和風ファンタジーの題材としてすっかりおなじみの陰陽師。そのブームの火付け役であり、9月に市川染五郎・市川海老蔵らによる歌舞伎座公演も決定したのがこの「陰陽師」シリーズです。
平安時代の天才陰陽師、安倍晴明。その親友で音楽の才能豊かな源博雅。この二人が鬼や生霊など様々なものの怪にまつわる怪異を解き明かしていくこの物語。映画のような派手なアクションはほとんどなく、彼らは問題の怪異の原因となった人の業を探り、ものの怪達を納得させることで怪異を見事に解決していきます。
この物語の大きな魅力は、主人公二人の掛け合いが格別に面白いこと!
厄介事を頼まれ困り果てた博雅が、二人で酒を酌み交わしながら晴明に解決を依頼するのですが、その軽妙なやり取りに、自分も仲のよい友人と庭を眺めながら、美味い肴片手にお酒を舐めたくなる事間違いなし!
美しくも怪しい平安時代の余韻から抜け出せなくなりそうな不思議な物語です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2020年05月28日
帝と都が繋がっているという話「双子針」
空を見上げるのが好きな星を飲んでしまった中納言の話「仰ぎ中納言」
道満が山の主(青物主)に引き裂かれてしまった夫婦を救う話「山神の贄」 他。
蘆屋道満の登場が多かった。道満の回は切ない話が多く、なかなか良い。
Posted by ブクログ 2019年10月31日
今回は道満大活躍。
悪い人じゃないんだよね。ただ退屈なだけ? 酒が飲みたいだけ?
誰かと飲みたくなったら、都に行って悪さすれば晴明が相手してくれるしね。
博雅の、晴明の話に混乱する下りが少なくなって淋しいな。
二人が褒め合って照れる下りは増えたけど。ツンデレの晴明も、博雅相手じゃひとたまりもない。
Posted by ブクログ 2017年08月15日
夢枕獏の描く平安京の雅と闇が素晴らしいと毎回感嘆する。なかでも陰陽師シリーズは晴明と博雅の掛け合いがだんだんと深まっていきさらに芳しく匂い立つよう。わたしは道満が好きなのだが、これをよんで道満に惹かれない人はいないだろう。
Posted by ブクログ 2017年07月24日
今回は道満が主役の話がある、その理由は後書きに。それにしても、晴明と博雅のはどこまでも透明で心地いい。博雅が年を重ねるのも悪くない・・・というようなことを言うのもわかる気がする年齢に自分もなってしまった。鬼退治のようだった初期の頃よりずっとずっと自由な話になっていて、本当に一緒に居るような感覚。
Posted by ブクログ 2017年06月19日
今回は9編が収められていまして、そのうち3編は蘆屋道満がメインとなり、晴明や博雅が出てこないエピソードになっております。それら3編、「うまい酒にありつくため」と嘯きつつも、道満結構ええことしてるやん!?というストーリーになっておりまして、これはこれでなかなかいい感じです。
もちろん、我らが晴明&a...続きを読むmp;博雅メインの6編のエピソードも、安定の心地よさと面白さを届けてくれます。
晴明の屋敷の縁側の簀子の上で、蜜虫あるいは蜜夜を傍らに侍らせつつ、晴明と博雅が瓶子の酒を口に運びつつ交わす会話の他愛なさと思いもよらぬ深さ。そこから巷で起こっている不可思議な出来事へと話題が展開し、その謎を解くべく「ゆこう」「ゆこう」ということになる流れ。
このお決まりのパターンが、読んでいて本当にウットリするほど心地よく飽きを感じさせません。
そして、不可思議な出来事や謎も、晴明の手で解き明かされてみると、その因果-そこに絡む人の様々な思い-がとてもシンプルで、なんか安心させられて、いいも悪いもひっくるめて人というものを愛おしく思わせてくれます。
本書のあとがきが書かれた2014年時点で、もう三十年書き続けているシリーズと作者は述べておられますが、延々と続いてほしいシリーズです。
Posted by ブクログ 2020年07月28日
大好きな陰陽師シリーズ。
このシリーズは、作中の時代に合わせるように、少しゆっくりと、より空気感を感じながら読み進める。
道満、救いのヒトですね。
Posted by ブクログ 2017年08月31日
陰陽師・安倍晴明と源博雅が活躍する14弾。今回は芦屋道満が活躍する3本も収録。
今回も二人の息の合った掛け合いは健在、都の闇を二人の活躍で解決していく展開を楽しみました。
しかも今回は、あの道満が中心となって話が進む作品もあり、物語に深みが出てきた感じでした。
道満が中心の物語では、道...続きを読む満の意外な人間性も垣間見え、魅力を感じました。
今後も二人だけでなく、この三人目も活躍していく展開を楽しんでいきたいと思います。
Posted by ブクログ 2017年06月18日
相変わらず、あの二人は仲がいいねぇ。
それこそなんかあったら酒を飲んで話をしている。
そりゃ道満先生も妬けるわね。
今回は道満先生も、お出ましが多くて、酒を報酬に働いてます。晴明様の代わりに。
色々と面白かったよ。
Posted by ブクログ 2023年07月25日
陰陽師シリーズは蒼猴ノ巻以来で久しぶりに読んだ
蘆屋道満がメインの話が今作は数多くあるのがいつもとはまた違った面白さがあった
心温まる物語もあるが、読んだ後に物悲しくなったり、世の無情さを感じたりする物語があるのが魅力の1つだと思っている
Posted by ブクログ 2022年11月19日
陰陽師の十四巻『蛍火ノ巻』。
「筏往生」が好き。望んでいるものを手に入れること。それを見つめ続けてしまったが故に、手放すことになってしまうという結末が無常感があって好きです。
陰陽師を積読にしていた間に、装画を担当されていた村上豊さんがお亡くなりになられました。ひょうげた感じの装画が好きでした...続きを読む。陰陽師世界の奇妙な雰囲気。そこには怖さもあるのだけど、恐怖だけでなく陽だまりを感じさせる温もりがある世界。それを描いてくれていたと思います。
ご冥福をお祈りいたします。
Posted by ブクログ 2018年02月13日
陰陽師シリーズの風雲児・蘆屋道満の、言うなれば本書は外伝のような物語。
道満が森の中で人助け。闇に堕ちても、堕ちたからこそ、たった一人でも人間味を失わない。そこが、一人では、博雅なしでは人間らしく在れない晴明と違うところなのかも。
山深い森に入るときは、お酒を持って行こう。
Posted by ブクログ 2017年06月26日
最新刊?なのかな。
相変わらずの晴明・博雅コンビの安定感と芦屋道満大活躍の回。確かに晴明たちを京都から連れ出すのはページ数使いそう。
それにしても晴明さんの鍼は大分雑だな、とか思いました。が、結果オーライなのか。星を呑んだ、というお話が好きでした。
Posted by ブクログ 2017年06月13日
面白いけれど・・・
老成したというか、無難になったというか。
悪く言えば焼きが回った・・・?
どろどろした良さ、不気味さ、生臭さが全く無くなった。
全てを受け入れる悟りの境地が作品全体に漂っている。
面白いんだけど・・・
以前、読んだ内容がそのまま。ある意味詐欺に近いかも。新しい内容のものを期待していたが肩透かしを買った感じだ。このシリーズ、そういう内容のものが多いと感じているのは僕だけ?