和風ファンタジーの題材としてすっかりおなじみの陰陽師。そのブームの火付け役であり、9月に市川染五郎・市川海老蔵らによる歌舞伎座公演も決定したのがこの「陰陽師」シリーズです。
平安時代の天才陰陽師、安倍晴明。その親友で音楽の才能豊かな源博雅。この二人が鬼や生霊など様々なものの怪にまつわる怪異を解き明かしていくこの物語。映画のような派手なアクションはほとんどなく、彼らは問題の怪異の原因となった人の業を探り、ものの怪達を納得させることで怪異を見事に解決していきます。
この物語の大きな魅力は、主人公二人の掛け合いが格別に面白いこと!
厄介事を頼まれ困り果てた博雅が、二人で酒を酌み交わしながら晴明に解決を依頼するのですが、その軽妙なやり取りに、自分も仲のよい友人と庭を眺めながら、美味い肴片手にお酒を舐めたくなる事間違いなし!
美しくも怪しい平安時代の余韻から抜け出せなくなりそうな不思議な物語です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年03月31日
月の和歌を判じる話が好きだった。愛する人を残して旅立つとわかって、遺産をただ渡すだけでなくて、気の利いた和歌にのせて渡すなんてことを、かつてはできたんだなぁと感動。今の世でそれをしたとしても、残された人に詩歌の教養がなければ、その周りのひとたちに風雅を解する気持ちがなければ、達成されない。なんて貧し...続きを読むい精神世界。
人柱の話も恐ろしくて好きだった。柱になるってことは、そのひとたちにとってすごく負担なはずで、単純に考えてみれば、こんな橋流れてしまえ、と柱の役割を投げ捨てたっていいはずなのに、博雅の言った通り、実直なひとたちだったのだな、と思った。自分たちの力が及ばず遂に橋が流れるとわかって、律儀に次の柱になる男女を川に落とそうとするなんて。
有名な射覆の話も入っていて、史実が好きなひとも楽しめたと思う。少なくともわたしはたのしかった。
Posted by ブクログ 2016年03月17日
本を読むきっかけになった、大好きなシリーズ。久しぶりに読み返してみましたがやっぱり良い。季節を感じる描写や獏さんお得意の間の取り方など美しいなあと思います。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
普段あんまりファンタジー系は読まないんだけど
先生にすすめられて読んだ。
めっちゃ面白いでこれ!!!!
文がすごく綺麗で好き。
スピード感もある。
はじめはひろまさと清明なかいいんだなあ
ぐらいで読んでたのが
段々読み進めていくうちに
ひろまさ萌えwwになってきた。
ほんと可愛いww
2人ともお...続きを読む互いをめっちゃ大事にしてて
きゅんーーーー!!!
てなる。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
2002.10.30 2刷 448
平安京の暗闇に蠢く魑魅魍魎に、若き陰陽師・安倍清明と朋友の源博雅が完全と立ち向かう大好評シリーズ第四弾。今回は、清明が好敵手でもある蘆屋道満と、帝の招きにより宮中で方術比べをすることになった一件を描く「清明、道満と履物の中身を占うこと」や、これまた道満が絡む「泰山...続きを読む府君祭」他五篇。
泰山府君祭・青鬼の背に乗りたる男の譚・月見草・漢神道士・手をひく人・髑髏譚・清明、道満と履物の中身を占うこと
Posted by ブクログ 2021年08月13日
シリーズ4巻目。蘆屋道満多めです。
「ゆこう」
「ゆこう」
そういうことになった。
…というくだりが定番に。この言い回し好きです。
どんどん面白くなって行く。晴明と博雅の絶妙な掛け合いが面白さのモトなのかなぁ。
今巻では
晴明、道満と覆物の中身をうらなうこと
が1番好きなのお話。我が儘な貴族の鼻を...続きを読むあかせて楽しそうな晴明と道満がよい。
Posted by ブクログ 2015年07月09日
陰陽師シリーズ。
前作の長編「生成り姫」から、また短編集に戻る。新しい話が読めて嬉しいし、晴明と博雅の変わらぬ会話のやり取りが心地よい。飽きの来ない文章でずっと読んでいられそう。蘆屋道満がちょこちょこ出てくるようになったけど、完全に敵対している風でもなく、面白いライバル関係だなと思う。
Posted by ブクログ 2014年06月29日
鳳凰ノ巻の中では、髑髏譚が一番お気に入り。
少しおどろおどろしい雰囲気の中での最後の落ち方が好き。
おなじみの清明と博雅との掛け合いは、読んでいると二人のいる世界に引き込まれるようでもあり、毎回ほっとした気持ちにもなる。
Posted by ブクログ 2014年01月21日
陰陽師4巻目。まだまだ面白いです。季節の移り変わりがさりげなく描かれている庭を眺めながらの、晴明と博雅の掛け合いが毎回あるのがとてもうれしい。安心感さえあります。
Posted by ブクログ 2013年02月04日
毎度似たり寄ったりの展開と言えなくもありませんが
不思議と飽きることがありません。
読むごとに平安時代の(マメ)知識が増えてゆくのも楽しいです。
Posted by ブクログ 2012年11月25日
清明さんと博雅さんがお酒を飲む。
事件の概要がどちらかからお話しされる。
「ゆこう」「ゆこう」で「そういうことになった。」
で、「あなや!」って感じで清明さんが事件を解決して、二人もしくはプラスαでお酒を飲み、余韻を残しておしまい。
……って感じのお話が7編収録されていて、面白かったです!
Posted by ブクログ 2012年07月02日
何度も読む話しではないと思っているが、毎回スラスラ読めて考えさせられる部分がある。
良い話しは月見草だが、考えさせられるのはその他の話しでした。
Posted by ブクログ 2010年08月20日
再読。シリーズ4巻目。
もう感想コピペでいい。
それだけ印象が変わらない。
なのに4巻まで読んじゃうっていうのは、結局陰陽師ワールドが好きなんだということだと思う。
変わらない二人がいい。
Posted by ブクログ 2009年10月07日
でてくる女の人は毎度誰かを呪っているのですが、これって昔の女性は一途だったのよってことでいいのかしら。だとしたらとっても素敵でおそろしい。そしてやっぱりお庭がいいですね。
Posted by ブクログ 2009年10月07日
幽鬼、怨霊は人の心の中にいる……
宮中で陰陽師の技が話題となり、帝の目の前で安倍晴明がライバルの蘆屋道満と方術比べをすることになったが……。シリーズ第4弾
Posted by ブクログ 2011年07月18日
夢枕獏の陰陽師 鳳凰ノ巻を読みました。シリーズで出ている陰陽師の文庫本最新刊という事で安心して読むことが出来ます。今回も安倍晴明が活躍しますが、面白いと思ったのは晴明が蘆屋道満と同盟を結んだというストーリーになっていることです。一般に蘆屋道満は安倍晴明の敵役として描かれることが多いので。
Posted by ブクログ 2023年11月24日
平安陰陽師伝奇ファンタジー第四巻。短編七編を収録。しょっぱなからなかなかえぐい話。いやぁ陰陽師シリーズらしいといえばらしいのだが。最初と最後を蘆屋道満との対決で括られた今巻は、死者が呼びかけてくる話が多かった印象。最後の覆物の中身当て対決の飄々とした感じはまさに晴明と道満という感じ。これまで直接対決...続きを読むもなかったので二人の対照的で通じるところのある姿の対比が面白い。
Posted by ブクログ 2019年03月12日
シリーズ第3弾。
今回は、村上天皇の御意により、晴明と道満が宮中で方術比べをおこなった出来事があつかわれ、名を晴明が取り、実を道満が取るという取引があったというオチがつけられています。
人の世から離れようとして離れられずにいる道満のキャラクターが、かなり明確になってきたように感じます。一方晴明の...続きを読むほうはそれほど単純ではなく、物語を通してさらに掘り下げられていく余地があるようにも感じられるので、その点でもつづきを読むのをたのしみにしています。
Posted by ブクログ 2019年02月11日
安定の面白さ♪
芦屋道満のキャラが好きなので、道満が絡んでくるお話が多いと嬉しくなります。
「晴明、道満と覆物の中身を占うこと」は結末が子気味良くてかなりのお気に入りです。
あとは「青鬼の背に乗りたる男の譚」がちょっと怖いけど好きかなぁ。
Posted by ブクログ 2014年05月05日
泰山府君祭、青鬼の背に~、月見草は定番の痴情のもつれによる身から出た錆。自業自得で同情の余地もない気がする。
漢神道士もやはり自業自得で酒を舐めようとした蛇の左目を火箸でつぶされ死んでいた。
すべての行いは戻ってくるものだから、常日頃から気をつけねばと、この作品を読むたびに思う。
ただ手をひく人は毛...続きを読む色が違った気がする。夫婦とは不思議なものですね。
Posted by ブクログ 2013年05月17日
短篇集第四巻目
「泰山府君祭」
「青鬼の背に乗りたる男の譚」
「月見草」
「漢神道士」
「手をひく人」
「髑髏譚」
「晴明、道満と覆物の中身を占うこと」
「髑髏譚」が面白かった。
「青鬼の背に乗りたる男の譚」の話の原型は、今昔物語集からのよう。
この話の原型は、あの古典…ということがわかると、さ...続きを読むらに楽しい。
Posted by ブクログ 2012年10月21日
お腹いっぱい。
『飽き』でお腹いっぱい。
シリーズものは最後まで飽きずに読めるはずやったのに、この陰陽師シリーズについては、気付いたらお腹いっぱいになってた。
これも呪か。
いや、おもしろいんやけどね。
次の長編、読むか迷う。
Posted by ブクログ 2012年02月04日
シリーズ第四作目。
悪くはないと思う。
悪くはないと思うのだが、
しかし、自分の気持ちの問題で相済まないが、
前作に圧倒的に感動させられてしまったため、
その後に続くこの巻の印象がどうしても薄い。
「付喪神ノ巻」の存在がなければ、
もっと高い評価をしていたと思う。
晴明がライバル蘆屋道満と術の競...続きを読むい合いをする
この巻ラストに収録されている作品は、
ある意味このシリーズのファンが
「いつの日か・・・。」と
待ちに待ったシチュエーションだと思う。
この作品を読むと、蘆屋道満という人間が、
この「陰陽師シリーズ」の作品中において、
ただ悪役的役割をこなしている訳ではない事がわかる。
彼は、晴明と相容れない所も多くあるものの、
その晴明と劣らぬ魅力を持った人物である。
優秀な陰陽師が二人、お互いにその能力を認め合い、
相手の考えを尊重している。
この陰陽師二人の懐の深さを前にしたら、
彼らを見世物にして、技を競い合わせた貴族達は
なんて薄っぺらな人間なのだろう。
いつの日かこの二人の陰陽師が、
命がけの対決をする日がやってくるのだろうか。
それを考えると、ちょっとドキドキする。
Posted by ブクログ 2009年10月07日
久しぶりに二冊続けて陰陽師。久しぶりに見て「うーん、これって何かに似てる」と思ったのは、「蟲師」だった。この世のものならざるものを取り除き、平穏をもたらすという点ではまさに蟲師だ。まあどっちが先かというと陰陽師の方が先だろうが。今回も「ゆこう」「ゆこう」そういうことになった。は、健在。今回の山場は晴...続きを読む明と道満の方術比べか。道満、わけのわからない人物だけれど、何となく好きかも。