シナン(下)
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シナン(下)

858円 (税込)

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シナンは饒舌になった。
これまで、ずっと、心の裡で考えてきたことなのであろう。
「神を描くなら、それはまず、まったき球をもってせねばなりません。そして、その球には、常に、どの方向からも光が溢れていなければなりません。その球は、垂直の柱によって、天に持ちあげられ、壁の装飾は、光によって育つ、植物の幾何学模様こそがふさわしいものとなるでしょう」

百年の生涯で四七七もの建造物を手がけ、かたちなきイスラムの神を空間に描こうとした男の物語――。悠久の都イスタンブールに刻まれたその軌跡を辿り、薫り高きイスラム文化に迫る渾身の歴史長篇。〈解説〉角野史比古

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シナン のシリーズ作品

1~2巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~2件目 / 2件
  • シナン(上)
    858円 (税込)
    これは、山ではないか。  シナンは、その巨大な石の建造物の前で、そう思った。  この積みあげられた石の量感は、まさしく山であった。その山の量感が、そこに立った瞬間、シナンに襲いかかってきたのである。  山を、人間が作ることができるのか。  シナンは、感嘆の声を心の中で洩らしている。 一六世紀、壮麗王スレイマン大帝のもとで繁栄を誇るオスマントルコ帝国に、工兵から宮廷建築家へと昇りつめた男がいた……。「石の巨人」と呼ばれ、史上最大のモスクに挑んだ天才建築家シナンの生涯を描く。
  • シナン(下)
    858円 (税込)
    シナンは饒舌になった。  これまで、ずっと、心の裡で考えてきたことなのであろう。 「神を描くなら、それはまず、まったき球をもってせねばなりません。そして、その球には、常に、どの方向からも光が溢れていなければなりません。その球は、垂直の柱によって、天に持ちあげられ、壁の装飾は、光によって育つ、植物の幾何学模様こそがふさわしいものとなるでしょう」 百年の生涯で四七七もの建造物を手がけ、かたちなきイスラムの神を空間に描こうとした男の物語――。悠久の都イスタンブールに刻まれたその軌跡を辿り、薫り高きイスラム文化に迫る渾身の歴史長篇。〈解説〉角野史比古

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シナン(下) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    下巻は政治的に事が大きく動き全体を通して非常に面白かった。
    首席建築家になったシナンが建てていくジャーミーを画像検索しながら過去に思いを馳せる馳せて読むのも一興かと思います。

    個人的には終わり方がとても好みでした。
    大当たり本。

    0
    2023年09月20日

    Posted by ブクログ

    アヤソフィアを超えるモスクの建造に挑む、建築家シナンの話。
    目に見えない神を、「数学」「空間」など、様々な考えを繋ぎ合わせながら1つの建築として表現するのが私にとっては新鮮な感覚で面白かった。
    シナンの言葉1つひとつが素敵で、物語に引き込まれる。
    好きな場面はシナンとミケランジェロの会話。

    トルコ

    0
    2020年12月29日

    Posted by ブクログ

    聖ソフィアを凌ぐジャーミーを築くまでのシナンの旅。
    当時のオスマントルコを取り巻く世界の状況も垣間見れてよい。
    特に、ヴェネツィアとの関わりが興味深かった。
    塩野七生氏の「緋色のヴェネツィア」と被る部分が好き。

    0
    2020年01月30日

    Posted by ブクログ

    16世紀、その百年の生涯で、477もの建造物を手がけた石の巨人・シナンの軌跡を辿る。

    再読だったのだが、とても面白く読めた。
    神が降りてくる場所。そこにたどり着くまでのシナンの軌跡が、とても丁寧に、それでいて違和感なく描かれている力作であると思う。
    特にシナンがミケランジェロと会うシーンがいい。こ

    0
    2011年07月18日

    Posted by ブクログ

    イスタンブールに行った後に読んだ。
    アヤソフィアを超越するジャーミーを作ったオスマン主席建築士シナン、の話。実際はこんなおとこが建てたのかもしれないと思わせてくれる。
    アヤソフィアだけは行けなかったから次にいく口実に。

    0
    2025年01月25日

    Posted by ブクログ

    シナンという建築家の主人公は魅力的なんだが、オスマン帝国の歴史が思っていたよりも血みどろだったのでちとひいた。

    0
    2024年05月21日

    Posted by ブクログ

    イスラム建築がメインというよりは、シナンが生きたスレイマン大帝統治下のオスマンの黄金期を描く。
    珍しくも天寿を全うしたシナンが主人公なのは、シナンの生涯を通して治世の栄枯盛衰が見られるという理由もあると思う。
    どの歴史小説もそうだろうけど、諸行無常の感がハンパない。あと政治上の駆け引きが怖すぎる。

    0
    2024年01月12日

    Posted by ブクログ

    セリミエ・ジャーミーやスレイマニエ・ジャーミーを見に行きたくなる。
    あとコーヒーが飲みたくなる。
    チューリップを植えたくなる。
    章の間に入る詩が良い感じ。
    読後感も良い感じ。
    塩野七生の『小説 イタリア・ルネッサンス』と合わせて読むと面白い。

    0
    2021年04月18日

    Posted by ブクログ

    ベネチアへ渡ったシナンは、なんとミケランジェロと出会う。史実ではないそうだが、なんともロマン漂う出逢いである。
    ベネチアとイスタンブール(スレイマニエ・ジャーミー、リュステム・パシャ・ジャーミー、ミフリマフ・ジャーミー、ソコルル・メフメット・パシャ・ジャーミーを訪ねて)、さらにはエディルネのセリミエ

    0
    2014年12月03日

    Posted by ブクログ

    観光地としてトルコは最高の所だが、モスクもその重要な要素。シナンはその建築家。
    幾何学模様(多分フラクタル構造)に神を見出す部分に共感。宇宙の始まりに想いを馳せた。

    0
    2014年10月12日

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