夢枕獏のレビュー一覧
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ネタバレ姫川に負けてうんこを漏らしたことが全国中継されてしまった丹波文七が気の毒でならないのだが、復活の兆しがあって嬉しい。最終巻なのでどのような形の結末になるのか期待して読んでいたのだが、終わるつもりがまったく無さそうな気配で、新キャラがまた出て来て非常に途中で終わって、そしてとうとうあとがきにも「あと2巻で終わる」といういつもの文句が消えてしまった。
『新・餓狼伝』が今3巻まで出ているのだが、途中までで放置すると展開を忘れてしまうので、そこそこまとまった巻数になってから読みたい。13巻にも及ぶ小説は読んだことがなかったので新鮮で楽しい経験だった。 -
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夏の角川ホラー文庫祭。角川ホラーにしては、割と表紙デザインが好き。
夢枕獏の短編集。ショートショートみたいなものから、時空の歪で抜けられなくなる軽いSFまで、たくさん網羅している。また、夢枕獏と言うと山モノ(でいいの?)なので、登山関係が半分くらい。
角川ホラーなのに、文章はちゃんとしていて、話の内容もちゃんと怖くて意表を突かれた。大御所の作品だから当たり前だろうと言うところはあるが、ホラー方面は、古典的な怪談を、そのまま現代にもってくるだけではなく、きちんと現代風に調理してから書かれていて好感。比較は誰とは言わないけど。
また、SFものは、インパクトはそれほどないものの、きちんと「なぜ -
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ネタバレUFC時代が到来し、丹波文七が大いに迷い、作者も迷っていることに正面から向き合っていてとても面白い。UFCの初回のホイスの構えや動きが記憶にあり、そういう感じなのかなと想像をめぐらして読むのだが、見てない人にはイメージしづらいのではないだろうか。あまりに面白くて600ページもあるのに3日で読んだ。
葵一家がブラジリアンの出汁になってしまってかわいそうだった。無傷の丹波と姫川の試合が見たかった。松尾象山とガルシーアのお父さんの試合の描写が流されてしまった。後に詳細に語られるのだろうか。
この小説の面白く恐ろしいところは、MMAの先にある素手に殺し合いを想定しているところだ。
空手家 -
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ネタバレ僕自身がもうアラフィフなので、最も感情移入するのが泉宗一郎で、雑魚キャラ的にあしらわれてしまい悲しかった。いよいよMMAの萌芽が描かれ、野試合で殺し合いみたいな戦いばかりしていた丹波文七が大いに戸惑っている様子が面白かった。他の登場人物がみっちり描かれる中、梶原年雄の影がすっかり薄くなってしまった。試合がたくさんあって楽しかった。試合描写そのものはあんまりよく分からなかったのだが、誰が誰に勝ったのか前巻までは曖昧なケースもあったがしっかり白黒着くようになった。
この小説が時代のものだと感じるのは、基準が当時のもので、またこの小説が作った基準もあり、それが覆ってしまった現在、成立していない -
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ネタバレ単行本4冊分で870ページもあって辞書みたいで持ち運びが大変だった。シリーズを4冊にまとめていて、他の3冊はここまで厚くないようだ。
最初に発売された当時2巻くらいまで読んだ記憶がある。完結したらまとめて読みたいと思っていたのだがいつまでも完結せず、そのままモチベーションがなくなってしまった。今回は改めて最後まで読んでみたい。
まだ、MMAがなかった時代でそれを夢想しているなんでもありのルールで誰が一番強いのかを競う。見返りはなにもないに等しい。だからこそその思いを共有できる人たちの繋がりが強く、選ばれし者感も強い。みんなちょっと狂ってる感じがすごくいい。そんな彼らがもし現代に現れて -
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