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シナンは饒舌になった。
これまで、ずっと、心の裡で考えてきたことなのであろう。
「神を描くなら、それはまず、まったき球をもってせねばなりません。そして、その球には、常に、どの方向からも光が溢れていなければなりません。その球は、垂直の柱によって、天に持ちあげられ、壁の装飾は、光によって育つ、植物の幾何学模様こそがふさわしいものとなるでしょう」
百年の生涯で四七七もの建造物を手がけ、かたちなきイスラムの神を空間に描こうとした男の物語――。悠久の都イスタンブールに刻まれたその軌跡を辿り、薫り高きイスラム文化に迫る渾身の歴史長篇。〈解説〉角野史比古
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Posted by ブクログ 2020年12月29日
アヤソフィアを超えるモスクの建造に挑む、建築家シナンの話。
目に見えない神を、「数学」「空間」など、様々な考えを繋ぎ合わせながら1つの建築として表現するのが私にとっては新鮮な感覚で面白かった。
シナンの言葉1つひとつが素敵で、物語に引き込まれる。
好きな場面はシナンとミケランジェロの会話。
トルコ...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年07月18日
16世紀、その百年の生涯で、477もの建造物を手がけた石の巨人・シナンの軌跡を辿る。
再読だったのだが、とても面白く読めた。
神が降りてくる場所。そこにたどり着くまでのシナンの軌跡が、とても丁寧に、それでいて違和感なく描かれている力作であると思う。
特にシナンがミケランジェロと会うシーンがいい。こ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月12日
イスラム建築がメインというよりは、シナンが生きたスレイマン大帝統治下のオスマンの黄金期を描く。
珍しくも天寿を全うしたシナンが主人公なのは、シナンの生涯を通して治世の栄枯盛衰が見られるという理由もあると思う。
どの歴史小説もそうだろうけど、諸行無常の感がハンパない。あと政治上の駆け引きが怖すぎる。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年12月03日
ベネチアへ渡ったシナンは、なんとミケランジェロと出会う。史実ではないそうだが、なんともロマン漂う出逢いである。
ベネチアとイスタンブール(スレイマニエ・ジャーミー、リュステム・パシャ・ジャーミー、ミフリマフ・ジャーミー、ソコルル・メフメット・パシャ・ジャーミーを訪ねて)、さらにはエディルネのセリミエ...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年08月15日
スレイマン1世を称えるスレイマニエ・ジャーミーをやっとのこと建設することになったシナンだが、そのモスクのドームの高さは結局のところ、アヤ・ソフィアを超えることはなかった。シナンのもつ知識ではまだ造れなかったのだ。 後年、建設したセミリエ・ジャーミーでは遂に超えることができたが、この物語では描かれて...続きを読む
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