夢枕獏のレビュー一覧

  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ一

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    本当に陰陽師と話の運び方が似ていますね(笑)主人公である天才空海と、その親友である橘逸勢を軸に物語は進みます。唐から仏教を日本へ持ち帰るという大いなる目的にため、陰謀に巻き込まれつつそれを利用し、また救いを与えつつ解決をしていくという流れ。天才が活躍するお話というのは、それだけで爽快感があるものですが、いい意味でのダイナミズムに溢れた一冊です。

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    2013年06月27日
  • 陰陽師 付喪神ノ巻

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    「鉄輪」を初めとする、捨てられた女の恨みが恐くも哀しい話が多かった気がします。印象深かっただけかもしれませんが。あと、和歌ってうたう方も選ぶ方も知識やセンスが必要で大変だな、としみじみ。

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    2013年06月26日
  • 天海の秘宝(下)

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    江戸を舞台にした伝奇小説が一転…こういう仕掛け、結末の小説であったのか!まさに驚愕の真相!

    最初は山田風太郎のような伝奇小説だと思ったのだが、下巻に入るとまるで映画『ターミネーター』のような永井豪の『黒の獅子』な展開。

    まあまあの面白さかな。

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    2013年06月25日
  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ四

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    ネタバレ

    空海が唐に渡って、楊貴妃の因縁と対峙する話。

    コンビはほとんどそのまま陰陽師と同じ作り。
    で、安定の面白さ。
    人の恨みを買うのはおっかないということを、多くの人が身にしみると良いのだが。

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    2013年06月25日
  • 天海の秘宝(上)

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    からくり師・堀河吉右衛門と剣豪・病葉十三が江戸を舞台に宮本武蔵を名乗る辻斬り、強盗団・不知火を巡る怪異に迫る。

    なかなか面白い伝奇小説なのだが、上巻を読んだ限りでは、まだまだ真相が見えて来ない。

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    2013年06月24日
  • 真・餓狼伝 1

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    夢枕獏書き下ろし完全新作という帯にちょっとビックリ。ということは、これの小説版もいずれ出てくると思っても良いということだろうから、『東天の獅子』と『餓狼伝』が繋がってくると考えても良いのだろうか。まぁ、どちらにしても、早く新作をという気持ちはいつもあるけどね。で、思いロイので板垣恵介版の餓狼伝のように売れたからと言って中途半端に終わらないことを祈る。

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    2013年06月22日
  • 大江戸釣客伝(上)

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    元々バス・海釣り好きなので、江戸時代の釣り好きが結構リアルに書いてあるのではないかと思われる本。
    絵師、俳人などなかなか普段は気付きにくい当時では時代のアウトローな人から
    地方大名や幕府の方々まで登場人物満載です。
    釣りというキーワードなのに、人間模様がリアル。
    それでいてサクサク読める。
    一つの好きなことを極めてそのまま死ぬということも幸せなのかなぁと思えた。
    下巻も楽しみ!

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    2013年06月17日
  • 真・餓狼伝 1

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    今のチャンピオンでウチが毎週楽しみにしている作品の一つ。漫画用に書き下ろした新しい「餓狼伝」で時代設定等も今までと違うけど面白い。チャンピオンでは前田光世戦がクライマックスになっていて盛り上がっている最中♪今後も楽しみだ!でも、板垣先生の餓狼伝も続きだしてくださいorz

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    2013年06月14日
  • シナン(上)

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    ネタバレ

    トルコの歴史が大変わかりやすく提示されており、それだけでもトルコに疎い私にとっては有難い本でした。
    天才建築家が神の家を作ろうとしたとき、キリスト教とどのように異なるアプローチで迫るのかも大変判りやすかった。考えてみるとイスラムでは偶像の禁止や、それに伴う模写表現の禁止があるわけで、そうなると装飾が幾何学模様や数字になるのは当たり前ですよね。
    この本のように、トルコ・イスラム側からの視点の本はもっと日本で増えてもいいのではないかと思います。

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    2013年06月13日
  • 陰陽師 玉手匣 2巻

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    ネタバレ

    博雅が表紙!!
    普段はきりっとした男らしい精悍な顔つきの博雅ですが、この表紙は大好きな篳篥(ひちりき)を演奏中・・・ということで、どこか福福とした、幸せそうな顔をしています。

    そういえば、”玉手匣”は全体的に淡いライン・色使いですが、それが若子の冒険の内容と合っているような気がします。
    陰陽師自体が夢物語のような出来事と遭遇していく内容なので、ストーリーとイラストの感じがマッチして、とても幻想的。

    本巻のお気に入りは終盤の博雅の物語。
    笛バカも道を究めれば悪心を浄化せしむる力を持つのね。

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    2013年06月12日
  • 真・餓狼伝 1

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    夢枕獏の書き下ろしの原作を元に描かれた『餓狼伝シリーズ』の最新コミック。主人公は丹波文七ではなく、丹波文吉。明治時代の講道館の伝説の柔道家・前田光世に丹波文吉が挑む。

    前田光世と言えば、ブラジルに渡り、コンデ・コマとして、グレーシーに柔術を教えたとされる天才柔道家。夢枕獏の傑作格闘小説『東天の獅子』と増田俊也の傑作格闘ノンフィクション『木村正彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』の世界がコミックで描かれる。

    今後の展開が非常に興味深い。夢枕獏の格闘小説『新・餓狼伝』の方は一体どうなるのだろうか。

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    2013年06月09日
  • 大江戸釣客伝(下)

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    多くの実在の人物、史実を配しながら、生類憐れみの令など政令をかいくぐり釣りに情熱を注ぐ者たちの描き、元禄時代の熱気を感じさせる。

    采女、朝湖、其角の一つ一つの話がつながりながら、釣りに取り憑かれていく様を描き、さらに冒頭の「幻談」で、つり上げた笑みを浮かべる老人の屍体の謎も解き明かされ、さらに最後に「幻談」のシーンに戻る。その構成は見事というしかない。

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    2013年06月02日
  • 大江戸釣客伝(下)

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    これまで数々のSF、伝奇小説、格闘小説を描いて来た夢枕獏であるが、この作品は歴史小説の色合いが強い。

    あくまでも歴史に忠実な結末を描いたためであろうか、何か釈然としない、スッキリしない結末だった。読み手のレベルが低いのかも知れないが…

    下巻の前半の釣り船禁止令の中、投竿翁の足跡を追う朝湖と其角ら、釣りキチの描写が面白かった。

    もしや、そろそろ夢枕獏も歴史小説に鞍替えなのだろうか。北方謙三が解説を書いているところが、非常に気になる。

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    2013年06月01日
  • 大江戸釣客伝(上)

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    釣りに魅せられた絵師の朝湖、俳人の其角、旗本の采女らが、時の将軍・綱吉の悪法に翻弄される…

    夢枕獏の『陰陽師』シリーズのような風合いもあり、夢枕獏の釣りキチぶりがうかがえる作品。自分は夢枕獏の作品の中では『神々の山嶺』『東天の獅子』が双璧と思っているが、この作品はそこまでのレベルではない。

    それにしても、生類憐れみの令とは…まあ、現代でもある日、突然、あれがダメとか言われる訳で、過去も現代も同じもののようだ。

    この作品で吉川英治文学賞と泉鏡花文学賞、舟橋聖一文学賞の三賞を受賞とのこと。作品の面白さと文学賞の受賞とはあまり関連は無いようだ。

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    2013年06月01日
  • 陰陽師 龍笛ノ巻

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    『陰陽師』短篇集五冊目にあたる巻。
    「怪蛇」
    「首」
    「むしめづる姫」
    「呼ぶ声の」
    「飛仙」
    の五篇が収録されている。

    「首」はおどろおどろしく不気味な雰囲気が出ていて好み。
    「首」より、安倍晴明の師である賀茂忠行の、息子・賀茂保憲が登場する。
    面倒くさがりの怠惰で、あっけらかんとした性格の様子。
    黒い猫又を連れている。撫でられている猫又がかわいい。
    「呼ぶ声の」で保憲は晴明の所で酒を飲むのが気に入ったと言っている。
    今後も彼が登場するのか楽しみ。

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    2013年05月29日
  • 秘帖・源氏物語 翁-OKINA

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    楽~な気分で取りかかれ、読み終わることができました。

    一応源氏物語を土台にして、夢枕さんらしくもののけというか、霊というかをはめていておもしろかったです。
    また、続、書いてほしいです。
    源氏物語の、霊とかもののけからのとらえ方っていいですよね。
    源氏物語って、
    恋愛物語と思うと、気も滅入るしなんとなくもういいかなぁって感じです。
    光源氏勝手すぎるから。

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    2013年05月03日
  • 陰陽師 天鼓ノ巻

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    四季の風情を見つつ、酒をほろほろ飲みながら、あやしの話を聞いて、二人でふらっとでかけてゆく。
    永遠のマンネリだけど、いつでもすんなり世界へ没入できるマンネリ。
    「呪の話をするな」と拒否反応する博雅が、とても可愛くてよい。
    拒否する割りに、一番深奥に近い接し方をしているのに。とにかくフラットな対応でくるからですか?妖の出来事に対して。

    男と女の恋情ゆえの、鬼と化ける話が印象深い。これも、古今東西の鉄板の話。
    「炎情観音」がこわさとかなしさで、印象深いです。

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    2013年04月08日
  • 陰陽師 1巻

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    ネタバレ

    引目鉤鼻の時代、博雅のように濃い顔は不細工なんだろう。その裏設定でニヤニヤしてしまう。本当に中も外も良い男なのに。そういえば一休さんに相談にくる新右衛門さん好きだったな。お人好しキャラ、大好き。

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    2013年11月14日
  • 秘帖・源氏物語 翁-OKINA

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    夢枕獏 著「秘帖・源氏物語 翁」を読みました。

     光源氏の妻、葵の上に怪しいものがとり憑く。彼女を救うため、光の君は外法の陰陽師・蘆屋道満に調伏を依頼するが、謎は深まるばかりだった。

     陰陽師「源氏物語」版といった感じでした。

     今回は安倍晴明は全く出番がなく、代わりに光源氏とあの蘆屋道満がコンビを組んで、謎を解き明かしていく展開で、陰陽師同様楽しく読ませてもらいました。

     恥ずかしながら、源氏物語のさわりしか知らない自分でも源氏物語の世界を少し味わえた感じがしました。

     謎が解明する件では、世界の神話まで登場し、この物語のダイナミックな展開に驚かされました。

     もう少

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    2013年03月16日
  • 陰陽師 瀧夜叉姫(下)

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    陰陽師シリーズ初の上下巻ということで少し構えてしまいましたが、
    なんということはなく“いつも通り”の陰陽師でした^^
    禍々しくも華やかな平安の世界にどっぷりはまることができます。

    登場人物が多く、何度も戻ったり進んだりすることになりましたが
    ゆっくりと(なかなか焦らしてくれます)謎が解けてゆくのが大変小気味いいです。

    ただ、タイトルにもなっている瀧夜叉姫のインパクトがいまいちでした。
    完全に将門殿と興世王に持っていかれている気がします…。

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    2013年03月05日