【感想・ネタバレ】秘帖・源氏物語 翁-OKINAのレビュー

あらすじ

美貌の貴公子・光の君の妻である葵の上に、妖しいものが取り憑く。どうやら六条御息所の生霊らしいが、並の陰陽師では歯がたたない。最後に光の君が訪れたのは、外法の陰陽師・蘆屋道満のところだった──!

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ネタバレ

源氏物語そのものを読みたいという人にはあまり好評ではないかもしれない。しかし、普通の推理小説を読むようにどんどんページをめくることが出来るので、本来の源氏物語ほど取っ付きにくいものではない。要所要所に世界中の神話の知識が散りばめられていて、「そう持ってくるか!」と何度も驚いた。

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2021年07月09日

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本が進む進む!笑
何でしょう、日本語の特性をすごく引き出しているというか…。とにかく引き込まれる文章です。

源氏物語だけど陰陽師の話のようで、なぞなぞも興味深かったです。
六条御息所の生き霊の辺りも、話が上手くてゾクッとしました。

とってもおすすめの一冊です!

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2013年04月23日

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作者の夢枕さん自身が、傑作だ!というだけあって、おっしゃる通りの傑作でした。源氏物語をもう一度読みたくなりました。

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2012年03月22日

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ものの怪は物の気配、本来は人と物との間に生じた気配、それを感じ取ったもの。しかしそれに名を与え、人の思いを乗せることで神にも鬼にもなると言う。鬼がまだ「もの」と呼ばれていた時代の話…

これもやはり、人と物との関係性を起点に産み出されるという点では「われーなんじ」の世界に繋がるものと言えるだろうか。
人間は「人と間」によって形作られる存在と言えるか。しかし決して「人」と「間」は切り離せない。われーなんじの「ー」こそ「間」であるのか。となると「間=ー」とは、なんじに対するアプローチ、動的な側面を持ちうる文字(記号)となるだろうか。

人間は、人ー間間ー人(「物」でもよいが)ということでしか存在し得ない。絶対的な個としての単体の「人」の存在はあり得ない。故に人間と書くのか。否応なくそうせざるを得ないから。
陰陽師やシャーマンが当たり前にいた時代、文化は「間」との繋がり、アプローチ、認識がより身近だったのだろうな。それ故、間と間が混ざりあうことで、多くの物の怪が生まれたのだろう。

物の怪のもつ不思議な魅力…それは、かつては当たり前に共有できたが、時代と共に消え失せていった「間」への狂おしいほどの憧憬がそうさせるのかもしれない。

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2023年10月05日

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夢枕獏さんの作品が好きで購入。
源氏物語が元とは思えないほど、非常に読みやすい作品であるものの…後半の盛り上がりは他の作品と比べると薄いようにも感じた。
陰陽師シリーズの安倍晴明から妖に関する知識を抜かれたような光源氏が主人公で、それを補っていくのが蘆屋道満という形で進んでいきます。
作中に登場する謎々も宗教を絡めており非常に面白かったです。

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2022年03月23日

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 詩人のしるす文章は、形容のための形容が前へ出て、およそ おおよそ読みにくい。
 夢枕獏の綴り方は、私にとって「詩人のしるす読みやすい文章」だ。
 本書は『陰陽師』シリーズの外伝のような味わいで、一気に読めた。
 夢枕版の光源氏は、好色とは別のリビドーで動いているようだ。
 

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2019年05月22日

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陰陽師だと思って読んでいたので、安倍晴明が出てくるのを
最後まで待ってました(^◇^;)
物語の舞台は嫉妬に狂った六条御息所が生霊となって
妊娠中の葵の上を苦しめるというあたりですね。
色々を策を講じるも効果なし。そこで光の君が頼ったのが、蘆屋道満。
葵の上の中に、六条御息所以外の何かがいる。
道満と共に、その何かの正体を見極めるために動きだすが、
異国の宗教もを絡めて予想外の方向にシフトするのが面白かった。
やっぱり獏ちゃんが描くと嫌いな光源氏もステキに見えます。

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2016年03月19日

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☆2015.6.18
なんと、芦屋道満が出てきた!
「宿神」シリーズとのこと、しかも源氏物語がベースと来ては、読まねばなるまいと思い手にした。
細かいストーリーはさておいて、これは「宿神」と「陰陽師」を足して、源氏物語を語ったというテイスト。
夢枕さんは頭がいいなぁ!

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2015年06月20日

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源氏物語にうまく陰陽師の世界を入れた感じ。
それに違和感なく読めました。
なかなか面白かったです。

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2013年08月29日

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楽~な気分で取りかかれ、読み終わることができました。

一応源氏物語を土台にして、夢枕さんらしくもののけというか、霊というかをはめていておもしろかったです。
また、続、書いてほしいです。
源氏物語の、霊とかもののけからのとらえ方っていいですよね。
源氏物語って、
恋愛物語と思うと、気も滅入るしなんとなくもういいかなぁって感じです。
光源氏勝手すぎるから。

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2013年05月03日

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夢枕獏 著「秘帖・源氏物語 翁」を読みました。

 光源氏の妻、葵の上に怪しいものがとり憑く。彼女を救うため、光の君は外法の陰陽師・蘆屋道満に調伏を依頼するが、謎は深まるばかりだった。

 陰陽師「源氏物語」版といった感じでした。

 今回は安倍晴明は全く出番がなく、代わりに光源氏とあの蘆屋道満がコンビを組んで、謎を解き明かしていく展開で、陰陽師同様楽しく読ませてもらいました。

 恥ずかしながら、源氏物語のさわりしか知らない自分でも源氏物語の世界を少し味わえた感じがしました。

 謎が解明する件では、世界の神話まで登場し、この物語のダイナミックな展開に驚かされました。

 もう少し、神話の勉強をしていればもっと楽しめたのかもしれないとも思いました。

 人の愛憎は現代より平安時代の方がやはり深かったのでしょうか。

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2013年03月16日

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源氏物語を土台にした怪奇モノ。
多少事前知識があるとより楽しめるかと。
似て非なるものであると思われるまさに天才、光源氏と道満二人が葵の上にとりついている何かを探るため妖怪や神たちにあう。

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2012年10月31日

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あとがきで本人が「傑作」を連呼していますが(^^;、でもその通りかな。と、思いました。源氏物語というか、光源氏が主役です。「あの」有名な陰陽師も飛び出してきますし、ストーリや謎解きの仕掛けも秀逸です。
夢枕獏さんの小説は、行間があいているので読みやすいというのはありますが、それを差し引いても面白くてあっという間に読んでしまいました。獏さんは連載をいっぱいかかえてて、早く進めてよ~って思うことが多いですが、この本なら「寄り道なっとく」と思える本でした。

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2012年10月08日

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様々な神話などを絡ませた謎解きが非常におもしろく、さすが夢枕さん自身が傑作と評しただけはありました。個人的には、終盤を理解することがなかなか難しかったので★4つです。私の知識が足りないだけかもしれませんが…

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2012年08月29日

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ネタバレ

作者自身があとがきで「傑作」と書かれているとおりに傑作なので、あまり申すことはありませんが、これは「きれいな光源氏」で、雰囲気は陰陽師。
途中の宗教についての考察のような部分がすごかった(この話、どこへ行っちゃうんだろう、と思いましたが)
六十六番も。
六十六番はもしかしたら、葵の上から「モノ」を呼び出す前に、光源氏自身を「素」の状態に返すためのものだったのでしょうか?

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2012年08月17日

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ネタバレ

面白かったです。
平安という時代設定にまさかキリスト教うんぬんをからめてくるとは。
言葉や仏像や歴史からなぞ解きをするところは、ダヴィンチコードみたいでした。

「獣の首をした王」というのはサタンのことかと思ったのですが・・。
そこまで散々キリスト教におわせといて、最終的には自業自得か、という感想もなくはない。

光源氏が自分が原因であったと気付いた時に、胎児に本来見えないはずのものが見えてしまう能力を宿らせてしまってすまん、みたいに謝ってるけど、そのあとの六条御息所との話では胎児が母の苦しみを肩代わりしていた、みたいなことになっていてあれ?という感じ。
葵の上が光源氏を苦しませようとしたのは、御息所も同じだけど光源氏が女性をとっかえひっかえする上に、女性の中に母親を見て、自分そのものを見てくれないから(わたしの解釈です)で、そこが一番の原因じゃないの?と。
その原因をさらにつきつめると、母親がいなかった寂しさから、女性に母性を求めてしまうんだろうなと思うし、それはしょうがないことかもしれないけど、母親がいなくてもそうはならない人もいるのだから、光源氏が母の死をきちんと受け入れられてないのが原因かなあと思います。
そういう意味で自業自得。

あとどうしてもイメージが晴明とかぶってしまいます。
そういう話にしたかったのだろうとは思いますが・・。
太秦寺で仏陀が出てくるからそこでまとめるというか、仏陀とからめたほうが最後のオチと結び付く気が・・・。

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2012年08月05日

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源氏物語がもとになっている本。

最初の方は、源氏物語の流れで、先が読めてしまうと危惧したけど、ちゃんと途中から面白くなっていった。

ただ、あとがきが少し本を読んだあとの余韻を見事に掻き消されたような…。

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2012年06月23日

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《それは、楽しみでござります……》(p.82)
〔Ⅰ〕この作品の光の君は茫洋としてしかし非情なところもある大物でただの女好きではない。
〔Ⅱ〕葵の上に憑いた六条御息所の生き霊を蘆屋道満が祓おうとするがその背後にさらに何かがおりその正体を当てなければ出ていってくれそうにないので光の君、道満コンビが探索を始める。
〔Ⅲ〕光の君のキャラクタは楽しかった。この話の後にも性格が変わっていなかったら続編あってもいいかも。今度は安倍晴明と共演させたりして。蘆屋道満は『陰陽師』での方が印象が強かった。案内役という役割を振られたからやろうか。

■簡単な単語集

【葵の上】光の君の妻。四歳年上。十二歳のとき妻にした。なにかに憑かれている。
【蘆屋道満】法師陰陽師。秦氏の血を引いており秦道満と呼ばれることもある。葵の上に憑いたものを祓うため光の君に雇われた。《人の不幸が好きでな。わしは、人の心を啖うて生きておる。》p.62
【景教/けいきょう】キリスト教ネストリウス派のことだそうだ。
【源氏物語】僕も完読(?)は『あさきゆめみし』でした。あと中村眞一郎さんの訳が集英社・コンパクトブックス一冊だけなのでそれで読みました。
【隠祝/こもりはふり】大酒の神に仕える神職の一つ。裏の仕事をするようだ。
【惟光】光の君の部下。
【太秦寺】今ではふつう広隆寺と呼ぶことが多い寺のことと思われる。蜂岡寺とも呼ぶ? 弥勒菩薩像が有名。
【天一神/なかがみ】百鬼夜行の中心にいた。
【頭中将】光の君の友人。葵の上の同腹の兄妹。
【夏焼太夫/なつやぎたゆう】軽業師。口上の五十男、虫麻呂、鼓の少女、青虫と組んでいる。
【忍海/にんかい】蜂岡寺の座主。
【光の君/ひかるのきみ】光源氏。菩薩眼(見えざるものを見ることのできる眼)と龍顔(天子の相)を持つ。茫洋として動じないタイプ。《それは、楽しみでござります……》(p.82)。六条御息所《あなたは、心より女を愛しいと想うたことなど、これまでにただの一度もないお方です》(p.93)。《人の道を、踏み外しそうで……》p.179
【御息所】六条御息所。光の君の恋人の一人。斎宮の母。斎王代禊の儀で葵の上の車に酷い目にあわされた。有名な生き霊。
【夕顔】光の君のせいでこの世ならざる何かに遭遇させられ死んだ経験あり。

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2025年11月15日

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★3.5
光源氏と蘆屋道満が一緒に謎解き。その答えはわたし的にはアレ?感があったが、続きが気になって引き込まれるタイプのお話である。

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2023年01月15日

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 陰陽師の何巻だったかのあとがきで紹介されていて、気になって手を伸ばした一冊。
 陰陽師の舞台を変えて、バディを光の君(光源氏)と蘆屋道満に置き換えた安定した構成。
 謎とその解明の過程で、キリスト教やギリシャ神話なんかも登場し神話の謎解きを楽しんでられる。
 葵の上が憑きものに悩まされ、その解決のために、蘆屋道満と光の君が、奔走する。
 まぁ完全無敵の蘆屋道満と、同じぐらい完全無敵の光源氏がバディで主人公なので、恙なくひもとかれはするけれど、陰陽師シリーズ好きなら問題なく楽しめる色んな意味でスピンオフ。

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2022年06月01日

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光源氏外伝的な。光の君の妻、葵上がもののけに憑かれてしまう。懐妊中でもあり、日に日に弱っていく妻を救うために、光の君は奇妙な老人方士の蘆屋道満に助けを求める。

陰陽師シリーズにもよく出てくる蘆屋道満が光の君ともののけの正体を探ります。
光の君は幼い頃からもののけが見え、奏でる音楽には霊力(のようなもの?)が宿る、と言う設定。
古今東西の神やらもののけやら出てきてなかなか楽しめました。

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2017年05月21日

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異色な源氏物語、と思って手に取りましたが、異色、ではおさまらなくて、陰陽師の外伝として読んだ方がしっくりくるのではないでしょうか。
獏さんの陰陽師は映画しか観てないのだけど、世界観はきっと同じでオドロオドロしい感じが独特です。

源氏ファンとしては、源氏物語では全くないけれど、人間性の感じられない光源氏が不思議と原作の印象から外れていなくて、だからこんな物語もアリと思わされてしまいました。。
さすが、ってことなのかな

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2016年03月24日

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源氏物語ってより、安倍晴明の別バージョンみたいだったなぁ。

キリスト教がでてきたり、ちょっと難しいかったっちゃ。

六条御息所の生き霊の話かと思ったけど、入り口はそれだけど、結論はだいぶと違いました。
源氏物語はそこまで外さないで生かしてほしかった。

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2014年08月13日

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源氏と蘆屋道満が、葵の上に憑いた物の怪を払うために、さまざまに調べるうちに、神や仏の歴史へと足を踏み入れていく。


最近陰陽師と源氏物語のコラボが流行なんだろうか。
映画は安倍清明だけど。同じく御息所が肝だし。
夢枕獏は安倍清明でシリーズあるから、道満なのかね・・・。

それにしても光源氏の描写があまりにも清明だった。
陰陽師でない安倍清明って感じ。
他人にも自分にも全く興味も執着もないし。
源氏はすべてを愛してしまうところが唯一のいいところだと私は思っているので、こういう解釈も斬新。

古代神の歴史ものとしてはおもしろかった。
シリーズ化しそう。

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2013年12月05日

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この人の陰陽師シリーズと源氏物語との両方を好きでなければ受け入れにくい作品かもしれない。
葵の帖がモチーフになっているものの、最終的に、源氏物語が題材でなくてもよかったような展開に。

源博正っぽい役の光源氏と安倍晴明っぽい役の蘆屋道満が主人公。
しかも光源氏の外見や雰囲気が安倍晴明と酷似している設定なので、いつもの陰陽師シリーズでこれをやろうとすると、都合が悪いことになるんだろうと推測。

まあまあ面白く読んだけれど、エンタメ感満載の設定に、わりと本気の宗教論を盛り込んであるせいで中途半端な結末になっている気がしないでもない…。

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2013年07月25日

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ネタバレ

うーん、作者は傑作だと言い切っているので、
そうなんだと思いたいが、よくわからなかった。

太秦寺をキリスト教に結び付けて、
弥勒菩薩の左脚を右足にのせて交差させたところに十字架が隠れてると言われても、
なんだか眉唾だし。

陰陽師が良かったので、期待しすぎだったのかも。

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2013年05月09日

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今まで安倍清明と比べると『陰』的な役回りだった蘆屋道満が、源氏物語の光の君の妻、葵の上に取り憑いたモノを祓うべく動く、という話。
途中、道満と清明の物語に思えてくる程、光の君は清明によく似た、善も悪も超越した存在にも思えてくる。
最後、光の君が鞠や楽器を演奏する場面は圧巻。

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2012年12月17日

Posted by ブクログ

 「源氏物語」としてはすごく新しいし面白い、ですが……うーん、正直言ってついていけない……(汗) 宗教の解釈等も興味深く読ませていただきましたが、どうしても物語に置いて行かれてしまっている感が; 光の君と道満のコンビも、清明と博雅のコンビほど好きにはなれず、そのまま何となく最後まで読んでしまったような気がします。短い文と擬音で表現される描写はとてもよかったのですが。

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2012年11月02日

Posted by ブクログ

時代設定から仕方がないが、どうしても陰陽師とかぶってしまう。
この続きを読みたいというよりは、陰陽師の続きを読みたい。
悪くはないのだけれど。

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2012年06月09日

Posted by ブクログ

『傑作ですぜ。』
と、ご本人があとがきに書いちゃう作品。

確かに、源氏物語がこんなお話に変化するなんて驚き。
あの有名な車争いの下りから異国の神のルーツを探す道中になるなんて思いもしなかった。
異教の神の存在に辿り着くあたりは楽しかった!

芦屋道満、夢枕ワールドだとなぜかすごくいい人なんじゃないかって想えてくる(笑)

でもやっぱり、私は陰陽師の方が好き。あの独特の言葉のながれがあのシリーズの方が好きです♪

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2012年05月09日

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