夢枕獏のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2021年最初の一冊にふさわしい良作。
深町の平凡な人生に納得できない葛藤
羽生丈二の山にかける熱い想いや挫折
ジョージマロリーのエヴェレスト登山の謎
色々な要素が詰まっていて読み応え抜群。
カトマンズという異国の地が主な舞台となっているのも個人的には旅の情緒があってよい。
平凡な人生を特別なものにしてくれる、自分は周囲の人とは違う、生きている実感を山は与えてくれる…
深町のマロリーの写真にすがる気持ちや羽生の生き様にそんな人間のうちに秘めた欲望を読み取った。
だからといって全く平凡な人生を送っている自分は山へ気持ちがいかない。自分では考えられないからこそ
ここまで山に取り憑かれた男たち -
購入済み
漫画版餓狼伝を読み、原作に興味が出てきたので購入。
丹波文七だけでなく他の登場人物全員の、戦闘描写、心理描写が多いので感情移入して読めました。
漫画版ではあっさり終わった丹波VS梶原戦でしたが、原作では深い闘いが繰り広げられてとても面白かったです。
何よりスッキリとした文章なので、格闘技に詳しくなくても読みやすい。 -
Posted by ブクログ
もう『陰陽師』のパラレル・ワールドもしくはこのお話の空海&橘逸勢ペアが後の夢枕版:安倍晴明&源博雅ペアの前世と考えて読むことにしました。そうしたら、どうして同じような話なんだろう…という邪念が消えて、素直に楽しめるようになりました(笑)
この巻はそれなりに話が動いたのでクライマックスへ向かってのワクワク感がありました。高力士さんから阿倍仲麻呂さんへの「手紙」がもったいぶっていた感はありましたが…。
密教の話は、晴明さんが博雅さんに話す「呪」の本質と同様わかったようなわからないような感じだったけれど、なんとなく普段感じない角度から「人生」を考える「種」がもらえたような気がしたかな。般若心経の -
Posted by ブクログ
極地探検家や登山家はどのようなことを考え、なぜ危険な状況へ身を置くのかを知りたいと思って読み始めてみたが、予想していた以上に骨太の人間ドラマだった。
作中様々な「山屋」が登場するのだが、語り部の深町を含む多くが何らかの形で仕事などの現実に縛られているのに対して、どこまでも人間関係に不器用ながら一途に山に生きる羽生が好対照をなしていると思った。また、実際にエヴェレスト登頂を試みたまま帰らなかったジョージ・マロリーのカメラをめぐる謎解き要素もあり、読んでいてだれることがなかった。山に登る人間以外にも、現地で出会う元グルカ兵や老シェルパなどのキャラクターの人生や、外貨獲得の手段に乏しいネパールは観 -
Posted by ブクログ
安倍晴明没後1001年に『陰陽師』13巻完結。すごく分厚いです。古代エジプト時代と平安時代、シルクロードの西の端と東の端を結ぶ時空を超越した一大スペクタクルという感じでしたが細かく理解するには頭がついていけませんでした。が、とにかく大団円ということはわかりました。夢枕獏さんの原作は未読なんですが、1巻から13巻までのうち、ざっとみて前半のほうは原作を元に描かれていて後半は完全に岡野玲子さん独特の解釈と世界観で描かれているようですね。歴史や数学など学術的なことに詳しい土台がある方なら11、12、13巻あたりは凄く新しい解釈の興味深いアカデミックな内容なんだろうな、と思います。私には次元が違いすぎ