本多孝好のレビュー一覧
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尾崎氏への想いを断ちきったかすみに5分間の狂気から救い出された僕はある日唐突に彼女を喪う。姉妹水入らずで出かけたスペインで事故に遭い、助かったのはゆかりのみ。それ以来尾崎氏ともゆかりとも交流を絶った彼は、久しぶりに尾崎氏から呼び出されるのだが・・・
共に暮らす妻が本当に自分が選んで結婚したゆかりなのか、分からなくなり、憔悴した尾崎氏は残酷な願いを口にする。「ゆかりに会って欲しい」と。
同じ見た目、同じ遺伝子、性格も共有する記憶までもほぼ同じ一卵性双生児・・・知り合いに一卵性双生児の姉妹がいるが、どちらがどちらなのかほとんど実際見分けがつかない。髪型や話す内容で見分けるだけだ。
尾崎氏の妻 -
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小さな広告代理店に勤める僕は、大学生の頃に恋人・水穂を交通事故で失って以来、きちんとした恋愛が出来ない女たらし。優秀で仕事は出来るが恐ろしい女上司の下で働いている。
常に時計を五分遅らせる水穂の習慣になんとなく今も倣ってしまう彼は、最近別れた恋人にも「あなたは五分ぶん狂っている」と言われ、社会や他人と少しだけずれたまま日々を過ごしている。
ある日、プールで出会った魅力的な女性かすみに頼まれ、彼女の妹ゆかりへの結婚祝いを選ぶことに。かすみはゆかりと一卵性の双子であるが故に、常にお互いの行動や選択を意識し、境界線を見失いそうになるという悩みを打ち明ける。興味深く感じた僕はかすみと共に、ゆかりと -
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ネタバレ家族だから
言いたい事言えない事、難しいですね。
結局人間は自分の為だけに他人だけでなく身内にまで一生の傷になるかもしれない仕打ちをしてしまえるという事実がある反面
だからこそ…と足掻く美しさもそこにあって。
結局、良い話で締められるのは創作なればこそ。
でもだから良いな、とも思いました。
「誰か(何か)と比べて自分は幸せ、良かった」という考え方
皆普通にしてしまうんですよね。
私はこの考え方が嫌いです。
「ただの言葉」が人を殺してしまう威力は分かります。
そういう言葉がどれだけの傷を与えてしまうかが理解出来ると
無茶苦茶な報復をしてしまう人の気持ちも…
分かる訳ないです。(えー)
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かすみとの偶然の出会いは、過去の恋に縛られていた僕の人生を大きく動かした。あれから二年、転職した僕の前にひとりの男が訪ねてきた。そして、かすみとその妹ゆかりを思い出させずにはおかぬこの男が、信じられない話を切り出した。物語は、驚愕のエンディングが待つside-Bへ。今日と明日をつなぐ五分間の隙間を破り、魂震わす極限の愛が生まれる。(必ずside-Aから読んでください)
(裏表紙紹介文より)
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私にとっては『驚愕のエンディング』というより“驚愕のオープニング”だった;
本多さんの本はあまり読んでないけど、あまり良い意味ではない感じで裏切られる気がする。(私が勝手に展開を期待してるだけだ -
Posted by ブクログ
少し遅れた時計を好んで使った恋人が、六年前に死んだ。いま、小さな広告代理店に勤める僕の時間は、あの日からずっと五分ズレたままだ。そんな僕の前に突然現れた、一卵性双生児のかすみ。彼女が秘密の恋を打ち明けたとき、現実は思いもよらぬ世界へ僕を押しやった。洒落た語りも魅力的な、side-Aから始まる新感覚の恋愛小説。偶然の出会いが運命の環を廻し、愛の奇蹟を奏でだす。
(裏表紙紹介文より)
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こういう(恋人が死んだ)設定の恋愛小説を読むと村上春樹の「ノルウェイの森」を思い出さずにいられない。
雰囲気もどことなーく似ている気がした・・・かな。
私は双子じゃないからわからないけど、同じ遺伝子を持 -
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時が経って2年後。その1年半前にゆかりと二人で旅していたかすみが事故にあって亡くなっていたところからスタート。
そこへゆかりの夫の尾崎が訪ねてきて、ゆかりとかすみが入替っているのではないかという話が持ち込まれ…。
双子のそれぞれが一応決められた名前に従ってその人生を生きる中でいたずら心で名前を取替えっこしあっている内にどちらがどちらか分からなくなるなんてのはよくある話で、そういう意味ではいきなり興ざめ。
だが、まあいいか。この話の核はそうした疑心暗鬼の中で、病気の妻への報われぬ献身を自己満足としか呼べなかった<僕>が、それを愛というものだと言うことができる、そういう心を取り戻す過程なのね。
会 -
Posted by ブクログ
今年は双子によく会うねぇ。この前の月田桜子・椿子姉妹に続き、今回は日比野ゆかり・かすみ姉妹。
自分と全く同じ遺伝子を持つ人間が生まれる確立は人類の歴史を3回くらい繰り返して1人くらいは出てくる可能性がないことはないということらしく、そういう確立の世界とは別に一卵性双生児として生まれ育った彼女らは、人類のほとんどの人が遭遇しない境遇にいるわけね。
桜子・椿子に同じ言葉を同じタイミングで発し同じ行動をしてしまうところがあったけれども、ゆかりとかすみの場合もそう。それが別々の人生を歩みだすのは、多分別々の男を好きになってその人と一緒になるところあたりからじゃないかと思うのだけど、しかし、かすみの場合