夢枕獏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
複数感を平行に読破で残していた1冊。たかが半年ぶりだし、内容も濃いので余裕。
伝説の登山家、羽生を追ってネパール入りしたカメラマン深町と元羽生のアンザイレンだった兄を登山で亡くした岸涼子。マロリーのものと思われるカメラは取り戻したが、本当の目的はカメラではなかったはずだ…。
ということで、登ります。しかも単独登攀なので、本の真ん中辺りからはひたすら自問自答が続く。また、極限状態で思考がままならなくなるあたりも、経験がなくともわかるように描かれている。
上巻に比べると、資料をたくさん織り交ぜると言うよりは、とにかく力技でグイグイ押すタイプの話になっているが、内容の濃さと登場人物を絞り込んだことで、長編と感じさせないスピード感があるであろう。
Wikipediaによると、モデルとなった森田勝という人のエピソードとは相当変わっているようではあるが、これがまた別の山の話に移っていたら、こうはならなかったであろう。
作者も「全て書ききった」と書いているが、本作の圧倒的なパワーは一読する価値があるであろう。「作家には15個の椅子があるが、今ひとつ空いている。少し前まで『新田次郎』という作家が座っていた椅子です」には笑った。 -
Posted by ブクログ
やっと電子版で再読完了し、岡野氏の解釈はともかく、自分なりの解釈が落ち着いた。電子版は腕の負荷と見開きの読みづらさが解消され、物語をきちんと読める。
オムニバスで原作を続けるか、原作から逸脱してストーリーが終わるように展開するか、後者を選択して描き切った岡野氏と編集者、連載を完了させた出版社に拍手したい。
数字の部分も五行の部分も、ただの文字遊びなので考える必要はないと割り切れば乗り越えられる。
私にとって、問題は晴明と博雅の関係だった。
原作は短編のオムニバスなので、関係の描写が深くなる必要がない、却って漫画は難しかっただろうと思う。
その上で、10巻以降で原作から離れて描かれてきた、闇を押し付ける晴明と呼応する博雅(陰の晴明と陽の博雅)、龍の晴明と鳳凰の博雅(陽の晴明と陰の博雅)という構図が、13巻で一対の太極図に完成された感じがある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ餓狼伝とは異なる格闘技物語。
夢枕さんは、なんで手を広げるかなあ、と7思いながら
面白いんだよねえ。
作者も餓狼伝で手を広げ過ぎてドロドロするより、むしろ青春群像を描きたかったんだろうな。
5人の若者が武道に目覚めてそれぞれに強さを追求して行く物語。以前読んだけどフォロワーさんのレビューが良くて再読する。
自分でも武道、格闘技をやっているので
そんなわけあるかい、と思うこともありつつ
いや強くなりたい気持ちってこうだよな、と
共感するところもある。
さあ、物語が始まって
其々の登場人物がどう闘うか、
そんな空想を楽しみながら
物語を追掛ける日々が始まる。 -
Posted by ブクログ
とにかく壮大だった。
唐の時代の中国が舞台で、牡丹の花を始めとして、極彩色の花たちや、魑魅魍魎ともいえる生き物たちが溢れているイメージ。
仏教はもちろん、いろんな国の文化が入り乱れ、バランスを保ちながら増幅し、熟れている長安という都市の空気感を感じることができた。
空海について、読む前は、名前を聞いた事がある程度だったけど、なんとも魅力的な人だと思って興味が湧いた。
絶世の美女と云われた楊貴妃が、果たして幸せだったかどうかなんて分からないけど、白楽天の「長恨歌」の中の楊貴妃は、玄宗と共にあるという誓いを胸に天界で過ごしていて、玄宗と居るときは幸せだったのだろうと感じられた。
漢詩は分からないけど、この詩がとても美しいということは、なんとなくだけど感じた。
映画を観た後に衝動的に買った本。映画とはまた違った筋だったけど、映画以上にスケールが大きくて圧倒された。