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Posted by ブクログ
とにかく登山家たちの登頂への思いは想像するより遥かに強い。
エベレストに三度挑んだジョージ・マロリーが登頂できたのかは、マロリーが亡くなって何十年も経った今でも謎のままである。
ネパールの地で、マロリーのカメラの謎と羽生という登山家を追う深町。
ある意味山岳ミステリーとも受け取れる作品。
主人公の深町自身は、ちょっと情けないというかふがいないというかそんな印象を受けるが、その経験を通して強く成長していく。
そこら辺も見所のひとつだと思う。
マロリーが残した名言「そこに山があるから」は、正確には「そこにエベレストがあるから」である。
なぜか日本語ではエベレストを山と訳されるのだが。
実在の登山家マロリーを題材にしたこの作品を読んだら、マロリー登頂の謎が余計気になってきてしまった。
映画化もされてるようなので、そのうち観てみようと思う。
Posted by ブクログ
作者、夢枕獏さんはあとがきで、こう書いた。
「書き残したことはありません」
全てをだしつくした1000ページにおよぶ大作は、ガツンと直球の山岳小説だった。エヴェレストに立ち向かう主人公には実在のモデルがあり、ノンフィクションでありながらも実話だと錯覚してしまうほどのリアルさ。
エヴェレスト頂上付近で姿を消し、「果たして彼は登頂したのか」と謎を残した実在登山家ジョージ・マロリー。ある登山家カメラマンが、彼のものとおぼしきカメラをチベットでみつけたことから始まる。そのカメラを巡って出会う登山家は、森田勝がモデル。ライバルの登山家は長谷川恒雄がモデル。もうこれだけですごい物語が始まる予感満載である。
勿論高度8,000mは体感したことはないが、終始想像力を掻き立てられる文章と展開で息苦しくなるぐらいの恐怖をおぼえた。
人はなぜ山に登るのか。根底にあるテーマはこの言葉のみであろう。1ミリの足場にアイゼンを食い込ませ、岩に張り付く彼らの姿に釘付けになり、昔から何度も繰り返し問われてきた質問をしたくなる。「震えるほどの恐怖に立ち向かい、指を失ってもまた登り、愛する人を捨ててもまた挑み、なぜそこまでして山に登るのか」と。ストイックな世界にまったく目が離せない、あっという間の1000ページだった。
Posted by ブクログ
ジョージ・マロリーのカメラを見つけた深町誠は、天才登山家の羽生丈二と出会い、彼の謎を追いかけることになる。
1000頁を越える大作でしたが、山好きには堪らない一冊でした。山で仲間をなくし、恋人に振られ人生に苦悩する深町や、ひたすら前人未到に燃える羽生を見て、山に登ることの意味を考えてしまう。マロリーは、そこに山があるから登ったと言う。山に登ることは楽しいと言うひともいるけど、本当は苦しいものだと思う。平坦な道を歩いた方が当然楽だし、ケガや死のリスクもある。苦しい時間があるからこそ、楽しいと言えるのではないか。登山とは一種の麻薬のようなものだと思う。何かを征服すると言うのは、ひとの本能だと思う。楽しくないから楽しい。それが登山だと思う。と言っても、山から見る星空や景色には圧倒されますよね。
最後に深町が羽生と出合う場面。ギラギラした羽生の眼力が、ひしひしと伝わってきたし、お互い山屋だから分かる気持ち、やりとりが良いなと思いました。
いつかは谷川岳やエベレストも行ってみたい!
もちろん暖かい時期に。
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