夢枕獏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
やっと、最新作に追いついた。
そもそも、この巻が出たと気づいたから、前の2巻から復習の意味もこめて読み直してみた次第。
そもそも、この作品が8年ぶりらしいから、トンデモないですな。
長かった、回想シーンがやっと終了。
これで、物語のキーのそもそもの言われが語られつくしたわけになりますが、それにしても長すぎ。私も作者も年取って、文体も変わってきたような・・・
ようやく、本巻の最後で、もとの時代(現代)に話が戻ってきました。
さすがに、盛り上がってきました。続きが楽しみ。
でも、次の最新刊はいつになるのだろう?
奥日付を見ると、初版はすでに2年前。2020年までにリリースされれば、
まだまし -
Posted by ブクログ
表題作の「呼ぶ山」を除き、
25~35年前に書かれた作品ですし、
エログロ伝奇バイオレンス作家(笑)の
作者らしさは、比較的薄ぃ感じかな…。
でも…、掲載作の全編を通して、
山脈を連ねる山々の幻想的な神秘さが
作者らしぃ表現で描かれており、
作者の原点が読み取れる作品集かも…。
実際に国内外の山々を縦走登攀された
山を知っている方が書かれているので、
作中の幻想的な表現の中にも、
山のリアルさが感じられた作品でした。
デビュー~10年目ぐらぃまでの
油が乗る前の短篇、中篇ですから、
物足りなさも見え隠れはしますが、
それも含めて、これでよいと思います。 -
Posted by ブクログ
夢枕獏による「陰陽師」の同パターン別バージョン、といったところ。
唐という大国を舞台にすることで、スケール感は倍増してます。
面白かった。
遣唐使として爛熟期の唐に渡った空海と橘逸勢(はやなり)。
空海は密教をわがものとし、逸勢は儒学を学ぶために。
唐の国の進んだ文化、華やかさ、広大さ、異国の文化を受け入れる懐の深さに触れる二人。
異能の人にして天才である空海は、唐でもすぐにその存在感を示していく。
と同時に、国の秘事ともいうべき深い闇と関わることになっていき……というお話。
作者が18年かけて完成した物語。
長い、でも、高度な娯楽性とキャラクターの力でもってどんどんと読めてしまう。
空海