【感想・ネタバレ】看る力 アガワ流介護入門のレビュー

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介護経験豊かな阿川さんと、介護医院の大塚会長が語る。看護のプロ同士の話だが、介護を受ける人の気持ちを理解し、よく伝えてくれる。歳を取ることがどういうことなのかが分かり、老後を迎えた人にもためになる。▼「一人暮らしは老化防止の特効薬」「孤独死で何が悪い」「認知症でも一人暮らしを」「ギリギリまで一人暮らしのススメ」「男は何もしない、ポツンとブスッとして、男の老後は寂しい。退屈の極みですよ。手がかかる」「女性は集団にしておけば、放っておいても全く問題ない」「75歳が節目」「75歳が骨折したり病気になったら、元には戻れない」「75歳を過ぎたら自分の体のいうことを聞いてはいけない。気力に体力を引っ張らせる。」「75歳を過ぎて使わなかったら、身体はたちまち衰える」「働いている人の表情や立ち居振る舞いを見て施設を決める」「元気なうちに不安にかられて施設に入るのは絶対避ける」「死ぬ場所(施設を含め)を決めておく」

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2023年02月09日

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介護という重いテーマについて、医師との対話との形で語っていく
作者の体験と、医師のアドバイスのやりとり、知っていること、そうでないこと読んでいて切なくなりました。

気になったことは次です。

・医療より介護、介護より生活
・何を言われても決して否定しないこと
・介護は長期戦と心得よ
・介護にかぎらず、後ろめたさが対人関係を良くする妙薬では
・笑いとズルで乗り切る。途中で力尽きないように手抜き、息抜きしならがら60点主義で。
・一人暮らしは老化防止の特効薬、
・孤独死でなにがわるい
・プロの介護ほう助をばかにするな、素人がやると骨折する場合もある
・名医とは、残った家族からあのときああしておけばと考えさせないようにすること
・家事ができる人は一人になっても、そこから自立しようとできる、一人暮らしができるように
・美人の看護士がいれば、延命できる、恋は長寿の万能薬
・老人に過労死なし
・老人には3タイプ、
  ①自分の人生を後悔して、後悔して、後悔するタイプ
  ②他人に対する恨みつらみで不機嫌なタイプ
  ③今からだってこんなに楽しみがある、今後を考えて不機嫌じゃないタイプ
・不良老人になろう
・老後の沙汰こそ金次第。男はドケチになる

目次は、次のとおり

Ⅰ 看る力・家族編

1 好物は喉につまらない
2 医療より介護、介護より生活
3 赤ちゃん言葉は使わない
4 バカにしない、怒らない、とがめない
5 介護は長期戦と心得よ
6 後ろめたさをもつ
7 イライラしたら笑っちゃおう
8 介護にトラブルはつきもの
9 認知症でも一人暮らしを
10 孤独死でも一人ぐらしを
11 施設に預けるのは親不孝ではない
12 愛情だけではうまくいかない
13 必要とされる状況をつくる
14 必要とされる早期診断は家族のため
15 介護される立場で考える
16 名医の条件

Ⅱ 看る力・夫婦編

17 認知症の診察は夫婦一緒に
18 定年後の夫は新入社員と思え
19 一人暮らしのススメ
20 夫源病にご注意
21 恋は長寿の万能薬
22 名刺をつくる

Ⅲ 看られる覚悟

23 七十五歳が節目
24 老人に過労死なし
25 なぜ老人はいつも不機嫌なのか
26 不良老人になろう
27 老後の沙汰こそ金次第
28 家族にこそ介護費用を払う
29 自分が望む最期は手に入るのか
30 そこで働く人を見て施設を選ぶ

あとがきにかえて

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2022年03月21日

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介護はずっと続くから無理をしない。お金は後世に残さずとも使う、体からの悲鳴を聞かない(そんなことをしたら何もできなくなる)。
介護費用を家族に払う、とかもすごくよい発想。
ただ苦しいだけの状態を延命して意味があるのか?だけど家族は自然死を受け入れられるか?

考えさせられることも多かった一冊。

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2020年12月26日

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毎年読んで自分のこれからや家族との関係を考える機会としたい。読む人の置かれてる健康状態、家族との関係、年齢に応じて、読後の感想が変わると思う。良書。古本屋には売らす、本棚にキープしておきます。

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2020年06月10日

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今のわたしに必要な本だった。

もう一度読むときには心に留め置かないといけないところに線をひこう。

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2020年02月13日

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介護されるとはいえ、男性と女性では、まったく行動や人間観毛の特性が異なる。老後にかかる費用についても、男はドケチに女はわりと気持ちにゆとりを持った使い方になるという。子供や家族に経済的支配権を移さないことが肝要、とか諸々。

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2019年06月23日

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ネタバレ

対談の力がすごい。これだけの専門家をもってしても家事はできなかった、これから、とか。ともかく読ませる。二人がかりの力というか。

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2018年10月16日

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大塚宣夫さんという老人向けの病院などを経営している人との対談。対談はお互いを褒め合うだけで得るものが少ないと思ってたが、この本はいろんなところで付箋が立つ感じだ。これは当事者ですからね。読んでよかった。

『認知症が始まったからといって、急激に身の回りのことを周囲が手助けしすぎると、さらに症状は進む。一人でまがりなににもできるうちは、そのほうがお互いにいい』

『お風呂に毎日入らなくたって、ご飯も一日三食食べなくたって、部屋が汚くたって、夜寝なくて朝起きれなくたっていいんです。そんなの、生きることにおいてなんの障害にもならない』

『認知症の方は結局、自分の頭の中に残っている記憶と照合しながら、いま起きてることに対して最適の行動をとろうとしていますから、本人としては、自分で考えうえでの行動や言葉なんです。だから、いちいち家族や子どもから叱責される理由がわからない』

『遠藤周作さんから生前、こんな話を聞きました。入院しているダンナさんがだんだんと弱ってきて記憶が曖昧になって、最後まで覚えている言葉は、奥さんかお嬢さんの名前。ところが、反対に奥さんが弱って記憶が薄らいでいった場合、最初に忘れるのが、亭主の名前。』

『問題は、七十五歳からですよ。七十五歳を過ぎたらしっとしているだけで筋肉は細り、関節は固くなり、バランスを取る能力もガタッと落ちていく。』

『自分の体に「疲れてるか?」「体調はどうだ?」と聞いてごらんなさい。「疲れている、体調もイマイチだ。ちょっと休ませてくれ」と言う。そこで「そうか」と体の声を聞いて一日休ませてやるとしましょう。二日目に「もう回復したかな」と体に聞くと、「まだ疲れが残っている。もう少し休ませて欲しい」というので従ったとする。ところが三日目になるともう体力が落ちていて、動く気力もなくなってるんですよ。』

『若い頃は体を休ませ、体調を良く保つことで気力充実といった感じでしたが、七十五歳を過ぎたら、体のいうこと聞いて楽させたらもう終わり。体が何と言おうと、気力に体力を引っ張らせることこそが大切ですよ。予定があるならとにかく出かけましょう。そうすれば、まだ体のほうはついてきますから。』

『車を運転しながらラジオを聴いていたら、「老人には三種類ある」って話をしていたんですね。1つめは、「振り返ってみると、俺の人生ろくなことはなかった。あれもダメだった、これもできなかった」と後悔して後悔して、自分を責め立てて不機嫌っていう人。次は「俺がこんな人生だったのはあいつのせいだ、こいつのせいだ」と、他人に対する恨みつらみで不機嫌な人。最後は、「今からだってこんなに楽しみがある」と、過去のことはさておき今後を考えて不機嫌じゃない人』

『年を取られた方がよく、「お酒も大して飲まなくなったし、外食もしなくなったし、観劇とか旅行にも行かなくなったから、金のかかることは大してないよ」と言われますね。でも、老後に体が動かなくなったときこそ、お金がかかるんだってことを自覚しておいたほうがいい。』

『身内に対しても、食事の世話はいくら、入浴の手伝いはいくらと自分で相場を決めて、その都度こまめに払うこと。身内同士でのお金のやりとりをイヤがる人もいますが、こういうことこそ割り切りが大事です。』

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2018年10月03日

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■介護で避けて通れないのが認知症。
・認知症は一言でいえば記憶の障害があるがゆえに自分の中に入ってきた新しい情報をうまく処理できなくなっている状態。人間は過去の経験を記憶という形で残し,それと照合しながら今起きていることに対してどう行動すべきかを判断する。けれども認知症はその過去の記憶にうまくアクセスできない,或いは即座につながらなくなっている状態にあること。
・基準となる照合すべき記憶に到達できないので,今の状況をどう判断していいかわからない。ただ,記憶は全部なくなるわけではなく,一部は残っている。そこがややこしい。その少ない記憶をかき集めて情報を処理するので普通の人とは違った行動になる。
・周囲から見たら理屈に合わない発言や行動も本人にとっては残った記憶と情報を元に行動しているわけだから整合性はある。
・本人がうまく処理できなくても非難しないこと。咎めたり諫めたりしても何の役にも立たない。本人としては少ない記憶を駆使して自分なりにベストの判断を下し,行動しているわけなので怒られる意味がわからない。
・馬鹿にされない,叱責されない,咎められないという安心感を与えることが大事。これは認知症の対処法の基本。
・認知症の方は結局,自分の頭の中に残っている記憶と照合しながら,今起きていることに対して最適の行動をとろうとしている。いちいち家族や子供から叱責される理由が分からないので,言われた本人は何が何だ分からず,結果として本人の精神状態は悪く不安定になる。
・認知症の初期は当人にとってもなかなか辛い時期。忘れっぽくなって簡単なこと,やりなれていることがうまくできない。周囲の人の態度も何となく変だなどのことが感じられる。他人に迷惑をかけていることが分かるが自分ではどうしようもないので惨めで辛い。それに加えて過去の記憶が失われているわけなので自分自身が失われているような気になっていく。どうなっていくんだという恐怖があり,不安で自身も喪失する。。

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2018年09月23日

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対話形式で読みやすい。読後は、安心した気持ちになれる。特に認知症の具体例のところはテレビではマイナス面が強調されるように感じたけど、ポジティブなことが書いてあり安堵。そのまで悲観することないなと思った。

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2018年08月14日

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状況的に、「介護」と全く無縁に生活が出来るとは思えないので、色々な意味合いで、こういった類の本はこれからも積極的に読んでいきたい。

認知症になると、引き出しの中の記憶が取り出しにくくなり、何とか取り出した少ない記憶を使って、現実に対応していくことになるので、様々な異変が起こらざるを得ないらしい。。
もう一つ残ったのは、75歳からガクンと体の機能がすごく落ちるらしい。
生きている限り、いずれは経験することになる75歳。今、現在、1時間ほど走り続けられる体力があるが、理想を言えば、75歳を超えてもそんな体力を維持していたいなって思ったのだった。

〈本から〉
好物は喉につまらない
医療より介護、介護より生活
バカにしない、怒らない、とがめない
介護は長期戦と心得よ
イライラしたら笑っちゃおう
認知症でも一人暮らし
孤独死で何が悪い
施設に預けるのは親不孝ではない
愛情だけではうまくいかない
七十五歳が節目
老人に過労死なし

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2018年08月13日

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流石、名インタビュアーの阿川佐和子さん。
なかなか読ませる対談集に仕上がっている。

父親、母親、更には伯母まで登場させて読者サービス。

阿川佐和子さんの視点は、ユーミン的で、
竹内まりや的ではない。

それはやむを得ないことで、仕方ない。

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2021年10月08日

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ようやく読み終わった~
それこそ家族を看てた頃から気になってた本。
買ってたのは家族の存命中かその後か覚えてないけど、発行されたのは、存命中だったみたい。

未だに最終段階でどういう対処をするのかという議論になると胸がざわつく。

今日読み終わった部分にこういう大塚先生のこんな一言があった。
”亡くなったあと、ご家族に悔いを残さないようにすることこそが、私たちの役割なのではないか。”
この認識を医療者には共有してもらいたいと思った。

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2020年03月15日

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本は自分とは違う価値観に触れる絶好の機会、というがこの本はまさにそのような経験だった。「聞く力」でお馴染みの阿川さんと長年老人病院の経営に携わってきた大塚先生の対談が絶妙なテンポで書かれている。
死生観もそうだが、終末期に本人がどうか、家族がどうか、パートナーはどうかなどの生々しい話から、実際に自分が看取られる側になる時の心構え、介護される前にどうあれば心健やかに過ごせるかといったものまで幅広い内容を盛り込んだ一冊だった。
もう少し年を取ってから読むと、また得られるものも変わってくる気がする。
ただ一つ気になったのは、「男はこうで、女はこうだ」と言った考え方が何度も出てきていた点。性差をここまであけすけに書くのはやや時代に合っていない気もした。

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2019年03月20日

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わたし自身の母と重なることが多くて参考になる一冊でした。共感出来るというのはとてもいいなぁと感じます。

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2019年02月14日

Posted by ブクログ

老い始めた親の介護問題が現実に始まり。
親の老いを受け入れていく時。現実を
受け入れられなくて苛立つ人たち。
これは家族に読ませたい。介護は楽しいんでいかないと身がもたないから、看る力を教えてもらった。

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2019年01月22日

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明るい介護、笑い飛ばすくらいの方がうまくいく。
好きなことをしていたら認知もなにもない。
なにか気持ちがスッキリした本。

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2019年01月21日

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ネタバレ

対談の内容は素晴らしい。
そのとおり。
でも看る側が、みんなこのような考え方、やり方ができるか、といえば、それも難しいと思う。
看る力は、一言で言えばお金があるかないか、それに尽きると思う。

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2019年01月11日

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★4.1(3.76)2018年6月発行。94歳の父を看取り、現在認知症の母の世話をする阿川氏と高齢者医療の第一人者の大塚医師の対談本。親の介護が必要になった人には、第一章の家族編、配偶者の介護が必要な人には、第二章の夫婦編が大変参考に。介護自体は大変だが、いかにお互いを思いやり、ストレスをため込まないで介護を実践するかにつき、多くのヒントが対談なので非常に読み易く記載。親は元気なうちは出来るだけ施設には入れない方が結果としては良いみたいですね。介護入門書として大変参考になりました。

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2018年10月06日

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何か介護の話が体系的にまとまっているわけではないが、重要と思われる内容が豊富に詰まっていた。まだ介護が切迫した問題ではないものの、将来自分が介護される立場になったことも考え、内容をしっかり頭に入れておきたい。よみうりランド慶友病院は是非老後の選択肢に加えたい。

・医療より介護、介護より生活(P15
・赤ちゃん言葉はつかわない(P26)
・介護は長期戦とこころえよ(P35)
・必要とされる状況を作る(P80)
・老人は休むな(P160)
・強制的にやらされる人も長持ち(P165)

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2018年07月15日

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あらゆる手を尽くしてギリギリまで一人で生活をする。老人ホームはいよいよのときのために下見はしておく。

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2023年12月19日

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介護の難度は、看る側・看られる側、双方の人格に依る部分も大きいのかな、と。共著者である医師の働く病院、いいなとは思うけど、高そう。カネがモノをいう部分も、そりゃもちろんありますわな。

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2023年08月08日

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大塚氏は専門医ではあるが、時折暴走気味になるのでやや割り引いて読んだ方がいいと思う。阿川氏は流石のバランス感覚、実体験を交え進行している。

家族に介護費用を払う時は年間110万円を超えない様に。余命が短いと診断された時は払っても余り意味がないかも。

介護に初めて直面した人が肩肘張らずに読む本としてオススメ。

ライフ住吉店書籍コーナーにて購入。

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2021年01月27日

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老人になったら。

っていう観点から見るビートたけしの発想が阿川さんも一押しでしたが、ホントにそうだなぁ。って思わされました。笑笑!!!

青少年の犯罪を擁護する法律あるんだから、老人を擁護する法律あってもいいじゃん。って笑笑

あと死ぬだけなんだから、なんでもやらしてくれ。

と。笑笑!!!!!!

麻薬、愛人と大暴れさせてくれ。元気があれば。

だそうで。これまた。確かに。笑笑!!!!
まぁ、無理して寿命縮めるのも本人なわけだし、まやくも常習したとしてももうすぐお迎えなわけだし。笑笑!

推奨不良老人の考え方。とっても理に叶うなぁと思ってしまいました。笑笑!!!!!!!

そこまで好き勝手して死んだら、家族ももう面倒みようがみなかろうがって話だしね。

なんだかそうか、老人には老人の考え方があるよね。と、思えた一冊でした。

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2020年09月29日

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ネタバレ

阿川佐和子さんとよみうりランド慶友病院の開設者・大塚宣夫先生が対談形式で進める介護のお話。副題には「アガワ流介護入門」とある。

阿川佐和子さんは、両親の介護経験をお持ちで、お父様は大塚先生のよみうりランド慶友病院で晩年を過ごされ、最後は同病院で看取られたとのこと。またお母様のこともご自宅で介護しておられ、それらの経験談を交えながら、大塚先生との対談を進められている。

介護される家族を看てもらう側からの阿川さんのお話、介護される人を看る側の大塚先生のお話、それぞれが違う側の視点で、本音からセオリーまで話されているので、介護に関心のある読者にとっては、「まったくそのとおり!」と共感が得られつつも、「なるほどね!」と納得のいくアドバイスに出会える本である。

大塚先生の開設された病院では、経験を集約され、「医療」よりも「介護」、さらに「介護」よりも「生活」にを重視して運営されている点が、他の介護施設と比して特徴的である。阿川さんのお父様が晩年、居室に電子レンジを持ち込んで、「チン」して晩酌を嗜まれた話や、居室で阿川さんも含めて焼き肉を楽しんだエピソードなども紹介されている。

「食べることは、人間の最後まで残る楽しみ」という生活の視点を重視しつつ、「食べることが高齢者の生きる力を測る目安として大事」という視点も失わない。

介護に加えて、「豊かにすごせるような生活環境を整える。すなわち衣食住を整える」というポリシーを重視されている。

介護の話なので、「認知症」の話にも多数の紙面が割かれているが、次のような点は、医師という専門家からの意見として非常に参考になった。

・認知症の本人は、(記憶を失っており)少ない記憶を駆使して、自分なりにベストの判断を下し、行動している。それに対し、とがめたり、諫めたりしても意味が通じず、何の役にもたたない。むしろ安心感を与えよと。

・認知症の人に言うのと子どもに言うのとは違う。子どもは言われたことを覚えているが、認知症の人は覚えていない。認知症の人に教育的効果を期待するのは無駄。

・認知症の進行を抑えるには、本人が周りから注目されたり、必要とされたりすることが最も効果的であるらしい。

・また、認知症者への対応のコツは、男女差があるようで、どちらかというと男のほうが手がかかるらしい(笑)。男はどうやら、役割とか大義名分とかが大事らしく、また数値とかランキングとかに関心があるようで、例えば役割を与えたり、競い合わせたりすることで物事へのモチベーションを引き出すことができるようだ。一方女性の方は、お洒落する仕掛けづくりが大事だと書かれていた。

介護する側の立場としては、「介護はマラソンのようなもの(長期戦)だが、対応に必要なのは駅伝形式」というのは名言だと思った。介護はいつ終わるかわからないのであり、体力の配分、経済的な計画が必要だし、実際のサポートには、できるだけ多くの人を巻き込むことの重要性が述べられていた。

一方、将来の自分が介護される立場になることも想定した話もされている。認知症は、75歳を過ぎると急激に増える一方、90歳すぎても30%は認知症にならないとされている。90歳をすぎて認知症と無縁のでありたいものだ。健康な老後を送るためのアドバイスが幾つか。

・家事は知的労働であり、男性でも一人でできるようにすること(一人暮らしノススメ)。

・人間の体の部品の耐用年数はせいぜい70年。75歳過ぎるとガタがくるのであり、十分メンテナンスが必要。

・一日安静で6~7%の筋肉が落ち、一週間だと3~4割の能力ダウンとなる。病気になったり、骨折など、動けなることを避けるべく努力が必要。そのために「75歳すぎたら自分の体のいうことを聞くな」と。75歳過ぎの体は、楽を望むが、それが体の退化の要因となるので、なるべく多く用事を作って動けと言われていた。

阿川さんは、天性の介護センスをお持ちのようで、時々、後期高齢者となった大塚先生にまでツッコミをいれられているところなど笑えました。

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2020年07月22日

Posted by ブクログ

阿川さんのケラケラケラっとした笑いのある対談ものです。ご自身の体験した親の介護を振り返りながら、その都度思っていた疑問を医師に聞く内容。
介護は、笑う力が必要なのだと感じました

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2020年06月19日

Posted by ブクログ

待ったなしで迫りくる親の介護。。。
いつか親のおしめを替える日が来るのか・・・と、
考えるだけで逃げ出したくなってくる。
でも、阿川さんの口から飛び出す介護の実体験を読んでいると
「もしかしたら、なんとかなるんじゃね?」と
明るく前向きになれる気がしてくるのです。

介護は全力で取り組んではいけない
これだけは肝に銘じておこう。

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2019年03月30日

Posted by ブクログ

介護の本はたくさんある
これは現実的でとても興味が持てた
対談だからかな
佐和子さんは引き出すのがうまいからかな
認知症もポジティブに
孤独死だっていいじゃない
75歳 これがポイント
うわもうすぐそこだわ
体を甘やかさずでもなんでもありでやれるといいな

≪ 老人は 過労死もなく がんばれる ≫

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2018年10月22日

Posted by ブクログ

20180714 重いテーマも佐和子さんがまとめると自分でもできる気持ちになれる。質問も現実的でだれもが気にしている内容なので余計に入り込める。親が元気なうちに読ませて共有しておきたい本だと思った。

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2018年07月14日

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