夢枕獏のレビュー一覧
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夢枕獏『宿神 第四巻』徳間文庫。
全四巻から成る大河歴史伝奇小説の最終巻。
自然の摂理と時代の移ろい。人間の権力や地位への欲望は果てしなく、変わらぬものは自然の摂理だけ。欲望の強さが人間を変えていき、世の中を動乱や混乱へと導いていく。
第二巻、第三巻と面白い展開だと思ったのだが、この最終巻は歴史小説の色合いが強くなり、伝奇小説の面白さが薄れたように思う。
保元の乱、平治の乱を経ても混迷は一向に治まる気配は無く、西行は平安時代が滅び行くのを静かに見詰める。祈っても、願いを叶えてくれないという自然の万物に宿る、宿の神、翁、魔多羅神。それでも人は祈らざるを得ない。
死者たちと戯れる西行…… -
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カメラマンの深町誠は、40歳以上の登山者チームでエベレスト 登頂に挑むが、2名の死者を出す無惨な失敗と終わったが、失意の中でジョージマロニー(エベレスト初登頂した可能性のある登山家。1924年山頂周辺で行方不明)の物と思われるカメラを発見した。深町は、エベレスト登頂の証拠フィルムを持っている天才登山家羽生丈二を探し始める。 2016年に阿部寛と岡田准一出演で映画化された夢枕獏の傑作です。羽生はモデルが森田勝(1980年没)、羽生のライバル長谷常雄は長谷川恒男(1991年没)です。先に読んだチベット旅行記 に触発され、山岳小説を読んでみました。
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黄金丸と黄海王のデモンストレーションが開幕前夜。そして、ついに開幕した「ゆうえんち」です。
無門の最初の相手は、ゴブリン春日。その闘いの最中に、目的である柳龍光と遭遇します。
まさか、ここで決着なのか⁉︎ゴブリンとの闘いは続行しているのに、乱戦になってしまうのか⁉︎と予想外の出来事にワクワクするも、そんなことは起こるはずもなく。
顔見せでした。そらそうだ。ラスボスである柳龍光との闘いは、クライマックスでしょうよ。
各章の頭で、「ゆうえんち」参加者を知る人がその人について語るとこから始まるのですが、これ絶対に長編になるよね、という感じしかしないです。強さのインフレとかいうことではなくて、序列 -
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四人の執筆者たちが萩尾望都の作品をとりあげ、その魅力を語っています。また巻末には、「萩尾望都スペシャルインタビュー」が収録されています。
小谷真理が解説しているのは『トーマの心臓』です。小谷が主要なフィールドとしているフェミニズムとSFという二つの観点から考察をおこない、とくに美しい少年たちの物語としてえがかれたこの作品が、女性たちにどのように受け入れられたのかということが論じられています。
ヤマザキマリが解説しているのは『半神』と『イグアナの娘』です。おなじマンガ家としての立場から、表現技法などに立ち入った話がなされるのかと思っていたのですが、むしろ作品のテーマを掘り下げる議論が展開され