【感想・ネタバレ】陰陽師 太極ノ巻のレビュー

和風ファンタジーの題材としてすっかりおなじみの陰陽師。そのブームの火付け役であり、9月に市川染五郎・市川海老蔵らによる歌舞伎座公演も決定したのがこの「陰陽師」シリーズです。
平安時代の天才陰陽師、安倍晴明。その親友で音楽の才能豊かな源博雅。この二人が鬼や生霊など様々なものの怪にまつわる怪異を解き明かしていくこの物語。映画のような派手なアクションはほとんどなく、彼らは問題の怪異の原因となった人の業を探り、ものの怪達を納得させることで怪異を見事に解決していきます。
この物語の大きな魅力は、主人公二人の掛け合いが格別に面白いこと!
厄介事を頼まれ困り果てた博雅が、二人で酒を酌み交わしながら晴明に解決を依頼するのですが、その軽妙なやり取りに、自分も仲のよい友人と庭を眺めながら、美味い肴片手にお酒を舐めたくなる事間違いなし!
美しくも怪しい平安時代の余韻から抜け出せなくなりそうな不思議な物語です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年04月11日

陰陽師シリーズの短編集。
良い意味で、いかにも安定の陰陽師シリーズ、と言った感。

二百六十二匹の黄金虫で露子姫が黒丸を伴って登場し、「とても不思議なぶんぶんがいるのです、清明様」嬉しくなります✨

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・二百六十二匹の黄金虫
秋、露子姫、黒丸、遍照寺の明徳、寛朝僧正
...続きを読む若経から逃げ出した文字たち

・鬼小槌
冬、平実盛、藤原中将、蘆屋道満、鬼
猿叫の病

・棗坊主
春の終わり、祥寿院の恵雲、北斗星と南斗星

・東国より上る人、鬼にあうこと
春の終わり梅雨の前、平重清、鞍櫃に住む大鼠

・覚
蛍の季節、源信好、藤原恒親、紀道孝、橘秀時
さとり
・針魔童子
秋、播磨の性空聖人、毘沙門天の眷属の善膩師童子
逃げ出した針

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Posted by ブクログ 2017年09月20日

 京都に出張したときに購入しました、陰陽師シリーズ。すらすら読めるし、続きが気になるしで途中でやめられなくなりました。
 それにしても毎回登場する清明と博雅の縁側の酒宴シーン、おつまみが美味しそうです。清明の自宅の庭を眺めながらが多いですが、この雰囲気も最高のおつまみだよなー、いいなーと羨ましがって...続きを読むます。

 「鬼小槌」。雪見酒を飲みながら、雪について語る博雅。好きだなぁ、この完成。私もこんな風に世界を感じたいなぁ。それにしても鬼達にも一目置かれる道満。すごいねぇ。

 「棗坊主」。ちょっと切ない最後でした。うん、でも良かったのかな。

 「東国より上る人、鬼にあうこと」。ほらー、だから名前を聞かれてもほいほい名乗っちゃいけないんですよね。みんなうっかり名乗ってますが、自分もいってしまいそうで心配。それにしても追われるのは怖いですね。

 「覚」。この方法、清明でないと無理ですよね。私は雑念だらけで頭を無にはできないので、即食われるなと思いました。

 「針魔童子」。最初の生命の話。人はいつ死ぬか、か。うん、答えが出ないですね。

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Posted by ブクログ 2013年12月24日

映画の陰陽師のキャストは本当に素晴らしいと思う。晴明、博雅、道満、あれ以上のキャステイングはないと読み進める度におもいます。

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Posted by ブクログ 2011年07月20日

このシリーズの面白いところのひとつは、安倍清明と源博雅の、絶妙な会話だと思うのだが、今作品では、その会話のボリュームがとても多い。シリーズお約束の「呪(しゅ)」について、天気や季節や月などなど、壮大なテーマをひょうひょうと語る2人。その間合いと調子に浸ると、現実の憂さや気ぜわしさを、束の間、忘れられ...続きを読むる気がするのだ。


「棗坊主」の、晴々とした寂しい結末と、「鬼小槌」の滑稽さが印象深い。

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Posted by ブクログ 2010年08月11日

会社の先輩から借りっぱなしになっている陰陽師
すぐに感想書かないと、短編物は話が分からなくなるね…

棗坊主だったかしら?
仙人たちの打つ碁に夢中になっていたら、いつの間にか何十年も経過していて…
という感じのお話ですが、なんだか結末はちょっと物哀しい気もいたしました

作品全体としては、例の如くで...続きを読む晴明が博雅を振りまわしておりますw

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Posted by ブクログ 2017年08月16日

 久しぶりに読んだ陰陽師。やはりいい。
 読み進むのがもったいなくて、少しずつよんでしまう。

 晴明と博雅のいつもの二人が、京で起こる様々なあやかしの出来事を解決していく・・・と紹介されるのだが、もはや何もアクシデントが起きなくても構わない。二人が庭を眺めながら杯を傾けているシーンだけで十分な気さ...続きを読むえしてくる。
 お勧めです。

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Posted by ブクログ 2010年04月24日

どの話も面白かったですが、特に二百六十二匹の黄金虫が良かったです。いつも読誦している主人の留守の寂しさから、経本から抜け出してしまうとは、それが金色に輝く黄金虫とは、ちょっと感動的でした。般若経は262文字なんですね。勉強になります。

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Posted by ブクログ 2016年01月14日

安定の面白さ。
あとがきにもあったように、『マンネリをおそれない』これが本当にうまくいってるんだと思った。

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Posted by ブクログ 2015年07月10日

陰陽師シリーズ。

一つ目の「黄金虫」の話がとにかく可愛い。露子姫が出てくるとどうしても可愛くなっちゃうのかな。前作を読んで再登場してほしいキャラだったので、早速出てきてくれて嬉しかった。怖いお話もあるけど、時々可愛らしい話が挟まっていて、バランスが絶妙。各話の冒頭でいつもなされる「呪」についての会...続きを読む話も毎回興味深くて唸らせられる。大好きなシリーズになりました。

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Posted by ブクログ 2014年02月03日

飽きのこない見事なマンネリズムです。
ほんわかした空気とゾロリとした不気味さがたまりません。
道満さん、いいキャラですね。

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Posted by ブクログ 2011年08月28日

いつもの感じが心地いい。構成としてはマンネリ化してるんだろうが、晴明と博雅の会話に独特のリズムがあって読んでて気持ちいい。
毎回のことだが、呪の話は分かるような分からんような…それでも読みたくなる。

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Posted by ブクログ 2011年01月15日

陰陽師シリーズはいつも季節感が出てて、日本らしさがとても良いです。
今回の話は綺麗なものが多かったかな。
一瞬で時が過ぎるのを感じさせた棗坊主の話や、
黄金の虫が出てくる話がよかった。
特に虫姫は好きな登場人物なので、彼女の虫を観察する姿はほんとにおもしろい。

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Posted by ブクログ 2010年11月03日

平安時代の空気をゆったり感じさせられる短編集。
やはり晴明と博雅の会話はいいなあ。
この本の中では棗坊主の話が不思議ではかなくて好きです。

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Posted by ブクログ 2010年08月24日

再読。7巻目。

特筆すべきことはない陰陽師シリーズといった感じ。
この巻で嬉しいのはあとがきで夢枕先生がついに
「どうやら、一生書いちゃうことになりそうです。よろしく、おつきあい下さい。」
って言ってること。
こちらこそ、一生ついていきますので、よろしくお願いします。といった感じ。

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Posted by ブクログ 2009年12月24日

「二百六十二の黄金虫」は、「陰陽師」の1冊目を読んだときの気分を思い出させる一編でした。

以前は、けっこういろいろな物語の運び方があったのですが、最近は、もう完全にパターン化しています。
意識してそうなっているというよりも、落ち着くところに流れたら、こうなったという感じでしょうか?

ところで、博...続きを読む雅って、歌がさっぱりわからないっていう設定なかったですっけ?
それは、マンガだけだったかな?

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ワンパターンの導入(晴明邸での博雅との会話)が好きです。
晴明だけじゃなくって、博雅もぜったい(本人が気づいていない)
不思議なパワーがあるよねっ。

このシリーズは展開が読めなくて面白いんです。
不思議な空気です。
ほんと、マンガみたい(笑)
末永く書き続けてほしい話ですね。

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Posted by ブクログ 2011年07月18日

夢枕獏の陰陽師 太極の巻を読みました。いつもの安倍晴明と源博雅の物語でした。露子姫が登場する逸話もあってうれしくなりました。怪奇ものなのですが、安心して読めるのがいいですね。

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Posted by ブクログ 2022年05月26日

呪について博雅が分かったような気がした時私も分かったような気がするし、博雅が分かってない時は私もあんまり分かってない気がする

「陰陽師」の話はどれもあまり怖いと思ったことがないけど今回「覚」はちょっと怖いと思った

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Posted by ブクログ 2019年03月13日

シリーズ第7弾。

今回も、「虫愛づる姫君」の露子が登場します。平安時代を舞台にとった小説では、女性たちが現代の小説のようなしかたで活躍することがむずかしいと思うのですが、本書の露子のキャラクターには、そうした制限を越え出ていく痛快さが感じられます。エンターテインメント小説としては、成功といってよい...続きを読むのではないでしょうか。

女性キャラクターは多く登場しないものの、それを補って余りある晴明と博雅の色気を感じさせる会話も、おもしろく読みました。

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Posted by ブクログ 2018年11月12日

いつも通り、どこかで聞いた話ばかり。(^^;
ま、オーソドックスな奇談が骨格になっていますからね。
キャラクターのやりとりが楽しめれば、それで良しというシリーズじゃないかと思います。(^^;
今回は「棗坊主」が良かったかな。

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Posted by ブクログ 2017年01月12日

最近、頭をフル回転させながら読む本ばかり読んでいるので、ちょっと息抜きに♪
安定の楽しさ面白さで良いリフレッシュになりました^^
著者があとがきで「いつ、誰がどこから読み始めても、いつもの風景が広がっている」と書いていましたが、この型通りの展開が『陰陽師』の何よりの魅力だと感じます。
どの本を手にと...続きを読むっても、どこのページを開いてもそこには晴明と博雅が仲良く座している・・・
この安心感がいいなと♪

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Posted by ブクログ 2015年12月03日

安倍晴明の屋敷で、いつものように源博雅が杯を傾けている所へ、橘実之の娘、虫が大好きな露子姫がやってきた。何でも晴明に相談があるというのだ。広沢の遍照寺にいる僧が、眠る前に読経していると、黄金色をした虫が現われるが、朝には消えてしまうらしい。この虫の正体は―。「二百六十二匹の黄金虫」他、全六篇収録。

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Posted by ブクログ 2014年06月03日

痴情のもつれがないだと? 読み終わっていの一番の感想がこれです。
散々男女間の問題で鬼に、いう展開を基本に作品が成り立っていたように考えていたので衝撃でした。
考えてみれば、もめ事なんて理不尽、不条理が大多数ですもんね。そう考えれば痴情は三番手。

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Posted by ブクログ 2013年06月05日

「二百六十二匹の黄金虫」
「鬼小槌」
「棗坊主」
「東国より上る人、鬼にあうこと」
「覚」
「播磨童子」

「二百六十二匹の黄金虫」で「むしめづる姫」の露子姫が再登場する。

いつもの感じが読んでいて安心する。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年11月14日

本人が「どれも面白い」と言うほどには面白くもない。二人の主人公は魅力的なので、もっと仕事させた方がよかろう。

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Posted by ブクログ 2012年06月10日

棗坊主がよかったです。

ほのぼの。
相変わらずの呪問答には慣れてきて、ちょっと色々考えさせられるようになってきました。
けど、サクサク読めるのは相変わらず。

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Posted by ブクログ 2010年09月27日

久しぶりに読んだ陰陽師シリーズ。いつもながら四季折々の描写にうっとり。今回は源博雅の笛の音は出てこなかったけれど、また描いて欲しいなぁ。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

 晴明と博雅の「呪だ」「また呪か」のやりとりは、毎度お馴染みなのは分かり切っているにしても、博雅はいい加減抵抗を止めれば良いのにと思わないでもありません。でもそんなところがいい漢なのです、博雅。
 虫愛ずる姫再登場! 「ゆこう」「ゆこう」のいつもの掛け合いが、露子姫のおかげで違うバージョンになってい...続きを読むて愉快でした。「二百六十五匹の黄金虫」のお話はとても好きです。恨み辛みで現れた妖ではなく、淋しかったから、というところが可愛らしくて。そんな美しい怪異になら、一度遭ってみたい気すらしました。他の妖は勘弁願います(笑)

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Posted by ブクログ 2012年02月04日

平安時代に活躍した陰陽師安倍晴明とその友の源博雅を
描いたシリーズ第七作目。

このシリーズには一つの「おきまりのパターン」がある。

いつも物語は、晴明の屋敷で二人が庭を眺め、
変わり行く景色を感じながら酒を飲むシーンから始まる。

素直でロマンティストな博雅は、その庭から感じ取った
あるがままの...続きを読む自然の姿について自分の感想をを率直に述べ、
それを晴明は不思議な微笑を浮かべながら聞いている。
時に博雅は、そこから生じた疑問を晴明に投げかけると、
晴明は「呪」の言葉を用いて説明しようとする。
しかし、単純な男である博雅は、
晴明の「小難しくてややこしい」説明を嫌がる。
本当は博雅はその「ややこしい」と言って嫌がる「呪」の理を、
根本では分かっていてそれをちゃんと口にしているのに。
そんな博雅を、晴明は「よい漢(おとこ)だ」と褒める。

そんな一通りのやりとりが行われた後、
博雅が晴明に相談を持ちかけたり、
客人が来たりして話が展開していくのだが、
今まで何度となく繰り返されてきたこの冒頭のやりとり。

なのに、毎回シリーズの最新刊を購入して
初めのページをめくった瞬間、このおなじみのシーンの描写が
自分の目に飛び込んで来る「お約束」を、
「またか」とうんざりした気持ちを覚えた事は
一度たりともない。

むしろこの二人がいつもの場所で簀子の上に座り、
ほろほろと酒を飲んでいると、
自分もまたいつもの場所に来られたような気がして、
なんだかほっとするのである。

夢枕獏の陰陽師シリーズは、いつまでもこの「お約束」から
物語が始まってもらいたいと思う。

今回収録されている六話の短編の中では、
本巻を最初に飾っている「二百六十二匹の黄金虫」が一番好き。

私の好きな登場人物の一人である露子姫が再登場。
相変わらず、平安時代のお姫様らしからぬ風変わりぶりだけど、
その「私は私よ」的な性格が彼女の最大の魅力。
今後もちょくちょく父実之の目を盗んでお屋敷を抜け出し、
晴明、博雅と色々冒険してほしい。

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Posted by ブクログ 2011年07月20日

禅問答付きの御伽噺。
ゆっくりとした文体で、行間というより本全体の空気を読むことが前提にされているように思えた。なのでその世界観に入っていけないと辛い。
…辛かった。
こういう世界が好きな人がいるのはわかる。
それにしてもものすごく売れているらしいのだけど、みんなそんなにこの本の空気をすんなり受け入...続きを読むれられたの?すごいなぁ。
自分の頭が固いのかなぁ?こういう文体は全く受け付けないや。

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