夢枕獏のレビュー一覧

  • 陰陽師 13巻

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    作者自身は、めちゃくちゃ明確なものを、めちゃくちゃ明確なビジョンで描いているにもかかわらず、読者には幾通りもの解釈の仕方がある。
    わたしの好きな「名作」は、そんなのが多い気がします。

    例えば、マンガでは、永井豪の「デビルマン」。例えば、映画では、アナ・トレント主演の映画「ミツバチのささやき」。
    小説では、なんだろう?最近読んだ、パウロ・コエーリョの「アルケミスト」がそうかもしれない。
    みごとなぐらい、語る人、語る人によって、物語の解釈がかわっていく物語というのがあります。

    そして、この岡野版「陰陽師」も、そんな物語の1つなのかも。

    多分、岡野玲子自身は、説明するのさえめんどくさいぐらい明

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    2014年08月18日
  • 荒野に獣 慟哭す 4 鬼獣の章

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     メキシコに渡った御門周平は、敵の手から愛する恋人を救い出すことに成功する。一方で、聖なる遺跡近くで発見された油田を巡り、アメリカの巨大企業を交えた壮絶な戦いが始まる。

     この巻も遺跡や油田を巡り、敵や味方が入り乱れての戦いが繰り広げられ、戦闘シーンやそれぞれの駆け引きが描かれています。

     また、そこで描かれているのは、人として生きていく覚悟だけでなく、文明との闘いもあります。

     それぞれの登場人物の生き方や野望など、読みながら考えさせられました。

     いよいよ次巻が最終巻ということで、結末がどうなるのか見逃せません。

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    2014年08月17日
  • 荒野に獣 慟哭す 3 獣王の章

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     愛する恋人を救うため、獣化兵の御門周平は、メキシコに渡る。そこで油田の利権争いニ巻き込まれ、敵味方入り乱れての駆け引きが繰り広げられる。

     本巻では、1・2巻に比べ戦闘アクションは抑え目だが、その分獣化兵を巡る敵味方の背景や駆け引きが描かれ、心理的な緊張感を感じさせる展開でした。

     また、今まで以上に御門周平の人間としての理性が試される場面が見られ、同時に過去の自分を探すという厳しい生き方を迫られる感じがしました。

     愛する恋人を無事救えるのか、御門自身に人間としての救いは訪れるのか、次巻も楽しみに読んでいきたいと思います。

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    2014年08月17日
  • 陰陽師 7巻

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    天徳4年(960年)の内裏歌合せを舞台にそれを台無しにしようとする菅原道真さんとそれを阻止しようとする晴明サイドとのかけひきのお話。
    このお話はよくまとまっていて、なかなか奥深く読ませてもらいました。
    道真さんが良いキャラクターだよね。

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    2014年08月12日
  • 陰陽師 5巻

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    絵やデッサンはめちゃくちゃうまいんだし、平安ちっくな雰囲気もあるし、ずっとこの巻に収録されていた『博雅朝臣 宣耀殿の御遊にて背より玄象の離れなくなること』みたいな物語を描いていてくれたら良かったのになぁ…。

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    2014年08月11日
  • 神々の山嶺 上

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    久しぶりに上下2巻、1000ページを超える大長編を読みました。
    山岳小説の白眉と言われる作品です。
    中高生時代は山に登っていて、新田次郎さんの山岳小説にも嵌りました。単独行の加藤文太郎を描いた『孤高の人』、両足の大半の指を凍傷で失いながらもマッターホルン北壁の日本人初登攀を果たした吉野満彦を描いた『栄光の岸壁』。これらは実在の超人的な山のヒーローを主人公にした物語です。
    そしてもう一つ『白きたおやかな峰』。北杜夫が自らドクターとして参加したカラコルムの未踏峰ディラン遠征隊の体験をもとに描かれた、一流であっても超人とは言えない人たちの、どこか哀切な物語。
    この作品は新田次郎に近い作風です。超人的

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    2016年05月29日
  • 陰陽師 醍醐ノ巻

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    今回も楽しませて頂きました♪
    清明と博雅の鉄壁コンビが健在で、いつもの通りのあとがきで、60歳を越えてもなお、まだまだ続ける宣言。嬉しい限りです。

    巻末のエピソード「~中納言」が、個人的に非常に面白かったです。“鶴の恩返し” のホラーバージョン、とでも言うのかな?

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    2014年07月22日
  • 神々の山嶺 上

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    【選んだ理由】
    雑誌で山に登りたくなる本と書いてあったから

    【読んだ感想】
    本当に山に登りたくなった。生き方を考えさせられる本。

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    2014年07月21日
  • 荒野に獣 慟哭す 2 凶獣の章

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     生ける殺人兵器とも言うべき、獣化兵にされた御門周平は、自分の過去と愛する女性を取り戻すため、敵味方が入り乱れる闘いに臨む。

     少しずつ自分の過去が明らかになってくる本巻、新たな組織や個性豊かなキャラクターが登場し、作者得意のバイオレンスアクションが展開、一気に読みまくりました。

     特異な能力を持ちつつも、人間として生きていきたいと願う御門の生き様に魅力を感じました。

     次巻はいよいよ舞台を日本から南米に移してさらなる死闘が描かれそうです。

     やはり目が離せません。

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    2014年07月19日
  • 真・餓狼伝 3

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    対前田戦、終了。
    やっぱり、決着はつかんかったか……。そして、それよりも過去の回想に。
    まぁ、話の流れとしては、ん?今までのも回想でないのとか、若干無理がなくもないですが、まぁ、勢いあるからいいか。

    すぐに泣くお父ちゃんが、いい味出してるわぁ。この人、好きです。

    これ、現代の餓狼伝には、絶対につながらないですね。多分。

    丹波文七は、丹水流の使い手じゃないから。

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    2014年07月16日
  • 陰陽師 龍笛ノ巻

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    時々、岡野陰陽師を読んでいると、夢枕陰陽師から、遠く離れたところにきたなぁと思います。
    でも、ときどき、やっぱり原作、さすが原作と思わせる話がきっちりあってよいですねぇ。

    人物の取り扱い方、特に陰陽師の術者関係は、道満にしろ、保憲にしろ、かなり扱い方が両陰陽師の中で違っているのですが、なんか、作品中の人物の韜晦の仕方とかは、ときどき、ドキッとするほど似ていたりします。

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    2014年07月15日
  • 荒野に獣 慟哭す 1 獣化の章

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     記憶を失ったまま目を覚ました御門周平は、謎の獣に襲われるが、超人的な能力を発揮し難を逃れる。自分は何者なのか、特殊な能力の秘密は何なのか。複数の組織が入り乱れながら、御門の戦いが始まるのだった。

     待望の文庫化ということで、一気に読み進めてしまいました。

     作者得意のスーパー伝奇アクションの世界が展開し、ページをめくる手が止まりませんでした。

     敵も味方も判然としない中で、少しずつ御門の謎が明らかになってくる展開もミステリーのように楽しんでいます。

     1巻の後半に登場する久能というキャラが御門の相棒になることで、さらにアクションの醍醐味や物語の深みが出て今後の展開が楽しみです。

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    2014年07月12日
  • 陰陽師 2巻

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    平安京の区画にこめられた意味など、けっこうマニアにはたまらない話だけど、ちょっと難しいかな…。
    大陸から渡ってきて日本独自に進化した陰陽道について学んでみたくなった1冊。

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    2014年07月12日
  • 陰陽師 1巻

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    岡野さんの絵が物語にものすごく合っている。
    巻末の資料がけっこう使えそう。
    平安時代は不思議な世界だなぁ…。

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    2014年07月12日
  • 陰陽師 3巻

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    絵がしっかりしていて雰囲気がある。
    宮中行事にもちゃんと意味があるんだなぁ…。
    黒川主の話は、奇譚としてもかなり秀逸。

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    2014年07月12日
  • 真・餓狼伝 6

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    長い余韻を残すエンディング…第六巻にして、ついに完結。明治時代を舞台にした、もう一つの『餓狼伝』。どうしても、短く、上手くまとめた感が否めず、原作者の夢枕獏は、まだまだ書き込みたかったのではないかと思うような作品。それでも、作画の野部優美は良くぞ最後まで夢枕獏の原作に忠実に描いたものだと賛辞を送りたい。

    『餓狼伝』を最初に漫画化したのは、谷口ジローである。迫力のある素晴らしい作画だったのだが、連載誌の関係で原作本の僅か一巻分で完結したのは残念だった。

    板垣恵介が漫画化した『餓狼伝』は原作を逸脱しつつも、独自の世界を描き、何度かの休載や転載を挟みながら長らく続き、非常に期待していたのだが、突

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    2014年07月09日
  • 陰陽師 鳳凰ノ巻

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    鳳凰ノ巻の中では、髑髏譚が一番お気に入り。
    少しおどろおどろしい雰囲気の中での最後の落ち方が好き。

    おなじみの清明と博雅との掛け合いは、読んでいると二人のいる世界に引き込まれるようでもあり、毎回ほっとした気持ちにもなる。

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    2014年06月29日
  • 荒野に獣 慟哭す 2 凶獣の章

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    第二巻。いよいよ面白くなって来た。御門周平の本当の名前と獣化兵となった経緯が少しずつ明らかになる。敵と味方に分かれて闘う獣化兵たち、謎の武道家・薬師丸法山、久能、呪師キム、チャン・キン…次々と謎に満ちた人物が登場する。

    伝奇、SF、ホラー、格闘技と様々な要素が混然一体となった作品。

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    2014年06月11日
  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ四

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    ネタバレ

    面白かったです!完結までに18年って…
    残っている書物、史実にある程度基づき、伝説や逸話を掛け合わせ、作者の想像力を盛り込みこんなにおもしろい作品に仕上げたということに改めてすごいなと…

    楊貴妃も黄鶴も白龍も丹龍も、玄宗も高力士も…みんな可哀そうでした。白龍が可哀そう過ぎる…きっかけは黄鶴の過去にあるにせよ、一連の悲劇は誰が悪いわけでもないから余計やるせない気持ちになりました。あえて言うなら国の、時代の風潮がそれぞれの心の隙間に闇を生みだしてしまったせいという感じでしょうか…
    最後に見せた黄鶴の父親としての顔…泣けました。

    空海は最後まで安定の空海でした。逸勢も(笑)
    空海の日本時代のお話

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    2014年06月09日
  • 陰陽師 醍醐ノ巻

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     清明と博雅の二人が妖しの物を退治すべく平安の都で今夜も活躍する人気シリーズ。

     人の心に巣くう鬼の話も好きですが、今回は「不言中納言」のような化け物を退治する話も「キマイラ」や「闇狩り師」を彷彿とさせてとても楽しめました。

     このシリーズを読むたびに、平安の都の雰囲気を味わうことができるのも楽しみの一つです。

     次回もどんな鬼や化け物が平安の都を騒がせてくれるのでしょうか。
     
     

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    2014年05月24日