夢枕獏のレビュー一覧
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幻獣キマイラを巡って男たちが熱い闘いを繰り広げるSFアクションシリーズ第21弾。
物語の前日譚から現在へ戻るこの巻、この物語を読み始めた時、まさかかなりの歳月を経て、こんな前日譚があったとは想像もできませんでした。
物語は時間軸を超え、人間模様も複雑になり、縦にも横にも広がる物語として、一つの作品としての力を感じます。
作者によればあと数巻でこの壮大な物語は幕を閉じるとのことで、私の人生のほぼ半分の時間にわたり、この作品を味わってきた身としては、楽しみでもあり、寂しくもありと複雑の思いです。
そして、九十九と大鳳の熱い友情が感じられた巻でした。
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※上下巻共通のレビューです
実写とアニメの映画を鑑賞した後に読みました。上下巻通してかなり引き込まれました。物語の骨組みがしっかりしているし、細かい所もかなり考えられています。
上巻は下巻のために舞台設定をした感じですが、ミステリー小説のように楽しめました。これからどうなる?と言う期待感を持ちながら、また情景を感じつつ読みました。
万を期した下巻は、精神的哲学的な要素が強く、一言一言に考えさせられました。上巻は登録フレーズ0でしたが、下巻は11登録しました。「薄い時間」と「濃い時間」の考え方、そして「何故、山にゆくのか。何故、山に登るのか。それには答えがない。それは、何故、人は生きるのか -
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「鳥葬の山」と同時に購入したヤツ。
作者曰く、頭は長編型。
なので、短編、更に短いショートショートは苦手みたい。
作家としては、長編一作とショートショート一作は、同じ頭脳労働が必要とか…
星新一さんって、どんなけ凄いんや!って事やな。
タイトルにもなってる奇譚草子は、都市伝説とか、友人の体験等の話が中心で、めっちゃ怖いというより、ゾワゾワして来る感じ。
でも、こんなんの方が、後から来るから嫌やねんなぁ…
フッと夜中に思い出して寝れん…とか…
夜道歩いてて…「ゲッ!」みたいになる…
それ以外は、
ミステリーっぽい
仏教系?
狂ってる?
と様々あり。
通勤電車とか、隙間時間に最適やけ -
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夢枕獏『混沌の城 下』徳間文庫。
SF伝奇大河小説の下巻。
夢枕獏が度々描いている『螺旋』が物語の鍵を握るようだ。
壬生幻夜斎と蛇紅皇王に加えて、新たに登場した螺力の使い手、九魔羅。明らかになる豪剣の巨漢・武蔵と壬生幻夜斎の因縁。武蔵と行動を共にする来輪左門、蛟族と役者は揃った。
しかし、最終盤に面白さは急失速し、物語は混沌のうちに結末を迎える。
金沢城の地下に眠る『大螺王』と天台の『秘聞帖』を巡る奇怪な登場人物たちの命を懸けた争奪戦の行方は……
結末は在り来たりかな。結局『大螺王』も『秘聞帖』の正体も判然とせず。
そうか、1991年初刊行の作品だったのか……
本体価格770円 -
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江戸の街を舞台にしたエンターテイメント! 盗賊「不知火」との闘いと謎解きの行方は? 主人公は今風に言えば発明家。赤穂浪士の子孫だと言っているが本当か謎がある。
また、彼を取り巻く登場人物が魅力的だ。天才剣士の「病葉一三」、後の火付盗賊改長谷川平蔵こと「本所の銕」、黒猫の「悟空」。
タイトル「天海の秘宝」の天海とは天海僧正のことだ。天海僧正とは、徳川家康を日光東照宮に祀った慈眼大師のことだ。その秘宝を盗賊「不知火」が狙っているらしい。どんな秘宝なのかは上巻でははっきりしない。
夢枕獏の作品らしく、人間かどうかわからない武士「新免武蔵」、お化けのような黒犬が登場し、怪異の匂いがプンプ -
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夢枕獏『宿神 第四巻』徳間文庫。
全四巻から成る大河歴史伝奇小説の最終巻。
自然の摂理と時代の移ろい。人間の権力や地位への欲望は果てしなく、変わらぬものは自然の摂理だけ。欲望の強さが人間を変えていき、世の中を動乱や混乱へと導いていく。
第二巻、第三巻と面白い展開だと思ったのだが、この最終巻は歴史小説の色合いが強くなり、伝奇小説の面白さが薄れたように思う。
保元の乱、平治の乱を経ても混迷は一向に治まる気配は無く、西行は平安時代が滅び行くのを静かに見詰める。祈っても、願いを叶えてくれないという自然の万物に宿る、宿の神、翁、魔多羅神。それでも人は祈らざるを得ない。
死者たちと戯れる西行……