夢枕獏のレビュー一覧

  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ四

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    物語の場面は玄宗皇帝と楊貴妃が出会い別れし華清池の廃墟へと移り、やがて月下、最後の宴の幕が切って落とされる。空海の招きに応じ集いしは愛ゆえか憎悪ゆえか死にそびれた人鬼達。各々、仇敵を前に空海の酌で静かに酒を酌み交わす。やがて死すべき者は死に静かに宴の幕が下りる。この後、生き残った者共の後日談が淡々と語られる。空海を狂言回しとしたのは正解。その圧倒的事績と残された書簡集の前にはどんな小説家の想像力も色あせたものにならざるを得ない。「龍馬伝」で人気再燃中の坂本龍馬が明治維新の奇跡なら空海は日本史の奇跡である。

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    2012年02月09日
  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ三

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    まあ学術書じゃあないのでこの1巻を以て『般若心経』を理解するなど端から不可能事ではあるが、一瞬なれども読んでみたいと思わせる力があったのは確か。(結局は一生読まないと思うがσ^_^;)3巻は宦官である高力士が阿倍仲麻呂に託した手紙で終わる。大唐王朝の秘事が綿綿と綴られる巻物は1章(約130頁)を費やしてもまだその終りを見ず、第4巻の次章へと果てしなく流れていく。将にネバーエンディング手紙の章。巻中では憎しみ故、絶望の深さゆえ最後にはお互いの生きた時間を認め合うしかなかった老いさびた宿敵同士が描かれている。

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    2012年02月09日
  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ二

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    予想通りと言うか、早くも空海と橘逸勢のコンビはややフェードアウトし、物語は急転、楊貴妃伝説へと流れ込む。空海物語と言うよりも空海・逸勢と言う東洋のホームズ・ワトソン(本当はE・A・ポーのオーギュスト・デュパンと名無しの「私」と言いたいが・・・古い?^^;)が狂言回しとなって唐代の長安を縦横無尽に駆け巡る伝奇絵巻か・・。さもなくば、夢獏らしく脇役がとめどもなく始めたひとり語りか。個人的な興味は空海が語り部として物語を終えるか、はたまた主人公の場に舞い戻るかである。くううかあい~(空海)、カ~ムバアッ~ク!!

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    2013年02月28日
  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ一

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    『空海の風景』と『餓狼伝』は我が偏愛の書。司馬遼太郎は終生、格闘小説を書かなかったが、夢枕獏は空海を描いた。司馬遼とはまったく異なった書き手である夢獏が空海という日本史における突然変異とも言える孤高の天才をどう描くが興味を持って読む。空海の前半生を省略して物語はいきなり唐の国にて幕を開ける。スーパーバイオレンス伝奇の巨匠が描いたにも関わらず空海が爽やかな青年なのが少し意外。『風景』の空海はもっといかがわしさに満ちていた。脇役が自己増殖して収拾がつかなくなるのが夢獏。はてさて空海は唐の都でどうなることやら。

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    2012年02月09日
  • 陰陽師 生成り姫

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    シリーズ初の長編。
    シリーズで出ているけれど、どこから読んでも大丈夫なように書かれています。
    特にこの長編は、今までの晴明&博雅のエピソードも織り込まれていています。はじめての方やおさらいにぴったりです。
    私はシリーズ順に読んで来たので、くどいとしか感じなかったけど。

    物語のもととなるのは、呪われた男を晴明が助ける、という謡曲。それを、夢枕獏が女の悲しい物語として描きなおした。

    前に短編「鉄輪」としても収録されていた物語です。大筋は変わらないけど、長編になって、鬼へ成っていく女の悲しみがぐっと迫ってくる作品になりました。
    それと、博雅の良い男ぶりが光る。素直で優しくて、優しすぎて、切ない。

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    2012年02月06日
  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ二

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    高校の古典の授業で聞いた名前がたくさんでてきた。空海は、実際に交流があったのかなあ…あったらすごいって。
    楊貴妃のその後には、色々な説があることが分かった。面白いなあ。
    逸勢が役に立って(笑)うれしい。

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    2012年01月31日
  • 上弦の月を喰べる獅子(下)

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    ネタバレ

    「村上春樹の小説みたい」と思って読み始めたけど、全然違った!!
    SFというより、ミステリーというより、むしろ小説とも違う、圧倒的な仏教的思想の塊。

    作中の螺旋に関する記述は、物理学の数式を見ているようで甘美だった。
    世の中には仏教と量子力学に関する研究をする人(科学者としてか、あるいは、哲学者としてかは知りませんが…)がいるらしいけど、それも頷けるような。
    なぜか、素粒子論についても考えてしまうような不思議な読書体験でした。

    …なんて書くととても胡散臭いことこの上ないのですが。

    私の仏教に対する理解が皆無に等しいので、一言では言い表せないのですが…「おもしろい」と思います。

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    2012年01月18日
  • 陰陽師 玉手匣 1巻

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    前シリーズ(なのか?)の大ファンだったので、即購入。
    岡野玲子先生の描く絵は本当にすばらしいです。

    そして・・・話が難しい。若子が出てきて少しわかり易くなるかと思った私が浅はかでした。

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    2012年01月11日
  • 新・餓狼伝 巻ノ一 秘伝菊式編

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    何が「新」で、何でまた「1」なのかは、説明されても全くわからないのです。
    大人の事情って、やつですね。

    まあ、何はともあれ、あの餓狼伝の続きです。
    面白い。
    そして、見たい試合が、まだまだあります。

    今回は、プロレスががんばっています。
    あぁ、プロレス見なくなって久しいよな~。見なくなってではなくて、見られなくなってか?

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    2012年01月06日
  • 陰陽師 玉手匣 1巻

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    ネタバレ

    発売日に買いに走りました!

    13巻で終わりかと思っていたのだが、続編を書き始められたようす。
    この方の作品は、細切れで読んでもおもしろさが半減するので、まとめて読む。

    眠りについていた晴明が目覚める。ある説話と、琵琶牧馬をめぐってお話しが動きはじめる。ある説話は、どこかで読んだことがある、と思ったら『今昔物語』「巻第二十九 第三 不被知人女盗人語」だということを、検索して教えてもらいました。
    また、真葛の子、若子という晴明の息子が狂言回しとして出てきて京をかけまわってくれる。空海の亡霊ともあったりして。面白い。
    遊び心満載の1冊。

    最後の東日本大震災に対する、作者の言葉が心にしみた。

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    2012年01月05日
  • 陰陽師 玉手匣 1巻

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    また頂けるなんて。楽しみすぎて死ねる…!!陰陽師は墓場まで持っていくバイブルです。楽園。玉手匣はまだまだこれから、ですね。重厚過ぎて、読み解くのに何年かかるのか…いやそうではなく、読むたびに新しく訪れのある作品であり、とにかく愛しています。

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    2011年12月31日
  • ものいふ髑髏

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    『びくいしとい』からじわじわ溢れ出す狂気がたまらなかった。あとがき読んだ後にまた読み返して感心してしまった。夢枕さん凄いです

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    2011年12月17日
  • 黒塚 KUROZUKA

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    一気に読み切った!予備知識は義経だけだったので、近未来な展開に驚きました。ただ赤帝の正体はなんだかなあ…。解せない…

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    2011年12月08日
  • 陰陽師 飛天ノ巻

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    歴史物だから堅苦しくて読みづらいのかなと思ったけど
    案外スラスラ読めた。


    何より晴明と博雅のコンビがいい!

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    2015年07月19日
  • 陰陽師 1巻

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    絵に惹かれて購入しました。
    なので絵がとても美しいです。
    安倍清明が綺麗で格好良いです。
    このシリーズの後半は原作にはないオリジナルストーリーが入ってくるので、原作ファンは注意が必要かもしれません。

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    2011年11月17日
  • 妖樹・あやかしのき

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    ネタバレ

    この語り口のテンポの小気味良さはなんだろう。わくわくする様な話の展開 おぞましい描写も数多いがヴァシタの存在がそれを中和してくれる
    オカルトは決して私は好きでなく、いや寧ろ嫌いであるが この夢枕獏の世界に引きずり込まれてしまった。古いテレビ番組だが「ローハイド」のウィッシュボンを彷彿とさせる ヴァシタの存在である

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    2011年12月08日
  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ三

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    ネタバレ

    根気がなくて2巻で早くもダレてきた私には、正直言ってこの3巻もだんだんと読むのがじれったくなってきていた。内容が水増しなのではないかと疑いさえしてきていた。

    しかし、第26章の呪法宮の章を読んで、感動してしまった。一気に目が覚めたような気持ちになった。
    空海と逸勢の「想いが人ならば、それは尽きることがない」という言葉に始まる問答を読んで、びっくりしたのである。
    そこには、なぜ仏法があるのか、なぜ人は仏法を必要とするのか、というひとつの答えがあった。
    そして私はその答えにとても納得したのである。
    どうしてこんなに哀しいのか。この哀しみを、いったいどうして乗り越えればいいのか。
    それを作中で空海

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    2011年11月06日
  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ一

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    読み始めて思うのは、「唐が舞台の『陰陽師』」。
    この本の空海と橘逸勢の関係が、『陰陽師』の安倍晴明と源博雅の関係にそっくりなのである。

    しかし、橘逸勢は才能もプライドも人並み以上にある人物なので(ただ、空海が常識を逸した才能を持っているので、彼に比べると逸勢の才能がかすんでしまうのである)、そんな彼が空海に説明を求める際に「俺を騙すなよ」と念を押すのが面白い。
    確かに空海の言うことは突飛すぎて(奇抜というわけではなく、物の考え方が「日常」を超越しているのだ)、聞いていると全く違う価値観に戸惑ってしまう。その面食らう感覚を「騙す」という逸勢の気持ちはよくわかる。
    この逸勢の人物造詣がよくて、彼

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    2011年11月06日
  • 神々の山嶺 5

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    実際にあったお話なのかな?
    不器用な登山一筋のおっさんと、それを追う内に山に魅入られていくルポライター、そして、振り回される幸せそうな女達の話。
    漢くさい。

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    2011年11月03日
  • 陰陽師 瀧夜叉姫(上)

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    ネタバレ

    「天下に並ぶものなき鬼をこの世に生み出すためじゃ」


    初、陰陽師シリーズで上下巻に及ぶ長編。
    承平・天慶の乱から20年ほど後、京で行われる恐ろしい陰謀。

    あたしの古代史ゼミでは、将門についてやる子もいるし、純友についてやる子もいる。
    私も、まさにこの時代あたりのことやるんですけど。

    陰陽師は師輔とか高明とかいっぱい出てきて、モチベーションあがります。

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    2011年10月02日