あらすじ
ビデオジャーナリスト楠瀬薫の前に突然現れた少女。それはかつて“超能力少女”として世間を騒がせた諏訪礼だった。あの時薫の取材で姿を消した礼が今なぜ? 過去を贖うため礼を匿った薫を襲う不審な追跡者、協力する知人の怪死、大物政治家の影。本当の標的は誰なのか。礼が抱える秘密とは。二人の逃避行は想定不能の結末へ――。
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久しぶりの本多孝好。
最後のどんでんはコワかったー。
初めて読んだ作品も、最後のオチが怖くて。
いまでもとても印象的。
やはり文章や展開はすごく好き。
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面白かった。ただ、やっぱり不思議な力についてのお話なので納得したりしなかったり……そういう力は存在しないことを前提とした背景だったので、読み終わりはすっきりはしなかった。でもとても面白かったし、題名も2つの意味があるのかなと思うと興味深く感じた。
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ビデオジャーナリスト楠瀬薫のまえに、かつて自分の取材対象であった「超能力少女」諏訪礼がストーカーから匿ってくれとやって来る。政治家を巻き込んだ陰謀の展開は・・・
なんとも言えない未来を暗示するような終り方は、映画「オーメン」の最後を思い出した。
初めて読んだ作家だったが、最後まで読者を物語世界に引き込むストリー構成の巧みさと文章力は、将来の大物の器を感じさせる。
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【要旨】視線を動かすだけで、世界は一変する。心理の盲点を描き抜く驚愕のサスペンス! ビデオジャーナリスト楠瀬薫の前に突然現れた少女。それはかつて〝超能力少女〞として世間を騒がせた諏訪礼だった。あの時薫の取材で姿を消した礼が今なぜ? 過去を贖うため礼を匿った薫を襲う不審な追跡者、協力する知人の怪死、大物政治家の影。本当の標的は誰なのか。礼が抱える秘密とは。二人の逃避行は想定不能の結末へ―― 。
一つの謎を追ううちに次の謎が浮かび、これが真相かと思いきやその先に更なる真相が隠れている。
2転3転する話の流れが、結構意外で面白かった。
昔はよく超常現象物を読んでいたのに、最近現実的な物ばかり読んでいたせいで、こういった結末に結びつくのは意外だった。
そうか・・・そういう真実か・・・
考えてみれば、フィクションの小説なんだから、アリと言えばアリなんだろう。
と納得して最後読み返したら結構面白かった。
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読み始めたら止まらない、本多孝好。旅行前の夜なのに、深夜まで一気読みでした。
かつて持っていた夢を引きずったままの女性ジャーナリスト。彼女がかつて報道を介してバッシングの犠牲にした少女。2人が再び出会ったところから、回りはじめる運命の輪…。
…なんてよくある設定から、じっくりとサスペンスフルに読ませるなあ。よくまあ中年の女性の心理を細やかに描写する。それでいて、重たすぎないのはやっぱりこの作者のいいところ。もっと刊行ペースあげてほしい作家さんなのでした。
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主人公はビデオジャーナリストの女性、楠瀬薫で、元は出版社の雑誌記者で取材スキルがあり、友人には私立探偵の女性もいます。さらに薫は独身で恋人なしのためフットワークの軽さもウリになっています。
ここからミステリー要素が強い作品かと思ったのですが、オカルトを主軸にしたサスペンスホラーでした。
「魔術師の視線を追ってしまうと魔術師の術中にはまる」
これを中心に据えようとした着眼点はいいと思います。
そして、姿を見せぬ敵、政治家の影、ストーカーの存在と、緊迫感を煽る構成もサスペンスの王道です。
また、未熟な凶器・礼の真相を徐々に明かしていくという手法も正攻法です。
けれど、全体的にすっきりしない筋立てで素材や構想を活かしきれていないように感じました。
ストーリーは強引だし、展開には不合理な点があるし、不穏さを漂わせたラストシーンも、少し物足りない。
本多さんはサスペンスホラーがあまり得意でないのかも知れません。他の作品でも確かめてみたいと思います。
ただ「超能力は百発百中でなくていい」というのは目から鱗でした。
確かに99回失敗しても100回目に成功すれば、やはり超能力を見せたことになります。まったくその通りで、100% を望む方がおかしい。
かのユリ・ゲラー騒動に端を発したマスコミ、とりわけテレビが主導した過熱報道については、功罪で言えば罪の方が大きいと言えるでしょう。
昔からバラエティー系には興味がなかった自分でも覚えているのですから、かなりの騒ぎだったことは疑いありません。
つまらぬことに白黒をつけて囃し立てるような騒がしいだけの企画より、巨悪を糾弾するジャーナリズムを望みたい。そんなことを再認識した作品でした。
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久しぶりに長編の小説を読んだ。
3分の2まで一気に読んで、次の日の午前中に全部読めた。
私にとっての1番のどんでん返しは、社長の裏切り?でしょうか??
あれを「裏切り」と言っていいかは自分で書いておきながら微妙ですが…
本多さんらしい小説でした。
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フリーのビデオジャーナリスト楠瀬薫の家に、かつて彼女の取材により嘘が暴かれた、超能力少女と名乗っていた諏訪礼が訪ねてくる。罪悪感もあり、ストーカーに追われたという礼を一時的に匿うことにするが、これを契機に二人の周囲が騒がしくなり、政治家まで巻き込んだ過去の犯罪が暴かれていく・・・
最後は余韻を残す恐ろしい終わり方。しかしながらこの流れで終えるのであれば、彼女の周りでもう少し不審なことが起きていないとつじつまが・・・という気がしてしまった。
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本多作品が好きな私だが、今作は普通という印象。誰にでも起こりうる素朴なテーマと、本多孝好の作風がマッチするのに、超能力か…。宮部みゆきの「龍は眠る」を思い出した。
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最初の視覚障害云々が大筋には特別関係なかったのが衝撃でした。タイトルからして関係してくるかと…。確かに鋭い観察眼=視線はわかるけど、魔術師の部分はどこにかかるんだろう。結局、核心の部分が超能力?!っていう。猫は礼が殺したくなるほどの何をしたのか…??
首を傾げたくなるし、腹をくくった?主人公も、まあ死んでもいいかなーみたいな腹のくくり方なの??と、読後感はたいそう悪い。
未婚女性に対しての書き方ももやもやする。
本多さんの著作はだいたい好きなんですが、これはあわなかった。
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気持ち悪くなる話しだった
でもそこが本多さんらしいかな
正義のミカタのあたりの気持ち悪さ
綺麗事ばかりじゃなくてたまには気持ち悪いのも読みたいよ
綺麗事はどんな作家も似たようなものになるけど気持ち悪いのや汚いのには個性が出る
本多さんの個性は嫌いじゃない
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小説新潮で連載されていて断片的にしか読んでなかったので単行本の方も読みました。つまらなくはなかったけど、登場人物の設定がちょっと腑に落ちなかったです。
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久々の本多孝好。『ストレーヤーズクロニクル』でもういいや、と思ったのだが、これは良かった。後半まで、息もつかせず、読み進む。で、ラスト。そうくるかあ、という感想。☆ひとつマイナスです。
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久しぶりの本多孝好。最初のほうはなかなか物事は進まないからページも進まなかったけれど、段々核心に近づいていくにつれて一気読み。この先果たしてどうなるのか。いつ爆発するかわからない時限爆弾を抱えていかなければならないのか。
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ビデオジャーナリストとして映像の世界に生きる薫の前に現れた少女。彼女はかつて超能力少女としてテレビをにぎわせ、そして薫の映像によってまた違う意味でテレビを騒がせていた。その出会いから連なる、不審者の影、頻発する事件…。
展開の読めない物語は、どこか背中をぞわぞわさせるうすら寒さを覚えつつも事件とその謎に興味を惹かれてすらすらと読まされます。そうして迎える終結には、底の知れない沼を覗きこむような空恐ろしさが待っていました。なんて後味悪く、薄気味悪く、そして茫然とさせられるほど彼女はどこまでも孤独なのだと思い知らされたことか。鈍い痛みがいつまでも続くような後味が残りました。
薫や少女のそれぞれの来し方が複雑で、それ故に彼女達は通じ合ったのか、と思ったのですが…。いや、そういう部分はあったと信じたいです。でないとちょっと救いがないです。
温かな食事を囲むふたりが、ちょっとでも幸せだとその時だけでも思っていてほしいと、そう願ったのでした。
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題材は面白く、物語の流れもよどみなく面白いのだけど、何故か印象が薄い。狂言回しを楠瀬薫にさせるにせよ、諏訪礼の心情がもっと物語の中心にあっても良かったように思う。
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10年ぶりぐらいに、本多さんの本を読んだ。記憶より硬い文章だった。
日本のメディアの問題点(スポンサーに優しいニュース)が上手に盛り込まれていて、一気読み。
中東に取材に行く人の話が出てきて、心が痛んだ。
ラストがとても恐ろしい。でも、納得できないなぁ。
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ビデオジャーナリストの薫と、かつて超能力少女と騒がれた礼。ストーカー、不審死、色々な事柄が絡み合って、予想外の展開に。。
想像もしない方向へ話が進んでいき、どんどん先が気になる展開だっただけに、真実はちょっと消化不良気味だった。
これからを考えると怖い。。二人の間に漂う微妙な緊張感が刺さる。
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ビデオジャーナリスト・薫の前に現れたのは、かつてマスコミのバッシングにあった超能力少女、諏訪礼だった。
話が転じる所までの展開が冗長だった。最後まで読んでの感想は「怖~」。
薫の精神、並大抵じゃないなぁ
Posted by ブクログ
★★★☆☆
タネもしかけもありません?
【内容】
ビデオジャーナリスト楠瀬薫の前に突然現れた少女。それはかつて〝超能力少女〞として世間を騒がせた諏訪礼だった。
【感想】
完全に尻すぼみだ。なんか終盤は無理やり畳んだ感が半端無い。
結局のところ、ちょっとしたSFなので仕方ないけど、読後感は納得がいかない。
【引用】
幸福は不幸を代償として訪れるのではない。幸福は幸福で連鎖し、不幸は不幸で連鎖するのだ。
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本多さんの最新作ということで、迷わず飛び付きました。
どう転ぶかわからない、ぐんぐん読めちゃう展開。
なんだけど、最後のオチがそれなの?っていう…引っ張っておいてそこかぁ、って感じで、読後はちょっと消化不良でした^^;
Posted by ブクログ
きわめて評価の難しい一冊です。著者が本多でなければ星4つは間違いのないところだと思うのですが、「これ、本多が書かないといけないお話なの?」という違和感が最後までぬぐえませんでした。著者の持ち味がまったく活かされていないように思えます。