あらすじ
彼女と会ったとき、誰かに似ていると思った。何のことはない。その顔は、幼い頃の私と同じ顔なのだ――。「このミステリーがすごい! 2000年版」第10位! 第16回小説推理新人賞受賞作「眠りの海」を含むデビュー短編集。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
好きな作家さんです。
随分前に一度読み、今回再び読み直しました。
以前と同じように「瑠璃」が一番好きな物語。
男の人が人を好きになるとは、
こういうことなのかと思う。
気持ちが温かくなる。
Posted by ブクログ
1994年第16回小説推理新人賞 受賞の
「眠りの海」を含む短編5編
アンソロジー「短編学校」で 「エースナンバー」を
一編読んでいるけれど ほぼ初読みの作家さん
ミステリーに分類されるかとは思うのですが
身近な死をめぐる深層心理に踏み込むような
ストーリーで 素敵な短編集だなと思います
「眠りの海」
ミステリーとしては 見知ったトリックで浅いかなと思いはしますが、書きすぎない少女の気持ちとか あまりにわかろうとしない男性教師の生き方とか ちょっと良い
ラストの失わせた者からの救いみたいなやつが
お洒落だなと思う
他4作も 密やかな殺人というような
死を意識しながらの日常というような
語りが静穏で冷たい雰囲気が好み
なのだけど、まだ読み終わっってさほど時間も経っていないのに ストーリーが混戦するんですよ
私の責任なのかな
雰囲気が似ているからかなあ
村上春樹チルドレンと評される事もあるようですけど この1作ではわからないです
最後の「彼のひそむ場所」は 村上春樹氏が高校生活をこんな風に書きそうという感じもしますが
もう少し読まないとですね
Posted by ブクログ
このミステリーがすごい2000年版第10位。
短編5編。
各編それぞれどこか切なさを感じる。
それとちょっとしたミステリー要素が入ってる?ような気がする。短編なのでサクッと読める。面白かった。
個人的には「眠りの海」と「蝉の証」が好きな作品。
Posted by ブクログ
話の設定というか流れは似ていて
”ああ、やっぱり・・・”と思ってしまった所はあるけれど、
この人の文章というか表現というか物事の捉え方はとても好き。
”日本語とそれに対応する英語。
ありえるはずのないものを勝ち誇ったように並べているところなど、
たまらなく微笑ましい。”
身近な人が実際にこう述べたら反論したくなるかもしれないけど、
でもやっぱり本多さんの捉え方、表現はとても好き。
Posted by ブクログ
一番、心に残った作品は「蝉の証」でしたが、印象に残った作品は「瑠璃」でした。
自分が今まで思っていた自分とは違う・・・。
自分の中の変化に気づいてしまった女の子の話です。
できれば、変わらない、穏やかな、見知った世界で生きていたい。そう思うけど、実際には、新しい友達ができたり、恋をしたり、大切な人がいなくなったり、いろいろな変化が、常に周りで起きている。
その変化についていける内はいいけど、ついていけなくなってしまう時もあると思う。
でも、ついていけない変化が起きても、それは自分が自分でいるために、一歩成長するために、必要な変化でもあると思う。
そんな時にゆっくりでもいいから、自分を見つめて、ありのままの自分を受け入れられるようになりたいと思った小説でした。
Posted by ブクログ
MOMENTに引き続き、今度はMISSING。「瑠璃」ってのが良かったという感想が多かったので期待して読んでみました。が、なんか、個人的にはいまいちだったな。「蝉の証」は良かったけど。質的にはMOMENTの方が上に感じます。本屋に行ったら文庫で新作"正義のミカタ"が出てましたぁ~。今読んでいるのが終わったら読んでみようかな。
少し重苦しい気持ちに
少し重苦しい気持ちになる内容の話が多い短編集。
それでも著者の語り口が落ち着いているので作品としてはまずまずの出来だと思う。
ただ私には合わなかった。
Posted by ブクログ
んーーーー、短編自体が私苦手なのだろうか。最後飽きてしまい読まずじまい。「蝉の証」は良かった。眠りの海もまあまあ。瑠璃は、理解しがたい部分もあったけど、よくよく思い返すと、深い話のような気がする。
Posted by ブクログ
以前読んだ色んな作者の短編が入った短編集で見かけて以来
気になっていたので読んでみました。
嫁が学生時代に買ったらしく家にあったので。
このミステリーがすごい!の10位になって注目された
ということですが、作品から特にミステリーっぽさを感じませんでした。
一つ一つの物語はあまり救いのあるものではなく結構暗いものなのですが
何か作品に惹き込まれてついつい先が気になってしまう
そんな作品たちでした。
全般的に主人公の男が悟った風な感じというか
村上春樹の小説に出てきそうな感じというかそんな感じだったので
村上春樹好きの私には楽しめたというところでしょうか。
Posted by ブクログ
本多さんのデビュー短編集。
余韻が残る短編集でした。
作品は全部で5つ。
眠りの海
祈灯
蝉の証
瑠璃
彼の住む場所
いずれも、本多さんの作品らしく、軽妙な語り口ながらも「死」を題材とした作品となっています。
<眠りの海>
海で自殺しようとした男が語る恋人との回想の物語
<祈灯>
妹の交通事故のショックから妹に成りすましている姉の物語
<蝉の証>
老人の最後の願いで、ある女子高生を探す物語
<瑠璃>
過去の自分と変わってしまった自分に気がついてしまう女の子の物語
<彼の住む場所>
自分の影響で周りの人が死んでしまう男の影の物語
いずれの作品も切ない物語となっていますが、
祈灯
で明かされていく真実はちょっとつらく、一番ミステリっぽい物語です。
そして
瑠璃
は、これらの作品の中でも一番切ない物語ではないかと思います。女の子がその成長の中で、自分自身のGAPに悩み、そして最後の結果は切なくなってしまいます。
本題の「missing」とあいまって、短編ながらも深い作品と感じます。
Posted by ブクログ
いちばんインパクトがあったのは「瑠璃」、いちばん好きなのは「蝉の証」。『エバンス』の女の子が素敵。
すべての話で誰かが死んでいるけれど、語り口が軽いせいか重苦しさはそこまで感じなかった。芝居がかった台詞回しにはなかなか慣れなかったけれど。
「彼の棲む場所」だけ他のものとはだいぶ違って、喪失感よりもぞわぞわする恐怖感の方が強いけれど、どうしてこの一冊の中にまとめられているんだろう?それだけ少し疑問です。
Posted by ブクログ
再読。
この本にあるほど、人の死が生きている人に与える影響はそんなに大きくはないだろうと思う。大抵の場合は。
悔いたり憎んだり嘆いたりされる彼らの姿を、羨望と嫉妬を込めながら読んだ。
Posted by ブクログ
表題の通り「無くしてる」人達の短編集。
さらっとしてるかと思いきや、一話一話しっかり作りこまれていて読みがいありました。
個人的には「蝉の証」が一番好き。
本多さんらしい、静かで深い短編集だと思います。