和風ファンタジーの題材としてすっかりおなじみの陰陽師。そのブームの火付け役であり、9月に市川染五郎・市川海老蔵らによる歌舞伎座公演も決定したのがこの「陰陽師」シリーズです。
平安時代の天才陰陽師、安倍晴明。その親友で音楽の才能豊かな源博雅。この二人が鬼や生霊など様々なものの怪にまつわる怪異を解き明かしていくこの物語。映画のような派手なアクションはほとんどなく、彼らは問題の怪異の原因となった人の業を探り、ものの怪達を納得させることで怪異を見事に解決していきます。
この物語の大きな魅力は、主人公二人の掛け合いが格別に面白いこと!
厄介事を頼まれ困り果てた博雅が、二人で酒を酌み交わしながら晴明に解決を依頼するのですが、その軽妙なやり取りに、自分も仲のよい友人と庭を眺めながら、美味い肴片手にお酒を舐めたくなる事間違いなし!
美しくも怪しい平安時代の余韻から抜け出せなくなりそうな不思議な物語です。
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Posted by ブクログ 2023年11月06日
晴明と博雅のコンビの話は若干マンネリ気味かも。それはそれでいいのだが、今回は「秘帖・陰陽師 赤死病の仮面」など若干違う作品が入りアクセントになっている。
Posted by ブクログ 2023年08月15日
獏さん、相変わらずいい話を書く。
ただの奇譚というだけでなく、博雅の人間性、妖の人?柄との交流も含めて
「ああ、生きとし生けるものがいとおしい」
と思えてくるようなお話を書く。
悪性リンパ腫だったとの事で、いつまでこの語りを楽しめるかと心配していたのだが10月に寛解していたとの報告をネットで...続きを読む読み、一安心。もうしばらくはこの世界を楽しむことが出来そう。
Posted by ブクログ 2023年08月09日
シリーズも既に17作目とのこと。
相変わらずの晴明と博雅と道満のやり取りに、クスリとさせられたり、う〜んと唸らされたり。
やはりこのシリーズ、好きですね。
一編だけ、晴明たちの登場しない番外編が収録されているのですが、いつもの調子で読んでいたら、怖くなってしまって、ちょっと参りましたけど(^...続きを読む^;;
Posted by ブクログ 2023年06月10日
楽しみに待っていました。
買って、すぐに近所の公園の水辺のベンチで読み始め。
この本は、風や月、土を感じながら読んで、少しでも物語の世界に近づきたい。
変わらぬ晴明と、楽に愛されている博雅。
いつもより、少し長めのお話あり、気持ち良い読後感。
あぁ、夕べの、屋外の雅楽やクラシックコンサートに行って...続きを読むみたくなる。
Posted by ブクログ 2023年06月10日
今回は割と博雅回。
露子ちゃんも道満のおじさまもちょっと出ます。
朱雀門の鬼、葉二の持ち主の話がやっと出る。
いつものやんごとない感じよりも、現代よりにやや砕けた感じの巻。読みやすくはある。
Posted by ブクログ 2023年08月15日
前半はいつもよりサクサクと読み進める感じで、後半にかけてひとつの話により重みが出てくる感じがした
秘帖・陰陽師 赤死病の仮面は番外編ということでまた違った面白さもあり、不気味さがまとわりつく感じがした
蘇莫者もボリュームもあり、息を詰めながらすぐに読んでしまった
Posted by ブクログ 2023年08月14日
陰陽師の十七巻「水龍ノ巻」。
コロナ禍を受けて書かれたであろう『秘帖・陰陽師 赤死病の仮面』がよい。
あのラストから始まる狂気と紊乱の都の有り様。夢枕獏世界、陰陽師世界でぜひ読んでものです。
その暗黒に読者の自分が耐え切れるかは別の話。
Posted by ブクログ 2023年07月02日
青疱瘡、赤舞瘡と伝染病が絡む話が入っている。
特に赤舞瘡から逃れようとする「秘帖赤舞瘡・陰陽師 赤死病の仮面」は、人の愚かさと共に、対抗手段を持たない伝染病対応の難しさを感じさせられた。
今回も、執着心が鬼を呼ぶ。