本多孝好のレビュー一覧
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一番、心に残った作品は「蝉の証」でしたが、印象に残った作品は「瑠璃」でした。
自分が今まで思っていた自分とは違う・・・。
自分の中の変化に気づいてしまった女の子の話です。
できれば、変わらない、穏やかな、見知った世界で生きていたい。そう思うけど、実際には、新しい友達ができたり、恋をしたり、大切な人がいなくなったり、いろいろな変化が、常に周りで起きている。
その変化についていける内はいいけど、ついていけなくなってしまう時もあると思う。
でも、ついていけない変化が起きても、それは自分が自分でいるために、一歩成長するために、必要な変化でもあると思う。
そんな時にゆっくりでもいいから、自分を -
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ほっとするようなSide-Aのラストから一転、Side-Bの冒頭は、後ろから頭をガツンと殴られたような大きな衝撃から始まります。
恋人を失うということと、「自分は誰なのか」という答えのない問いと少しずつ向き合っていく主人公は、乾いたアスファルトに雨がしみ込んでいくように、じわじわと少しずつ熱量を取り戻していきます。
そしてずっと守っていた堤防が決壊するシーンでは、読んでいる私まで堤防決壊!笑
「なあ、今の君に今の僕はどんな風に見える?」
結局は、それが唯一の答えで、一番大切な守るべきことのような気がします。
真夜中の五分前―以前なら「昨日」に取り残されてるような主人公だったけれど、今は& -
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作品紹介・あらすじ
1話5分でわくわくできる、本にまつわる18のストーリー。
森を飛びかう絵本をつかまえる狩人、ほしい本をすぐにそろえてくれる不思議な本屋、祖父がゆっくり本を読む理由、書店のバックヤードに隠された秘密……。
青春、恋愛、時代小説から、ミステリにファンタジーまで、「本」と「本屋」をテーマに豪華執筆陣18名が集結! 本の世界の奥深さが短いお話の中にたっぷり詰まっています。1話5分でわくわくできてどこから読んでも面白い、本にまつわるショートショート・アンソロジー。
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本にまつわるショートショート18編を集めた短編集。
僕は梨木果歩さんの作品目当てで購入。
ホロリとさ -
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ネタバレ人は死ぬ前に何を望むか、、4作品収録されている短編集。
私自身、ひねくれものなので
なんとなく綺麗事で終わるんだろうなあと。でも自分も病気をして、入院中だったのでそういうのもたまには良いかなと思って読んでみました、、。
けど、、人が人に対して抱く執着心、復讐心の怖さだったり、すべてを手に入れて華やかな世界も見尽くしてきたはずの女性の”孤独”だったり、、
決して綺麗ごとではなく、一筋縄ではいかない、死を待つ人の様々な思いにグッと胸を締め付けられるような感覚もあり、ただその中にも一縷の希望が輝いていて、、
圧倒されました。
また本多孝好さんの文体が本当に美しく、切なくて好きになりました。
他の作 -
Posted by ブクログ
県警本部の刑事部捜査第一課強行犯二係、宮地班長のもと、 30代前半で独り身の俺、和泉光輝が遭遇する事件。その捜査の過程で考え逡巡する和泉が描かれ、犯人、被害者、関係者と、捜査陣の人間模様も描かれる。短いので1時間ドラマをみるようだ。題名の「こぼれ落ちる欠片のために」という言葉がまさにぴったりはまる。事件が起きて顕わになる生活、人生の欠片。ちょっと上辺を掬いました、という感じがしないでもない。。
イージー・ケース
若い独身の男性訪問介護員が殺された。訪問家庭との間に何が・・
ノー・リプライ
死んじゃったんです、と女からの電話が警察に。取り調べに何も答えない女の成育歴のやるせなさ。
ホワイト