【感想・ネタバレ】WILLのレビュー

あらすじ

11年前に両親を事故で亡くし、家業の葬儀店を継いだ森野。29歳になった現在も、寂れた商店街の片隅で店を続けている。葬儀の直後に届けられた死者のメッセージ。自分を喪主に葬儀のやり直しを要求する女。老女のもとに通う、夫の生まれ変わりだという少年――死者たちは何を語ろうとし、残された者は何を思うのか。ベストセラー『MOMENT』から7年、やわらかな感動に包まれる連作集。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

やっぱ良い本。なんでこの本が好きだったか思い出せた。
特に森野とその周囲の人達との関係性がすごく良い。表には出さないけど、森野のことを大切に思っていることが丁寧に描かれている。また10年後くらいに読みたい。

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

古本でなんとなく手に取って買った一冊だったけど、めちゃくちゃ良かった。
両親を失った主人公が営む商店街の小さな葬儀屋に起こる、不思議で、哀しく、でもあたたかい事件の数々。色んな人の計り知れない愛の話ばかり。
最後は森野にも。良い未来へ。

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2024年02月18日

Posted by ブクログ

momentがすっごく良くて、お話に出てきた男前キャラの森野さんが凄く味があって良かったんです
その森野さんが主人公の今作、葬儀屋のお話しで明るい話題は無いにも関わらずめちゃくちゃ良かったです
最後の最後には涙まで出ちゃいましたよ(TдT)

ミステリー要素もありながら、森野さんの成長というか気づきと言うか、出てくる皆が一歩前に進んでいくようなお話しでした

何かがきっかけで時間が止まってしまってる人って居るんです
特に誰かの死がきっかけになることが多いと思います
森野さんってそんな人達の背中を押してあげる事のできる人だなーと思いました

本多さんの書くお話しは良いねー(*^^*)

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2023年02月13日

Posted by ブクログ

MOMENTからのWILL

死んでゆく人と、それを見送る人の、何とも言えない、言葉や感情で整理できない出来事が、人の死なんかなぁと思った。

「死を終わりにしてはいけない。死は新たな始まりでなくてはならない。死者ではなく、死者の周りにいた者にとって」そやなぁ、そうやと思う。
英徳寺の和尚の持論にも共感できた。
だからお葬式というものがちゃんとあるんやと思う。

この、死に携わる商売(と呼んでええんか?)をする者の目線で語られる様々な人達との交流を描いた物語は、これから先、人生で何度も別れが訪れる度に読み返し、自分に心の準備をさせてくれる良い本になった。
お正月に読むに相応しい内容である✨
葬儀屋の利益率が70%であるとかも勉強になった。

葬儀屋の娘と文房具屋の息子との、甘美で重い荷物のような2年間。
『…彼はもう幼馴染みではなかった…ただの幼馴染みではなかった…』

うっふふ― ゾクゾクするわ―

あの、鼻をかんだティッシュを2回投げつけるシーン良かったなぁ
『こいつは私の涙を吸いとる距離に、いつだってそこにいてくれた。』

きとるね― きてるきてる―

でもこいつ中学生とチューしてますよ笑
しかも自分から。


国際電話が掛かってきたときの竹井氏の察しの良さグッジョブ✨
『桑田くん、ちょっと外出ようか。あっちのほうでね、人が死にそうな気配があるんだよね』

笑わしよんな―
ついでに、桑田のキャラ設定は絶妙。
『演歌っすねぇ』


竹井氏が主人公の物語を是非とも書いてほしい。
竹井氏から見た、葬儀屋の娘と文房具屋の息子との、あれやこれやを重点的にな✨

2014年01月04日 

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2022年02月27日

Posted by ブクログ

葬儀ものミステリーというジャンルかな。とても面白かった。

両親を事故で亡くし、実家の葬儀店を継いだ女性森野。商店街の一角でひっそりて営業を行っている森野葬儀店には葬儀のほかにいろいろな相談事が持ち込まれる。
葬儀終わったばかりの父の姿が見えると甥っ子が言っているとか、愛人から正妻が行った葬儀を取り消してやり直してほしいやら、主人の生まれ変わりの高校生が訪ねてくるなどなど。ちょっと変わった話にも細かく調べていけば、隠された真相にたどり着く。
ひとつひとつのエピソードがきっちりまとまっていて、読後感も爽やか。

短編の話の中にも主人公森野の話が中軸として通っていて、それを支える脇役陣も個性があっていい。最後はそれもすっきりして終わるし、うっすら感動もできる。
ドラマにもしやすいだろうなあと思う。主役は石原さとみあたりにお願いして。
「 MOMENT」のアンサー作品らしいがそちらは未読。このあと読んでみようと思う。良書。

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2020年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

MOMENTは神田君が主人公
WILLは森野さんが主人公
そして二人は幼なじみで
互いに思い合っている。
そういう背景がありつつ
物語はゆっくりと
様々な日常にスポットを当てて
進んでいく。

主人公だけで無く
町のおっさん達や
和尚さん
皆、気の利いたことが言えず
ぽそっと言葉をつぶやく。

これが感心するほどクスリと笑えるし
心にしみいる。

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2016年07月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

WILL

「MOMENT」で少しだけ登場する「MOMENT」の主人公の幼なじみの葬儀屋の女社長の物語です。
高校生の時に両親を亡くして葬儀屋を継いだ森野。
彼女が遭遇する葬儀に関わった人の三つの事件とその事件を通しての彼女の成長物語です。
死んだ父親から送られて来た自作の絵を巡る家族の謎。葬儀をやり直したいという故人の愛人を名乗る女の目的は?生まれ変わりと称して夫を亡くした老女と接する少年の真意は?
こういった物語が丁寧につづられます。その中で少しずつ変化していく森野の成長も一つのよみどころとなっています。
若干、プロット設定や登場人物や登場人物の口調に違和感がありましたが、まあそれは些細なことなので。
少し暖かで、細やかな心情描写が好きな方は是非ご一読を。

竹蔵

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2025年02月06日

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ネタバレ

MOMENTからの7年後を描かれた作品。

MOMENTは神田が主で、森野の存在は薄かったし、神田が探偵のようなそうでもないような、そういうストーリだったのに対し、本作は森野が主となりストーリーが展開していく。

前作で森野側の気持ち、はなんとなく感じていたけれど、神田は気づいているのかいないのか……?な印象だった。
でも、本作では7年の間に変化した2人の関係もところどころに。

飄々として見える森野だけれど、すごく責任感が強い人なんだと感じた。継いでしまった葬儀店を放り出せないからなのか、自分の中の「女の部分」を許容できず、神田を幸せにできる自信がないのか?
女であることを許せないような、そんな印象も受けて。

葬儀店に絡むいくつかの事件?に関わりながら、死者と遺された人たちとに接し、店の第2の父の存在もあって、次第に森野が柔らかくなっていくのを感じた。

神田の前でしか泣けないって、そういうこと……だよね?

最後まで神田と森野の呼び名できたのは、WILLのため、ね。

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2024年08月05日

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とてもよかった。
それぞれのエピソードは謎解きって感じで楽しめたし、全体を通して主人公の甘酸っぱい恋愛模様が描かれているのが心地よかった。

エピローグとタイトルの回収は見事。
おぉーってなった笑
途中「意志」でミスリードしてきたなぁさては笑笑

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2023年08月03日

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淡々と描写され途中「なにを描きたいんだ?」と頭をよぎるけど、故人への温かな愛が急にくっきり現れて胸をつかまれた。大事な人を失ったときにもう一度読み直したい作品。

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2023年03月04日

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読むのに疲れる内容であったが、他では見かけ無い前提の話ばかりで、読んでる途中で中に引き込まれるストーリーだった。著者の他の作品にもチャレンジしてみたい。

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2021年06月17日

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終わりはとてもよかった。
話の一つ、爪痕が心の余裕がない時の会話の捉え方の歪みが見えた。
心の余裕大事だと感じる。

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2021年06月14日

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全然知らなかった作家さん。上手い。優しいのだけれど、人の心の奥底の、死というタイムリミッターが外れた時に浮かび上がるハッとさせられるような真実にドキリとする自分がいる。

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2020年09月26日

Posted by ブクログ

・「悲しみって名前をつけたところで、そんなものは所詮、形のないものの名前です。人の胸の中には名前でくくれないものが色々あって、だからその表れ方にも色々あって、泣き叫びたいならそうすればいいですし、そうできないのなら無理にそうすることもないです」


・「喜びも悲しみも存分に味わってこその俗。その裏返しの辛さも悲しみも受け止めてこその俗。ならば迷える魂もさ迷える幽霊もあるがままに引き受ければいい。それが俗世というものです。無理に眠らせるものでもないですよ」

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2019年07月23日

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逃げない船員は、きっと泳ぎが達者なやつですから
これほどの仲間を持てることは、人生にとっての1番の幸せなのかもしれない。沈むまであなたとともに。

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2018年11月25日

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ネタバレ

前作で登場した神田の幼馴染、葬儀屋の森野が葬儀をした人物の満たされない思いを解決するために奔走する話の筋。題名の「WILL」には確か意志、未来という意味があるが、亡くなった人の想い出と訣別するという意味で感動した。「MOMENT」から読んでいくと森野が神田に抱いている気持ちもすごく理解できるなと思った。(というか「MOMENT」の森野と「WILL」の森野の心理描写があまりにも違い過ぎる。主役と登場人物の一人の役割という点の違いかもしれないが)。次のMEMORYも読んでいきたいと思う。

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2017年03月20日

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死】をテーマにした連作短編集の第二弾

一作目の『MOMENT』は病院の清掃夫としてアルバイトをしている男子大学生から目線で描かれた作品でした

今作品はその男子大学生の幼馴染である葬儀屋店主の女性目線で描かれています

この二人の現在の関係は非常にビミョーな感じ

幼馴染であり、親友で・・・・・いやいや・・・・・それ以上の関係なのか????

それはさておき

個人的には『MOMENT』より断然好きな作品ですねー

一番大きな違いは主人公の心の葛藤がうまーく本編と係わっているから

葬儀店従業員もお話の脇をうまく支えていてさわやかなお話でしたよー

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2016年06月17日

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MOMONETの続編

前作から7年後の登場人物を描いた作品
前作MOMENTでは、神田青年がすごく良いキャラクターだったので、続編がなぜ森野さんになったのか疑問に思いながら読み始めたのだが、短編の1話を読み終わった時点で納得。

神田青年の幼なじみ森野さんのキャラクターにどんどん惹かれていった。

葬儀屋を営む若き経営者である森野の元に、葬儀後残された家族のから様々な形で以来が持ち込まれる。

一見、霊やお化けのしわざのように思える事件を、葬儀屋森のが次々と解決していく。

ぽっかり空いた心の穴を、ゆっくりと静かに満たしていくような、葬儀屋ならではの事件解決劇に、これまでのミステリーとは一味違うおもしろさを感じる。

短編はどの作品も温かいストーリー。

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2016年03月06日

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神田から葬儀屋・森野へ主役チェンジ。
勝手に男装の麗人みたいなイメージを抱いていたけれど、固い蕾が閉じたまま、過去から踏み出せずにいた女性が未来へ進むストーリーでした。
途中に挟まるミステリーもラストの愛情へもつれこむ心地よい絡み方で、前作よりも断然好き。

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2015年10月04日

Posted by ブクログ

momentの続編です。

死んだ人が絵を送って来る話

喪主を変えて葬儀をやり直してくれという女の話

生まれ変わりの話

そして、森野の話


短編集のようで微妙な繋がり。
葬儀屋の話なのに何故か爽やか。

momentの主人公、神田も登場します!

死人の話なのに辛気臭くない!
是非ともご覧あれ!

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2015年10月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

MOMENTの続編。
その合間にそんなことになってたのかー!的な。
森野さんはもっとドライな感じだと思ってたら、意外にも意外に熱血疑惑…?
「想い人」が好きです。

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2025年05月28日

Posted by ブクログ

葬儀を終えた死者からのメッセージは様々な思いが込められていて残されたものの心に深く刻まれるなと思いました。死者の声を聞くことで亡くなってはいるものの新たな関係を築きなおす事もあるのだとこの作品で知れて良かった。

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2025年04月24日

Posted by ブクログ

森野さんが前作のイメージとガラリと変わってすごく乙女っぽくなっているのに驚いた。

全編を通していい話。それにしてもしっかりと彼女の人生、というより物語のフォローをして彼女をいろんな「縛り」から解放してあげて幸せにする、というその姿勢に、作者の森野さんへの、というか自らの作り出したキャラクターへの深い愛情を感じたなぁ。

まあ、7年という時間が経っているとはいえ、森野さん以上に神田君もイメージが変わっていて驚いた。

それにしてもね、帯の「40万人」ってどうなんだろう。


本多孝好という作家の作品は、いろんな意味でおそらく自分ではまず手に取らなかったであろうと思う。
そういう作品を読むきっかけをくれた友人にすごく素直に感謝したい。

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2022年04月10日

Posted by ブクログ

ちょっと話が作り込まれ過ぎてるかなとは思うが、
なかなか見事な話の展開で飽きさせない。

程よい長さで話が完結して、テンポよく進行していくので
あっちゅうまに完読。

主人公がドライ過ぎる。

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2020年11月18日

Posted by ブクログ

再読
20.06.11
森野の冷めているが人情味あふれる性格で小さな事件を解決していくのだけど、ほんわかとした読んだ後も穏やかな気持ちになれる本。
森野は周りに恵まれているけど、本人は気づいていない。そんな私も恵まれているけど気づいていないのかもしれない。
少し違う目線で周りをみてみようという気持ちになる本でした。

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2020年06月18日

Posted by ブクログ

一気に読めばよかった。
かなりの期間かけて読んでしまったので、誰だっけ??ってなりがちでした。
死者をめぐる不思議なストーリーですが、怖さはなくほんわりした一冊。読み終わってあたたかい気持ちになれました。

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2019年03月11日

Posted by ブクログ

「moment」の続編。単品でも楽しめますが、前作の登場人物が出てくるので、合わせて読むことをおすすめします。主人公を支える育ての親的な存在の竹田が脳内で松重豊さんで再生されておりました。

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2019年03月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

葬儀屋さんの主人公を通じて、家族のストーリーを描いている。ちょっとミステリーチックになっているが、ほのぼの系

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2019年01月28日

Posted by ブクログ

高校3年生の時に両親を事故でなくし、家業の葬儀屋をついだ主人公。

同級生から持ち込まれた相談、葬儀のやり直しを要求してくる女、老女のもとを訪れる少年。そして彼女の周りにいた人たちの思い。

あたたかくなるような短編連作。
タイトルの意味もラストで判明します。

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2016年02月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

家族だから
言いたい事言えない事、難しいですね。
結局人間は自分の為だけに他人だけでなく身内にまで一生の傷になるかもしれない仕打ちをしてしまえるという事実がある反面
だからこそ…と足掻く美しさもそこにあって。
結局、良い話で締められるのは創作なればこそ。
でもだから良いな、とも思いました。

「誰か(何か)と比べて自分は幸せ、良かった」という考え方
皆普通にしてしまうんですよね。
私はこの考え方が嫌いです。

「ただの言葉」が人を殺してしまう威力は分かります。
そういう言葉がどれだけの傷を与えてしまうかが理解出来ると
無茶苦茶な報復をしてしまう人の気持ちも…



分かる訳ないです。(えー)



復讐?的な事はやりすぎですが
でもその言葉がどれほど凶悪な力があるかと言うのはもっと知って欲しいとは思います。
そういう立場に実際立ってみないと本当の意味で理解なんて出来ないでしょうが頭でだけでも知っておくと違うかと。

少年の恋心もいい味出してました。
恋愛感情とは微妙に違うものかもだけれど
純粋に人を愛するという行為、良いですねえ。


どの話も様々なタイプの葛藤がちょっといきすぎたおせっかい(優しさ)で解されていく感覚が温かく、読後感のとても良い作品でした。
最後の最後に明かされる名前…
には別段心が動きませんでした(爆)
結局最後まで名前分からずに終えてしまっても
多分素敵な作品が読めたと満足したに違いないです(笑)

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2017年09月01日

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