【感想・ネタバレ】科学的とはどういう意味かのレビュー

あらすじ

「先生は、幽霊を信じますか?」――国立大学の理科系の授業で、著者は何度もこう質問され唖然とする。彼ら学生は、幽霊が物体だと思って訊いているのか、あるいは現象だと認識しているのか。かように若者の科学離れはもはや危険域まできている。俗説や占い、オカルトなど非科学が横行する今、工学博士で人気作家の著者が、個人レベルの「身を守る力」としての科学的な知識や考え方を簡潔に講義。

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感情タグBEST3

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いわゆる「理系」の自分にとって、すごく大切なことが書かれていると感じた。特に、数字とか量とかのイメージを確かに持っておくべきという主張に共感する。計算ミスによる重大なミスに気づくためにも必要だと思う。

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2025年05月07日

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知識も大切だが、方法を学ぶことも大切。科学的な考え方は方法を理解すること。誰もが再現できること。再現性!まさか、ここでこのキーワードと再び巡り合うとは(若い頃、仕事のFBで知った単語)。仕事だけではなく、生活にも取り入れたら?と言われた気分。

生物としての直感も好きだが、人類が発見した数々の方法を理解し、生きやすい人生にしていきたいと思う。

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2024年08月10日

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科学を正しく、そして前向きにとらえた本です。
「科学では説明できない〇〇」「理屈で考えない」みたいな話は、大衆が飛びつきやすい話題なのかよくありますが、それってどうなの?と考えさせてくれます。
正しい判断力を付けられる本だと思います。

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2022年01月26日

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非科学的なこと(占いとか)が好きな自分にはグサッとくるところもあったけど、確かに科学を必要以上に敵視したり、少しの理屈も知ろうともしない態度は、たくさんの科学で成り立っている今の世の中を生きる上では危険なことなのかも、と思った。
あと、子育て中なので、幼少期のテストだけで、この子は文系なのね…と早々と決めつけることだけはしないでおこうと思えた。

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2021年10月08日

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科学とは? ということを理解するのに最適な入門書。身近で、もはや誰もかかわらずに生きていけない科学。科学について、一般の人間が理解しておくべき視点について簡潔に示してくれている。
非科学的なものを非難するのではなく、何が科学と異なっているのか、また、科学を理解しておくことの重要性が示されている。
てもドライな姿勢が気持ちがいい。

内田麻理香氏の『科学との正しい付き合い方』も併せて読みたい。

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2021年05月08日

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「科学的」の捉え方が自分の中で変わった。
面倒を避けない、メソッドを重視する、データと慎重にお付き合いする、などなど。
震災直後に執筆された本とあって、当時の原発事故に対する人々の反応に向けた批判が背骨になっている。けれど、これはそのまま今年のコロナの話として読み替え可能だ。
そういえば、そんな話を朝日新聞の特集で見たような。論者は誰だっけな?
私たちはどんな悲惨な出来事からも、基本的には、何も学ばないらしい。
……いやいや、こういうペシミスティックな態度も、科学的じゃないんだった。
あくまでもデータと向き合い、現実的かつ慎重に、前向きに処していく態度。それが、科学的、という言葉の意味するところだと諒解した。そうなれるかどうかは、これからの行動次第だけれど。
これを読んだ後は、池内了さんの『疑似科学入門』あたりがよさそう。

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2020年12月18日

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科学に興味のある一人として、いろいろな気づきを得られました。ただ、題名に科学とあるけれど、そういう方面が苦手な人ほど手にしてほしい一冊です。

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2020年06月22日

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「言葉とは単純化であり、ディテールを損ないかねない」という主張が、自分が最近考えていたこととピッタリ一致していた。 テーマがはっきりしていて、すんなり理解できた。 森博嗣はものの見方が鋭いというか、まさに科学的だなあ。

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2023年07月17日

購入済み

感想

現在の科学が人の目に見え辛い状態なのが、信じられないという幻想を生むんでしょうね。

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2013年09月19日

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少し極端な表現も感じますが、誰かの感想を鵜呑みにする怖さが伝?わってきます。

「的確に定量的に状況を把握・理解すること」、「疑いを?持つこと」、「そのための手間を惜しまないこと」を大事にしないといけません。

?しかしながら、本書でいうところの「文系」の人、周囲に結構多い?ような気がしますね。

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2018年11月05日

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他の新書に比べるといつもの森さん節が控えめな印象。私は文系大学行っていたけれど、ここに書かれる文系の科学とかの苦手意識は皆無なので森さんの話はよくわかる。数字を過信するのはよくないけれど、数字より感情論出してくる方がもっとやばい。そして今この感情論が蔓延りすぎていて日本大丈夫か‥?となっているのであえて今読んだ方がいい一冊だと思う。

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2025年07月26日

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科学を忌み嫌う人間(半ば私も含まれるだろう)に対して、忌憚のない忠告をした本であった。途中耳が痛くなることもあった。印象に残った箇所は、「科学は非情ではない」という点だ。科学に対して、どこか「人間味のなさ」を訴え、それが理由で排斥されることもしばしばだとか。兎にも角にも、科学に対する認識を改める方がよいと感じた。そして、曖昧にしていた「科学」とは何か?ということも、自分の中で定義を覚えておきたい。(他者によって再現可能な方法を積み上げるシステム≒客観的)

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2025年03月03日

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ネタバレ


p37
九九ができることが、数字を取り扱う頭脳にはマイナスになる、と僕は考える。

p39-40
 最初は小さな「損」でも、積み重なれば大きくなる。小さなチャンスを見逃し続ければ、きっと経済的な損をするだろうし、もっと重大なことでいえば、自分の健康や、危険から身を守ることにも関わってくる。

p75
科学とは「誰にでも再現できるもの」である。

p90-91
たしかに、18世紀頃の科学は、もっと急進的で、いろいろなものを破壊する大胆さがあったかもしれないが、今はそうではない。

p91
 カリスマ的な指導者の発言が国民を動かしたりするようなことは、科学にはない。また、科学は、一部の特権階級にだけ、その恩恵をもたらすものでもない。科学は、経済のように暴走しないし、利潤追求にも走らない。自然環境を破壊しているのは、科学ではなく、経済ではないか。


面白かった。
結構熱めの熱量を感じたり感じなかったり。震災の影響で書くことは変化したように思うし、良くも悪くもそれがドライヴさせる結果になっているような気も。また新書とはいえ10数日で本作を書き上げていることも、著者の仕事人としての凄みを勝手に垣間見ました。

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2024年08月02日

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理系小説家の森氏による、あらゆる世代へ向けた「科学を毛嫌いしていると損するぞ」というメッセージに貫かれた一冊です。
ともすればあいまいになる日々の言葉の把握ですが、己の尻を叩くためにも、折りに触れ再読したいと思いました。

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2024年04月16日

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「科学」について考察したエッセイ。
物事の理論を解明し、再現性を重視するのが科学の役割だが、近年の風潮として原因と結果だけを求める傾向があるため、科学は敬遠されやすい。著者は、作家で建築分野の研究者でもある。その観点から科学的な考えや文系人間について、自身の見解を述べる。
この本が書かれたのは東日本大震災が発生した時期で、日本の世論が地震や原発問題で揺れていた。メディアでは、普段聞き慣れない単位(ベクレルやシーベルト)を使って被害状況を伝えたり、原発について理解していない文系コメンテータが感情論に訴えたりしていたが、科学をよく理解していれば、メディアに踊らされることは無いはずと言う。理系は過程を重視するが、文系は結果だけを鵜呑みにする傾向がある。自分で判断する根拠として、また論理的に推理する方法として科学がある。
メディアに溢れる識者のコメントの信憑性を判断するために、科学の正しい知識を持つ事が重要。科学知識も常にアップデートされるので、日頃から情報に接しておくことも必要だと思った。

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2023年03月05日

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科学って素晴らしいよ!というような、説明ではなく、あくまで淡々と、科学とはどういうものなのか?を説明してました。

算数や数学は、ものを考える「方法」を教える科目、ってのには成る程ねぇと目から鱗。


高校で理系を断念した文系の人にこそ、読んで貰いたい。

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2023年01月03日

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○多くの人が科学を敬遠するのは、自分で考えること、感じることが面倒でしたくないから
○しかし、科学を避けるとむしろ損で危険な方向に進む可能性がある

○科学とは「誰にでも再現ができるもの」
○科学的とは「誰にでも再現できるステップを踏むシステム」
○ただ、数や実験があるから科学というわけではない

○実験によって確かめることが「科学的」なのではない。実験では条件の設定でいくらでも変わり、不正もある

○子供に対しての注意
子供は超自然的なものを信じやすいので、きちんと説明してあげること。
好奇心をつぶさないように。外で遊ぶイメージを持たせてしまうが、科学館などもよい。
特に父親は押し付けてしまう。
自由さから科学を発展させる独創性や発想力はうまれる。

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2022年09月25日

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消化しきれない多くの情報が溢れている現代だからこそ、自ら分析し考えて消化する思考を身に付けておく必要がある。扇動的な情報に踊らされない為に。

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2022年02月20日

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シンプルにまとまっていて読みやすいと思ったら最後に12時間で書き上げた本だということでビックリした。

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2020年07月23日

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★その通り、だが誰に届くのか悩ましい★いろいろなところで言われるように、科学的とは方法論で、再現可能なこと。「だから結局なに?」という早急な問いかけや思考停止をやめて、きちんと過程を考えよう、その方が面白いし役に立つ、というのは至極もっとも。理系の人が理屈っぽいといわれるのは、丁寧で慎重なだけ、というのもまさにそのとおりだと思う。津波は単なる波ではなく、大量の水の移動なので堤防の高さに応じて津波の高さも変わるという説明も分かりやすい。
 ただ、著者の言う通り、科学的であることが好きでない人にどう届けるのかは本当に難しい。美術やスポーツが好きな人が関心のない人にいくら熱を込めて語ってもなかなか伝わらないのと同じだ。著者のエッセーを読む人はどちらかといえば、科学的なことが嫌いではない人だろうし。
 しかし震災後の3月に、本書を3日間12時間で書いたという。小説を含めて書くスピードがすごいのは、書くことに迷いがないからなのか。

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2020年07月12日

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「文系」人間が出来上がる仕組みはまさに自分のことを言われているようだった。
考えるより丸暗記する方が楽だと判断して得るものもあったが、その分失ったものも大きいだろう。
著者の言う文系的な特徴は、社会が複雑化し情報が溢れ思考停止している大衆社会の特徴とも重なる気がした。
まずは中学数学からやり直したくなった。

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2020年06月30日

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自分なりに理系よりだからか、言っていることは非常に共感できる。
ただ、著者の優しさというか押し付けない感じがあまりに、冗長な感じ。

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2019年06月12日

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科学によって得られるものとは人間の自由(^o^)/科学の存在理由、科学の目標とは人間の幸せである\(^_^)/

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2019年05月06日

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世の中の算数嫌いの人に贈りたい本。如何に思考停止して、危うい世界に行きかけているのに気づいて欲しい。

以下の言葉を心に留めて、生きていきたい。

「好きになる」ということは本当に大きな「力」になる。人の能力を発揮するための動力として、素晴らしいエネルギィだ。

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2018年11月12日

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そうだ、森博嗣は科学者であったのだな、と改めて思った一冊。この一冊を読んで、彼の小説を読む直すと、また、違った感想をもつのであろう。ただし、近日中に読み直す暇は見つからないのが残念だけれども。
つまり、ここ2~30年、なぜ、科学的な態度、というか、科学的な見方が失われてきたのか、ということが分かりやすく書いてありました。それは、社会全体の危うさでもあり、それを一身に受け止めている若者たちの危うさでもあったのですねえ。
一気に読める本であり、一気に読むべき本でもあると思う。読み始めてから読み終わるまで、いささか時間をかけすぎた。少なくとも筆者が一気に書き終えた速度には負けないように読むべきであったと反省した。その方が、きっと感銘と理解が深かったのではないかと思っています。

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2017年05月27日

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科学的とは、「誰にでも再現できるもの」で、再現する方法として実験がある。
文系と理系で分類することはナンセンスであることや、理系や数学に拒否反応を起こしてしまう人に対して、嫌いにならなくていいよと説明している内容であった。言葉での感想ではなく、客観的に説明できる数字が重要ということが分かった。ただ、注意すべきなのが、実験や自分の目で見たことが全てが正しい訳では無いということ。客観的に、定量的に判断する思考を大事にしていきたいと感じた。

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2021年06月24日

Posted by ブクログ

とても読みやすく分かりやすい表現で書かれていたのでさらさらと読めた。
理系としては知っていることの再確認なので、こうすれば伝わりやすいのだなということが確認できた程度でした

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2020年08月03日

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ネタバレ

分かりやすいだけでなく、本質的です。
科学的とは「データ(情報)」ではなく「メソッド(方法)」である?
・森博嗣先生の言い回しを借りれば、この本が示しているのは、「データ(情報)」ではなく「メソッド(方法)」である。だから、この本に書かれている内容を憶えるために、書棚の一等地に置き、7回読む必要はない。「メソッド(方法)」を腑に落としたら、後は、実践あるのみである。何か、疑問に思った時、文学的!?に理解しようとするのではなく、データを比較し、科学的に理解しようと努めよう。そうすることで、私のような文科系?も、少しだけ真の理科系!?に近づけるかもしれない。但し、参照するデータがどのように測定されたか確認しよう。

・私の周囲にも、科学的に理解しなければならないことを、観念的に理解しようとする人が少なくありません。そのような人たちによる伝言ゲームによって事実は間違って伝わるのです。

・意思決定するためには、課題の相関関係を把握し、目的に適合するバランスを見つけ出さなければなりませんが、そのためには、科学的にデータを読む力が必要ですね。

・この本は、ちくまプリマ―新書のような、中高生向けのブランドから刊行されても良いような内容です。分かりやすいだけでなく、本質的だからです。

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2020年05月03日

Posted by ブクログ

天邪鬼な森氏の新書。他の新書と方向性のブレはない。国民を感情だけで誘導しようとするマスコミ、政治に懐疑的だ。ただ、世の中が科学的な思考を持つ人ばかりになったら、それはそれで生きづらいようにも思える。
何に関しても常に疑問を感じながら、めんどくさがらずに思考し続けることも大事なのだろう。

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2019年08月12日

Posted by ブクログ

「すべてがFになる」以降学生時代にどハマりした森博嗣さん、こういう本も手掛けてなんだなあ。自身文系だけど、理数系への苦手意識は無いので、すんなり読めた。力作ではなく世間話感覚でさっと読むと良い感じ。

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2018年04月25日

Posted by ブクログ

上司の勧め。
「かけっこも計算も一緒で、走るのが遅い人も計算が速い人も、ゴールできない訳ではない。なのに計算は「数式無理!」っていうアレルギー反応を起こしちゃうのはもったいない。」
この部分はすごく好き。というか勇気が出た。
わたしは本当に計算が遅いのだけど、バリバリ理系の職業にしがみついているから

「数字が一番わかりやすいのに、わざわざ東京ドーム何個分ていうのが無駄」
ここは、頑固な理系って感じ。
数字は専門用語と一緒で、わかる人にはこれ以上ないストレートな表現だけど、わからない人にとってはイメージできないから理解する気になれない。
わかりやすくかみくだく、これが苦手なんだよねー理系はって証明しちゃってると感じた。

タイトルがよく中身を表してるいい新書だと思う
いろんな人の考え方を知れるから、こういうのも読むと面白い!

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2017年06月30日

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