あらすじ
管弦の才人・博雅の笛の音は、悪鬼を退け悪党の心を穏やかにさせる不思議の力を持つようだ。本人には全く自覚が無いのだが。そんな博雅を連れ出し、過去の応天門放火事件のあらましを見せる晴明。大伴家持の子孫・もののふである伴一族の悲運の歴史を描く「蟇」、父・秦道満の計らいで人魚の肉を啖わせられたがために、三百年の間、不老不死の運命を背負う比丘尼。彼女の晴明への願いとは? 美しく哀しいものがたり「白比丘尼」の2編を収録。
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Posted by ブクログ
「原作を越えた」と原作者の夢枕獏に言わしめた作品。絵の美しさと大胆な展開が他の追随を許しません。漫画の域を超えています。特に後半の、原作からどんどん飛躍していく物語に関して、僕はおそらくその10%くらいしか理解できていなく、正直なところ「玄象と巻き物かわいいな」、くらいの勢いの駄目読者なのですが、その世界観には大いに感銘を受けました。
10巻以降、辞書みたいな厚さで、腕が疲れます…。
Posted by ブクログ
「蟇」と「白比丘尼」の2話収録。
相変わらず博雅がいい人。
白比丘尼は、不老不死になってしまった女性のお話。
終わりがあると思うと、終わりのないものに憧れ、
終わりがないと思うと、終わりのあるものに憧れる。
人はだいたいないものねだりなのか。
Posted by ブクログ
『蟇』と『白比丘尼』の2つの話。
応天門の変について学ぶことが出来ました。(ググりつつ読みました)謎の多い応天門炎上事件の真相に迫る晴明と博雅。タイムスリップもののような不思議な感覚で面白かったです。
不老不死の悲しみを描く白比丘尼。丹生都比売神社にまつわる話。
真っ白な雪の中に佇む晴明のラストシーンが秀悦でした。
それにしても喜怒哀楽の激しい博雅にはいつも癒されます。晴明に言わせれば、鬼も退散させるほどの優しい良い漢なんですね。優しさや素朴さは鬼にとっては恐ろしいもの…ですか。ふむふむ。
Posted by ブクログ
いつでも読みたい漫画版『陰陽師』の中でも表紙的に一番私のタイプ(笑)である四巻を。博雅大好き。かわいい。清明の色気を分けて貰いたい。あと知識と脳みそも(切実)。
真葛好き。謎すぎていい。
Posted by ブクログ
「蟇」と「白比丘尼」の二話を収録しています。
「蟇」は、晴明と博雅が過去にわたり、応天門を焼いた罪で流罪となった伴善男の運命を知ることになる話です。
「白比丘尼」は人魚の肉を食べたために、永遠の命を手に入れることになった女と晴明の三十年にわたる約束をめぐる話です。原作にもおなじ主題をあつかった話がありましたが、本作のほうが悲劇性が強いストーリーになっているように感じました。