【感想・ネタバレ】大江戸釣客伝(下)のレビュー

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Posted by ブクログ

 釣りの師であり俳諧の弟子というシンプルな師弟関係でない2人の関係性が凄く良い。二人の今生の別れには涙なしには読めなかった。
 釣りに狂っているんじゃないか、と自分でも思っているし言われることもあるけど、全然狂ってないな、自分、ってなった。

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2021年03月19日

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生類憐みの令、赤穂浪士、松尾芭蕉
それぞれ勉強したけど、時代が繋がると本当に面白い。
日本史の勉強しなおしたくなるなー。

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2021年01月18日

Posted by ブクログ

 今までの人生のうち釣竿というものに触った記憶は1回。
 運よくその時1匹かかってくれたので釣りに対する印象は悪くはないのですが、釣りの好きな方が夢中になって話してくれるのはどうもピンときませんでした。
 この本を読んで釣りの不思議な魅力を体験してみたいものだと一層思うようになりました。
 思うようにならないことの多い人生。その中で何かに狂い、突き動かされるように生きるのは哀しくもあるけれど、そう生きてこそしあわせなのかもしれない。
 そんな風に生きる人同士が本当の意味で触れ合うことができ、愛しく思うことができるのかもしれない。
 自分の好きなこと、隣の人の好きなことを大切にしたいと思えるようになりました。

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2013年12月30日

Posted by ブクログ

生類憐みの令で釣りがご法度になった肩身が狭く、生きにくい世の中でも
皆同じ事を考える。
浮世から離れ釣りがしたいと。
素晴らしい。
何もかも。
上巻より人間味溢れる内容だったのではないか、と思う下巻。
サラサラと読めて、途中で涙腺が緩みそうになったのも事実。
実在する登場人物がモデルだから、歴史好きな人には本当に勧めたい。
色々なことを考えさせられました。

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2013年06月20日

Posted by ブクログ

夢枕獏の長篇時代小説『大江戸釣客伝〈上〉〈下〉』を読みました。
ここのところ、時代小説が続いています… 夢枕獏の作品は5年前に読んだ『鳥葬の山』以来なので久し振りですね。

-----story-------------
生類憐みの令で釣り人はどう生きたか。
人間の愚かさ、気高さを釣りの世界を通して描く。

〈上〉
時は元禄。旗本、津軽采女は小普請組という閑職がゆえ、釣り三昧の日々を送っている。
やがて、義父・吉良上野介の計らいで「生類憐れみの令」を発布した、将軍綱吉に仕えることになるが・・・。
同じ頃、絵師朝湖と俳人基角は江戸湾で土左衛門を釣り上げた。
果たしてその正体は? 釣りの泥沼から覗く元禄時代。

〈下〉
釣り船禁止令でお咎めを受けた朝湖は三宅島へ島流しに。
その間赤穂浪士の討ち入りがあり、采女は敬愛する義父・上野介を失う。
そして江戸の町が大地震による火災で炎上、周辺は津波に襲われる! 
豪華登場人物で描かれる、元禄の歴史と人間ドラマ!
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2011年(平成23年)に刊行された作品で、同年の第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞を受賞し、翌年の第46回吉川英治文学賞を受賞… 文学賞3冠達成の時代小説です。

 ■序の巻 幻談
 ■巻の一 沙魚
 ■巻の二 技師
 ■巻の三 安宅丸
 ■巻の四 鯛
 ■巻の五 水怪
 ■巻の六 釣心
 ■巻の七 密漁者
 ■巻の八 側小姓
 ■巻の九 無竿
 ■巻の十 釣り船禁止令
 ■巻の十一 釣秘伝百箇條
 ■巻の十二 夢は枯れ野を
 ■巻の十三 この道や行く人なしに
 ■巻の十四 其角純情
 ■巻の十五 島流し
 ■巻の十六 初鰹
 ■巻の十七 松の廊下
 ■巻の十八 討ち入り前夜
 ■巻の十九 討ち入り
 ■巻の二十 元禄大地震
 ■巻の二十一 霜の鶴 狂える猿
 ■巻の二十二 弥太夫入牢
 ■巻の二十三 忘竿堂
 ■結の巻
 ■―あとがき― 夢の釣り宿から
 ■解説 小説ものくるい 北方謙三

綱吉治世の元禄時代、釣りに出た絵師・多賀朝湖(たがちょうこ)と俳人・宝井其角(たからいきかく)は江戸湾で屍体を釣り上げる… 竿を持ち、笑みを浮かべながら流れ死んだ男の正体は? 一方、旗本・津軽采女(つがるうぬめ)は小普請組という閑職がゆえ、釣り三昧の日々を送っていたが、義父・吉良上野介の計らいで、「生類憐みの令」を発布した将軍・綱吉の側小姓となる、、、

綱吉とのトラブルがきっかけとなり城勤めを辞したにも拘わらず「釣り船禁止令」のため釣りが出来ない采女は、釣道を極めんとしたという投竿翁の足跡を追う… 赤穂浪士討ち入りで敬愛する義父・上野介を失う采女。

綱吉の相次ぐ禁令発布に反抗した朝湖は三宅島へ島流しとなり、江戸では支援の秘策が練られる… そして江戸の町が大地震による火災で炎上、周辺は津波に襲われる! 世間が騒がしいなか、釣り人たちの運命は!? 最古の釣り指南書『何羨録(かせんろく)』を著した津軽采女を中心に描く、釣りに憑かれた人々の活躍、、、

元禄の世の釣り勝負の妙、名人の業… 愚かで滑稽、しかしロマンと夢溢れる釣りに生きた激動の元禄の男たち、豪華登場人物で描かれる、元禄の歴史と人間ドラマ!

江戸幕府の第5代将軍・徳川綱吉によって制定された天下の悪法と評される「生類憐みの令」により翻弄される、元禄時代の釣りキチ、釣りバカたちの生き様、運命を描いた作品… 実在の人物を登場させながら、松の廊下の刃傷事件や赤穂浪士の討ち入り、元禄大地震等の当時の出来事を絡めてあることや、釣りに関する蘊蓄を織り込むことで、リアリティのある作品に仕上がっていましたね、、、

『何羨録』は実際に存在する日本最古とされる釣り専門書だそうですし、著者の津軽采女も実在の人物なんですねー 時代考証もしっかりしている印象だし、読みやすい文体で800ページを超えるボリュームだけど一気に読めました… 釣りのことを知らなくても愉しめますが、釣り好きだったら、もっともっと愉しめると思いますね。

面白かった♪

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2023年05月02日

Posted by ブクログ

流石だなと思う。
釣りに興味がない私でも大変面白く読ませてもらった。

綱吉の最悪の法「生類憐みの令」
これが引き金になった赤穂浪士の討ち入り。そして天が怒った元禄大地震。そんな窮屈な時代に釣りを媒介に繋がり続けた男達。
朝湖と其角の最後のやりとりには涙が出てきた。

良い小説でした。

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2019年08月15日

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元禄時代の俳人、絵師、商人。生類憐みの令と討ち入り。粋な生き方と釣り。江戸の文化の花開いた時代を「釣り」の視点で説く。出てくる釣りは、ほとんどはぜときすだが、そこがいいのかも。

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2015年01月31日

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 日本最古の釣り指南書「何羨録(かせんろく)」を記した津軽采女(つがるうねめ)を主人公に同時代に生きた男達の生きざまを描いた作品。

 下巻では、いよいよ厳しくなっていく生類憐みの令と赤穂浪士の討ち入りが佳境に入り、それらに巻き込まれていく男達が描かれ、憧れを感じつつも男の哀しい性も強く伝わってきました。

 采女の辛い人生でも釣りを通してしっかりと受け止めていく生き方は、一人の男の生きざまなのだと感じました。

 自分も釣りのような自分としっかり向き合っていけるものを一つ見つけて力強く生きていきたいと思いました。

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2014年05月04日

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綱吉と言えば、生類憐みの令。

しかし・・・
やりすぎじゃろ
釣りをして島流し!(笑

久々に心地よい時代小説でした。

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2013年09月14日

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夢枕貘にしては、普通の歴史小説だった。

忠臣蔵の話も別の角度から見たら、変わるよねー。

うんうん。

面白かった!

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2013年07月21日

Posted by ブクログ

おもしろかったです!

いままでの(私が読んだ)夢枕獏さんとちょっとちがってて、
実在の人物ということもあって 歴史書のようなところがあって
勉強になりました

「生類憐みの令」は みんなが苦しく思っていたんだなぁ~
それと、綱吉自身もこのことにとらわれていたんだなぁ~
と、感じました。

朝湖さんと其角さんもう一度 あわせてあげたかったなぁ~

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2013年07月01日

Posted by ブクログ

多くの実在の人物、史実を配しながら、生類憐れみの令など政令をかいくぐり釣りに情熱を注ぐ者たちの描き、元禄時代の熱気を感じさせる。

采女、朝湖、其角の一つ一つの話がつながりながら、釣りに取り憑かれていく様を描き、さらに冒頭の「幻談」で、つり上げた笑みを浮かべる老人の屍体の謎も解き明かされ、さらに最後に「幻談」のシーンに戻る。その構成は見事というしかない。

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2013年06月02日

Posted by ブクログ

生類憐みの令のため、釣りに行けず悶々とする主人公たち。そんな中、釣りに行って、捕まり島流しになる朝湖。悲しみにくれる其角。一方で松の廊下事件、さらに赤穂浪士の討ち入りが起こり、義父・吉良上野介を失う采女。激動の元禄の中、釣りを愛した男たちの物語。見方が変わると吉良上野介は善、浅野内匠頭は悪だった。

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2023年04月30日

Posted by ブクログ

《本文より》
 世間の全てが、自分たちの敵となっていることを、采女は実感した。
 腰のものを抜いて、ここにいる見物人全員を斬り殺してやりたかった。
 采女が、生まれて初めて、心に抱いた煮えるような殺意であった。
 不思議と赤穂の浪士たちに、恨みは抱かなかった。
 この世間に、采女は厳しい憎悪を抱いたのである。
 浪士たちはこの世間によって踊らされたのだ。
 吉良は、あの好人物は、この異様な世間によって殺されたのだ。
 お前たちの思い通りになぞ、なってやるものか・・・・
 腹の中で、その言葉を何度も幾度も噛みしめながら、采女は、伴大夫と共にその場を後にした。

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2013年06月10日

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