【感想・ネタバレ】看る力 アガワ流介護入門のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

対談の力がすごい。これだけの専門家をもってしても家事はできなかった、これから、とか。ともかく読ませる。二人がかりの力というか。

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2018年10月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

対談の内容は素晴らしい。
そのとおり。
でも看る側が、みんなこのような考え方、やり方ができるか、といえば、それも難しいと思う。
看る力は、一言で言えばお金があるかないか、それに尽きると思う。

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2019年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

阿川佐和子さんとよみうりランド慶友病院の開設者・大塚宣夫先生が対談形式で進める介護のお話。副題には「アガワ流介護入門」とある。

阿川佐和子さんは、両親の介護経験をお持ちで、お父様は大塚先生のよみうりランド慶友病院で晩年を過ごされ、最後は同病院で看取られたとのこと。またお母様のこともご自宅で介護しておられ、それらの経験談を交えながら、大塚先生との対談を進められている。

介護される家族を看てもらう側からの阿川さんのお話、介護される人を看る側の大塚先生のお話、それぞれが違う側の視点で、本音からセオリーまで話されているので、介護に関心のある読者にとっては、「まったくそのとおり!」と共感が得られつつも、「なるほどね!」と納得のいくアドバイスに出会える本である。

大塚先生の開設された病院では、経験を集約され、「医療」よりも「介護」、さらに「介護」よりも「生活」にを重視して運営されている点が、他の介護施設と比して特徴的である。阿川さんのお父様が晩年、居室に電子レンジを持ち込んで、「チン」して晩酌を嗜まれた話や、居室で阿川さんも含めて焼き肉を楽しんだエピソードなども紹介されている。

「食べることは、人間の最後まで残る楽しみ」という生活の視点を重視しつつ、「食べることが高齢者の生きる力を測る目安として大事」という視点も失わない。

介護に加えて、「豊かにすごせるような生活環境を整える。すなわち衣食住を整える」というポリシーを重視されている。

介護の話なので、「認知症」の話にも多数の紙面が割かれているが、次のような点は、医師という専門家からの意見として非常に参考になった。

・認知症の本人は、(記憶を失っており)少ない記憶を駆使して、自分なりにベストの判断を下し、行動している。それに対し、とがめたり、諫めたりしても意味が通じず、何の役にもたたない。むしろ安心感を与えよと。

・認知症の人に言うのと子どもに言うのとは違う。子どもは言われたことを覚えているが、認知症の人は覚えていない。認知症の人に教育的効果を期待するのは無駄。

・認知症の進行を抑えるには、本人が周りから注目されたり、必要とされたりすることが最も効果的であるらしい。

・また、認知症者への対応のコツは、男女差があるようで、どちらかというと男のほうが手がかかるらしい(笑)。男はどうやら、役割とか大義名分とかが大事らしく、また数値とかランキングとかに関心があるようで、例えば役割を与えたり、競い合わせたりすることで物事へのモチベーションを引き出すことができるようだ。一方女性の方は、お洒落する仕掛けづくりが大事だと書かれていた。

介護する側の立場としては、「介護はマラソンのようなもの(長期戦)だが、対応に必要なのは駅伝形式」というのは名言だと思った。介護はいつ終わるかわからないのであり、体力の配分、経済的な計画が必要だし、実際のサポートには、できるだけ多くの人を巻き込むことの重要性が述べられていた。

一方、将来の自分が介護される立場になることも想定した話もされている。認知症は、75歳を過ぎると急激に増える一方、90歳すぎても30%は認知症にならないとされている。90歳をすぎて認知症と無縁のでありたいものだ。健康な老後を送るためのアドバイスが幾つか。

・家事は知的労働であり、男性でも一人でできるようにすること(一人暮らしノススメ)。

・人間の体の部品の耐用年数はせいぜい70年。75歳過ぎるとガタがくるのであり、十分メンテナンスが必要。

・一日安静で6~7%の筋肉が落ち、一週間だと3~4割の能力ダウンとなる。病気になったり、骨折など、動けなることを避けるべく努力が必要。そのために「75歳すぎたら自分の体のいうことを聞くな」と。75歳過ぎの体は、楽を望むが、それが体の退化の要因となるので、なるべく多く用事を作って動けと言われていた。

阿川さんは、天性の介護センスをお持ちのようで、時々、後期高齢者となった大塚先生にまでツッコミをいれられているところなど笑えました。

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2020年07月22日

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