本多孝好のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
以前読んだ色んな作者の短編が入った短編集で見かけて以来
気になっていたので読んでみました。
嫁が学生時代に買ったらしく家にあったので。
このミステリーがすごい!の10位になって注目された
ということですが、作品から特にミステリーっぽさを感じませんでした。
一つ一つの物語はあまり救いのあるものではなく結構暗いものなのですが
何か作品に惹き込まれてついつい先が気になってしまう
そんな作品たちでした。
全般的に主人公の男が悟った風な感じというか
村上春樹の小説に出てきそうな感じというかそんな感じだったので
村上春樹好きの私には楽しめたというところでしょうか。 -
Posted by ブクログ
こっちは本多さんの長編小説。
本多ワールド炸裂で、軽妙な語り口ながらもやはり重いテーマの物語。
なぜか本多さんの物語は、主人公が変な依頼を受けて、それを解決するような物語が多い(笑)
そして、その中で、さまざまな人間ドラマと真実を暴いてしまうそんな切ない話が多いのでは?と思います。
本作品では、他人の波長にシンクロしてしまう能力を持っている主人公の物語。
大学教授に依頼され、ある女の子を守るように依頼されます。その流れの中で出会うさまざまな人との交流、そして、その能力がゆえに相手の真実、秘密を暴露してしまい、相手を傷つけてしまう。人と人はどこまで分かり合えるのか?それがテーマの物語です。
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Posted by ブクログ
本多さんのデビュー短編集。
余韻が残る短編集でした。
作品は全部で5つ。
眠りの海
祈灯
蝉の証
瑠璃
彼の住む場所
いずれも、本多さんの作品らしく、軽妙な語り口ながらも「死」を題材とした作品となっています。
<眠りの海>
海で自殺しようとした男が語る恋人との回想の物語
<祈灯>
妹の交通事故のショックから妹に成りすましている姉の物語
<蝉の証>
老人の最後の願いで、ある女子高生を探す物語
<瑠璃>
過去の自分と変わってしまった自分に気がついてしまう女の子の物語
<彼の住む場所>
自分の影響で周りの人が死んでしまう男の影の物語
いずれの作品も切ない物語となっていますが、
祈灯
で明かされ