和風ファンタジーの題材としてすっかりおなじみの陰陽師。そのブームの火付け役であり、9月に市川染五郎・市川海老蔵らによる歌舞伎座公演も決定したのがこの「陰陽師」シリーズです。
平安時代の天才陰陽師、安倍晴明。その親友で音楽の才能豊かな源博雅。この二人が鬼や生霊など様々なものの怪にまつわる怪異を解き明かしていくこの物語。映画のような派手なアクションはほとんどなく、彼らは問題の怪異の原因となった人の業を探り、ものの怪達を納得させることで怪異を見事に解決していきます。
この物語の大きな魅力は、主人公二人の掛け合いが格別に面白いこと!
厄介事を頼まれ困り果てた博雅が、二人で酒を酌み交わしながら晴明に解決を依頼するのですが、その軽妙なやり取りに、自分も仲のよい友人と庭を眺めながら、美味い肴片手にお酒を舐めたくなる事間違いなし!
美しくも怪しい平安時代の余韻から抜け出せなくなりそうな不思議な物語です。
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Posted by ブクログ 2022年11月05日
今作で16巻目という。毎回、摩訶不思議なことが起き、それを解決していくわけだが、最近は、蘆屋道満や蝉丸といった、サブキャラも立ってきて、楽しい。
Posted by ブクログ 2021年10月26日
長編を含めシリーズ19作目。12編からなる連作。
作者独特の文章のリズムや言葉の選び方、そして晴明と博雅が醸し出す空気。相変わらず心地よい。ひとつの話の長さも寝床で読むのに丁度よい。
今回は蘆屋道満の登場シーンが多く、サブタイトル「女蛇ノ巻」も道満活躍の話のものだったが、自分としては「相人...続きを読む」が最もおもしろかった。
(創作だとは思うが)『今昔物語』にも登場する「登照」の為人をうまく膨らませて興味深い話にし上げていたのには感心した。
Posted by ブクログ 2023年08月04日
切ない話や不気味な話、心温まる話など、バラエティに富んでいて、毎夜一遍ずつ読んでいくのが日々の楽しみだった
「墓穴」はお気に入りのひとつ、前半は不気味さ全開なのに、物語が進むにつれて何ともせつない気持ちになるのが癖になる
Posted by ブクログ 2022年12月04日
陰陽師の十六巻「女蛇ノ巻」。
「さしむかいの女」冒頭でいつになく恋話に話を咲かせる晴明と博雅の二人。なんかいちゃいちゃ度が増しているように思えます。基本、陰陽師は二人のいちゃいちゃから始まることがほとんどですが、今回は微笑ましかった。博雅を称して「自然の人」というのは、こういう純粋な面があるからで...続きを読むしょう。
「狗」と「にぎにぎ小納言」がよかった。というか怖い。
祟りの怖さがあった二つ。「狗」の方は多弥子になんの落ち度もないのが、祟るという執着の強さを感じてしまって怖い。どちらも肉親の情が強いからこその怪しき事。
情の強さは強さということか。
「つよさ」で「こわさ」と読むのは、表裏一体が事実であるという証明な気がする。
Posted by ブクログ 2022年03月29日
夢枕獏さんの陰陽師シリーズは読んでおり、このアプリで文庫本が出たということを知り翌日購入しました。
作品としては、いつも通りとても面白かったです。ただ、短編ということもあり、やや先の展開が読めてしまうものが多く長編・過去作に比べるとハラハラ感は少なくも感じました。あと!晴明と博雅のBL展開を期待さ...続きを読むせるような腐女子向けを意識しているのではという点が残念だなと思いました。
色々と良くない点を書いてしまいましたがとても面白く1日で読んでしまいました。おすすめは月を呑む仏です!
Posted by ブクログ 2021年12月22日
待望の文庫化。
晴明の庭を始め、自然の情景の涼やかさが心地よい。
目で読んでるけれど、この書き始めで、聴覚や嗅覚、身体全体の様々な感覚が呼び起こされる感覚がある。
これがあるから、毎回待ち遠しい。
晴明と博雅、露子姫に蝉丸、道満。
新鮮味はなくなったけれど、変わらず、この世界はあり、日々何ら...続きを読むかの刺激はあるんだという安心感。