミステリィという独特のジャンルって感じ。その中でも、理系感はあまりなく、ハードボイルド系を意識してる感じはある。私には何をもってしてハードボイルドというのかわからないけど、頸城みたいに女性に自然と優しく接したりする人を言うのかな、と思ってます。「頭空っぽで読める本を読みたい」と思って買ったので、目的に沿ったチョイスとなった。本格ミステリィ好きには薦めないけど、森さん好きで、難しくない話がいいなら、これは丁度良いかも。 -
Posted by ブクログ
覚えて忘れることは、なにも覚えないことよりもずっと価値がある。それは、生まれて死ぬという生命の価値と等価だろう。 揶揄されているのか賞賛されているのかはわからない データの有無だけを問題にするのは馬鹿げている。 魅力があるように装飾された都会の虚構 突然訪れる不幸もあるし、予想外の幸せもある。 マイナさを武器にして、作家になったけど、マイナさが際立つのは、それに見向きもしない大勢が存在するおかげである。 田舎ほど土着意識は高い 万物は流転するのだ 一言コミュニケーションを取ってくれたら防げたトラブルなのに そこまで、考えて、黙っているのであるから、知能犯といえる。 雀が号泣する程度には売れるよ