森博嗣のレビュー一覧
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犀川の頭脳が乗り移ったか
SMシリーズ第8作目。西之園家の別荘近くで起きた殺人事件が、ある男性による手記で語られていきます。前作「夏のレプリカ」もそうでしたが、これまでの形式とは趣向を変えており、ラブストーリーとしての要素が強いのも特徴です。
隣り合う2つの密室に、2つの死体。事件の仮説が次々と浮かび上がっては、脆くも崩れ去っていきます。最終的な解答には不満な方も多いようですが、むしろ著者らしい終わり方だったのではないでしょうか。
個人的に残念だったのは、もう1つの仕掛け。私にしては珍しく早い段階で気付いてしまったので、驚きが半減でした。
いずれにしても、ある程度シリーズを追ってきた読 -
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小学生の新太の目線で書かれているからか、とても読みやすい作品。
新太くんの着眼点や、大人たちに向けるなにげない疑問に対して、なにこの小学生マセてんな!と思う半面、でも子どもってたしかにこんな感じだなぁと思ったり。
しかしながらラストには驚き。散々殺人を匂わせたけれど、ハリィとガマは生きてるオチを想像してただけに、ちょいちょい顔を出す残酷さにリアリティを感じる。あと小学生にすっかり騙された気分!
一人称小説ならではのトリックにはいつもいつも、まんまと騙されるんだな。
それにしても、森さんの小説にしては、なんだかいつになく読みやすかったように思います。
アンガ田中さんの解説も的を得ていて、好き。 -
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ネタバレこれがただの長屋だったら下町人情ものなんだろうけど
この物語の主人公って、高橋くんではなく家なんじゃないの?って思った。今。
最終話の中盤から急展開。
だまし絵?すかし絵?
ドラマで場面がクロスフェードするみたいに
一気に時代が流れ、
置いてけぼりにされてから、
あっ、そうだったのか!このシーンはもう大人なのね!
と気づいた。
やられた。
で、ドールハウスが出てきたことで、
この物語の構造自体がドールハウスっぽかったなって思った。
神様になったつもりで
俯瞰して見てみれば
世の中なんてみんなドールハウスなのかもね。
超越したら。 -
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森博嗣さんの作品に出会うまでは、叙述トリックが大嫌いだった私ですが、大嫌いだった理由は、本当に面白い叙述トリックを読んだことがなかったからだと分かりました。
1冊目の短編集『まどろみ消去』とは、また違ったテイスト…ストーリーは記憶に残りにくいが、加速度の緩慢な衝撃が潜在意識の奥に刻まれるような作品が多いと思った。特に巻末の「僕は秋子に借りがある」は、最後に読んだせいもあるかもしれないが、僕の心に鈍い傷を残した。若い男達は一般的に、自分勝手で欲望の対象にならない女性の気持ちを斟酌する能力に欠けている。そして、そのような女性は奥ゆかしく文学的で、要望をストレートに言葉にしない。その魅力が彼の -
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佐藤江利子の解説が妙というか、全然頭に入ってこなかったんですけれども…それはともかくとして今回もアレですね、森氏の小説は解説の佐藤氏もおっしゃっていたように非情に淡々としているんですなぁ…感情が無い、というか、欠けているというか、そんな印象を受けました。
ヽ(・ω・)/ズコー
男女の性別が入れ替わる…そのアイディアだけでこれだけの短編を書けるものなんですね! 個人的には隣室の男の子をストーカーじゃないけれども、見張っているみたいな話が好きでしたかねぇ…何故だかそそられました。
他には…まあ、一応ミステリなんですかね? 男女が入れ替わるといった設定で最後まで進んでいって最後にオチらしきオ -
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違和感の温床 巫山戯て 大和書房 100の講義 脈絡のない 偏西風 疑問の氷解 頭脳の中でニューロンが新たな回路を築く 気づき=築き 駄洒落か 探索が必要だ 「検索」しているだけ 瞬時に遮断 柔軟性 コツ 嘴 同値 「自分は知らない」と思い続けることが、「知る」ことの原動力となる。これが好奇心というものだ。 中世的な感覚のリンチに近い そんな保身も働く 仄かに信じている 弱り目に祟り目 謙った言葉 「相手を上に見る視線」が、感謝というものである。 人に与えるものがあるかないか クロック信号 餓死するのが一番良い死に方 頭の良い子供は、これが社会なのだと気づき、自分を修正するだろう。今暫くは我慢