本多孝好のレビュー一覧

  • こぼれ落ちる欠片のために

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    事件も捜査も取り調べも、地味でエンタメ性も薄い。類稀なる観察力のセラという女性警官にしても、何がすごいのかよくわからない。
    けれど、最後にどんでん返しがある。それも決してドラマチックではないが、じわじわと沁みてくる、考えさせられる結末がある。

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    2024年12月29日
  • こぼれ落ちる欠片のために

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    こんなに切なくなる警察小説は珍しい。
    犯人を捕まえたら終わりじゃない。
    語られない事の中に秘められた真実がある。
    淡々と読み進めていたのに、そこに気づいた瞬間、泣きたい気持ちになってしまう。
    中でも『ホワイト・ポートレイト』は印象的だった。
    正しい刑罰とは何か、誰にとっての『正しさ』なのか。
    考えてみても答えは出ない。
    警察は正義のために奔走し、真実を追求する。
    被害者は仕返しを許されていない。
    だからこそ罪を最大化し、加害者に最大限の罰を与える。
    確かにそれも正しいと思うのに、何故だか納得できずにいるんだよな。
    個人的に、こういうテイストの作品が好きなのでシリーズ化して欲しいと思った。

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    2024年12月12日
  • アフター・サイレンス

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    人の話を聞くってことは難しいし奥が深いなと感じた。
    1話1話それぞれ良かったけど、最後に繋がるところがちょっと泣けて良かった。

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    2024年11月12日
  • 真夜中の五分前―five minutes to tomorrow side-A―

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    ネタバレ

    暫く読んでいると、ある事に気づく。

    主人公の名前が出てこない。
    プロットは面白いのに、ページ数が少ないからか、登場人物の気持ちに少し寄り添いにくい。

    side-Bを読んだら、感想は変わるだろうか?

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    2024年11月03日
  • MOMENT

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    ネタバレ

    「死ぬ時、なにを考えるだろう。」

    印象としては、タバコの匂いや無機質な音を感じながら、静かに浸れる本でした。一気に読んでしまいました。

    死を目前にした人々からは、色々な願いが出てきます。

    自分は、何を考えるだろう。

    死ぬことに関してはよく考えますが、この本を読み、考えが深まりました。とても現実的な死生観が描かれているのです。

    死ぬということには抗えないし、
    死を目前にする頃には実は自由に体を動かせない。
    自分の人生におそらく意味はなく、死に意味もない。
    だから、死を前にした人間が望むものもシンプル。
    「死」

    私がこの小説から感じたことでした。

    本当にその立場になれば、この小説に描

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    2024年11月02日
  • アフター・サイレンス

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    ネタバレ

    待ちに待った文庫化!待ってた!
    本田さんの話を読むと、割り切れないものとの向き合い方とか、法についての向き合い方とか、全てのものについての感じ方っていうのは、人の数だけあって、どれが正しいとかの問題ではないことが痛いほど突きつけられる。全部正義なんだ。登場人物の色々な思いがダイレクトに伝わってきて、そこにはもちろん自分にとって新しい発見もあって、とても新鮮。毎回勉強になる。
    ラストは元恋人が主人公を車で迎えに来て、車が発進していくところで終わる。なんだかデジャヴと思ったら、momentのときもそうだった。この表現は、自分の中で区切りをつけて、気持ち新たに未来へ進んでいくことを表しているのかしら

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    2024年09月27日
  • at Home

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    好みはあると思うけど、人によって色々な「家」があることを読み感じることができる良い物語群でした。実は数年前に読んでいたはずなのだけど、書庫で見つけて、読んだ記憶がなく、再読した一冊でした。

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    2024年08月28日
  • WILL

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    ネタバレ

    MOMENTからの7年後を描かれた作品。

    MOMENTは神田が主で、森野の存在は薄かったし、神田が探偵のようなそうでもないような、そういうストーリだったのに対し、本作は森野が主となりストーリーが展開していく。

    前作で森野側の気持ち、はなんとなく感じていたけれど、神田は気づいているのかいないのか……?な印象だった。
    でも、本作では7年の間に変化した2人の関係もところどころに。

    飄々として見える森野だけれど、すごく責任感が強い人なんだと感じた。継いでしまった葬儀店を放り出せないからなのか、自分の中の「女の部分」を許容できず、神田を幸せにできる自信がないのか?
    女であることを許せないような、そ

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    2024年08月05日
  • MOMENT

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    ネタバレ

    順番が違っていて、最後に読むべきMEMORYを最初に読んでしまったことに気づいた。
    改めて読み返すことに決め、本作を。

    個人的に、本多孝好氏の作品が好きだ。
    ひねくれているかのような主人公に、不真面目な生き方をしているように感じる方もいると思う。
    でも、本作も「本音」が描かれている作品だと思う。生きていくために取り繕うではなく、分からないから分からないと素直に言うみたいな。
    淡々としつつ、死生観や、自らの生き方、世の中の理不尽さ、それらに気づき考えさせられる。

    人が死を目前にしたときに望むもの。
    死ぬ前にひとつだけ願いが叶えられるとしたら?

    死を目前にする人たちは素直ではなく、騙したり、

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    2024年08月04日
  • 本からはじまる物語

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    まだ本を本格的に読み始めたばかりなので、各作家さんの特徴など、自分にとって読みやすかったなどが分かり、これから本を…という人におすすめ!
    本屋を巡る話しはどれも面白かった!

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    2024年06月27日
  • MOMENT

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    あらすじやタイトルの雰囲気からハートフルな内容を想像しがちだが、思いのほか人間の業について触れられたシニカルな物語となっている。
    死に際に人が願う事は、必ずしも美しい物ではないというリアルさを描いた作品。

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    2024年03月10日
  • 君の隣に

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    視点が切り替わってゆく度にその人の人生を噛み締めながら読みました。心の深淵を覗いていくような感じでした。結末は賛否両論かもしれませんが、私はとても好きです。世の中の淡々とした移り変わりの中に救いのようなものがあると感じられました。
    やはり環境が人格の形成に影響を与えることが多いのかなと感じます。寂しさはどうしたら無くなるのでしょうか、、

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    2024年01月21日
  • Good old boys

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    おもしろかった。プロローグとエピローグの仕掛けに気づきませんでしたが読み返してすっきりでした。それぞれのストーリーが完結てきているわけではないのてすが不思議な余韻でつながっていく。

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    2023年12月08日
  • MOMENT

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    ネタバレ

    「文体が村上春樹に近い」と言っている方がいたので、じゃあきっと好きだなと思って読んでみた。

    確かに文体は近い。でもハルキの方がクセあるかな。そんなことより内容が面白い。ミステリーチックで引き込まれる。

    しかしact2の中学生とキスしたところでいよいよハルキじゃんと思った。主人公の男性がモテるってやつ。相手の女の子が不思議ちゃんかメンヘラちゃん。

    act3の上田さんは、身につまされて辛かった。
    しかしデート中の神田がキザでちょっとイラッとした(笑)ハルキ読んでる時と同じ感覚のイラつき。

    ミステリーチックと言っても結局生と死をテーマにしているから、結局やっぱりハルキっぽいなと思ってしまった

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    2023年12月06日
  • MOMENT

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    ネタバレ

    伊坂幸太郎に似てるとどこかで紹介されていたのがきっかけで初めてよんだ著者の作品だった。
    結論、伊坂幸太郎にはあまり似ているような気はしなかったけど、面白かった。
    まだ自分は死を身近に感じたことはないけど、自分は死ぬ時最後にひとつだけ願いが叶えられるとしたら何を願うんだろうと思う。黒衣の必殺仕事人ではなく、掃除夫に何を頼むんだろう。

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    2023年11月19日
  • MOMENT

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    WILLが面白かったので姉妹編というこっちも読んでみた。葬儀屋の森野さんご無沙汰っす!

    WILLの方が読みやすくて好きだったかな。
    こっちは結構救えない感じで終わるイメージ、。

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    2023年09月29日
  • チェーン・ポイズン <新装版>

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    序盤から終盤に至るまで悦子という女を追いかけていたけど、結局追いつけなかった。。
    終盤までに展開がなくて最後のハネももう少し大きく欲しかった。

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    2023年09月17日
  • WILL

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    とてもよかった。
    それぞれのエピソードは謎解きって感じで楽しめたし、全体を通して主人公の甘酸っぱい恋愛模様が描かれているのが心地よかった。

    エピローグとタイトルの回収は見事。
    おぉーってなった笑
    途中「意志」でミスリードしてきたなぁさては笑笑

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    2023年08月03日
  • WILL

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    淡々と描写され途中「なにを描きたいんだ?」と頭をよぎるけど、故人への温かな愛が急にくっきり現れて胸をつかまれた。大事な人を失ったときにもう一度読み直したい作品。

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    2023年03月04日
  • dele

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    本多さんは今作が初めましてだったけれど、映像が浮かんでくる文章でスラスラ読めた!
    感情移入しやすい主人公と仕事と割り切れる相棒の対比がいい。どのお話も優しさが滲んでいて、希望のもてる終わり方だったからよかった。

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    2024年10月10日