【感想・ネタバレ】小説家という職業のレビュー

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2020年12月19日

なるほどなるほど、と思いながら読みました。
以前に初めて森博嗣さんの作品を読んだ時、自分には合わないのかな~と思いましたが、たった一冊読んだだけで判断してしまうのは勿体ないことだと学んだ次第です。
キツいことも書いてありますが、勉強になります。

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Posted by ブクログ 2018年01月21日

 小説の書き方ではなく、小説家という職業について、著者の体験や考え方を中心に書かれた一冊です。悲観的な意見もたびたび見受けられますが、なるほどなと思える話も多く、個人的には実りの多い内容でした。
 冷めた性格というより、はっきりと割り切った考え方をするんだなという印象です。だからこそ小説の執筆をビジ...続きを読むネスだと意識し、プロとしての仕事を貫いているのでしょう。
 読み進めていくうちに突き放されているような応援してくれているような、不思議な感覚になりました。何度か繰り返し読んでいますが、回を重ねるごとに自身の体験や知識と呼応する箇所が多くなり、より理解が深まるように思えています。

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Posted by ブクログ 2017年06月17日

小説家になるには、とにかく「書く」こと。それだけで、小説家にはなれる。それが多くのニーズを勝ちとり、食っていけるだけの商品になるかはまた別の話。ただ、なろうと思えばいつでも、誰でも、1冊書いてしまえばなれるということ。

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Posted by ブクログ 2016年11月07日

20161107


人気作家、森博嗣がこれまでどのようにして小説を書き続けてきたのか、そして出版社の本当の姿と、これから進むべき道について、包み隠さず、ストレートに表現された一冊。

後作の、作家の収支がとても面白く、その前に書かれた本作をどうしても読めたくなり購入。

漠然と小説家に憧れを持って...続きを読むいたが、本当の小説をの覚悟とか迫力のような物を強く感じさせられた。

小説家になりたければ、とにかく書くことに尽きる。
そして数を書く事の大事さを実感させられた。
書いてみたい。けど、書く事で自分に才能が無い事を突きつけられる事が恐ろしい。

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Posted by ブクログ 2012年12月19日

この本は小説家を目指す人に向けたエールの本だと期待すると大半の人はその期待を裏切られると思う。私は、小説家に憧れる者ではあるが、実際に小説で金を稼ごう、食っていこうとは今のところ真剣には思っていない。ただ、小説が書いてみたい、と思っていて尻込みしてるだけの単なる一般人だ。よくいる読書家が冷水を飲もう...続きを読むとして躊躇しているだけの小市民だ。

そんな私がこの本を読んだ理由。それは森博嗣その人に興味があるからだ。この人は理科系の研究者というモノ書きからは最も遠い場所にいてどうしてあんなに面白い小説が書けるのか?非常に興味深い。

森博嗣の小説家としての在り方は、破天荒だ。
長嶋茂雄風。
来た球をカーンと打つ
ぶっちゃけたことを言えば、この本にはその程度のことしか書かれていなかったと私には思えたのだが言い過ぎだろうか

森博嗣自体は
小説はビジネスとして書いている。お金を稼ぐため人に自分の作品をサービスとして書いているんだから苦労がある。楽しくない。
そう書いているが、この本の読者は本当にその言葉を文字通りに捉えたのだろうか?
私はそんな風には到底思えなかった。
森博嗣の小説家ザマ?はとても楽しそうなのだ。
こんな風な小説家にならなってみたい、と思えるものだった。

この本は小説家を目指すというよりも、正直森博嗣を目指す本なのだと思う。
そして私は小説家にはなりたくないが、森博嗣にはなってみたいと思った。
また、森博嗣のようになれれば小説家になってもいいと思う。
それが無理なら趣味の域で楽しむのがベスト。
まぁ大抵の人にとっては趣味の域で終わるのであろう。
そんな特別な能力を持った人は数多くいない。
それでも地球は回ってる。それでいいじゃないか

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Posted by ブクログ 2012年05月19日

文学青年でない、理系やノンフィクションの本もいっぱい読んでる人向けの小説家入門。
私も「文学しか読まない本好き」ではないので、このアプローチはとても自然に受け入れられる内容でした。
著者の「興味のある人しか読まなくていい」っていうスタンスがありますが、読み進めている人には意外と親身だったりする。理系...続きを読むっぽい突き放しぎみの愛情...。

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Posted by ブクログ 2019年01月16日

小説家になる気などさらさら無かった私ですが、森氏の作品が好きなので、購入して読んでみることにしました。

森氏の「小説家という職業」の遍歴、森氏なりの「小説家という職業」に対する見方 (そういう意味では、タイトルに偽りはありませんね)
小説を書き、職業とするためのノウハウを記した本ではありませんが、...続きを読むそんなことよりもっと大事なことが書かれていると私は思います。
これから小説家を目指すべき人には必読でしょうし、小説家を目指さない人も、職業人であれば読んで損はないかもしれません。

最後に大変なめた話で申し訳ありませんが、小説を一度書いてみたいな、とこの本を読んで思いました。

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Posted by ブクログ 2022年04月27日

小説家が小説家について書く、多くの人はこのことを聞くとあぁこの人なりの小説家としてのやりがいや楽しさについて書かれているのだろうなと思うかもしれない。私もそんな読者の一人であった。しかしながら、この本はビジネス書といっても過言でないくらいに小説家という職業についての売れ方や戦略性などいかに本を売るの...続きを読むかということについての著者の考えが所狭しと書かれている。本の中で、著者は何度も小説を書くのは趣味ではない仕事である。と断言しているのだ。果てはある種小説を商品とすることを嫌う出版業界に関する苦言さえ書かれており、小説を書くのが元々好きでなかった著者だからこそ書くことのできる、非常に切り口の鋭い一冊だった。小説は売り物であり、読み手を意識するというのは当たり前ではあるがここまでビジネスとして小説家という職業について考えたことのなかった私には目からうろこであり、非常に面白い一冊となった。また、ある種非人間的ともいえる著者の冷徹な考えが心地よく、物事を合理的に考えることの価値を教えてくれる一冊だと感じる。小説を書いてみたい人でなくとも創作物を作りたいと考えている人全員にお勧めすることのできる一冊だ。

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Posted by ブクログ 2020年11月01日

いわゆる都合のいいノウハウとか読み心地のいい話は全く書いてない、だからこそのこの安心感というか信頼感。笑 グダグダ言ってる間にはよ書きなさいよ、と言う感じ。仰る通りです。笑

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Posted by ブクログ 2018年02月06日

小説はビジネスだと言い切って、厳しい印象を受けたが、論理的に書かれている内容に共感できて、何事も最後までやり倒して形にすることが重要だと思った。

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Posted by ブクログ 2016年11月17日

森博嗣の新書は安定して面白い。こりゃ小説も面白いだろう、と思わされる。まさに作者の思うつぼだ。

小説家になりたい人はとにかく書け!というのが一貫した方法論。他には、創作物(ドラマ、映画、漫画)を見て創作するのは駄目。そこにはすでに他者の視点が入っているので、広くて自由な視野が阻害される、という。こ...続きを読むれは大変納得の意見だ。引っかかってくる作家は結構いると思う。

個人的に、漢字・ひらがな・カタカナ・送り仮名の統一表を作ったが膨大な量になり放棄した、という話にホッとした。本のレビューを書く時も悩むのだ。自分にとって自然な文章を書くのが一番だ、という。その言葉が聞きたかった!という気分だ。

時々「ん?そうか?」というような話もあるのだが、そこは気楽に読むことにした。「悪口を言わない人は悪口を言われても怒らない」ってそりゃないだろう(笑)。

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Posted by ブクログ 2016年02月05日

最近、森博嗣の著作は新書の方が読みやすい。
昔は小説も何冊か(「すべてがFになる」とか)読んだけれど、この間、久しぶりに新作「彼女は一人で歩くのか?」を読んだら、ちょっとついていけなかった。(ジャンルのせい?)

個人的に小説家という職業に興味があって、この本も手にとった。こういう「小説家になろう」...続きを読むみたいな本は、以前にも別の著者のものを読んだことがあるが、それとはまったく別物な気がする。

だいたい、こういう本は二つのパターンに分かれると思う。
一つはまったく具体性のない、抽象的な話と精神論みたいな話が続くもの。もう一つは具体的に一から細かく説明がなされているもの。
本作はそのどちらにも属さない。強いて言えば、どっちも半分ずつ良いとこどりをした感じ。だからすごくお得だなと読み終えた後に思った。

目からウロコだったのは、「文体は必要ない」「メモは作らない」のところ。自分って色んなものの型にはまりすぎていたんだなと再認識した。
その他、出版業界の話、ビジネスとしての作家になるにはといった話もとてもためになった。

とにかく書くこと。
おっしゃる通り。わかりやすいとは言えないけれど、その一歩を踏み出すのに大いに勇気をくれる一冊だなと思った。

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Posted by ブクログ 2016年02月23日

どのように森博嗣の作品ができたのかがわかる。ビジネス、職人。業界についても触れている。
読後、もういちどシリーズを読み返したくなった。


(すばるさんは小説マニア)
蔵書、電子書籍

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Posted by ブクログ 2014年01月05日

メフィスト賞受賞作家が好きな方にオススメな一冊。とりあえず15ページまで読むことをお勧めする。すると、次の文章にたどり着く。

『この「まえがき」を読んだだけで、本書がかなり「異端」であることがご理解いただけたはずである。自分にとって価値がありそうだ、と予感された人が本書を読まれることを期待する。そ...続きを読むの予感が正しかったとしたら、それは小さな幸運だろう。』

メフィスト賞受賞者には西尾維新さんや辻村深月さんらがいる。賞の受賞者にはコアなファンがつくとかつかないとか。そんな少し尖ったイメージのある賞。その賞の第一回受賞者・森博嗣氏の小説論。

これは小説の書き方のノウハウ本というよりは「ビジネスにおける小説の強み」が書かれた本だ。例えば流通段階を除いて生産段階に着目すれば、ほとんどの工程を一人でやることになるので人件費が少なく生産効率が高いとか、一人で作る工程が多い分、個人の思考や技が色濃く反映され映画やアニメなど集団によって作られたものとは違った魅力を提供できるとかだ。
そういう視点は面白かった。本は経済的に優れた商品なのかなんて疑問は持ったことがなかったので新鮮な気分だった。
他に細かいテーマで面白かったのは「予定」と「会話」について考察している部分。予定や計画を立てるのが苦手なひとは多いと思う。「もっと計画的にやれよ」という文句を心の中でつぶやいたり、相手のことを思って指摘したり、怠惰な自分自身の生活に向けて猛省を促した経験をお持ちの方も多いはず。されど伝わらないのが常である。予定や計画を立てるのが苦手なひとはとことん苦手なのである。大概予定通り進まない。
しかし、森氏は予定を立てることは「自由」であると述べている。予定を立てることは現実をを理想に近づけることであると。それこそが有意義な人生を送ることなのだと。
「予定を立てるのが嫌だー」という人に会ったら伝えたい。これを伝えたところで私自身を含めて劇的に改善するとは思われぬが、伝えたいものである。
続いて「会話」についての部分。これは小説における会話のシーンを書くときの注意点を言及したもの。小説のみならず日常生活でも会話をつなげていくというのは悩みのタネである。会話は言葉のキャッチボールなんてよく言われるがそう簡単に相手のミットにボールは収まらない。レッドソックスの上原浩治(2013年)のような素晴らしいコントロールをもっている人間は一握りである。落球やらノックの打ち合いは日常生活茶飯事であり、もはや壁に向かって投げているだけではないかと思われるほど独り相撲に陥ることもある。
しかし、森氏のアドバイスを読むことで救われる部分がある。

『実際の会話がというのは、一つの話題のときも、それぞれは別々のことを考えている。人間は常に勝手に考えるという特性を持っているのだ。』
『会話はもっとわかりにくく、スリリングなものだ。わからないから、相手の注意を引く効果もある。』

会話を書こうとする綺麗なキャッチボールになってしまいがちだがそんなのは現実的ではないし面白みに欠けるということなのだろう。逆に考えれば現実社会で綺麗にキャッチボールするのは難しいことなのだとも言える。

会話も予定も言葉も、理想通りにならい。しかし理想に近づけようとすることが面白さであり有意義なものなのではないかと感じることができた。小説とは違う視点から作家の個性に触れられる貴重な瞬間をいただいた作品でした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年10月13日

<印象的な箇所のクリッピング>
・小説家もビジネス。小説書くのが好きなだけなら無料で作品配布すればいい。
・商売の基本は、新しいニーズを発掘してそこに商品を投入することの繰り返し。
・とにかく書き続ける。1個ヒット作出すより10個小さく当てる方が現実的。
・ユーザーのネットの感想を分析する。ネガティ...続きを読むブ意見は貴重。何故そういう書き込みをするのか、ユーザーの心理を分析すると小説の次回作に役立てることができる。
・出版社のお客さんは読者ではなく書店さん。
・作家を将来にわたってプロモートするような出版社はない。作家は自分の作品をセルフマネジメントする必要がある。
・出版業界はビジネスの常識から見ておかしい。契約内容が曖昧、お金がいくらか曖昧、締切が曖昧。
・自分が自由になるために「他人が自分を好きになる」ことを犠牲にする。
・アウトプットするほど上達する。
・たくさん読むより、1冊の本を何度も読んで思考して自分のものにする方がいい。

<レビュー>
大沢さんの小説講座本と言ってることがほとんど違うので、面白い。両方一緒に読むと役立つ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年02月06日

チェック項目9箇所。良い小説とは、「こうすれば書ける」では成り立たない「創作」なのである。はっきりしている真実が一つある、どんなに酷い作品でも、誰かは褒めてくれる、どんなに優れた作品でも、誰かは貶す、人間のばらつきは、それくらい広い。あなたが書いたものを読んでくれる人に、あなたが書きたかったものが理...続きを読む解されること、これこそが、文章の最も重要な機能である。作家が続かない理由……デビュー後のビジョンがない、「作家になりたい」一心で努力をしてきた、まさにその動機が、作家になったことで失われる、つまり、作家になること、自分が書いた作品が出版されることがゴールだったわけで、処女作が本になった時点でゴールインしてしまうため、その後の動機が見つけられなくなる、という症状らしい。出版社は自分たちが作った書籍という商品に対して、そのユーザーの意見を集める努力を熱心にはしていない、出版社(特に営業)が「お客」だと認識しているのは、「書店」であって、「読者」ではない。10万部売れる本を作ることは非常に難しい、しかし、1万部売れる本を10冊出すことなら、それよりは容易だ、5000部売れる作品を20作書くことなら、さらにずっとやりやすい。小説にテーマなんて必要ない、読んだあと、残るようなものも必要ない、それを盛り込むな、とはいわないが、わざわざ異物を盛り込んでも、小説の純粋性を失わせるだけだ。最も際立つのは、一つの文章の句点の次に何を書くのか、という選択をする瞬間だ、この一瞬に「視点」がすべてを決める、「どう描写するか」の以前に、「何を描写するか」がある。シーンを描くには、まず「場」が必要である、実際に知っているところ、見たことがある場所を使うのが手っ取り早い。

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Posted by ブクログ 2012年10月27日

私は小説家志望ではないので、特に思うところはなかったのですが、出版業界の内情の一部を垣間見たという気持ちでいっぱいです。

この人のような割り切ったというか、明確化している考え方は好きな方なのでサクサク読めました。

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Posted by ブクログ 2012年09月01日

ザ・理系だよねー。考え方がとても明快で読んでいてすがすがしい。
一方でなんでもお見通しで読者が手のひらで遊ばれてる感がくやしい。(笑)
人の評判に左右されている人が読めば「なるほど!そう考えればいいのか!」ってなるかも。
小説かきたくなるよー。

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Posted by ブクログ 2023年09月26日

著者の思想が色濃く書かれた1冊。小説を書くこと以外にも活かせそうなアドバイスがいくつかあり、勉強になった。

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Posted by ブクログ 2023年09月05日

森博嗣さんの小説論。元大学教授から趣味の為にビジネスとして割り切った上で作家になったと言う異色の経歴を持つ方です。

所謂、現代文で崇められる文芸から遠い距離にあった事が森さんの成功に繋がったんでしょうね。
何せ、"小説家になりたかったら小説を読むな"ですから。

第四章までが実...続きを読む用的だけど、本書のキモは森さんと言う作家の創作論から本人が見える第五章でしょう。抽象的だけど森さん御本人に興味がある人には一読の価値があると思います。

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Posted by ブクログ 2021年12月04日

著者のエッセイをよく読んでいるが、これもそのひとつ。 小説家は元手がかからない職業で、彼もアルバイトとして小説を書き始める。
ミリオンセラーを出すとか、有名になるなど余計なことを考えずに書くことが大事。長く小さいヒットを狙って書くのが彼のスタイル。小説は、それほど人気のジャンルではないので、地道に...続きを読むコツコツと出して少ないファンを守ること。それが小説を職業とするための秘訣。 売るためには、マーケティングの考え方も必要だし出版社とうまく付き合うことも必要。 読者との関係も大事にすること。 でも出版社には言いたい事がある。 出版社は古い体質で昔ながらの営業であり、不手際があっても頭を下げるだけで、改善していくという考え方がないのが不満。
著者は理系なので全てロジカルに物事を進める。 人間関係はドライで、ビジネスと割り切っている。色々な小説家の裏話があって、大変面白かった。 これも小説家として成功してるから言えるのだろう。

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Posted by ブクログ 2018年01月06日

小説家とはどういうものなのか。なるためには書くことが大事であり。またなってからどのようにするのかなどが書かれている。また、出版界の締め切りを守らない悪習について言及している部分はなるほどと思わせるものだった。しかし、読書はするなという部分は納得いかなかった。

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Posted by ブクログ 2017年06月21日

最初の章が面白い。
研究者から、小説家へのなる過程が、普通の小説家の小説への思い入れと全く違う。だからこそ、小説への独特な距離感がでていて、客観的な意見がいえるのだろう。
小説家になることよりも、小説家でいつづけるための努力が必要だというところは、小説家を扱う本に書いてある共通項。

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Posted by ブクログ 2017年02月14日

恥ずかしながら、この本を読むまで作者のことは、知りませんでした。タイトルから少し離れるのかもしれませんが、小説の正体は、何かを文章として簡潔に表現されていると思います。
第2章の中で、「小説は、家庭用品などの実用品ではない。人間の感性を売りものにした芸術的な商品」とあり「新しさ」と述べられています。...続きを読むその点から、「さらに生産する理由」を考える必要があると著者は、言ってますが、素晴らしい古典が多々あるなか、重要な点だと思います。
第4章の中で、世界の中で小説がない国があるが、「どの文化にも、物語の伝承はある。」とし、人間は、「物語に耳を傾ける好奇心と、そこに美しさ、勇気、優しさ、醜さを見出だす感性は、人間という種の優れた機能の一つである。」と述べているのですが、簡潔にして明瞭な一文だと思います。
「なにも混ざっていない小説の美しさは、読んでいるときに素晴らしく酔えて、本を閉じたときにすべてたちまち消えるものである。」にハッとしました。谷崎潤一郎『細雪』がこれだと感じたからです。『細雪』をどう表現したらよいのか、考えていたのでスッキリしました。テーマがどうこうではないですよね。
第1章の中で、「多くの人は、ただ本をひたすら読むだけで満足しているようだ。中略 僕の場合、一冊読めば、一週間はそれについてあれこれ考えたくなる。」とありますが、とても反省させらました。

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Posted by ブクログ 2016年11月26日

 森先生は、「オリジナリティのあるものを生み出すことが最重要」と仰る。これは、小説家を目指すことに限らず、ビジネスも同じだと思います。この本は、すべてのビジネスパーソンの参考になるのではないでしょうか。

 森博嗣先生のこの手の本を読むのは『作家の収支』に続いて2冊目です。森先生にとって小説を書くこ...続きを読むとは、作家になるためだったわけではなく、趣味に使うためのお金を稼ぐための手段だったわけですけれども、「いざ小説を書き始めると、次から次へと発想が生まれ。書いている物語はもちろん、次のこと、その次のこと、別のシリーズのことなど、どんどん発想される。そういう発想が、執筆の邪魔になるくらいだ。」と書かれているように、やはり非凡な人なのだと思います。その森先生からのアドバイスは、「とにかく、書くこと、これに尽きる」でした。

 「大事なのは、“自分はこれを仕事にする”という“姿勢”である。」小説家に限らず、創造的であることが求められる仕事を自分の仕事にしようとすれば、そこには、具体的なノウハウを知っただけでは越えられない壁が立ちふさがっているはずだ。もしかしたら、この本には、その目に見えない壁の存在を思い知らされる事実が描かれているのかもしれません('◇')ゞ

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Posted by ブクログ 2016年01月24日

森博嗣の作品が好きで(と言ってもあまり読んだことはないが)、物書きという職業に憧れている自分にとって非常な好奇を持って読んだが、著者の小説に対する冷めた想いには少し引いた。小説がマイナである、という考えのもとにかなり偏った考えを披露しているが、「創作は贅沢であるべき」「とにかく一本書いてみるべき」と...続きを読むいった考えはその通りだと思った。
森博嗣は天才肌で、誰でも真似できるわけではないが、自分の個性を出して、何が求められているかを考えて創作していくのは結局メーカーでの開発と同じである。ごちゃごちゃいってないでやってみるべきである。

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Posted by ブクログ 2013年08月21日

小説の書き方を指南する本ではなく、作者の小説家人生について語った一冊と言えます。苦労の末に小説家としてデビューした方ではなく、戦略的に小説家人生を歩み出したんだなと、本書の内容からは感じられました。

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Posted by ブクログ 2013年06月14日

初版が1万8000部だった。1冊800円の本ならば10%の80円が印税となり、80×18000=144万円が貰える。本が一冊も売れなくても、印税は発行部数に対して貰えるのだ。〜省略
累計約57万部だと、80×57万=4560万円を1冊が稼いだ計算になる。〜

なるほど〜!
よく分かった!

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Posted by ブクログ 2013年05月19日

名前は知っていたけど、著作を読んだことがない。なのにいきなりこの本をなぜ選んだオレ…。漠然と持っていた人物像と異なり、理詰めに計算していく方だったのが楽しめた。

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Posted by ブクログ 2013年03月08日

小説家になるには?ではなく、小説家という職業を客観的に分析した珍しい?本。
しかも半分くらい(言い過ぎかもしれないが)が出版社に対する苦言w
面白かったです。

目次
1章 小説家になった経緯と戦略
2章 小説家になったあとの心構え
3章 出版界の問題と将来
4章 創作というビジネスの展望
5章 小...続きを読む説執筆のディテール

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Posted by ブクログ 2012年07月13日

どんな仔細で大学教授が小説家になったか、その一部始終を飾り気なく淡々と綴った一冊。目からうろこの、なるほど本。

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