阿川佐和子のレビュー一覧
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この本の中に、昨今のインスタ流行りについて触れた文章がある。阿川氏の友人が、あなたはエッセイで、自分の日常を世の中に発信できるからいいけど、と言われたそうだ。阿川氏は、インスタでキラキラした暮らしを、これみよがしに、時には実力以上に、世間に発信するのと、エッセイで語るのでは、全く違うという。確かに、読者は、阿川氏の日常を面白おかしく楽しみながら、そこに流れる世の中の小さな幸せや、哀しみを読後に味わうのである。時には、人生とは、人間とは、と深い思索に連れて行かれたことに気づくこともある。身の回りの出来事を面白おかしく描いているだけではない、確かな筆力がこのエッセイの深い味わいにつながっている。老人になっても年寄りの繰り言に陥らないのもさすがだ。
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ネタバレ食べたいものが思い浮かばない、でも何か用意しないと、あ~やりたくな〜い〜、という時に一つか二つ、話を読んで励みにさせてもらった。
著者は明るくたくましく、きっちりし過ぎない性格も良い。ちょっと賞味期限が切れちゃったやつも、こうすれば食べれる、いけるいける、とやっていくところも、普段食材を管理したりできてなかったりする身としては心が軽くなった。
ちょいちょい出てくるミルクトーストの話もよかった。あ、ご存知ない?から始まって、作り方は、カリカリに焼いたトーストに砂糖とたっぷりのバターを乗せる。そこに熱々の牛乳をかけるとトーストが牛乳を吸い込み、どんどんどんどん膨らんで、ぼよんぼよんになったら出来上がり。
トーストを大きめのスプーンで食べると、口の中にバターの香りと甘さが広がり、ああ風邪が治りそう〜、と思ったものだ。っていう子供の頃の思い出話。
読んでいると、何となく心が休まって少し食欲が湧いてくる。それなら食べたいな、と自然に思える文章がとても良かった。
そして、お父さんは基本的に恐ろしい。これやるの面倒だなー、と思った時に、いやいやアガワ家の食卓に比べれば天国だ、あのお母さんはすごい、と時々思い出して気力をもらっている。 -
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サワコの朝が終わってから、佐和子さんを見る機会が少なくなった。
表紙の写真は、良いですねえ。こういう表情を引き出せるカメラマンは大したものです。
裏表紙を見て落語ファンなので全員知ってます。
しかし生で見たことがあるのは、
一段目 柳家喬太郎 鈴本演芸場
二段目 桂米團治 伊丹寄席/いたみホール
三段目 春風亭昇太 浅草演芸ホール
四段目 桂三枝 MBS
だけ。
蝋燭が消えた人が6人。
神田伯山、立川志の輔、立川談春、木久ちゃん等など、
高座を聴いてみたい。
高田文夫は立川談志の弟子でもあるけど、藤志楼って
とうしろ=素人という洒落だし、やっぱり放送作家のイメージが強い。
誰でも知ってるその人の話を追確認する様なインタビューではつまらない。
阿川佐和子だから引き出せたと言うのが、この人の強みでしょう。 -
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ネタバレ女性作家8人による、「女ともだち」がテーマのアンソロジー。
うむむむ、女の友情はもろいというけれど、こんなにすごぉ〜く気持ち悪くて、べとっとするものばかりだろうか…
相手と『同じ』を競うような構図が、いくつもの作品に…あー、たしかに、『おそろい』スキだよなぁ…トイレ一緒に行ったりしてるよなぁ…
いやはや。下手なホラーより怖い。
どれも面白かった。
その中で、「ブータンの歌」は、くすっと笑えて、阿川佐和子さんらしい軽やかさだった。
「ラインのふたり」嶋津輝さんは初読。ちょっと山本文緒さんのような奇妙な迫力。
他の作品も読んでみたい。
「獣の夜」森絵都さん、爽やかな作品しか読んだことがなかったので、ジビエを貪り喰らいながらテンションが上がっていく女二人のパワーに圧倒された。痛快。 -
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ネタバレ離婚して実家に戻った香子が、認知症の母、琴子のケアをしながら奮闘するストーリー。
香子がフードコーディネーターとして仕事を始めた頃、母の琴子に認知症の症状が出始める。そんな中、父が急逝。
香子が仕事で家を空ける日、琴子を弟夫婦に預けるが、琴子は家に帰ろうとして放浪(徘徊)してしまい、香子は自分が面倒を見なければ、と決意する。
記憶力も根気も体力もなくなってきた琴子だが、香子がフードコーディネーターとしてやっていく上で、琴子が昔書いていた料理ノートが役立ったり、同僚の麻有や、理解ある上司に助けられながら、仕事を続けられる香子は、ある意味ラッキーだと思う。
ボケたと思っていた琴子が、昔の話をしたり、外向けにはしっかりした応対をしたり、また、子供返りしているように見えるのに、時には、親として香子の心配をしたりする。
ついさっき言ったことも忘れ、何度も同じ質問をする琴子に、香子は強めの言葉を発しがちだが、麻有は毎回違う答えを言って自分も楽しんだり、子供が琴子と仲良くなって遊んだりする様子は、私たちが認知症の人と向き合うときのヒントになる。
認知症の人の脳の仕組みは、興味深い。それがわかれば、患者にストレスを与えないような接し方ができると思う。
そして、家族だけでケアしようとすると、家族の負担が大きく、回らなくなりがちだからこそ、デイケアやショートステイを活用するなど周囲に助けを求めることも大事だと思う。
琴子が、認知症だった母と重なり、自省もこめて一気読みしてしまったが、将来、認知症になることが避けられないとしたら、香子のようなかわいいボケ方をしたい。 -
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ネタバレルイの母は産まれてまもなく亡くなり、父はルイを置いて失踪。母親代わりの叔母さんトバちゃん。
ルイは35歳までずっとトバちゃんと暮らしてきたのに、トバちゃんは水谷さんという県境なき医師を目指すという男の人と旅に出る。県境なき医師って!っとルイが心の中でつっこむ感じも面白かった。そんなトバちゃんが出て行ってひょんなことからトニーさんとこうちゃんと一緒に暮らすことに!まぁ自由人の集まりで面白いこと!もちろんこうちゃんとも恋仲になるし、トニーさんは実の親かもしれないし?でも曖昧な3人の関係も深く問い詰めなければ平穏な楽しい3人っていうのがいい。
合間合間のトバちゃんの手紙日記も面白い。
厚そうに見えるけどめちゃくちゃ面白くてあっという間に読めた。 -
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『ことことこーこ』
一見どういう意味?と思えるこのタイトル。
琴子と香子という親子の物語。
離婚して実家に戻った香子は、父親から「母さんがボケた」と聞かされます。まだ72歳。そんなわけないでしょう、と気楽に構えているも、次々と母の琴子は聞いたことを忘れ、どこにしまったかを忘れ、色んなことを忘れていってしまうのです。
フリーでフードコーディネーターの仕事が入るようになるも、ある日、出張で弟家族の家に琴子を預けたところ、目を離したすきに母親は夫が亡くなったのを忘れ「もう夕方!ご飯の支度をしなければ。家に帰らなくちゃ」と家を出て、迷子(徘徊)になり、警察を巻き込んでの大騒ぎに。
弟に施設に入居させたらどうだろう、と話を持ち掛けられますが、香子は反対。母さんは私がみるから!と母との二人暮らしを続けます。
母親を一人にできないから、と自分のしたい仕事が好きなようにできず、介護を一人で抱え込んでいく様子が、とても読んでいてつらかったです。
母の琴子も、忘れてもあっけらかんとしているのが何だか不自然、と思っていたら、やっぱり色んなことを忘れていく自分に気づき、情けなさと不安を抱えていることが後に分かります。
フードコーディネートの仕事仲間や弟家族、気の置けない友人など周囲のいろんな人たちが協力してサポートしていく姿も良かった。
こんな気さくな頼りになる人たちが周りにいたら、介護負担も減るんだろうな、と思います。
介護はやはり、一人で抱え込んでは八方ふさがりになって行き詰まる、介護は社会皆で少しずつ支えていくものなのかな、と感じました。 -
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「阿川佐和子」の旅エッセイ『タタタタ旅の素』を読みました。
最近、自己啓発系の書物ばかりを読んでいたのですが、一般図書を解禁… まずは軽い作品が読みたくなり、本書を選択しました。
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涙が出るほどの苦労を味わった後の充実感、旅先で見つけた世にも可愛らしい仏様、ホテルの備品を手に入れてしまう辛さ。
幼い頃の冒険譚や、父と喧嘩して裸足で決行した家出もあわせて、予定通りにいかないからこそ、旅は楽しい!
すぐにでも旅に出たくなるエピソード満載、大人気「アガワ」の爽快エッセイ集。
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「阿川佐和子」のエッセイって、気取ってなくて、本音で語っている感じ… 着飾ろうとせず、素直に表現してあるところが、とても好みですね。
本作品は旅をテーマにして、雑誌『読売旅行』に『さわこのこわさ』として1996年1月から1999年4月の間に連載されたエッセイをまとめた作品です。
本作品で明かされる「阿川佐和子」は、
○吝嗇家なこと
○冒険好きな(放浪癖がある)こと
○幼い頃を広島で過ごしたこと 等
幾つか自分と共通することがあり、自分の気持ちとシンクロしながら読めたので、一層、愉しく読めました。
石鹸で抽斗が満杯になる… って、ことまではないですけどね。
読んでいると旅に出たくなりましたねぇ、、、
そして、本人に一度、お会いしてみたいなぁ… と思いました。
そうそう、「三谷幸喜」のあとがきも面白かった。
さすがですね。