あらすじ
狂うてよいか。女院が義清に囁いた。
狂ってしまったのは義清の方であった。その晩のことに感情のすべてを支配されている。もう、我慢が利かない、また逢うしかない。しかし女院は言う。あきらめよ、もう、逢わぬ……。
義清は絶望の中、こみあげてくる熱いものにまかせ、鳥羽上皇の御前で十首の歌を詠み、書きあげた。自分がさっきまでとは別の人間になってしまったことを、義清は悟っていた。
著者渾身の大河伝奇絵巻、第二巻!
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Posted by ブクログ
夢枕獏『宿神 第二巻』徳間文庫。
全四巻から成る大河歴史伝奇小説の第二巻。四巻全て刊行されてからイッキ読みするつもりで読み始めた。
面白くなって来た。タイトルの『宿神』とは冒頭の描写からそういうことかと少し理解する。呪師の申と妹の鰍こと玉藻が物語の鍵を握るようだ。宿の神、翁、魔多羅神……
万物に宿るとされる神々。人間の人生は様々な物と事、自然や人に影響され、思わぬ方向に向かう。それをまた機微と受け入れるのか、諦めるのか、あがらうのかでその先の人生の価値が決まるのだと思う。
女院・璋子に心を奪われた義清は叶わぬ恋と知りながら、感情の全てを女院に支配される。しかし、女院にこの恋を諦めることを諭された義清は鳥羽上皇と女院の御前で十首の別れの歌を詠み、障子に書き上げる。歌を詠んだ義清は自身が生まれ変わったことを感じ、頭を丸めて出家し、西行となる。
本体価格770円
★★★★★
Posted by ブクログ
宿神とは何か?義清がついに出家してしまう! 鞠を蹴っているとき、箏の音を聞いているとき、不思議なものを見てしまう義清。似たような経験をもつ人々と語り合い共通項を見出す。それは母親の出産時に胞衣(えな)を被って生まれて来たという共通項。
胞衣とは胎盤のこと。今風に考えると出産時に胞衣を被って生まれてきたために、酸素不足になり、脳が損傷したとか?
宿神とは何かについても申によって語られるが、まだはっきりしない。
義清は待賢門院璋子から拒絶されたことがきっかけで出家してしまう。妻子を捨ててしまう。当時の感覚ってこんなものなのか?
さて、その璋子が病で死んでしまうのが第2巻の最後。早く第3巻を読みたい。