本多孝好のレビュー一覧

  • 真夜中の五分前―five minutes to tomorrow side-B―

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    尾崎氏への想いを断ちきったかすみに5分間の狂気から救い出された僕はある日唐突に彼女を喪う。姉妹水入らずで出かけたスペインで事故に遭い、助かったのはゆかりのみ。それ以来尾崎氏ともゆかりとも交流を絶った彼は、久しぶりに尾崎氏から呼び出されるのだが・・・

    共に暮らす妻が本当に自分が選んで結婚したゆかりなのか、分からなくなり、憔悴した尾崎氏は残酷な願いを口にする。「ゆかりに会って欲しい」と。

    同じ見た目、同じ遺伝子、性格も共有する記憶までもほぼ同じ一卵性双生児・・・知り合いに一卵性双生児の姉妹がいるが、どちらがどちらなのかほとんど実際見分けがつかない。髪型や話す内容で見分けるだけだ。

    尾崎氏の妻

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    2013年09月26日
  • 真夜中の五分前―five minutes to tomorrow side-A―

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    小さな広告代理店に勤める僕は、大学生の頃に恋人・水穂を交通事故で失って以来、きちんとした恋愛が出来ない女たらし。優秀で仕事は出来るが恐ろしい女上司の下で働いている。

    常に時計を五分遅らせる水穂の習慣になんとなく今も倣ってしまう彼は、最近別れた恋人にも「あなたは五分ぶん狂っている」と言われ、社会や他人と少しだけずれたまま日々を過ごしている。

    ある日、プールで出会った魅力的な女性かすみに頼まれ、彼女の妹ゆかりへの結婚祝いを選ぶことに。かすみはゆかりと一卵性の双子であるが故に、常にお互いの行動や選択を意識し、境界線を見失いそうになるという悩みを打ち明ける。興味深く感じた僕はかすみと共に、ゆかりと

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    2013年09月26日
  • 真夜中の五分前―five minutes to tomorrow side-A―

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    本多孝好は今までに何冊も読んだけど、これほどにまで村上春樹っぽい本は初めて。主人公が妙にクールで他人にさほど興味がないように見えるところとか、プールとか双子とか広告とか…羊三部作の“僕”っぽさが強すぎる。この本で村上春樹チルドレンの優等生とこき下ろされたのはよく分かる。2011/125

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    2013年09月25日
  • 正義のミカタ I’m a loser

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    「正義の味方研究部」がやりすぎで、ちょっとついていけなかった。
    小説だけど、ありえなさが鼻につきすぎてなんだかな~って感じでした。

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    2013年07月22日
  • FINE DAYS

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    本屋で本多さんの新刊を発見したので購入。
    しかし、「このタイトル・・・・見た事ある気がする。」
    ↑深く疑わず、読み始めました。
    読めば読むほど、記憶がよみがえる。

    ちょうど一年前に違う出版社から出てた同じ本を読んでました。

    悲劇。

    悔しかったし内容はほぼ忘れてたので新しく購入した方を再読。
    やっぱり以前と同じシェードが好き(笑)

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    2013年05月21日
  • ALONE TOGETHER

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    孤独な青年と少女の交流を描いた本書。
    生と死、出会いと別れをテーマに話が進んで行きますので、重い内容にはなっていますが、最後は優しい気持ちになれます。
    読み終えたら、大切な人に会いたくなる、そんな不思議な本です。

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    2013年05月12日
  • ALONE TOGETHER

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    ・掴みが面白かっただけに期待しすぎたようで笠井教授の事件の動機や、柳瀬と熊谷の関係が呪いを過去を打ち明けるか悩んでいる割にはあっさりしすぎてると思った。

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    2013年05月04日
  • FINE DAYS

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    ネタバレ

    もっと透明な、心に届く作品を期待していた。
    ---
    余命いくばくもない父から、35年前に分かれた元恋人を探すように頼まれた僕。別れたときには知らなかったが、彼女は父の子どもを身ごもっていたという。複雑な気持ちで当時彼女が住んでいたアパートを訪ねた僕を待っていたのは、若き日の父と恋人だった……(「イエスタデイズ」より)。夢と現実のはざまを行き来するような読み心地で、心の深い場所に余韻を残す4編を収録。新世代の圧倒的共感を呼んだ、著者初の恋愛小説集。

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    2013年05月06日
  • MISSING

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    再読。
    この本にあるほど、人の死が生きている人に与える影響はそんなに大きくはないだろうと思う。大抵の場合は。
    悔いたり憎んだり嘆いたりされる彼らの姿を、羨望と嫉妬を込めながら読んだ。

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    2013年04月20日
  • MISSING

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    表題の通り「無くしてる」人達の短編集。
    さらっとしてるかと思いきや、一話一話しっかり作りこまれていて読みがいありました。
    個人的には「蝉の証」が一番好き。
    本多さんらしい、静かで深い短編集だと思います。

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    2013年04月01日
  • ALONE TOGETHER

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    後半はやや哲学っぽくもある。特殊な能力を持つ主人公が、人と接する距離感や意義を疑問に思いながら、いくつもの十字架を背負いながらも生きていく覚悟をする。猫は母親を象徴していたのかな?波長やシンクロとか、あまり入ってこない方が面白かったような気もするけど。なければないで主人公も呪いに悩むことはないので難しいなあと感じた。

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    2013年03月12日
  • MISSING

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    久しぶりの本多さん

    どこか遠いような世界でそう遠くないような世界
    いや、やっぱ遠いのか?

    そんな絶妙な世界観というか人間関係というか
    綺麗事抜きの人間の本質を描くのがうまいなあ
    本多さんは。

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    2013年03月09日
  • ALONE TOGETHER

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    宗教とは説くものではなく、授けるものです。情によって授けられない教えは、理をもって説かれる。権力という後ろ盾を持って。それが宗教で、強迫観念に訴えるのです。
    だから地獄が生まれたのだ。地獄があるのは強迫観念の中です。権威を後ろ盾に、理をもって説かれた時初めて宗教は地獄を得るのです。

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    2013年03月06日
  • WILL

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    ネタバレ

    家族だから
    言いたい事言えない事、難しいですね。
    結局人間は自分の為だけに他人だけでなく身内にまで一生の傷になるかもしれない仕打ちをしてしまえるという事実がある反面
    だからこそ…と足掻く美しさもそこにあって。
    結局、良い話で締められるのは創作なればこそ。
    でもだから良いな、とも思いました。

    「誰か(何か)と比べて自分は幸せ、良かった」という考え方
    皆普通にしてしまうんですよね。
    私はこの考え方が嫌いです。

    「ただの言葉」が人を殺してしまう威力は分かります。
    そういう言葉がどれだけの傷を与えてしまうかが理解出来ると
    無茶苦茶な報復をしてしまう人の気持ちも…



    分かる訳ないです。(えー)

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    2017年09月01日
  • 正義のミカタ I’m a loser

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    まさに正義とは何か。
    人の価値観や経験によって変化する正義の定義について
    なんとも考えさせられてしまう。

    なんとなく積読した状態だったが、
    手にとってみたら意外に読みやすかった。

    そして、
    主人公たちの語る正義と自分の正義もまた似て非なるものだと思った。

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    2013年10月18日
  • 真夜中の五分前―five minutes to tomorrow side-B―

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    かすみとの偶然の出会いは、過去の恋に縛られていた僕の人生を大きく動かした。あれから二年、転職した僕の前にひとりの男が訪ねてきた。そして、かすみとその妹ゆかりを思い出させずにはおかぬこの男が、信じられない話を切り出した。物語は、驚愕のエンディングが待つside-Bへ。今日と明日をつなぐ五分間の隙間を破り、魂震わす極限の愛が生まれる。(必ずside-Aから読んでください)
    (裏表紙紹介文より)

    ***

    私にとっては『驚愕のエンディング』というより“驚愕のオープニング”だった;
    本多さんの本はあまり読んでないけど、あまり良い意味ではない感じで裏切られる気がする。(私が勝手に展開を期待してるだけだ

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    2019年01月16日
  • 真夜中の五分前―five minutes to tomorrow side-A―

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    少し遅れた時計を好んで使った恋人が、六年前に死んだ。いま、小さな広告代理店に勤める僕の時間は、あの日からずっと五分ズレたままだ。そんな僕の前に突然現れた、一卵性双生児のかすみ。彼女が秘密の恋を打ち明けたとき、現実は思いもよらぬ世界へ僕を押しやった。洒落た語りも魅力的な、side-Aから始まる新感覚の恋愛小説。偶然の出会いが運命の環を廻し、愛の奇蹟を奏でだす。
    (裏表紙紹介文より)

    ***

    こういう(恋人が死んだ)設定の恋愛小説を読むと村上春樹の「ノルウェイの森」を思い出さずにいられない。
    雰囲気もどことなーく似ている気がした・・・かな。

    私は双子じゃないからわからないけど、同じ遺伝子を持

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    2019年01月16日
  • 真夜中の五分前―five minutes to tomorrow side-B―

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    時が経って2年後。その1年半前にゆかりと二人で旅していたかすみが事故にあって亡くなっていたところからスタート。
    そこへゆかりの夫の尾崎が訪ねてきて、ゆかりとかすみが入替っているのではないかという話が持ち込まれ…。
    双子のそれぞれが一応決められた名前に従ってその人生を生きる中でいたずら心で名前を取替えっこしあっている内にどちらがどちらか分からなくなるなんてのはよくある話で、そういう意味ではいきなり興ざめ。
    だが、まあいいか。この話の核はそうした疑心暗鬼の中で、病気の妻への報われぬ献身を自己満足としか呼べなかった<僕>が、それを愛というものだと言うことができる、そういう心を取り戻す過程なのね。

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    2015年04月04日
  • 真夜中の五分前―five minutes to tomorrow side-A―

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    今年は双子によく会うねぇ。この前の月田桜子・椿子姉妹に続き、今回は日比野ゆかり・かすみ姉妹。
    自分と全く同じ遺伝子を持つ人間が生まれる確立は人類の歴史を3回くらい繰り返して1人くらいは出てくる可能性がないことはないということらしく、そういう確立の世界とは別に一卵性双生児として生まれ育った彼女らは、人類のほとんどの人が遭遇しない境遇にいるわけね。
    桜子・椿子に同じ言葉を同じタイミングで発し同じ行動をしてしまうところがあったけれども、ゆかりとかすみの場合もそう。それが別々の人生を歩みだすのは、多分別々の男を好きになってその人と一緒になるところあたりからじゃないかと思うのだけど、しかし、かすみの場合

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    2015年04月04日