あらすじ
「晴明よ、おまえ、おれのことが好きであろう」
いまなお熱い”陰陽師”ブームの火付け役、夢枕獏の「陰陽師」シリーズ。
作者のがん闘病による執筆休止期間を経て、復活後初のシリーズ最新刊。
目次
兼家奇々掻痒
金木犀の夜
ちび不動
媚珠
梅道人
殺生石
なた太子
按察使大納言
和風ファンタジーの題材としてすっかりおなじみの陰陽師。そのブームの火付け役であり、9月に市川染五郎・市川海老蔵らによる歌舞伎座公演も決定したのがこの「陰陽師」シリーズです。
平安時代の天才陰陽師、安倍晴明。その親友で音楽の才能豊かな源博雅。この二人が鬼や生霊など様々なものの怪にまつわる怪異を解き明かしていくこの物語。映画のような派手なアクションはほとんどなく、彼らは問題の怪異の原因となった人の業を探り、ものの怪達を納得させることで怪異を見事に解決していきます。
この物語の大きな魅力は、主人公二人の掛け合いが格別に面白いこと!
厄介事を頼まれ困り果てた博雅が、二人で酒を酌み交わしながら晴明に解決を依頼するのですが、その軽妙なやり取りに、自分も仲のよい友人と庭を眺めながら、美味い肴片手にお酒を舐めたくなる事間違いなし!
美しくも怪しい平安時代の余韻から抜け出せなくなりそうな不思議な物語です。
感情タグBEST3
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いゃ〜、今回も面白かった。
巻が進むほど、博雅と晴明のやりとりや風景描写が味わい深くなっている気がする。
これも著者と共に作品も熟成しているのかな。
読んでる私もどんどん熟してますが…。
今回もどの作品も面白かった。
一番好きなのは「哪吒太子」かな。露子姫をはじめ脇を固める登場人物しかり、初期の頃のような立ち回りに晴明の思慮深さが垣間見える。
しみじみ良い短編集です。
一応現時点での最新刊まで到達。新刊出るのを楽しみに待ちたいと思います♪オススメ!
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博雅殿が素直に驚いたり分からない事をすぐ聞いたり微笑ましい。
晴明殿も博雅殿も時間との勝負な所もあるだろうけどなかなかにフットワークが軽い。
道満殿簡単に負けるような人とは思わないけど殺生石の話はハラハラドキドキした。
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中学で出会って、それからずっと読んでた私の日々は、この巻を読むためにあったのかもしれないと思えるほど素晴らしかった。梅道人の二人の会話で本当に泣いてしまった。私はずっとこの二人の他愛ない会話を聞いていたくて読んでるんだ。静かで優しい穏やかな友情が、夢枕獏の言葉選びで綴られて、それがずっと好きなんだ。人生で1番好きな本は?と聞かれたら陰陽師シリーズを挙げるし、その中でも好きなのはと問われればやっぱり第1巻と答えるけれど、この巻がよりいっそう好きを強めてくれた気がする。
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今回は、晴明の優しさが見える事件が多くて嬉しい。
博雅に優しいと言われて照れちゃってるところも好き。
樹木が屋敷の主にとりついた理由、ちょっと切ない。
人と人ならぬものではよって立つところがまったく違うものね。
道満もあいかわらずいい味出してるなー。もっと登場してくれるといいな。で、晴明と掛け合いがあると嬉しい。
虫めづる姫君もナイス。あの子、年齢を重ねてどうなっていくのかな。見守っていきたい。
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晴明と博雅のゆったりした趣と、クセのある道満のお話も挟んだ短編集です。
あとがきに泣けました。
これからも、ずっと応援しています。
大好きなシリーズです。長く物語が続きますように…
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心地好い時間であった(*´∀`)♪相変わらず恐ろしい事が起こっているのに、何故か癒されるという…不思議な事よのう(´・ω・`)?私の中で、どんどん道満が「よい漢」になっているのである。晴明や博雅を追い越す勢いで(゜゜;)ちび不動には是非うちにお越しいただき、栗や芋を焼いて、踊りを踊っていただきたい(*^-^*)(←罰当たり)
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陰陽師は…何年ぶりでしょうか。今回はこれまでより一編一編が更に短かったような気がするんですが、でも味わい深さは変わらず…さすがです。『西遊記』にも登場するという、なた太子(漢字出ない)のヴィジュアルが見てみたい!露子姫は覚えてたけど、黒丸て…誰だったっけ?あと…獏ちゃんが御年72歳ということに、ギョッとしました。
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『陰陽師』シリーズ第18巻。
大好きなシリーズ。
露子姫、登場。嬉しい。
黒丸が強く格好良く育っていて嬉しかった。
格好いいと言えば、道満も善き。ダークヒーロー。玉藻前が出て来て面白い展開になってきた。
晴明と博雅のゆるゆるマッタリ感も健在で良かった。
晴明のことが好きすぎて泣き出しちゃう博雅くんとか、二人を見守ってきた長年のファンをどうしたいんだ!夢枕先生!ありがとう!大変善きでした!
珍しく焦っちゃう晴明とか、ヤバい。好き。ボキャブラリー足りない。
夢枕先生御年72歳。まだまだお元気そうでナニヨリです。
お身体に気をつけて、これからも陰陽師シリーズ続けて欲しいです。楽しみにしてます。
なんか、ファンレターみたいな感想になっちゃった。
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本屋でふと見かけて手に取った一冊。
映画を先に知っていたので原作だとあとから気づいてびっくり!
途中からなのにとても面白く読めました。
既刊も読もうと思います。
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良かった!の一言。
闘病されていたとの事で、もう新作は発行されないかもと、思っていたので発売日に嬉しくて購入からの読破。
どんなに人気がある作品でも、合わない人には合わないからゴリ押しをするつもりはないけれど、それでも良かった!と伝えたい一作でした。
Posted by ブクログ
作者が闘病していたとは知りませんでした
復帰されて良かったです
今回は短編で味のある物語8話です
寝る前にワクワク楽しみながら読みました
梅道人では博雅の本音を聞き、珍しく狼狽える晴明が萌えましたwww
蘆屋道満も活躍する2話も良かった!
強いですね
晴明の所で酒でも飲むか・・
ライバルでありリスペクトしている関係が
読んでいて嬉しい!
あとがきもありましたね
夢枕獏様、陰陽師を描く事、貴方が1番です!
まだ余韻に浸っております♪
Posted by ブクログ
8編+あとがき。この8編が多様なお話で、とても充実、得したような気分になった。
このシリーズを読むと、いつも真っ先に思うのは、このように酒を呑んでみたい、酒を楽しみたいということである。この夕べをページの奥とは言え、主人公らと共有できるのが実に嬉しく、しかしながら同時にページの隔てがあることが寂しい。
「媚珠」は不思議と芥川龍之介を感じた。文体はもちろん、異にする。芥川の雲母の欠片がプレパラートでも思わせるようなヒリヒリとするような輝きとは違うが、どこか共通するリズム感があるように感じた。そして、杜子春だろうか、羅生門だろうか、怪しい雰囲気は一つに思えた。全く個人の感想だから、違うと言われればその通りなのだが、そう思えてしまったのだ。
読み進むと、三国一のヴィランと対峙する陰陽師の姿があり、三国一のスーパーヒーローと共闘する陰陽師がいた。
いつになく、三国に渡る知識を教えてもらえる。陰陽師たちの知と教養の深さだろうか。
虫愛ずるヒロインが実に愛しい。そして平安貴族とは怪異に襲われ難儀するのだなあと、対比しながらため息をつく。
ほろほろと酒を呑む二人に、「ゆこう」と言われ「ゆこう」と答える二人に、なんと幸せなやさしさに包んでもらったことだろう。
終わりのないシリーズである。また、この幸せを早く味わいたい。
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道満がカッコいい/博雅は、史実では晴明よりかなり早く死ぬらしいので、この物語の晴明は独りで酒を飲むのだろうなあと思った/またしても兼家、身体の内側が痒くてたまらない/ボロボロの老婆の本体は/小さい不動明王に栗を焼かせ売る行者と烏天狗/自慢の妻が時々恐ろしいので困っていると道満が来た/博雅、決心す。あと、玉女山(ぎょくじょせん)に来てしまった歌好きの袖薫さん/道満vs殺生石。「泥の煮えるような声」シブそう。「おれには、どのような人間も救うことができぬよ。たとえそれが、もののけや亡霊であってもな。自身さえ救えぬ哀れな爺いさ、このおれは……」「その虚こそが、我が欲の本体ぞ」/露子、哪吒と出会う。兼家さん、また災難/露子の父、橘実之が不思議な目に。
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初出2018〜23年「オール讀物」の8話で、シリーズ18作目(たぶん)
例によって、清明と雅博、あるいは蘆屋道満があやかしたちを鎮める物語。
今作の事件は、500年生きた松による呪い、身代わり観音への供え物を食べて病を負った狢、経を聞いて人の姿になれた烏、絵師を愛した狐、過去に死んで玉女山から帰った歌人、殺生石に封じられていた玉藻の前、唐から逃げ出した青牛を追ってきた哪吒太子、大納言橘実之の離魂。
いちばん心に残ったのは、雅博が語った、相手が死んで自分が遺される苦悩を思うと相手にそれを味わわせたくないので、自分が後まで生きようということば。
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陰陽師シリーズ
晴明と博雅のコンビはもちろん良いんだけど、今回は蘆屋道満が活躍する話が2つあって、どちらも良かった。意外と格好イイお爺ちゃん。このシリーズの道満は全然悪役じゃないところが良いわ。グロい描写もあるけど、全体的には美しい文章で私にとっては清涼剤のような読み物。ずっと変わらず続いてほしい。
Posted by ブクログ
人の世の難しさは何からくるのか
やはり欲というものだろうか
それが人を狂わせ判断できなく
してしまう
感性豊かだと
人の怨念を我が身に引き受けて
しまう 悲しい 哀しい
そして苦しむ
時間をゆったり感じるのは
清明と博雅の酒を酌み交わす場面
自然の豊かさ 時の流れ
栄華盛衰を感じる
そんな時間が欲しい
Posted by ブクログ
久しぶりの陰陽師シリーズ。相変わらすの晴明と博雅のかけあいがとても良い。季節の移ろいの描写もいつもいつもうっとりする。1番好きなのはちび不動でした。最後に踊るのがほんとに可愛い。先生、これからもお元気に執筆お願いします。
Posted by ブクログ
よく言えば、内容が読みやすくなっている。悪く言えば、ラノベっぽくなっている。ま、好みの問題かと。
博雅が晴明に直球投げたり、道満がビッグタイトル調伏したり、黒丸の戦闘シーンあったり、わりかし問題作。笑。
Posted by ブクログ
軽くっても良いよね~小さな不動像を奪った烏は弘法大師が建てた東寺の軒下で天狗になったのだった~5年前に雑誌に発表したものから昨年まで、終わりがないから気が楽そう。芦屋道満は大変な式神を手に入れたね。九尾の狐だって
Posted by ブクログ
学生時代から読み続けているけど、
私はどんどん変わるのに、
いつまでも変わらない二人に
安心するやら、笑っちゃうやら。
短編のほうが、やっぱりおもしろい。
Posted by ブクログ
久々のシリーズ新刊。
晴明の屋敷での庭を見ながら酒を酌み交わす晴明と博雅。
その二人の描写を読むだけで、陰陽師の世界に引き込まれる。
二人の様子は読んでいて心地よい。
巻を増すごとに二人の信頼関係もどんどん強くなっている気がする。