本多孝好のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
連作短篇集
死んだらパソコンや携帯のデータを削除してくれる、そんな会社が舞台の話。
社長は車椅子に乗っている 圭司 、従業員はこの物語の最初に社員になった祐太郎。
社長の姉はこの会社が入っているビルのオーナーでもあり、弁護士事務所を経営している。
この設定で依頼主が死んで、様々なデーターと消去することになるのだが、いつも消去する前に祐太郎は依頼人の人間関係等から即削除を躊躇い、圭司は「依頼はデータ削除なんだから、詮索しなくていい」、祐太郎は「依頼主の為にも中身を知って役に立つべきだ」といつもたいりつするが、結局データから依頼主の為になろうと走り廻ることになる。
面白いのだけど、ワンパターン -
Posted by ブクログ
重い過去を抱えているであろうクールな仕事屋と、人情派のフリーター(?)による相棒型のミステリー。人の死なないミステリではなく、人が死んだ後のミステリとでも呼ぶだろうか?
圭司と祐太郎のコンビの登場に、ホームズ&ワトソンのような超古典的役割分担か、はたまた杉下右京&亀山薫的な頭脳&肉体的役割分担か?と想像していたが、読み進めていくと必ずしも謎に対する役割が明確でなく、二人三脚で謎に挑んでいく姿が面白く、こういうのもあるんだなーと思った。ミステリに造詣が深い人には当たり前かもしれないけど。
ついでにドラマの感想(1話のみ視聴)
謎の手がかりや真相が感情に訴えかけるものが多く、ドラマ版でも -
Posted by ブクログ
シリアスなミステリー物かと思って読んだので、
思っていたのと違う内容でしたが
どのエピソードも心温まる内容だった。
依頼を遂行しようとする圭司と
データを消す前に残された家族や知人のため、本当に消してしまっても良いのかと止める祐太郎
二人は一見対局の考えの持ち主同士かと思ったが、二人とも不器用でも依頼主やその家族など相手のことを思い、優しさに満ちた人物だと思った。
データを消せばそれでお終いなはずなのに
毎回突っかかってくる祐太郎を無下にせず、
なんだかんだで調べて付き合ってくれる圭司は優しいです。
同僚、友人とはちがう二人の信頼関係が築けていく様子も素敵でした。
自分が死んだ時のために -
Posted by ブクログ
at Home という題名を見て誰を真っ先に浮かべたか。
真っ先に浮かんだ人こそ家族だと思わせる小説。
自宅という意味の題名だが
この本を読んでいると自宅というものは
それぞれなんだとより一層感じる。
血の繋がりが無くても一緒に生活を営む場所。
安らげる場所こそが自宅なのでは無いだろうか。
血の繋がりのみが親子、家族ではない。
過ごした時間は血よりも濃いという言葉が有るように
家族というものは、思いあって縁を大切にしていかなくては血の繋がりがある人も家族では無くなっていく。
そう思わせるような小説である。
自宅に帰ると暖かく迎えてくれる人
自宅に帰るとご飯を作ってくれている人
自宅に