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和風ファンタジーの題材としてすっかりおなじみの陰陽師。そのブームの火付け役であり、9月に市川染五郎・市川海老蔵らによる歌舞伎座公演も決定したのがこの「陰陽師」シリーズです。
平安時代の天才陰陽師、安倍晴明。その親友で音楽の才能豊かな源博雅。この二人が鬼や生霊など様々なものの怪にまつわる怪異を解き明かしていくこの物語。映画のような派手なアクションはほとんどなく、彼らは問題の怪異の原因となった人の業を探り、ものの怪達を納得させることで怪異を見事に解決していきます。
この物語の大きな魅力は、主人公二人の掛け合いが格別に面白いこと!
厄介事を頼まれ困り果てた博雅が、二人で酒を酌み交わしながら晴明に解決を依頼するのですが、その軽妙なやり取りに、自分も仲のよい友人と庭を眺めながら、美味い肴片手にお酒を舐めたくなる事間違いなし!
美しくも怪しい平安時代の余韻から抜け出せなくなりそうな不思議な物語です。
Posted by ブクログ
本作は「陰陽師」というシリーズの中の1作である。「陰陽師」とは、実在した安倍晴明(921-1005)という陰陽師をモデルとしているという主人公が活躍するシリーズで、長く書き継がれていて多くの小説作品が在り、それらを原案とする映像作品も多く制作されている。
“呪”(しゅ)というような事は、現代の目線では酷く判り悪いが、平安時代に在っては誰かが書き綴った日記等にも言及が在って、数々の説話文学にも材料を供している、「確りした“歴史”」という側面も在る、大きな存在感を示しているモノだ。この「陰陽師」というシリーズは、そういう辺りに題材を求めたファンタジーで、なかなかに愉しい。怪異な事件が在って、優れた陰陽師である安倍晴明が、色々な話しを聞き付けて伝えると同時にそして行動を共にすることも多い源博雅と共に解決に向けて奮闘し、周辺に色々な人達の物語が在るというような展開が基本だ。長短様々な作品が在るのだが、本作は「少し長いモノ」ということで構想され、足掛け3年、正味丸2年の雑誌連載を経て纏まった作品であるという。
上巻では、序章で何やら怪異な出来事が起こっているが、ここに未だ少年という極若い年齢だった安倍晴明が居合わせたという様子が描かれる。そして長じてシリーズのよく在る雰囲気で話しが始まる。表立った公な感じの場では、より高い地位なので丁寧に話す源博雅が、個人的な友人として安倍清明の所を訪ねて、酒を呑みながら談笑する訳だが、博雅は清明に酷く気になる出来事の話しが拡がっていると伝える。或いはシリーズの物語の最初の方の「パターン」なのだが、こういうのが何となく好い…
博雅が清明に伝えるのは、孕んだ女が惨殺され、腹を裂いて胎児が引出されたという惨い事件の散発が話題になっているという事と、実際に金品を奪うのでもない、不思議な強盗が現れているという件だった。その不思議な強盗に関しては、少し名前が知れた年配の人達の屋敷に現れているということであったが、清明はその被害に遭った人達の名を観て気になることが在った。
Posted by ブクログ
京都出張をきっかけに読み始めた陰陽師シリーズ。出版されているものは読んでしまおうと購入しました。
シリーズ9作目。生成り姫以来の長編です。しかも上・下巻です。いつも短いお話でかなり満足させていただいておりましたが、長いお話もやっぱり面白かったです。
今回、平将門が登場するのですが、自分が思い描いていた平家とは全く異なるものでした。私は好きでした。でもやっぱり切ない気持ちにさせられる場面が多かったです。
蟲毒の術。何かで読んだことがあったのですが、なんだったか思い出せずにもやもやしました。それにしても恐ろしい術です。毒虫を壷に閉じ込め、共食いをさせる。そして1匹残った虫を呪術に利用する。
道満という人、ふわふわして変な人なのですが、なんとなく誰にも、どこにも捕らわれない、ちょっと面白い人だなと思いました。(今回良いキャラだったからな。)
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