本多孝好のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
家族をテーマにした4編からなる短編集
さまざまな家族が描かれています
「at Home」
父は泥棒、母は結婚詐欺師、兄はパスポート偽造屋、そして、弟と妹。母が結婚詐欺のターゲットに逆に誘拐されて、身代金を要求される事態へ。
母親を救い出すことが出来るのか?
この家族の行く末は?
彼らが守ろうとしているモノ
といった展開ですが、違和感ある伏線が最終的には回収され、スッキリ、ほっこり終わります。
「日曜日のヤドカリ」
結婚した女の娘をさんづけで呼び合う妙な関係の父娘。
そこに父を捜してほしいと訪ねてきた男の子。
その男の子の父親とは?
といった展開。娘と父の微妙な距離感と信頼関係が良い雰囲気で -
Posted by ブクログ
ネタバレ筋金入りのいじめられっ子の亮太が、大学入学を期に心機一転…とまではいかず、目立たずひっそりと行きようとした矢先、苛めの主犯格と再会したり、友達ができたり、正義の味方研究会に入ったり。
途中まではとても面白かった。亮太は淡々としつつ純粋で応援したくなったし、研究会の仲間達も皆何だかんだでレベルが高く、格好いい。研究会ができた経緯も熱い。しかし、間先輩と絡みだしたあたりから、何だか亮太の思考が理解できなくなってしまい、退部の下りも結局なんなのかっていう。まぁ、結局のところ、亮太の正義に自分が共感出来なかったということか。もちろん人によって正義は違うけど、社会的な正義がなければ社会は回っていかず、で -
Posted by ブクログ
好んでこの世に生まれたわけではない。
望んで手に入れた「能力」じゃない。
昴たちも学たちも抗うことの出来ない運命の中で必死に信じた道を進もうとする。
壮やヒデ、静やモモの思いも理解できる。
碧にだけ許されているかもしれない未来。
自分たちには望むことの出来ない未来だからこそ、碧に託したいと願った強い思い。
でも、残されていく者が一番辛いだろう。
たったひとりで、いつ終るともわからない未来を信じて生きていかなければならないのだから。
独特な戦闘シーンが多い物語だ。
それぞれの能力をいかした闘い方は面白い。
ただ、少し終盤の描き方が書き急いでいるような・・・。
もう少し昴以外の人物も書き込んでほし -
Posted by ブクログ
「アゲハ」とは何者なのか。
誕生の過程は違っても異種であることは昴たちと同じだ。
異種であるがゆえに、彼らの結束は固い。
生への執着は薄いのに学を中心にした「アゲハ」に隙はない。
理不尽に生み出されたことへの復讐。
その果てに何があるのか、学たちにもまだ見えていないのだろう。
一方昴には明確な目的がある。
仲間と穏やかな生活を送ること。
だがそれも、いつになったら実現するのか。
そもそも今は離れている仲間は無事なのか。
みんなが揃って笑顔になれるときは来るのか。
すべてを背負いながら昴は仲間を背に闘うしかない。
人間であっても闘いを好む者もいる。
仕事として闘いを受け入れている者もいる。
やむ -
Posted by ブクログ
「stray」には(道に)迷う、(仲間・群れから)はぐれるといった意味がある。
特殊な能力を持つ彼らが与えられた仕事をこなしていく物語である。
もちろんそれだけではない。
何故彼らは能力を持っているのか。
何故彼らは大物政治家の言いなりになり手先を務めているのか。
昴のキャラクターがいい。
彼らのまとめ役であり、もっともバランスのとれた能力を持つ昴。
戦闘には向かない沙耶や隆二をかばい、冷静に状況を見極め計画を成功に導く。
殺人現場に自らを誇示するシールを残し、人を殺し続ける「アゲハ」。
彼らの目的が復讐なのだとしたら、すべてが終わった先にあるものは何なのだろう。
昴たちにはそれなりの理由があ -
Posted by ブクログ
いろいろな人がいる様にいろいろな形の「家族」「親子」がある。
それが血の繋がりの大事さを感じる関係だったり、反対に血の繋がりなんて関係ないよね。と思う関係だったり。
1番好きだったのは表題の「at home」
短編じゃなくて長編でも良かったと思った。
ただ「日曜日のやどかり」「共犯者たち」も「父親」がとても格好良い。「共犯者たち」の父親は外で見てると格好良いが自分の親だったらどうだろう?ちょっと…。って思うな。
丁寧な言葉使いで話す父娘。
親子3人で独特なカレー(笑)を食べる最後のシーンがとても好き。
そのシーンだけ会話だけなのも印象的。
あぁ、家族だな。
「リバイバル」はその中でも少し異色な