夢枕獏のレビュー一覧

  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ四

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    空海が巻き込まれた事件は、想像を超える陰謀と野望が蠢くものだった。人の思いは一筋縄ではゆかぬものだ。時を超え、たどり着いた真実はえも言われぬ味わいで、よくぞその謎を紐解いたと空海の観察力の鋭さ、賢さに関心する一方で、翻弄された楊貴妃の運命が哀しい。野望も過ぎれば大惨事。恨みつらみで70年、80年生きるのは辛いものだ。後半はおかざき真里さんの阿吽とリンクするですよ。

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    2019年01月14日
  • 獅子の門4 朱雀編

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    次第に関わりが濃くなっていく各主人公達。僕の好きなコミュ障の芥くんの出番が少なくて寂しいですが、次第に唸りを上げてきた物語が非常にうれしいです。思い入れが有るので素直に楽しく読んでしまっています。あーうれしい。

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    2019年01月11日
  • 陰陽師 飛天ノ巻

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    学生の頃、この作品を読んでいて、電車を乗り過ごしたのを覚えている。それから陰陽師にはまり、映画、ドラマ、漫画、野村萬斎、書籍、民俗学……と様々な世界を広げてくれた。

    そして本日、野村萬斎の現代能「安倍晴明」を観てきました☆

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    2019年01月09日
  • 縄文探検隊の記録(インターナショナル新書)

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    ネタバレ

    <目次>
    まえがき
    第1章  日本人の食の源流
    第2章  住まいとコミュニティー
    第3章  翡翠の道をたどる
    第4章  土偶と諏訪信仰
    第5章  生命の木「クリ」
    第6章  漆文化のルーツ
    第7章  天然の接着剤「アスファルト」
    第8章  縄文の神々
    あとがき

    <内容>
    学者岡村道雄と作家夢枕獏の対談集。時々ゲストが混じる。なかなか示唆に富む本でした。特に「クリ」のはなし。一方で縄文の神々ついては、学者の慎重な姿勢と作家の夢想がかみ合わなかった感じ。空海が出てきて「あれれ?」という感じでした。

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    2019年01月06日
  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ四

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    まさかまさかの
    横溝正史か!と思うような動機の数々…(ネタバレか?)
    思惑に思惑をかぶせて、なおまた思惑が交錯する。
    白居易の『長恨歌』をモチーフに、
    「宇宙」=「人の心」を描いた1800ページでした。

    読み終えてみれば
    「マンガだな」
    なんですけど、
    やっぱりそのへん、上手いよね…書き方が。
    結局、物語の拠り所を
    真言密教の持つ道徳観、人間観、美意識…等々にしているので
    ややもすれば法力合戦とか、お涙頂戴とかになりそうなんですけど
    そうはならないんだよな…。仕掛けがとても上手いな、と思います。
    さらに言うと
    この小説自体が、つまり、夢枕流の曼荼羅ってことに…なるんだよね?
    ということに気付

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    2019年01月06日
  • ハイエナの夜 〈新装版〉

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    たぶん再読。夢枕獏のアクションもの連作シリーズだから当然面白かったけど、オビに「巨匠の初期傑作!」ってあるのに違和感

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    2018年12月29日
  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ四

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    終わった。
    名残惜しい気持ちと、清々しい終わり方にニヤニヤしながら。
    最後の空海と丹翁の応酬が、また最高!

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    2018年12月27日
  • 獅子の門3 青竜編

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    ここまでは高校時代に読んだと思います。芥君VS志村の戦いが一番の見どころです。僕一押しの人見知り少年がすっかり強くなって凄絶イケメンの志村と互角以上の戦いを繰り広げます。獏さんの戦いものは、戦っていない所の静謐で精神的なシーンがいいんです。キマイラでも差し向かいで酒飲んでるシーンとかが妙に胸に染みますが、本作では最後に芥君が鳴海にぽつりと心情を吐露する所が妙に好きです。
    これ以降は読んだことが無い領域に進むので超絶楽しみです。

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    2018年12月28日
  • 獅子の門2 玄武編

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    血が騒ぎます。おっさんでもう闘争心ゼロなのに血が騒ぐぐらいなので、高校生時分は影響力絶大でした。僕的には巨体の室戸くんと人見知りの芥くんが好きです。夢枕獏さんの書く男は皆魅力的です。強さだけでは生活に結び付かず、それでも強さを追及していく姿が良いのです。

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    2018年12月27日
  • 神々の山嶺 上

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    面白い。
    羽生、魅力的な人物。親しくはなれないが、孤高のクライマー。シャイで極めて実は極めて優しい。
    生死をかけた高度登山の描写が素晴らしい。詩のよう。

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    2019年01月12日
  • 獅子の門1 群狼編

    購入済み

    獅子の門1の読後感

    夢枕さんの本は若かりし頃愛読していましたが、歳いってから読むのは久々振りです。懐かしくまた夢枕さんの世界に没頭させていただきました。また続編も読ませていただきたいと思います。

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    2018年12月17日
  • 獅子の門1 群狼編

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    青春時代の鬱屈を多大に晴らしてくれていた夢枕獏氏。内なる暴力性を読むことで昇華させてくれていたと今になると思います。勧善懲悪ではなく誰も彼も後ろ暗く、心の傷からどろどろと膿を流してのたうち回るような氏の文章はサービス精神の塊でありました。エロスとバイオレンスをこれでもかとぶち込みながら、人間の心内の泥の中に咲く一輪の花の美を描こうとしてきた人だと思っております。
    その筆力は超名作「神々の山嶺」で証明され、陰陽師で一般の人達にも浸透する事となりました。
    でも僕にとってはやはり「キマイラ」「餓狼伝」の獏さんなんですよね。30年程前に夢中で血をたぎらせて読んだのは今でも僕の血肉になっています。僕にと

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    2018年12月17日
  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ三

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    空海と逸勢の何気ない会話が俊逸!
    この会話から密教への理解が深まり、更に物語に入りこんで行く。
    いよいよ最終巻につづく!

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    2018年12月16日
  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ三

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    人たらし空海が唐の国にて巻き込まれた不思議な出来事は楊貴妃をめぐる壮大で政治的陰謀がにおう事件だった。ただ巻き込まれただけではなく、密かに着々と本来の目的である密教を教わる準備も進めていて、マルチタスクな空海に圧倒される。逸勢とのやりとりもますます冴え渡り、ホームズ&ワトソンの様相で引き込まれる。

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    2018年12月03日
  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ三

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    2点間の距離…空間…space…宇宙…空…

    空海の思想もジワジワと理解できるように仕込んである第3巻。
    そして物語は、楊貴妃を中心としたそれぞれの思惑が明かされる第4巻へと続く…。

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    2019年01月02日
  • 神々の山嶺 下

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    複数感を平行に読破で残していた1冊。たかが半年ぶりだし、内容も濃いので余裕。

    伝説の登山家、羽生を追ってネパール入りしたカメラマン深町と元羽生のアンザイレンだった兄を登山で亡くした岸涼子。マロリーのものと思われるカメラは取り戻したが、本当の目的はカメラではなかったはずだ…。

    ということで、登ります。しかも単独登攀なので、本の真ん中辺りからはひたすら自問自答が続く。また、極限状態で思考がままならなくなるあたりも、経験がなくともわかるように描かれている。

    上巻に比べると、資料をたくさん織り交ぜると言うよりは、とにかく力技でグイグイ押すタイプの話になっているが、内容の濃さと登場人物を絞り込んだ

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    2018年12月01日
  • 獅子の門4 朱雀編

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     5人の若者達が強さを求めて闘いを繰り広げる格闘アクションシリーズ第4弾。

     5人の若者が少しずつつながり始め、闘いの人生が熱くなっていく感じがしました。

     今巻ではいよいよあの運命の二人の戦いが繰り広げられるのですが、まだこの折り返しの巻で勝負がつくはずもなく、どのように描かれるのかとても気になりました。

     この二人の闘いの場面は、迫力があって長いこの物語の一つの山場という感じがしました。

     いよいよトーナメントに5人がそろい、最強の男にだれがなっていくのか、これからも見逃せません。

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    2018年11月25日
  • 陰陽師 13巻

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    やっと電子版で再読完了し、岡野氏の解釈はともかく、自分なりの解釈が落ち着いた。電子版は腕の負荷と見開きの読みづらさが解消され、物語をきちんと読める。

    オムニバスで原作を続けるか、原作から逸脱してストーリーが終わるように展開するか、後者を選択して描き切った岡野氏と編集者、連載を完了させた出版社に拍手したい。

    数字の部分も五行の部分も、ただの文字遊びなので考える必要はないと割り切れば乗り越えられる。

    私にとって、問題は晴明と博雅の関係だった。
    原作は短編のオムニバスなので、関係の描写が深くなる必要がない、却って漫画は難しかっただろうと思う。

    その上で、10巻以降で原作から離れて描かれてきた

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    2018年11月24日
  • キマイラ18 鬼骨変

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     幻獣キマイラを巡って男たちが闘いを繰り広げる伝奇アクションシリーズ第18弾。

     過去の話から現代に戻り、現代の話では物語が始まってからまだ1年しかたっていないことに今更ながら驚かされます。

     それほど、中身が濃く、登場人物も豊富で物語の世界の広がりを感じました。

     今巻では、主人公の大鳳の出番はありませんが、今まで影の存在だった人物たちが動き出し、目が離せない展開は相変わらずでした。

     待ちに待ったあの人物が最後に出てくる所もなかなか読ませられました。

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    2018年11月17日
  • 獅子の門5 白虎編

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    ネタバレ

    極真と思われる流派のトーナメント。
    ベスト8から顔面ありという設定に疑問だが、確かに90年代半ばから00年代なら有っても不思議ではなかった。

    ま、とにかく勝ち上がる5人の若者たち。
    Aブロックからは室戸、Bは加倉、Cは竹智を下した志村、Dは芥。ABの室戸対加倉の延長に次ぐ延長の果てに辿り着く2人の境地が素晴らしい。
    今まで語られることの無かった加倉文平の生い立ちも良かった。
    5人の男達の混じりっ気無しの闘いに賭ける其々の情熱が眩しい。

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    2018年11月16日