あらすじ
夏休み、友だちが次々と姿を消した。懐かしく新しい、森ミステリィの快作。もう少しで夏休み。新太は公園で、真っ黒な服を着た不思議なおじさんと話をする。それが、ちょっと変わった探偵伯爵との出逢いだった。夏祭りの日、親友のハリィが行方不明になり、その数日後、また友達がさらわれた。新太にも忍び寄る犯人。残されたトランプの意味は?探偵伯爵と新太の追跡が始まる。
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Posted by ブクログ
最初は子供向け探偵小説かな、うまいこと主人公の子供の視点を通して状況をわかりやすく説明してくれるので読みやすいし、と思っていたのだが、
途中からあれ?本当に殺されてしまった?と思ってあれあれ?と言う感じで一気に読まされた。
ラストで犯人を疑ったタネ明かしがあるけど、
気づかなかった〜怪しいって言ってる〜悔しい笑笑
さすが森さん。
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プロの仕事ですね、星5。講談社が「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」と銘打ったシリーズ作品だったようですが、大人と子供、立場を切り替えて読むとまた異なる読後感を得られる構造です。本質を突く平易な文体の応酬が小気味良い。こんな機能性を持った作品に、子供のときに出会ったら、ミステリー好きになっちゃうでしょう。
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子供視点の言葉が心地良くもあり、言ってくれるじゃんとニヤリとさせられるw 子供の素直な言葉だからこそ出る、心に刺さる名言の宝庫。心に刺さったと思っても俺は忘れちゃうから、読み返したい一冊。
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これ、わたしにはとても怖い話だと思いました。
途中までの謎、現れる不思議な人物「探偵伯爵」、謎を解くプロセス、その果のアクション! という展開が怖いのではありません。むしろ、それは女の子が体験した実話をもとにして書いた小説で、登場人物をすべて少女から少年に変えているという現実の否定の感覚がとても怖かったです・・・。単純に「現実との区別をつけるため」なら問題ない気もしますが、そうでもしないとその事件を振り返れないレベルで彼女の心に傷を残していたら、その事件のことを昇華して忘れてしまうために小説にして伯爵に送ったのでは、と思うといたたまれません。深読みしすぎかもしれませんけど(笑)こわいなぁ。読後にしんそこ「怖い」と思った珍しい本です。
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子ども目線で書いているからか、いつもの森博嗣ほど文章がもったいぶっておらず、読みやすかった。森博嗣は正直文章が苦手なので、このくらいがちょうどよい。
凄惨な事件が起こっているのだが、淡々と話が進み、とてもあっさりしている。最後の伯爵の手紙で、これまでの日記のような部分が一部創作だったことがわかるのだが、文章自体も小学生の書けるレベルではなく、年齢さえも偽りだったのではと思ってしまった。
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やはり森博嗣さんは凄いね。
物語そのものの複層構造も
ニヒリスティックかつ
ペシミスティックな
小学生の独白で
事件を語らせ
それゆえに高まる
緊迫感に読者を惹きこむ
老練な筆運びも
52冊目にして
まだまだ読み足りないと
感じる作家は
森さんだけなのだ。
中毒のように森作品を
買い漁っていた頃から
数年が経過した。
そろそろまた…
森博嗣の世界に戻りたくなった。
子どもの純粋な心でとらえた
殺人に対する倫理観には
これまでとは少し違う
森さんが見えたような気がする。
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小学生の「僕」とアールと名乗る「伯爵」が、ある日公園で出会い、そのうち失踪した子供の捜索をすることになる話。小学生の「僕」がストーリーを語る構成になっていて、言葉は幼いが、鋭い部分もあり、子供独特なユーモアもあり、わかりやすくておもしろい。内容は幼児誘拐殺人事件というディープな話なのだが、さらっと描かれていて、読後に考えさせられた。最後に明かされるトリックはいい感じに「あ~れ~」とやられた。よかった。
Posted by ブクログ
もう少しで夏休み。新太は公園で、真っ黒な服を着た不思議なおじさんと話をする。それが、ちょっと変わった探偵伯爵との出逢いだった。夏祭りの日、親友のハリィが行方不明になり、その数日後、また友達がさらわれた。新太にも忍び寄る犯人。残されたトランプの意味は?探偵伯爵と新太の追跡が始まる。
主人公の瑞瑞しい感性が可愛い。
会話だけでも楽しめる。
Posted by ブクログ
表紙カバーが美しい。
読み始めは児童書っぽいなぁと思ったけど、
終わってみれば子供らしいハッピーエンドじゃなく殺人事件だし、森さんの持論が込められた文章にはいつも通り考えさせられた。
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さわやかに始まる。
サクサクと読み進めていくと、だんだんゾクっと怖くなる。
さわやかなまま終わるわけなかったよね、だって森さんだもの。
あ~ネタばれになってしまいそうで詳しくレビューできません。
とにかく、最後になるほどね、と納得。
あの年頃特有の視点での観察眼だとか、大人びた物言い、これってこの結末だったら腑に落ちるわ。みたいな。
そこまで表現してしまう森さんがやっぱりすごいな、と。
若干、森さんの「今はもうない」の系統です。
Posted by ブクログ
森さんのシリーズ外の小説です。
タイトルと最初の数ページから受けた印象は、「少年と不思議なおじさんとの出会い、ちょっと不思議な事件、ひと夏の冒険と心温まる思い出」みたいなものだったんですが、読み進めてみると、心温まる話ではなかったです。
子ども目線から見た誘拐事件で、文章からライトな印象を受けてしまうけど、実は全然ライトじゃなかったです。
新太くんはかなりマセガキな感じでしたが、たぶん私も子どもの頃大人に対してこう思ってたことあったなーっていうことも結構ありました。
文章は新太くんの日記ということになってるので、あれ?そういえばあれって結局なんだったんだろう?っていうところもありました。
最後の仕掛けからして、意図的にあえて新太くんは書かなかったんじゃないかなというところもありました。
心は温まらないけど、何か不思議な気持ちにさせてくれる、そんな話でした。
Posted by ブクログ
「かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド」
というシリーズの中の1つらしい。
主人公は、こまっしゃくれた小学生の新太(あらた)。
奇矯な言動の伯爵と、理屈屋の新太。
探偵小説というよりは、冒険小説っぽい感じかな?
新太目線の物語だから、印象としては柔らかめなんだけど
そこで語られている事は結構残酷だったりします。
それを会話という形で社会の歪みというか物事の本質みたいなものを
改めて問いかけれらているような気がします。
あぁ~!だから「かつて子どもだったあなた・・・」なわけね。
物語の最後には、仕掛けが施されております。
そういうところが森博嗣なんだなぁ~と改めて思ってみたり。
Posted by ブクログ
僕が夏休みに出会った不思議なおじさんは伯爵と名乗った。
国語が苦手な僕・新太が書き始めた日記。何気ない日常は、友だちが行方不明になったことで、徐々に不穏な空気を醸し出していく。
子どもの読者を意識してか、かなり読みやすい文章になっている。しかしなかなか侮れない。さすがとしか言いようがない。
ラストで驚きの事実が待っている。人によってとらえ方が違うので、結局どういこと?どうしてそうだったの?という部分はあるものの、最初にあるとおり、これは僕・新太が書いているということで納得できる気がする。
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ミステリーランド版が出た時から気になりつつ、文庫化を待っていた1冊。
主人公は小学生。
文体はいつものように難しい理系用語などは出てこない。
ある日、主人公は“伯爵”と名乗る男に出会う。
謎めいた伯爵とひょんなことで友達になる。
そんな中、主人公の学友が1人、いなくなった。
神隠し?誘拐?
-いや、殺人。
徐々に姿を現す事件の暗い形相。
やさしい作品に見えていた、いきなり、すぅっと空気が変わる。
小学生と、殺人事件が交錯する。
伯爵は何時の間にやら色々と調べており、主人公もいつの間にか事件の核に触れようとしていた。
そして、事件の終末。
明かされる、伯爵の素性、思わず、ほろっときた。
…それで終わらないあたり、さすが森ミステリというか。
すとんと着陸したはずの地面がふわふわの泡に変わってしまった。
やーい、油断したな。
と、森さんに思われている気がした。
Posted by ブクログ
伯爵が何者なのか気になって、飛ばし読みしそうになりました。僕が友達に対する感情があっさりしていて、小学生ってそんなものなのかなと思ったけれど、最後の逆転から見てそうではないのかも。淡々と書き記してるだけで。。
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とても面白おかしくて、読みやすい作品でした。
小学生の僕に事件の残虐性をはっきりと告げる伯爵とのやり取りに驚きながら頁をめくっていきました。
大人はいつまで経ってもずるいですね。
Posted by ブクログ
小学校にあって、その時に読んで覚えていたけれど、高校生になって森さんの作品だと知った本。
段々と深刻になっていくお話、事件の残虐性、小学生だったので怖くてでも面白くて読み進む手が止まらなかった。
確か昔少年少女だった大人に贈るミステリとかの企画の中の一冊だったように思うのだけれど、有栖川有栖さんや島田荘司さんなど小学生の私には色々な出会いがあって、今思うと非常に懐かしい。
Posted by ブクログ
なんというか、本当に大人の人が書いたんだろうかと思うほど、子供の視点で書かれていました。
私も子供だった頃があるのに、気が付けば自分は何を考えていたのか、なにを疑問に思っていたのかはすぐに忘れてしまいます。
この小説は、とてもたくさんの疑問が飛び交っています。このことに関して、どうしてこんな風に考えるんだろう、と不思議になりますが、けれど、子供の心の中の言葉を見ていると、そう考えるのが当たり前の流れのように思えてくるから不思議です。
内容はミステリーで、結局、最終的にあまりいい結果とはいえないのですが、全体的に温かい雰囲気に包まれていて優しい文章です。
読み終わった頃には、自分も子供に戻れたような気がします。
Posted by ブクログ
ある少年の一夏の変わった冒険。ひょんなことから事件が起こり、探偵伯爵と出会う。そして物語が進むにつれ、悲惨さが増していき、最後には驚きの真実が。たまに難しい言葉が多く、読みづらいミステリ小説があるが、本書は少年の視点から綴られているので、難しい表現は少なく、全体的に読みやすかった。
Posted by ブクログ
森氏の小説は大昔(「理系のミステリ」と呼ばれてた頃)に、何作か読んで、会わないわと思って、ずっと読まないでいたので久ぶり。子供が書いたものという設定の文章は、実にらしく、かつ読みやすくてさすが。法律とか処罰とかに対して、吐かれる言葉がなにげに深い。そうだよなあ、司法にとって一番大事なのは次を起こさせないことで、罰することじゃないんだよな。ただトリックらしいトリックもなく、ミステリとしてはかなり緩い。そういえば大昔読まなくなった理由の一つが、トリックがしょぼいだった。
Posted by ブクログ
講談社ミステリーランドで刊行された作品を文庫化したもの。確か再読。子供向けらしく文章がだいぶ読みやすく書かれており最初の滑り出しも森先生の作品の中でもかなりマイルド。しかし段々と不穏な気配を漂わせてくる。オチとしては森先生らしくありながらも少年少女向けになっていて多少物足りなさはあったかな。
Posted by ブクログ
ノンシリーズの森博嗣とは知らずに読んでいたので、いつ誰が誰って繋がるのかとdkdkwkwk!!1
ノンシリーズだったのですけどね。はい。
子供の視点からのミステリで、何だか複雑な気持ちになったのです。
実際に子供がそう思っていたならば「なるほd。コドモの心理ってそう言うものなのかあ……」って感心しそうなものなのですが
何せ中の人は森博嗣。
乙一のデビュー作みたいな気持ちで読んだらいいのかな?とも思ったのですが、あれは本当に乙一は子供だったし……
じゃあ、道尾の向日葵っぽい感じかな?とも思ったのですが、どうも何か違うのですよ。
子供がとってもコドモなのですよね。
子供の心理が本当に野生のコドモなのですよね。
結論としては、「きっと森博嗣が子供だったらこんな風??」……と言う分けの分からない気持ちで読んだのでした。
そう前提してみると、
子供ながらの気持ちの流れとか、揺れとか、心配することや突っ込みの内容がなかなかシニカルだったり幼かったりで、結構ニヤニヤだったのですよ。
ちゃんと大人の世界を雰囲気だけでも汲み取っているところとか
大人の関係を想像したりするところとか
大人主人公だったらこう言う瑞々しい?感じにならないのですよね
ミステリとしては、余り印象深くはないのですが、少年と伯爵の繋がりがとても「いいなぁ」とほんわかしてしまうお話だったのです
Posted by ブクログ
小学生の新太の目線で書かれているからか、とても読みやすい作品。
新太くんの着眼点や、大人たちに向けるなにげない疑問に対して、なにこの小学生マセてんな!と思う半面、でも子どもってたしかにこんな感じだなぁと思ったり。
しかしながらラストには驚き。散々殺人を匂わせたけれど、ハリィとガマは生きてるオチを想像してただけに、ちょいちょい顔を出す残酷さにリアリティを感じる。あと小学生にすっかり騙された気分!
一人称小説ならではのトリックにはいつもいつも、まんまと騙されるんだな。
それにしても、森さんの小説にしては、なんだかいつになく読みやすかったように思います。
アンガ田中さんの解説も的を得ていて、好き。
Posted by ブクログ
主人公の僕と、怪しさ満点の探偵伯爵のお話。
夏休みの日記というような形式をとっているけれど、結構な読み応えと、要所要所に考えさせられる描写もあり、なかなか面白かった。
人が人を殺すということは、悪いことというよりは、嫌なことだ。
という文に、納得した。
Posted by ブクログ
なんか急いで書いたのかな?
あんまり面白くなかったような感じがしてしまった
まぁ、他のシリーズものと比べちゃうとってレヴェルでね
なんか俺、子供っぽい文章苦手みたいだ
テンポや内容は良かったんだけど、視点だな。
それさえ耐えられれば、もう1つ星がついたと思う。