感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年03月15日
複数回読み返して、やっと感想を書けるまで整理できた。それほどまでに、天才「四季」の思考は広大だと感じた。
ある章に四季と娘の会話とも解釈できる箇所がある。
その深さ、趣き、静謐さ、ほのかな温もりの美しさに何度も読み返してしまった。
この数ページを読むだけでも価値があると、私は思っている。
『祈り...続きを読むにも似た、美しき完結編』
帯に書いてある「祈り」という、その言葉がこれほど似合う小説もなかなかないと思う。
Posted by ブクログ 2021年04月16日
最初の犀川先生と四季の再会しか覚えてなかった。
100年シリーズのことがサラッと書かれてるけど、はたして初読の時に私は分かっていたのかどうなのか。全然覚えてなかったから、素直にえっ!てなったし読んでて楽しかった。
あっという間に過去から現在を通り越して未来。はやく、はやくGもXも読んでその先の世界を...続きを読む知りたい!なんなら100年シリーズもまた読みたくなってくる。。赤目姫の時間軸っていつなんだろう。。
真賀田四季、本当に魅力的なキャラクタだなあ。あー面白かった!
Posted by ブクログ 2017年04月06日
【あらすじ】
生と死そして時間。 すべてを超越し存在する、四季。 天才の成熟と到達。「四季」4部作、美しき完結編。 「それでも、人は、類型の中に夢を見ることが可能です」四季はそう言った。生も死も、時間という概念をも自らの中で解体し再構築し、新たな価値を与える彼女。超然とありつづけながら、成熟する天才...続きを読むの内面を、ある殺人事件を通して描く。作者の1つの到達点であり新たな作品世界の入口ともなる、4部作完結編。
【感想】
この話は、春、夏、秋、冬、の中で一番難しかった。時系列がバラバラな気がして読みにくい気がした。これは四季の記憶の中の話?でも、四季と基志雄が会話しているシーンはとても穏やかで和んだ。一番印象に残ったのは、久慈昌山博士が四季のところに訪れて話したこと。あまりにもそれが衝撃的すぎて、さすがの四季も一瞬だけれど反応に迷った気がした。そこに人間らしさを感じて何となくホッとしている自分がいた。天才で感情がないように見えてしまう四季にも、ちゃんと感情があって、生身の人間であるということを思い出させてくれた。この衝撃的な事実は今後何か、他のストーリーに関係してくるのだろうか。そして真賀田四季も、森博嗣はまだ他のどこかで、登場させてくれるのだろうか。わたしはそれを密かに楽しみにしている。
Posted by ブクログ 2017年04月04日
ぐわあぁって感じで様々なシーンが現れてくる。
四季の視点から見たs&mやvシリージにただただ感動。
《春》と同じ四季視点で話が進むからなかなかヘヴィーだけど、大人になった《冬》の四季が私は好きだわ。
子供はみんな天才の下りが好き。確かに生まれた時が一番視野が広いよね。見えてないけど。
成...続きを読む長とともにモラルやルールという枠にはめられて、みんなが同じ考え方を持つようになる。
あー。今回は森さんの名言集みたいでほんとに良かった。
さ、次は百年シリーズかな。
Posted by ブクログ 2016年11月17日
四季シリーズ第肆段。真賀田四季博士の時間の捉え方が特殊過ぎて、作中の時間軸がワケ分からん状態で「一体今いつなんだ?」と何回も自分に問い掛けました...^^;; また、儀同家での犀川先生との再会時、何故『彼は気づかなかったのか?』と云う謎の解明には・・いや~ 言葉にならない想いが込み上げましたよ、ホン...続きを読むト。次は“Gシリーズ”か“百年シリーズ”に行こうかしら^^
Posted by ブクログ 2018年05月20日
「人道的という言葉だけの価値観に束縛されている人たちには、きっと理解できない。何故、生きている牛や豚を殺してそれを食べるのか? それは人が生きていくため。では、自分が生きるためならば、何が許されるのか? 生命を奪う相手が人間ならば、それは罪なのか。たとえ、殺される本人が許しても、その行為は罪なのか。...続きを読む」
「その一方では、時が経ち、待っていれば、人は誰でも皆、死んでしまう。つまり、殺すことが可能なのは、生きている間だけです。生命体は、何故、死ぬのか。新しい生命は、古い生命の死の上に成り立っている。それが自然の摂理。花は枯れて、実をつける。実は落ちて種となる。多くの動物は、産卵のために死ぬのです。では、死が時間的に早まることは、いったいどれほどの意味を持つのでしょう?」
「結局のところ、抽象できる一般性とは、やれることを、やれるうちにやる、やらないよりは、やった方がなにか新しいことを感じることができる、何かを得るかもしれない、そして、得ることによって初めて、なにかを拒否できる。また、生み出すためには、常に破壊が必要なのです。新しいものを生み出す行為は、必ず、拒否と破壊が伴う。生み出すとは、生まれるとは、元来がそういうものなのです。新しさが、古いものの否定にある以上、避けられません」
「人類はどこに行くのでしょうか?」
「どこへも行かない ー けれど、文明は前進しています。歴史的に見ても、大きく後退したことは一度もない。常に、より豊かに、より公平に、より合理的に、より便利で快適に、修正を続けてきました。全体合意が得られているわけでもないのに、こういった正しい方向性を持ち得たことが、人類の持つ最も不思議な力の一つだろう、と思います。この点では、少なからず楽観して良いでしょう。個人の生命を無駄に扱った数々の事例に比べれば、大いに希望が持てます」
『目を逸らし、気づかない振りをしている。
最後まで。
生きていることの価値を、なにも信じていない。
信じようとしない。
生まれたときから、死にたがっている生きものなのだ。』
「無限というのは、幾つからだと思う?」
「君らしくなかったね」
「私らしくない ー 私らしくないこと、それが、新しい私らしい」
「新しくなることで、切り捨てようとしたものは、何?」
『血を流そう。
私の血で良ければ。
死んであげよう。
何度でも。
貴方のために。』
「よくわかりません」
「そう…、それが、最後の言葉に相応しいわ」
「最後の言葉?」
「その言葉こそ、人類の墓標に刻まれるべき一言です。神様、よくわかりませんでした…ってね」
「人の感情の中で、最も単純なメカニズムだといえるものは何でしょうか?」
「悲しい、という感情だろうね」
「しかし、それは人間に特有のもののように思えます。複雑な頭脳を必要としているのでは?」
「最もベクトルが見やすい。信号が明白で強い。だからこそ、記憶に強く刻まれるのではないかな。楽しいことや、嬉しいことなど、たかがしれている。いずれは忘れてしまうだろう」
「複雑だから、残るのかもしれません。嬉しい、楽しいの方が、単純に思えますが」
「何故、そんなことを?」
「そこに、生命維持の鍵があるのでは、と思いました」
「その矛盾は常につきまとうもの。矛盾の壁を乗り越えないかぎり、新しいシステムは生まれない」
「どこに行きたい?」
「わからない。でも、ここではないところ」
「何がほしいの?」
「わからない。でも、ここにはないもの」
「死を恐れている人はいません。死にいたる生を恐れているのよ。苦しまないで死ねるのなら、誰も死を恐れないでしょう?」
「おっしゃるとおりです」
「そもそも、生きていることの方が異常なのです。死んでいることが本来で、生きているというのは、そうですね…、機械が故障しているような状態。生命なんてバグですものね。」
「バグ? コンピュータのバグですか?」
「ニキビのようなもの……。病気なのです。生きていることは、それ自体が、病気なのです。病気が治ったときに、生命も消えるのです。そう、たとえばね、先生。眠りたいって思うでしょう? 眠ることの心地良さって不思議です。何故、私たちの意識は、意識を失うことを望むのでしょう? 意識がなくなることが、正常だからではないですか? 眠っているのを起こされるのって不快ではありませんか? 覚醒は本能的に不快なものです。誕生だって同じこと……。生まれてくる赤ちゃんって、だから、みんな泣いているのですね……。生まれたくなかったって……。』
「貴女は、死ぬために、あれをなさったのですね」
「そう、自由へのイニシエーションです」
「警察に自首されるのですね?」
「自首したのでは、死刑にならないかもしれませんね。死刑って、いつ執行されるのか教えてくれるのかしら? 私、自分が死ぬ日をカレンダに書きたいわ。こんな贅沢なスケジュールって、ほかにあるかしら?」
「どうして、ご自分で…、その…自殺されないのですか?」
「たぶんほかの方に殺されたいのね」
「自分の人生を他人に干渉してもらいたい、それが、愛されたい、という言葉の意味ではありませんか? 犀川先生。自分の意思で生まれてくる生命はありません。他人の干渉によって死ぬというのは、自分の意思ではなく生まれたものの、本能的な欲求ではないでしょうか?」
Posted by ブクログ 2023年07月02日
四季シリーズ完結。
ですが、これは次につながってるんですかね。
100年シリーズかな?
それはそれは長い。苦笑
四季人間離れしているのかと思いきや、
喜怒哀楽のようなものを垣間見せたり、
矛盾を認識して受け入れたり。
最後のエピローグはなぜかエヴァンゲリオンの漫画のラストシーンを思い出しました。
Posted by ブクログ 2022年10月09日
第4弾
真賀田四季とは誰だったのか、なんだったのか。実態はあったのか、同じ世界に存在するのか…これがシリーズというよりも、他の全てのシリーズを繋げるもののようで、わかったことと、混乱するところがたくさんある。再読だとかなり読みやすくなっているのは、ある程度登場人物も背景や関係性が見えてきているから...続きを読むだろう。 叔父への愛は本当か、犀川への愛はどういうものか、それがそうと自覚しているのか。またいつか、読みたくなる。
Posted by ブクログ 2021年11月06日
S&Mシリーズに登場した天才科学者・真賀田四季の内面を描いた物語。四季シリーズ4部作完結編。
真賀田四季の内面が描かれているので、あえて時系列は混ぜられています。物語の中に他のシリーズにつながる事件が書かれています。
四季シリーズはS&Mシリーズ、Vシリーズ、百年シリーズ第1作を...続きを読む読み終えてからでないと、物語の意図がつかめないと思います。
Posted by ブクログ 2021年07月18日
何度目かの再読。四季シリーズ第四弾にして最終巻。天才の今までの総括にして更なる発展の源といえる物語。特筆すべきはこの時点でもうウォーカロンが登場していたことか。真賀田四季とはなんなのか、そう問い続けることこそが重要なのだろう。
Posted by ブクログ 2019年08月28日
シリーズのこれまでの作品よりも、現実離れしている。
だけど、いろんな出来事の種明かしをしている。
生きるということはどういうことか?
死ぬということはどういうことか?
自由であることはどういうことか?
Posted by ブクログ 2018年06月23日
四季シリーズはS& MシリーズとVシリーズを読んでいないとわからないでしょうが、読んだ人にとっては、次のシリーズを匂わせる絶妙な展開でした。ファンにとってはオールスター作品ですね。
Posted by ブクログ 2016年12月02日
いつの時代なのか、どこなのかわからないまま進んでいく浮遊感が。
あぁ、そうだったのか!とまた膝を打ち。
今後の作品で、彼女が関わってくるのかどうか、どう表現されるのか、気になるところです。
Posted by ブクログ 2016年10月21日
複数のシリーズを跨り、途轍もなく長く続いた天才・真賀田四季博士の物語も遂に終焉。
本シリーズのラストに相応しく内容の多くは抽象的かつ暗示的、比喩的であり、一部分は具体的に書かれているものの、本質は読書自身の理解に委ねられている。
人間の知能とは、感情とは、記憶とは、生と死とは。最後まで読んだからこそ...続きを読む、もう一度最初から長い旅路を味わってみたくなりました。
ただ、長いからなぁ。。。
Posted by ブクログ 2016年07月18日
自分の人生を他人に干渉してもらいたい。それが「愛されたい」と言う言葉の意味ではありませんか?
天才真賀田四季博士がこんなことを言うなんて、まるで人間みたいじゃないか。
でも、心から同意できる大好きなセリフ。
Posted by ブクログ 2023年11月13日
真賀田博士の過去と、S&Mシリーズのその先の話。とりあえずS&Mシリーズ読んだ人は全員読んだ方がいい。理解不能な天才の過去と、気になって仕方ない犀川先生と萌絵の先と、四季のその後が知れる。ある真相を知り即座にVシリーズの興味が爆発した。そっちも読もう。
Posted by ブクログ 2022年01月19日
「分かりませんでした」と書くのが一番感想としてはいいのでしょうか。
冷たいイメージの四季は人間的?な温かみを帯びていくように感じました。
Posted by ブクログ 2020年11月23日
文学的で抽象的で幻想的なお話でした。わたしの理解力では時代がどこなのか終えませんでしたが、四季の細胞が、、、という今後に繋がりそうな重大なエピソードがあり、楽しみです。
Posted by ブクログ 2018年08月25日
書いてあることが理解できない、納得できない、受け入れられない矛盾。全てが偽りだと信じることも出来るし、信じたところで、どちらも差はないのかもしれない。
故に、私の感想はただ一言。
「神様、よくわかりませんでした」
Posted by ブクログ 2018年05月22日
時間の流れに自分が追いついていけなくて, 抽象的な理解のまま読み終えてしまって不完全燃焼。
100年シリーズ読めば分かるの?
迷子になりました, 四季さん。
そんな私は切り離せないタイプの人間なのだろう。
Posted by ブクログ 2018年04月05日
なんだか秋との落差があり過ぎて頭が付いて行かなかった。
もっとゆっくりじっくり読むものだったな・・・。
これかWに繋がっていくのかなぁ??
それとも読んでいない他シリーズも挟んでくるのかなぁ??
Posted by ブクログ 2018年01月06日
四季シリーズ第四弾。完結!この巻の時代は正確にはわからないがおそらく未来なのであろう。内容がぶっとびすぎて理解するには時間がかかるが、天才というものはこんなものなのかもしれない。今シリーズを通して他のシリーズへの橋渡し役にもなっている。
Posted by ブクログ 2017年09月18日
3
四季の視点で語られる過去現在未来。精神と肉体の隷属関係。久慈博士によるミチルの精神移植。生死、VR、時間の超越。ふわふわしている感じもあり若干わかりにくい。四季の成熟していく様を描いているよう。全てはFになるから100年後の会話も。もう少し具体的だと分かりやすいが、なかなか面白い。
Posted by ブクログ 2017年06月25日
四季シリーズ最終巻。
「春」と同様に難解だ・・・。
場所はどこなんだろう。これは何時の話なんだろう?
夢の中なのか、はたまた現実なのか・・・。
長し読みではちょっと理解に苦しむところがある。
今ここまで読み終えて思うことは、
「すべてがFになる」から再読したいなぁということ。
もう一度...続きを読む読むと、何かを掴めそうな気がする。