【感想・ネタバレ】陰陽師 付喪神ノ巻のレビュー

和風ファンタジーの題材としてすっかりおなじみの陰陽師。そのブームの火付け役であり、9月に市川染五郎・市川海老蔵らによる歌舞伎座公演も決定したのがこの「陰陽師」シリーズです。
平安時代の天才陰陽師、安倍晴明。その親友で音楽の才能豊かな源博雅。この二人が鬼や生霊など様々なものの怪にまつわる怪異を解き明かしていくこの物語。映画のような派手なアクションはほとんどなく、彼らは問題の怪異の原因となった人の業を探り、ものの怪達を納得させることで怪異を見事に解決していきます。
この物語の大きな魅力は、主人公二人の掛け合いが格別に面白いこと!
厄介事を頼まれ困り果てた博雅が、二人で酒を酌み交わしながら晴明に解決を依頼するのですが、その軽妙なやり取りに、自分も仲のよい友人と庭を眺めながら、美味い肴片手にお酒を舐めたくなる事間違いなし!
美しくも怪しい平安時代の余韻から抜け出せなくなりそうな不思議な物語です。

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Posted by ブクログ 2024年02月29日

「鉄輪」はとても哀しい話だった。平安の世においての恋愛はほんとうに身を破滅させるだけの熱量をもって行われていたのだな、と。恐ろしいやら、素敵なもののような気がするやら。博雅が涙ながらに生成になってしまった女に、自分を喰って楽になるならそうしてくれ、と訴えかける場面は、晴明が「よい漢」と表現する理由が...続きを読むとてもよくわかる。
たびたび話題にあがる例の歌合せの様子がつまびらかに語られていて、平安京の華やかさに思いを馳せてしまう。

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Posted by ブクログ 2023年09月19日

シリーズ3冊め

飄々とした安倍晴明と優しい源博雅のコンビ、
とっても好き。

「ものや思ふと…」
よい歌を作りたいけども才能がないことに気づいて鬼に作ってもらってきた貴族が、最後に自分がこれぞ!と思って自作した歌が、歌会で選ばれなかった無念。
このお話は面白かった!

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Posted by ブクログ 2022年06月19日

いつも通りとっても心地よくて晴明がかっこよくて二人の関係がかわいくて好き。
夏の描写がいいね。
代わりに歌を詠んであげる鬼とか、ちょっとかわいい

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Posted by ブクログ 2018年10月25日

シリーズ3作目。前に出てきたキャラの再登場もあって良かった。新キャラ道満もクセがあっていい。
鬼の話はどれも切ないが、晴明と博雅の掛け合いや、二人の鬼に対する態度がとても良い。「鉄輪」「ものや思ふと……」「打臥の巫女」が特に好き。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年09月21日

一番恐ろしく哀しいのは鬼でも物の怪でもなく、人の心だなあ、と、ありきたりな感想を抱く。それにしても博雅が素敵だ。ずーっと変わらず、このままでいてほしい。

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Posted by ブクログ 2024年02月28日

「瓜仙人」「鉄輪」「這う鬼」「迷信」
「ものや思ふと……」「打臥の巫女」「血吸い女房」の7篇収録でシリーズ3作目。

村上豊のカラー絵にもなった「鉄輪」。
丑の刻参りの末に生成りの鬼になった徳子は強烈。
物語もかなり強烈。

「ものや思ふと……」では宇宙の概念がつづられる。
宇は天地、左右、前後・・...続きを読む・の空間を意味し、
宙は過去、現在、未来・・・の時間を意味する。
空間と時間を合わせた宇宙という言葉を、
中華文明はすでに持っていた。
そして、人は呪という手段でこの宇宙を理解していた、
と、晴明は続ける。
また、言葉は呪を盛るための器であるとも言う。
──んんん、もしかして数学的認識は呪なのだと思った瞬間だった。

「打臥の巫女」は八百比丘尼で、白比丘尼だったんだ。
すっかり忘れてましたねぇ。

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Posted by ブクログ 2023年11月24日

平安陰陽師伝奇ファンタジー第三巻。短編七編を収録。男女の情愛漂う狂おしく、切なく、そして悲しい話が多かったかな。個人的には"恋すてふ"の壬生忠見リブートがうれしい。和歌に自分を懸けた男たちの悲しい生き様がぐっとくる。

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Posted by ブクログ 2023年05月05日

中学生以来の陰陽師シリーズ、自然に関する描写が本当に綺麗だなと。
誰かを想うことの儚さ、美しさ、切なさ、醜さ、きっと平安時代も令和の今も本質的なところで変わっていないのかなと思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年08月11日

魔の巣窟平安京のお話で未知魍魎、百鬼夜行の世界なのに、おどろおどろしくない。グロテスクな雰囲気にならない「陰陽師」。読み易いです。ワザと古語表記、読み方にしている所がお話の世界に入り込める感じがして好きです。シリーズ3冊目は古典で習った様な知っているお話が揃ってる。蘆屋道満も登場。
「鉄輪」「ものや...続きを読む思ふと」は読み終わると物哀しくなる。どうにもならない事もある。

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Posted by ブクログ 2021年07月25日

歌合のような雅な宮中行事も描かれる一方、哀しい思いが凝り固まって鬼に変じたものも出てくる。
晴明と源博雅が今作もいいコンビ。

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Posted by ブクログ 2020年09月19日


芦屋道満も出てきて仄暗い話も増えてきた印象。今までとは違う感じで楽しめた。
陰陽師はなんとなく年を重ねていく話ではないと思っていたので、年月が経っていたことが少し驚きだった。

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Posted by ブクログ 2016年07月22日

いやさ、もう、理解している男性作家の書くものほど威力のあるものってないよね。
「ばか」の破壊力ときたらもう。

忘れ去っているので、漫画も楽しみ。

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Posted by ブクログ 2016年02月13日

今回はちょっと切なくなるようなお話しばかり。
男女のもつれや、情がらみの話が多いかな。
清明と博雅とのなんともいえない間が楽しい。

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Posted by ブクログ 2016年01月30日

平安時代の貴族、しかも陰陽師という、イメージとしては非常に優美でたおやかな時代、人物を描いているのに、描写は冷徹とも思える程簡潔で、写実的。
『迷神』の冒頭部分、早春、咲き始めの桜の花びらが風もないのに一枚ひらりと落ちる場面なんか、カメラの連射で捉えたようです。

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Posted by ブクログ 2015年07月02日

陰陽師シリーズ、3作目。

今作から(?)晴明のライバルである蘆屋道満が登場。他作家さんの作品で読んだ時はもっとバチバチしたライバルだったんだけど、夢枕版ではそうでもないのかな?いい感じでライバル感を愉しんでいる二人がいて、これはこれで良かったと思う。
ホラーな話もあるけど、全体的には綺麗な文章で読...続きを読むみやすい。聞いたことのある和歌と絡めたお話だったり、丑の刻参りの元?みたいな話もあって、面白かった。今後も読み続けたいシリーズです。

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Posted by ブクログ 2014年04月22日

痴情のもつれって怖いよね、と思わずにはいられない。救われないエンドも多いのに重苦しくないので読みやすいですし、続巻も読みたいと思える。が最後まで、なにをもって付喪神ノ巻だったのかは分からずじまいでした。

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Posted by ブクログ 2014年03月16日

陰陽師シリーズ3作目

「鉄輪」
「這う鬼」
「打臥の巫女」

がお気に入り(^o^)

ドラマ陰陽師が大好きで、懐かしいですね(≧▽≦)
DVDが欲しい…(´・ω・`)

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Posted by ブクログ 2013年12月30日

鬼になるほどの思いってすごい。今回はこの時代の怪異な美しさだけでなく、恐ろしさを感じた。3巻目だがまだまだ面白く、清明と博雅の心地よい関係や個々の過去の出来事など少しずつ描かれているのが楽しい。

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Posted by ブクログ 2013年06月26日

「鉄輪」を初めとする、捨てられた女の恨みが恐くも哀しい話が多かった気がします。印象深かっただけかもしれませんが。あと、和歌ってうたう方も選ぶ方も知識やセンスが必要で大変だな、としみじみ。

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Posted by ブクログ 2012年12月11日

ライバルの登場はありましたが、現在のところ晴明殿は無敵なので安心して読めます。
変にスペクタクルな展開にならず、この安定した調子で続いてほしいです。

古典が苦手なので「ものや思ふと…」の前半では思わず逃げ腰でした。

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Posted by ブクログ 2012年06月29日

 どれも良かったのだけど、特に『ものや思ふと……』が好きです。
 ややこしい歌の話から始まったかと思えば、人と鬼との友情の話に転化する。死人である鬼の優しさと、生者である人の夢に対する意地がぶつかって、悲劇が起こるのは、人生に通じるものがある。最後まで意地を通して死した歌人も、友の死を悼む鬼も、たま...続きを読むらなく愛おしい。

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Posted by ブクログ 2024年02月23日

解説にもあるように、相棒の源博雅を生み出したのがこの小説の最大の功績だと思った。シリーズ3冊目まで読んで、気が済んだ感。映画やアニメの元になった作品がどのようなものかわかったので良かった。

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Posted by ブクログ 2022年05月22日

付喪神、つくも神とは、日本に伝わる、長い年月を経た道具などに精霊(霊魂)が宿ったものである。人をたぶらかすとされた。

「瓜仙人」
梨売りと仙人 の昔話から逸話を取っているのかしら?
管狐を竹筒に戻して解決。管狐(くだぎつね)とは、日本の伝承上における憑き物の一種である。長野県をはじめとする中部地方...続きを読むに伝わっており、東海地方、関東地方南部、東北地方などの一部にも伝承がある。

「鉄輪」
男を恨んで鬼となった貴族の女、それが茨木童子であるとする『平家物語』「剣巻」による。自分を捨て若い女といっしょになった夫を取り殺そうと、現世で鬼となった女の能。京都貴船神社の神職が、丑の刻詣での女に、鬼に変身させようとの神託を告げる前段。からかなあ。
晴明と博雅に救われる。

「這う鬼」
好きだった男に殺されそうになった女が、一命を取り留め男を殺して、生霊となり、男の新しい女を殺そうとする。自身の髪を皮ごと削ぎ、それを使い殺そうとする。哀しい復讐。メデューサの様な描写と髪をダウジングに使う、面白いね。

「迷神」
人をまよわせるという神。
愛する夫を亡くした女が、反魂の呪で亡き夫を蘇らせてもらう。毎晩訪ねてくる夫。女は、耐えられなくなり、晴明に反魂をおさめてもらう。迷わせるものは、人の心の中にある。

「ものや思うと」
天徳四年村上天皇主催 内裏歌会
忠見 恋すちょう我が名はまだき
兼盛 忍れど色にいでにけり 
百人一首を覚えはじめの頃、似てるよねとは思っていた。同じ歌会の恋の歌。兼盛の勝ち。負けた忠見は悶死。鬼となる。
源博雅が歌の読み間違えたのは史実らしい。
この歌会を描いた作品は幾つかあるようで、詳細も伝えられている。悶死したかは、謎。

「打臥の巫女」
八百比丘尼(やおびくに)は、日本の伝説上の人物。特別なもの(人魚の肉など)を食べたことで不老長寿を獲得した比丘尼である。京都にも伝説が残る。長生きしてるうちに、予言とかできちゃう。

「血吸い女房」
巨大なヒルに取り憑かれた女性。これは嫌だわ。

さて、ようやく再読完了。晴明•博雅コンビは、平安の怪異事件を軽妙に解決する。

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Posted by ブクログ 2022年04月28日

瓜仙人の元ネタって聊斎志異だっけ
「生成」って初めて知った
忠見の霊はなんでずっと彷徨い続けてるんだろう

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Posted by ブクログ 2019年03月11日

シリーズ第3弾。

今回はいよいよ、晴明のライヴァルである蘆屋道満が登場します。といっても、飄々とした性格の晴明と、食えない老人の道満の対決なので、正面切ってのバトルになることはなく、おたがいに相手の出方をうかがいながら力を試すような駆け引きがくり広げられます。

博雅の熱いキャラクターとの対照が利...続きを読むいていて、おもしろく読めました。

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Posted by ブクログ 2018年05月01日

相手に対する好きという気持ちが叶わなかった時、その気持ちが大きければ大きいほど、相手も自分も傷つけることになるんだなと…
今回の男女の縺れがメインの話はどれもこれも切なかった。
相変わらず清明と博雅のやり取りは最高!の一言に尽きます 笑
あと個人的には道満のキャラが好き!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年08月05日

陰陽師、シリーズ第3弾。

鉄輪の話
どちらかを救おうとすれば、もう一方を見捨てることになる。
これは現代の裁判などでも言えることだと思う。一方の意見を飲めばもう一方は泣き寝入り。
難しいなぁ
晴明ってツンデレ?

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Posted by ブクログ 2013年05月12日

シリーズの三作目
「瓜仙人」…方士の丹蟲先生の管狐
「鉄輪」…生成となる女の話
「這う鬼」…鬼となり女を取り殺そうとする話
「迷神」…芦屋道満に願い夫を蘇らせた女の話
「ものや思ふと……」…壬生忠見の話
「打臥の巫女」…藤原兼家と藤原兼通の話
「血吸い女房」…藤原師尹の身の回りで起きた怪の話

安倍...続きを読む晴明と源博雅のふたりが、よい具合の関係で好み。

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Posted by ブクログ 2013年04月07日

”這う鬼”の生皮付きの髪が、女を祟り殺す場面がとても凄惨。さすが。
”ものや思ふと”は、いつもと少し違った趣で、よかった。
”血吸い女房”は、どこかユーモラス。面白い。

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Posted by ブクログ 2012年09月30日

これもよかったよ!
まあ、ちょっと飽きてきてるけどね!

晴明が何でもできるわけやないのがいいね。博雅のちょっと素っ頓狂なとことか。

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