【感想・ネタバレ】陰陽師 太極ノ巻のレビュー

あらすじ

安倍晴明の屋敷で、いつものように源博雅が杯を傾けている所へ、橘実之の娘、虫が大好きな露子姫が男装してやってきた。何でも晴明に相談があるというのだ。広沢の遍照寺にいる僧が、眠る前に誦経していると、黄金色をした虫が現われるが、朝には消えてしまうらしい。この虫の正体は──。「二百六十二匹の黄金虫」他、「鬼小槌」「棗(なつめ)坊主」「東国より上る人、鬼にあうこと」「覚(さとる)」「針魔童子」の全6篇を収録した人気シリーズ第7弾。

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和風ファンタジーの題材としてすっかりおなじみの陰陽師。そのブームの火付け役であり、9月に市川染五郎・市川海老蔵らによる歌舞伎座公演も決定したのがこの「陰陽師」シリーズです。
平安時代の天才陰陽師、安倍晴明。その親友で音楽の才能豊かな源博雅。この二人が鬼や生霊など様々なものの怪にまつわる怪異を解き明かしていくこの物語。映画のような派手なアクションはほとんどなく、彼らは問題の怪異の原因となった人の業を探り、ものの怪達を納得させることで怪異を見事に解決していきます。
この物語の大きな魅力は、主人公二人の掛け合いが格別に面白いこと!
厄介事を頼まれ困り果てた博雅が、二人で酒を酌み交わしながら晴明に解決を依頼するのですが、その軽妙なやり取りに、自分も仲のよい友人と庭を眺めながら、美味い肴片手にお酒を舐めたくなる事間違いなし!
美しくも怪しい平安時代の余韻から抜け出せなくなりそうな不思議な物語です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

陰陽師シリーズの短編集。
良い意味で、いかにも安定の陰陽師シリーズ、と言った感。

二百六十二匹の黄金虫で露子姫が黒丸を伴って登場し、「とても不思議なぶんぶんがいるのです、清明様」嬉しくなります✨

~~~~~~~~~~~~~~~
・二百六十二匹の黄金虫
秋、露子姫、黒丸、遍照寺の明徳、寛朝僧正
若経から逃げ出した文字たち

・鬼小槌
冬、平実盛、藤原中将、蘆屋道満、鬼
猿叫の病

・棗坊主
春の終わり、祥寿院の恵雲、北斗星と南斗星

・東国より上る人、鬼にあうこと
春の終わり梅雨の前、平重清、鞍櫃に住む大鼠

・覚
蛍の季節、源信好、藤原恒親、紀道孝、橘秀時
さとり
・針魔童子
秋、播磨の性空聖人、毘沙門天の眷属の善膩師童子
逃げ出した針

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2020年04月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今回は短編。
いつも通りで満足。
一番最初の黄金虫の話が童話的で好きでした。
露姫様また出て来てくれて嬉しい。
蘆屋道満はもう準レギュラー。

物語の最初に2人でお酒飲みながら話してるシーンが好きです。
博雅、可愛い。その季節や風景をちゃんと感じて楽しんでいるところが本当に好きです。読んでるこちらまで幸せな気持ちになります。
2人でお酒飲んでる時の会話がなんか哲学的でした。
後書きで、一行目は現実の季節から書き始めるとあって、じゃあこの話書いたときは雪だったんだなーとしみじみしました。

0
2025年10月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本人が「どれも面白い」と言うほどには面白くもない。二人の主人公は魅力的なので、もっと仕事させた方がよかろう。

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2012年11月14日

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