夢枕獏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
釣りに魅せられた絵師の朝湖、俳人の其角、旗本の采女らが、時の将軍・綱吉の悪法に翻弄される…
夢枕獏の『陰陽師』シリーズのような風合いもあり、夢枕獏の釣りキチぶりがうかがえる作品。自分は夢枕獏の作品の中では『神々の山嶺』『東天の獅子』が双璧と思っているが、この作品はそこまでのレベルではない。
それにしても、生類憐れみの令とは…まあ、現代でもある日、突然、あれがダメとか言われる訳で、過去も現代も同じもののようだ。
この作品で吉川英治文学賞と泉鏡花文学賞、舟橋聖一文学賞の三賞を受賞とのこと。作品の面白さと文学賞の受賞とはあまり関連は無いようだ。 -
Posted by ブクログ
夢枕獏 著「秘帖・源氏物語 翁」を読みました。
光源氏の妻、葵の上に怪しいものがとり憑く。彼女を救うため、光の君は外法の陰陽師・蘆屋道満に調伏を依頼するが、謎は深まるばかりだった。
陰陽師「源氏物語」版といった感じでした。
今回は安倍晴明は全く出番がなく、代わりに光源氏とあの蘆屋道満がコンビを組んで、謎を解き明かしていく展開で、陰陽師同様楽しく読ませてもらいました。
恥ずかしながら、源氏物語のさわりしか知らない自分でも源氏物語の世界を少し味わえた感じがしました。
謎が解明する件では、世界の神話まで登場し、この物語のダイナミックな展開に驚かされました。
もう少