【感想・ネタバレ】相田家のグッドバイ Running in the Bloodのレビュー

あらすじ

紀彦(のりひこ)にとって相田家はごく普通の家庭だったが、両親は変わった人だった。母は整理収納に異常な情熱を傾け、孤独を愛す建築家の父はそんな母に感心していた。紀彦も結婚し子供ができる。やがて母が癌で亡くなり、父も看取りのあと自ら入った施設で亡くなる。その後、家のあちこちに母が隠したヘソクリが出現し……。限りなく私小説の姿を纏(まと)った告白の森ミステリィ。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

森氏の私小説のような私小説ではないような
父、母、私の物語。

親が子に与える影響、家族の在り方、老いとの向き合い方、死の捉え方、相田家を通して色々と考えさせられる物語。

私か!
私の父親か!!
私の母親か!!!
と思えるエピソードや思想があまりにも多かったので驚きでした。

サリンジャーのナイン・ストーリーズに続いて私のバイブル2冊目に登録しました。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

「相田家」という森博嗣のほぼ自伝らしい。
世間からは少し変わり者のような紀彦(森博嗣)の両親が駈落ちをして、紀彦と妹が生まれ、その子供たちがそれぞれ自立し家庭を持ち子供が生まれ、年を取った両親が亡くなるまでの話。

特別なことは起こらないけれど、一つ一つのエピソードが独特で微笑ましい。
世間体を全く気にせず、合理的に生きているけど、実は愛情深い相田家の人たち。ドラマのようなほのぼの、ベタベタした関係じゃなく、それぞれが自立した大人で互いを尊重しつつ依存しない親子関係が潔くてよかった。
親の介護や実家の処分、お葬式のあり方などもものすごく参考になった。

世間の常識にとらわれず、自分の家族の在り方を今一度考えよう、って思えた。

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2023年10月19日

Posted by ブクログ

私は紀彦さんとは似ても似つかない性格だと思うけど、何故か紀彦さんにとても感情移入しました。
置かれてる環境がなんとなく似てるからなのか、彼が発する言葉に逐一頷いていました。

森博嗣先生の私小説との事ですが、物凄い告白のような気がします。

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2022年03月09日

Posted by ブクログ

淡々と終末について述べられていく私小説。
著者のこれまでの著作にも通ずるような記述が多いが、あくまでフィクションであるので、どれほど事実が記載されているかは不明です。
しかし今回描かたことは、日本中で多くの家庭が直面していることであり、今後自分にも訪れるだろうとシミュレーションしながら読み進めました
…最後の一言でそんなこと吹っ飛んだんですが。

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2017年01月03日

Posted by ブクログ

本当に本当に面白かった!

森さんのお話は何冊も何冊も読んできたけど、今回は初めて彼の本を読んだ時を越える衝撃があった。


あああ、彼のお話にはきっとなかったトリック?しかけ?を話してしまいたい。あってるかどうかは、知らんけどたぶんこう!っていうやつ。

あーもー興奮した!!

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2015年09月29日

Posted by ブクログ

先日単行本版を読んだばっかりだけども、文庫版が出ていたので、再読。
解説が加えられているのと、文庫の大きさになっているという違い。

やはり、この静かで暗い感じはいいな。

最終的にどうなるのかを知っているので、また違う読み方ができた。

最終的にあそこに収束していく家族の形。

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【内容(「BOOK」データベースより)】
普通の家庭だったけれど、ちょっと変わった両親。最後に息子がしたことは破壊だったか、それとも供養だったのか?さよならだけが現実だ。血は争われない。森博嗣の家族小説。
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【著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)】
森/博嗣
1957年、愛知県生まれ。作家、工学博士。国立N大学工学部建築学科で研究する傍ら執筆した小説『すべてがFになる』で1996年、第一回メフィスト賞を受賞し、作家デビューする。以後、次々にベストセラーを発表、不動の地位を築く
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2014年12月30日

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帯には森ミステリィとあるが、全くミステリィ要素はない。
森博嗣の私生活を描いた(と思われる)私小説であり、人生観、家族観、夫婦観、親子観等々について、共感、あるいは考えさせられる部分が多かった。

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2014年12月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大どんでん返しがあるわけでもなく、強烈なシーンがあるわけでもない。だからこその生々しい質感が、本の中の世界と現実をなめらかに接続する。ある家族の、それぞれを生きる人たちの考えを追い続けたことで、自分の家族のこと、見なければならない現実に改めて思いを馳せることになった。良い読書体験だった。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

本書を読んでいる時に、映画「どうすればよかったか?」を観たり、自分の家族親族に色々あったりと、家族と言うものを強く意識させられた。
親子、夫婦、兄弟の関係、そして病気が重くのしかかる。基本は助け合っているけれど、それぞれのプライドが優先されたりすることもあり、なんだかちぐはぐしてくるものだ。

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2025年07月12日

Posted by ブクログ

「喜嶋先生の静かな世界」の、世間の常識とは少し距離をとっているような淡々とした世界が好きなのだけど、その感じと地続き。
相田秋雄と紗江子という夫婦とその子どもたちによって、一定の期間だけ存在した家族についての記録のような物語だ。家族は自然消滅していき、新たな家族関係が生まれる。これを、連綿とした一つの道のりに繋げようとすると、「イエ」という概念になりそうだけど、繋がりはもっと緩くていいのに、と思う私には、頷ける言葉があちこちに散らばる物語だった。親には親の人生があり、子には子の人生がある。シンプルだ。

「君の幸せの中に、子供たちを入れることは、どうかなと思う。それはやっぱり、エゴじゃないかな」

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2023年03月29日

Posted by ブクログ

老後について考えさせられた。
自分は紀彦に共感できる。が、親や子どもが同じ価値観とは限らない。以前、老後の資金をしっかり貯めている母に、自分がしてもらったことに感謝する気持ちを込めて「老後の面倒を見るより、子どもをちゃんと育てることが親孝行だと思っている」というようなことを言ったら、あんたは冷たい、と嫌がられた。それが一般的なんだろうな。でもその時は、母が普通の考えを持っていることに驚いた。

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2021年02月14日

Posted by ブクログ

森博嗣の自伝的私小説
と評価されているようだけど、そんなに一致点は感じないなぁ
これまでエッセイやら日記やらで語られてきたことと、若干の違いが見られる
その辺の違いを自分の中でどう補完するかが大事

僕もこの人達みたいに論理的に生きたいという願望がないわけでもない
ただ、そこまで徹底してできる素養もないんだけどね


読んでて一番膝を打つような部分は解説だったりする
ま、奥さんに言いたかった一言というその考察すら森博嗣の手の中という可能性も否定しきれないけどね

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2016年10月26日

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両親が亡くなるあたりから、じわじわ。
去年亡くなった祖母のことが思い出されたし、
親のこと、自分の生き方はどうなのかと。
ちょっと哲学的であこがれる。
解説読んでちょっとにんまりしちゃった。

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2015年01月29日

Posted by ブクログ

自叙伝的小説なので軽く読めるかと思ったら正月早々重かった^^;若い頃に読んだなら響かないだろうし、今読んだらわかりすぎて胸やけする。もっと年を取ってから読んだらどうだろうか?開き直るか(笑)親を見送ったあとの解放感と書いてあったが何となく共感。この解放感って決して親に縛られてた苦しさじゃないし、脱力とも違う。フッと軽くなる。そしてそこから自分を見つめ直す。本での息子の老後はちょっと現実離れかなぁ。結局、お金遺してくれたから出来るんじゃーん(ー ー;)ってひねくれてしまう自分はまだまだ修行必要かー

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2015年01月06日

Posted by ブクログ

『大人になったら、自分一人の力で生きていくしかない、誰も助けてはくれない、自分で考え、自分で判断し、すべてを自分でできるようになりなさい、と。』

『鬱陶しいほどの存在感というものが、仏壇の主たる機能だ。』

『ランドセルを買うとき、紗江子はデパートへ紀彦を連れていき、好きなものを選びなさいと言った。どれも同じに見えたけれど、壁の高いところにスカイブルーのランドセルが飾ってあったので、あれにすると答えた。紗江子はにっこり笑って、それを買ってくれた。あんな色やめておきなさい、と言うか言わないか、その親の価値観が、こういった機会に子供に継承されるのである。』

『自分の始末は自分の中でつける。それが人間の尊厳であり、すなわち幸せだという価値観である。』

『何があるかわからない。どうせ借家なんだし、いつでもリセットできる。
そうか、自分の躰だって、借家みたいなものだ。最後は返さなくてはならない。』

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2014年12月21日

Posted by ブクログ

「限りなく私小説の姿を纏う」と書かれているがそれがどれぐらい本当かはわからないのでそこは置いておくとして、この本を読んでいると色々と考えさせられる。人生とは、家族とは、親とは、生き方とは。特に家族について考えた。自分が子供の頃には見えなかったものが親になると見えてくる。逆に親になると子供の頃に自然と備わっていたなにかが失われていく。でもそれが当たり前で普通な事。私もいつか誰かに「ありがとう」を言いたい。

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2019年10月05日

Posted by ブクログ

森氏自身の内容と謳いつつもどこか一つの物語であり、
何か胸の中にワクワクとしたものを抱きつつ読み進めた結果、
最終的に床がなくなったみたいにストンと全てが終わった。

へ…?という感覚が抜け切らないまま、後書きを読むと、
そこに欲しかった感情が全て描かれていました。

後書きが全てを物語ってくれた。
この本に対する満足感はそれで十分得られたように思います。

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2017年12月26日

Posted by ブクログ

普通ではないと思っていたけど、本作を読むことで森博嗣のパーソナリティーの根底が僅かながら理解できた気がする。

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2015年06月23日

Posted by ブクログ

父の生き方と、それを支えた母のお話がメインストーリーな気がした。
やっぱ、紀彦(森さん)のような考え方で生きていけたらいいなぁ。

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2015年03月02日

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