あらすじ
山を愛し、山をモチーフとした数々の作品を著わしてきた著者の、珠玉の山岳幻想小説を集めたアンソロジー。山の持つ不可思議で大いなる力をひしひしと感じられる全8篇。『神々の山嶺』(柴田錬三郎賞受賞・谷口ジローによりコミック化)のスピンオフ作品を単行本初収録(表題作「呼ぶ山」)。
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Posted by ブクログ
たいへんおいしくいただきました。
「鳥葬の山」は文庫版を持ってるから再読になるけどシェルパのモデルがこんなところに!
「呼ぶ山」の主人公はあの人!スピンオフ!
Posted by ブクログ
不思議な山岳小説
山の神秘さや神々しさ
人が決して立ち入ってはならない場所
異界とのつながり
宇宙とのつながり
自然の荘厳さが感じられた
山に入ったら
一人の人間の存在なんて
一体どんな価値があるんだ
大自然の中で呼吸すると
自然との一体感で
霊が浄化されるのだろう
民俗学も絡めて
不思議な印象の作品
Posted by ブクログ
表題作「呼ぶ山」は「神々の山嶺」のスピンオフ作品です。誰のことかは文中に書かれていませんが、作者も彼の死に様は気になっていたのかも知れません。山に憑かれた男が最期に見た光景は、切なくもむしろ清々しい。
Posted by ブクログ
表題作の「呼ぶ山」を除き、
25~35年前に書かれた作品ですし、
エログロ伝奇バイオレンス作家(笑)の
作者らしさは、比較的薄ぃ感じかな…。
でも…、掲載作の全編を通して、
山脈を連ねる山々の幻想的な神秘さが
作者らしぃ表現で描かれており、
作者の原点が読み取れる作品集かも…。
実際に国内外の山々を縦走登攀された
山を知っている方が書かれているので、
作中の幻想的な表現の中にも、
山のリアルさが感じられた作品でした。
デビュー~10年目ぐらぃまでの
油が乗る前の短篇、中篇ですから、
物足りなさも見え隠れはしますが、
それも含めて、これでよいと思います。
Posted by ブクログ
山に関する過去の短編中編の再編集版。そのほとんどが過去に読んだことがあるが、忘れているものが多かったが、読んでいる途中で思い出してくるので、残念ながら新鮮味は乏しい。新旧の作品が並んでいるので、若い時の話と熟練してからの書きっぷりの変遷をうかがうもは楽しい。その時々なりに作者の心情を反映しているのがうがかえて良い。
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少し古めの山に関する短編7編+中編1編。装備に関する記述がやや古くさく感じるのは残念だけど、お話としてはなかなか。特に、最後の中編はしんみりしました。
Posted by ブクログ
男のロマンと一言で終わらせたいぐらいに過酷で畏敬の念を超えて何故そこまで登りたいのか不思議でもある。けど人は何故生きているのか、ムダな時間、他人の生活を知っててもムダな情報を共有したり、映画もテレビも必要のない買い物時間、生きている事自体がムダなうえに死んでも何も残らない。普通に生活していても必要な時間はないに等しいなら危険を察知する力、生命力、生き抜く忍耐、精神力が求められる死と隣り合わせの登山はムダとは言えず、帰宅できたら満足感と成長があるので有意義と言える。常に、何事にも軽い気持ちで生きているのはムダな時間だよなぁ。
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時代伝奇物がメインの夢枕が、山岳短編集というので気になって読んでみたが・・まぁ、こんなもんかなってレベル。特に面白くはないが、暇つぶしにはなる。ただ、第二巻があっても読まないなぁ~(笑)
最初の「深山幻想譚」で、もしかしたら前に読んだのかなって内容。ただ、似た内容のは時代物だったと思うから、夢枕の焼き直し作品かな?後は暗いし、読むのに疲れる感じが多かった。まぁ、山岳だと基本地味だしねぇ~
Posted by ブクログ
山にまつわる短編集。
ただでさえ作者の文章はスピード感が半端ないので、短編てことになるとあっという間に読み終えてしまう。(それがいいのだけども)
古い作品はオチはさすがに今となっては斬新さは感じないが、山登りをする身としては共感する部分も少なくない。
Posted by ブクログ
夢枕獏の山岳小説と聞いたからには、期待せずにはいられなかった。
が、これは「神々の山嶺」とは全然違う“山を舞台にした幻想小説集”であった。これを山岳小説と謳う出版社は詐欺じゃないか?
まあ、それはそれとして、期待とは全然違ったけれども、著者の力量が十分に感じられる小説群であるのは確かだ。好みのものは少なかったが、「鳥葬」にはまいった。これは掛け値なしの傑作だと思った。
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短編8編が収録されている。
結構夢枕獏っぽい作品が多かった。個人的には最後の『歓喜月の孔雀舞』が幻想的で気に入った。
【収録作】
深山幻想譚
呼ぶ山
山を生んだ男
ことろの首
霧幻彷徨記
鳥葬の山
髑髏盃
歓喜月の孔雀舞
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代表作「神々の山巓」のようないわゆるリアルな山岳小説かと思いきや、以外とファンタジーというか、夢枕漠ワールドといった感じ。
好き嫌いは別れそうだが、少なくとも多くの時間山と一体になって向き合ったからこその感覚というものを感じた気がします。
文中の「おそらく、ぼくは、暗い山の中で、迷ってみたかったのだ」にはゾクっとしました。
Posted by ブクログ
夢枕獏の「山岳短編集」。背筋がオゾゾ・・・としました。どれも山のリアルがある。
人の魂をかえす『鳥葬の山』。魂と別になった身体に関する描写が鮮やかで、触れてはいけない世界に触れているような気がしたけれど、これは生き物のリアル。
Posted by ブクログ
著者初の山岳短編集ということだけど、『神々の山嶺』が好きな私としては待ってましたという感じです。でも、それ以上に夢枕獏の伝奇小説が好きな私は「山を生んだ男」「夢幻彷徨記」「歓喜月の孔雀舞」がお気に入りです。