夢枕獏のレビュー一覧
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もう『陰陽師』のパラレル・ワールドもしくはこのお話の空海&橘逸勢ペアが後の夢枕版:安倍晴明&源博雅ペアの前世と考えて読むことにしました。そうしたら、どうして同じような話なんだろう…という邪念が消えて、素直に楽しめるようになりました(笑)
この巻はそれなりに話が動いたのでクライマックスへ向かってのワクワク感がありました。高力士さんから阿倍仲麻呂さんへの「手紙」がもったいぶっていた感はありましたが…。
密教の話は、晴明さんが博雅さんに話す「呪」の本質と同様わかったようなわからないような感じだったけれど、なんとなく普段感じない角度から「人生」を考える「種」がもらえたような気がしたかな。般若心経の「受想行識」とか自分なりに考えてみたり…。
いずれにしても玄宗皇帝がダメ男ってのがすべての騒動の「種」って気がしました。 -
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極地探検家や登山家はどのようなことを考え、なぜ危険な状況へ身を置くのかを知りたいと思って読み始めてみたが、予想していた以上に骨太の人間ドラマだった。
作中様々な「山屋」が登場するのだが、語り部の深町を含む多くが何らかの形で仕事などの現実に縛られているのに対して、どこまでも人間関係に不器用ながら一途に山に生きる羽生が好対照をなしていると思った。また、実際にエヴェレスト登頂を試みたまま帰らなかったジョージ・マロリーのカメラをめぐる謎解き要素もあり、読んでいてだれることがなかった。山に登る人間以外にも、現地で出会う元グルカ兵や老シェルパなどのキャラクターの人生や、外貨獲得の手段に乏しいネパールは観光客を呼ばなければならないが、その自然が観光客を呼ぶほど破壊されていくというネパールの現実が物語により深みを与えていた。
8000メートル級の山の中では、あまりにも空気が薄いのでただ眠るだけで体力を消耗し、おびただしい数の脳細胞が死んでいく。幻覚さえ見え始め、高山病で死んでしまうこともある。羽生の手記や地の文で高山病の症状が現れた影響に触れられている箇所がいくつかあるが、手袋をしているから脈をとれないことに気づけず、脈をとろうとして手袋を外してしまい、外気にさらされたために脈が取れなくなるのに自分の中で意識が堂々巡りしてそれに気づけない描写が特に生々しく恐ろしかった。何故こんなことをしているのか、投げ出してしまえば楽になるじゃないかと自分が語り掛けてくるところは長距離走の最後の方できつすぎてよくわからなくなってくる時間を思い出して本を読んでいるだけなのに苦しくなった。
当初の目当てだった山を登る人間の心情は細かく描写されているし、山を登ることへの理由は、深町が羽生のことを調べ始めてからの内面的変化の過程にその答えが語られている。羽生に影響されて深町がそれを自覚したように、読者も深町を通してそれを感じることができると思う。 -
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安倍晴明没後1001年に『陰陽師』13巻完結。すごく分厚いです。古代エジプト時代と平安時代、シルクロードの西の端と東の端を結ぶ時空を超越した一大スペクタクルという感じでしたが細かく理解するには頭がついていけませんでした。が、とにかく大団円ということはわかりました。夢枕獏さんの原作は未読なんですが、1巻から13巻までのうち、ざっとみて前半のほうは原作を元に描かれていて後半は完全に岡野玲子さん独特の解釈と世界観で描かれているようですね。歴史や数学など学術的なことに詳しい土台がある方なら11、12、13巻あたりは凄く新しい解釈の興味深いアカデミックな内容なんだろうな、と思います。私には次元が違いすぎて、はぁ…とひたすら謎のため息ばかりでした。とにかく晴明と真葛、博雅が安泰で良かったです。読むの大変でしたが、描かれた岡野玲子さんとアシスタントの方はかなりのエネルギーを投入されたことと思います。美しい絵を見るだけでも価値ありです。ありがとうございました。
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『天文博士 賀茂保憲 冷泉院遷御に於いて 反閇をつとめること』『安倍晴明 建礼門の前にて 安摩を舞ふこと』本がかなり分厚くなり、内容も馴染みのない言葉が多く、精神世界のような次元を超越した話しになって、読み進めるのに時間がかかりましたが、面白かったです。天と地を結びつけるスケールの大きい安摩の舞のシーンでは、物凄いエネルギーが晴明の身に集中して貫いていくのがよくわかりました。それと、晴明も凄いですが、博雅の頭で考えるより先に胸に響いて涙を流すことが出来る純粋さも素晴らしい。晴明と博雅。晴明と真葛の繋がりは、単純な友情という言葉とか、惚れたもの同士とかいう言葉におさまらりきれない特別なものがある事を感じます。
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購入済み
後半は難しい
前半は原作に沿った流れなのでわかりやすいが、後半になると宗教観というか精神的な話が多くなるので難解で読むのが辛い。でも雰囲気がステキなのだけども。何回も読み直すとわかるのかもしれない
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『瓜仙人』『源博雅 思はぬ露見のこと』『内裏 炎上ス』の3編。方士(妖術使い)の丹蟲という翁さんはちょっとキモチわるかったけど、管狐はかわいかった。扉絵で晴明と真葛がいい感じに描かれていたのでそういう仲になるのか!?と気になって読み進めたけど、まさかの手順間違い。杯の二、とはカップの2、つまりタロットで言えば相思相愛。(陰陽師はタロットも心得ているのか?笑)今のところはプラトニックな相思相愛の関係ということ?新枕の儀にハメられたことに最後の最後になってやっと気がつく博雅のうぶ男ぶりに笑。とにかく目の前の笙にばかり心奪われていて、私が相手の姫君だとしたらすごく好感持ってしまうと思う。そんな晴明と博雅が親友なのが嬉しくなる。
博雅は神から愛でられた男。炎の中から命懸けで楽器を救い出す姿が凄かった。神様でなくても愛でたくなる人だと思う。先の8巻では水による再生の話だったけど今度は火による再生。燃えるような紅葉の山のラストシーンは美しい。岡野玲子さんの漫画はラストシーンで読者の心を掌握してしまう。 -
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前巻は仲麻呂が李白に送ろうとした手紙で終わっていた。
この巻では高力士が仲麻呂(晁衡)に宛てた手紙をクライマックスとする。
手紙の後には、黄鶴と瀕死の高力士との対話に続く。
いよいよ楊貴妃と玄宗の話に集中していく。
楊貴妃にかけられた術を緩めたのは誰か。
ドゥルジとは誰か。
黄鶴と楊貴妃との関係は。
―といったことになるのだけど。
空海は主人公というより、狂言回しのような位置にいる。
逸勢はもはや、ワトソン君。
詩に取りつかれたオタク青年、白楽天がむしろ個性的に見える。
手紙の文体が基本同じなので、話者が変わった感じがあまりない。
ちょっと残念な感じ。
巻末の解説を読んで、十八年もかかった作品と知り、びっくりした。
たしかに、書く方は大変だろうなあ、と思う。
それをたかだか数時間で消費するようで申し訳ない気がする。 -
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第二巻は、日本人が知っている中国の歴史上の人物オールスターキャスト、とでも言いたくなる感じだった。
空海が徐文強の畑の怪の謎を解くべく動く。
それはどうやら、安禄山の乱の際の、楊貴妃縊殺に関わるらしい。
貴妃の墓で、白楽天と出会い、都長安へ戻れば、柳宗元や韓愈と語り合う。
それも、楊貴妃の死の真相を語る、晁衡(阿倍仲麻呂)の残した文を巡って。
貴妃は、騒乱で死んだのではなかった、仮死状態にして蘇生させ、後で日本に逃がすつもりだった。
そして玄宗皇帝の命で、日本へ連れて行くのは仲麻呂だと――。
たしかにねえ、そんな伝説も聞いたことあったなあ。
何という派手な構図。
エンタメ小説として、これで面白くなかったらどうよ、という感じ。
ところで。
表紙の男性は誰?
白楽天なのかなあ。