本多孝好のレビュー一覧

  • こぼれ落ちる欠片のために

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    凶悪事件を取り扱った刑事物よりよっぽど怖く感じてしまった。
    警察も被疑者も真実を望んでいないことってあるんだな…

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    2025年11月14日
  • 魔術師の視線

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    面白かった。ただ、やっぱり不思議な力についてのお話なので納得したりしなかったり……そういう力は存在しないことを前提とした背景だったので、読み終わりはすっきりはしなかった。でもとても面白かったし、題名も2つの意味があるのかなと思うと興味深く感じた。

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    2025年10月13日
  • MOMENT

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    その病院には、死を目前にした患者の耳にしか入らない「死ぬ前に一つ願いが叶えられる」という噂があります。
    病院で清掃のバイトをする大学生が、余命わずかな患者から頼まれた願いを叶えたことで、次々に依頼を引き受けるハメに。
    どうしても死がつきまとう重さはありますが、主人公のキャラクターで相殺されている感じ。
    謎が解けてしかもちょっと爽やかさもあるラストもいい。
    本多作品は特に会話が好きです。主人公がちょっとシニカルで、ああ言えばこう言う、な感じ。ずっと聞いていたくなります。
    そして森野、いい味出してるなぁ。
    これは「WILL」「MEMORY」も読まなくては。

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    2025年09月26日
  • こぼれ落ちる欠片のために

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    事件の真実を追う刑事達の話。めちゃくちゃ面白かった…!地道な捜査や心理戦が良くて、刑事が追う先の真実が知りたくなる。あと宮地班の刑事達のことめちゃくちゃ好きで、これシリーズじゃないの?続編というかまだまだ宮地班と和泉瀬良コンビ読みたいってなる

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    2025年08月29日
  • こぼれ落ちる欠片のために

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    こぼれ落ちる欠片は、真実なのか、正義なのか。
    取り調べや聴取から人の心を読んで、汲んで、警察によって提出される“真実”に基づいて判決が下る。
    久々の本多さん満喫した〜
    これは心理戦であり、頭脳戦。相手の心をどう読み解くのか…おもしろかった。キャラも立っているし続編を期待したい

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    2025年08月25日
  • こぼれ落ちる欠片のために

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    ネタバレ

    連作短編集。どのお話も読みごたえがある。途中で止められずそれぞれのお話を読み終わるまでページを捲る指を止められなかった。
    登場人物にも、作品の世界にも一気に引き込まれた。
    1話目の後半からの展開にすごく驚いた。
    2話目はすごく悲しく切ない。思い出しただけで涙が出てくるし、2話目を読み終わったあとはしばらく沈んだ気持ちから抜けられなかった。
    3話目も重いし苦しいし悲しい。あの兄妹がどうか幸せに生きてほしい。特にお兄ちゃん。

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    2025年08月21日
  • こぼれ落ちる欠片のために

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    3件の事件に対する捜査と事情聴取をメインに、さまざまな理由で犯罪を犯してしまう心理や犯した罪は同じでもそのまま裁いてもいいのか等、考えさせられる内容だった。登場人物ですごく特徴のある女性刑事が事件解決のキーとなる指摘をしているが、そこまでの変わったキャラクターが必要なのかなと思った。

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    2025年08月19日
  • チェーン・ポイズン <新装版>

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    人生に疲れたOLが死のうと決意した時、セールスマンから「その自殺、一年待ってみませんか?」と持ちかけられ、、、
    度重なる3件の服毒自殺に共通性を見出そうと奔走する雑誌記者。
    この2人の話を中心に進んでいく。

    どんでん返しは再読だったのでわかるとして、最近特に生きづらさを感じる自分には辛い話でした。周りばかり気にする気持ちもわかるし、自分の生きがいを喪ったら立ち直れない気持ちも分かる。

    再読したのは、落ち込むだけではなく少しだけでも前向きになれる話だったから。

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    2025年08月06日
  • 正義のミカタ I’m a loser

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    Geminiを参考に使って、レビューを書いています。

    主人公の蓮見亮太は、高校時代にいじめられていた過去を持っています。その弱さや、過去の経験からくるコンプレックスは、簡単に消えるものではありません。この物語のはじめの頃は、読んでいて少し嫌な気分になったほどです。

    この小説では、「正義とは何か?」という普遍的な問いと、自分自身の弱さや過去にどう向き合うかという個人的な葛藤が、リアルに描かれています。

    小説のもう一つの大きなテーマは、「正義」の多面性です。亮太たちが所属する「正義の味方研究部」は、学内のトラブルを解決していきますが、その中で、正義は一つではないこと、誰かの正義が別の誰かの不

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    2025年08月02日
  • 本からはじまる物語

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    著名な作家達による「本」がテーマのアンソロジー。
    甘酸っぱい恋の話しやちょっとゾクッとする話、不思議なお話など本というテーマ1つでも色んなお話が書けるんだなぁと楽しく読ませてもらえました。
    中でも本が飛んでいったり、飛んできたり、飛んでる本をつかまえたり…といった本が飛ぶ話がいくつかあり、作家さんには本が飛ぶという発想があるんだなぁ〜と思いました。
    どれも良かったですが、本多孝好さんの「十一月の約束」が好きです。

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    2025年06月10日
  • 真夜中の五分前―five minutes to tomorrow side-B―

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    なぜ前半後編じゃなくてsideA.Bなんだろうと思ったんだよ!!
    これは確かに2冊に分けなきゃダメだ
    読み終わった後に感じたことは、本当にこれはA.Bなのか?ということ、もはや別次元の話すぎて
    大抵の場合、自分は代替不可な存在であると無自覚に考えているし、そのことが尊厳を保っていることにもつながるのだけれど、では、本当にあなたは代替不可なのかと問われ、そしてその理由に対して深く考えてみると、そんなことはないかもしれないという答えにいきつくんだよなあ
    だけど、だからこそ、私は私であることを楽しみたい、それが私の存在意義だと思う
    ゆかりやかすみにとって彼らも代替可であったということ

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    2025年05月19日
  • at Home

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    家族をテーマにした短編集。4編収録されている。1作目の雰囲気から連作短編の印象だったが独立した短編集で驚いた。それほどに表題作の1編目の内容が濃かった。これで80ページにしてしまうのかと。個人的にベストは「日曜日のヤドカリ」再婚で親子となった主人公の父と娘との交わりが絶妙なタッチで描かれている。そういえば本多さんってハートフルの中にハードボイルドを埋め込むような書き方をする人だったと再認識。文章も上手くて流石だな~と思ったのだが、作品が少ないんだよね。この人。

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    2025年03月27日
  • こぼれ落ちる欠片のために

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    ネタバレ

    大きな山場はないけど、モブモブの名に相応しい、地に足ついた淡々とした現実感を伴う警察小説。
    子どもが生きててよかった!

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    2025年03月09日
  • こぼれ落ちる欠片のために

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    ネタバレ

    探偵ではなく刑事であり。事件の真相を明らかにしないスタイルもあって割とすっきりしない筋立てだが、最後の事件に救いがあっただけでその辺は全部帳消し。ただいくらなんでも探偵役のコミュ障が過ぎて、多忙な刑事たちに対応がダダ甘じゃないかなあとは思ったが、シリーズ化してもらいたいくらいには面白かった。

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    2025年03月08日
  • MOMENT

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    過去に読んだことがあり、何か好きだったけどどんな話だったかなぁと思って久々に再読。
    ストーリーがめちゃくちゃ面白いというわけではないが、主人公達の会話が心地良くてスラスラ読めてしまう。このリズム感が好きだったのかと思い出した。

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    2025年02月08日
  • WILL

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    ネタバレ

    WILL

    「MOMENT」で少しだけ登場する「MOMENT」の主人公の幼なじみの葬儀屋の女社長の物語です。
    高校生の時に両親を亡くして葬儀屋を継いだ森野。
    彼女が遭遇する葬儀に関わった人の三つの事件とその事件を通しての彼女の成長物語です。
    死んだ父親から送られて来た自作の絵を巡る家族の謎。葬儀をやり直したいという故人の愛人を名乗る女の目的は?生まれ変わりと称して夫を亡くした老女と接する少年の真意は?
    こういった物語が丁寧につづられます。その中で少しずつ変化していく森野の成長も一つのよみどころとなっています。
    若干、プロット設定や登場人物や登場人物の口調に違和感がありましたが、まあそれは些細

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    2025年02月06日
  • アフター・サイレンス

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    ネタバレ

    題材は重めだけど読みやすかった

    主人公がお父さんを完全拒絶じゃなく、
    また会うかもしれない未来を
    可能性として作れたのがよかった

    加害者家族のカウンセリング編
    みたいな感じで続きも読みたいな

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    2025年02月03日
  • こぼれ落ちる欠片のために

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    最初、1話目に登場する先輩女性とのバディものが前作としてあるのかと思いましたが、違ったみたいです。
    捜査一課の、コミュ力に定評がある若手男性刑事と、
    コミュ力皆無ながら、観察眼と推察力が鋭すぎる美人女性刑事のバディもの連作集。

    どんどん読める文章力、警察組織の描写のリアルさ、各事件の意外な真相などは、
    標準以上に面白いものの、作者が手練れであることはわかっているので、そこまで驚きではない。
    一番興味を引かれるのは、上記の女性刑事「瀬良」のキャラクターだ。
    今作では、彼女のバックボーンや、能力の全容は明かされないまま。
    続編を期待せずにはいられない。

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    2025年01月19日
  • MISSING

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    1994年第16回小説推理新人賞 受賞の
    「眠りの海」を含む短編5編

    アンソロジー「短編学校」で 「エースナンバー」を
    一編読んでいるけれど ほぼ初読みの作家さん

    ミステリーに分類されるかとは思うのですが
    身近な死をめぐる深層心理に踏み込むような
    ストーリーで 素敵な短編集だなと思います

    「眠りの海」
    ミステリーとしては 見知ったトリックで浅いかなと思いはしますが、書きすぎない少女の気持ちとか あまりにわかろうとしない男性教師の生き方とか ちょっと良い
    ラストの失わせた者からの救いみたいなやつが 
    お洒落だなと思う

    他4作も 密やかな殺人というような
    死を意識しながらの日常というような

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    2025年01月06日
  • MOMENT

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    十年ほど前とは言え再読なのにまったく覚えていなかった。ほんとうに読みやすいし、ほんとうに物語の終わり方がいちいちうまいなあと思う。無理のないオチみたいなものを用意してるところがやっぱり本多孝好の魅力に感じる。有馬さんのお話は主人公のエゴかなあと思う反面、間違っているとも思えなかった。わかってもらったりわかってあげたりするために自分の意見を無理やりにでも押し通すときがあるのは、相手がもうすぐ死にそうな人でも元気に生きてる人でも結局同じだと思う。淡々としているふうな主人公だったけど、とてもやさしかった。

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    2025年01月06日