あらすじ
宿敵・源義朝を倒し、ついに天下を手中に収めた平清盛。しかし、時の流れは平家の独尊を許さなかった。
宿の神は、ただそこにあるだけ。亡き者たちを背負って歩く西行の胸のうちは……。
著者畢生の大河伝奇小説の傑作、堂々完結!
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Posted by ブクログ
夢枕獏『宿神 第四巻』徳間文庫。
全四巻から成る大河歴史伝奇小説の最終巻。
自然の摂理と時代の移ろい。人間の権力や地位への欲望は果てしなく、変わらぬものは自然の摂理だけ。欲望の強さが人間を変えていき、世の中を動乱や混乱へと導いていく。
第二巻、第三巻と面白い展開だと思ったのだが、この最終巻は歴史小説の色合いが強くなり、伝奇小説の面白さが薄れたように思う。
保元の乱、平治の乱を経ても混迷は一向に治まる気配は無く、西行は平安時代が滅び行くのを静かに見詰める。祈っても、願いを叶えてくれないという自然の万物に宿る、宿の神、翁、魔多羅神。それでも人は祈らざるを得ない。
死者たちと戯れる西行……
本体価格790円
★★★★