本多孝好のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初、1話目に登場する先輩女性とのバディものが前作としてあるのかと思いましたが、違ったみたいです。
捜査一課の、コミュ力に定評がある若手男性刑事と、
コミュ力皆無ながら、観察眼と推察力が鋭すぎる美人女性刑事のバディもの連作集。
どんどん読める文章力、警察組織の描写のリアルさ、各事件の意外な真相などは、
標準以上に面白いものの、作者が手練れであることはわかっているので、そこまで驚きではない。
一番興味を引かれるのは、上記の女性刑事「瀬良」のキャラクターだ。
今作では、彼女のバックボーンや、能力の全容は明かされないまま。
続編を期待せずにはいられない。 -
Posted by ブクログ
1994年第16回小説推理新人賞 受賞の
「眠りの海」を含む短編5編
アンソロジー「短編学校」で 「エースナンバー」を
一編読んでいるけれど ほぼ初読みの作家さん
ミステリーに分類されるかとは思うのですが
身近な死をめぐる深層心理に踏み込むような
ストーリーで 素敵な短編集だなと思います
「眠りの海」
ミステリーとしては 見知ったトリックで浅いかなと思いはしますが、書きすぎない少女の気持ちとか あまりにわかろうとしない男性教師の生き方とか ちょっと良い
ラストの失わせた者からの救いみたいなやつが
お洒落だなと思う
他4作も 密やかな殺人というような
死を意識しながらの日常というような -
Posted by ブクログ
ネタバレ「死ぬ時、なにを考えるだろう。」
印象としては、タバコの匂いや無機質な音を感じながら、静かに浸れる本でした。一気に読んでしまいました。
死を目前にした人々からは、色々な願いが出てきます。
自分は、何を考えるだろう。
死ぬことに関してはよく考えますが、この本を読み、考えが深まりました。とても現実的な死生観が描かれているのです。
死ぬということには抗えないし、
死を目前にする頃には実は自由に体を動かせない。
自分の人生におそらく意味はなく、死に意味もない。
だから、死を前にした人間が望むものもシンプル。
「死」
私がこの小説から感じたことでした。
本当にその立場になれば、この小説に描 -
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ネタバレ待ちに待った文庫化!待ってた!
本田さんの話を読むと、割り切れないものとの向き合い方とか、法についての向き合い方とか、全てのものについての感じ方っていうのは、人の数だけあって、どれが正しいとかの問題ではないことが痛いほど突きつけられる。全部正義なんだ。登場人物の色々な思いがダイレクトに伝わってきて、そこにはもちろん自分にとって新しい発見もあって、とても新鮮。毎回勉強になる。
ラストは元恋人が主人公を車で迎えに来て、車が発進していくところで終わる。なんだかデジャヴと思ったら、momentのときもそうだった。この表現は、自分の中で区切りをつけて、気持ち新たに未来へ進んでいくことを表しているのかしら -
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ネタバレMOMENTからの7年後を描かれた作品。
MOMENTは神田が主で、森野の存在は薄かったし、神田が探偵のようなそうでもないような、そういうストーリだったのに対し、本作は森野が主となりストーリーが展開していく。
前作で森野側の気持ち、はなんとなく感じていたけれど、神田は気づいているのかいないのか……?な印象だった。
でも、本作では7年の間に変化した2人の関係もところどころに。
飄々として見える森野だけれど、すごく責任感が強い人なんだと感じた。継いでしまった葬儀店を放り出せないからなのか、自分の中の「女の部分」を許容できず、神田を幸せにできる自信がないのか?
女であることを許せないような、そ -
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ネタバレ順番が違っていて、最後に読むべきMEMORYを最初に読んでしまったことに気づいた。
改めて読み返すことに決め、本作を。
個人的に、本多孝好氏の作品が好きだ。
ひねくれているかのような主人公に、不真面目な生き方をしているように感じる方もいると思う。
でも、本作も「本音」が描かれている作品だと思う。生きていくために取り繕うではなく、分からないから分からないと素直に言うみたいな。
淡々としつつ、死生観や、自らの生き方、世の中の理不尽さ、それらに気づき考えさせられる。
人が死を目前にしたときに望むもの。
死ぬ前にひとつだけ願いが叶えられるとしたら?
死を目前にする人たちは素直ではなく、騙したり、 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ「文体が村上春樹に近い」と言っている方がいたので、じゃあきっと好きだなと思って読んでみた。
確かに文体は近い。でもハルキの方がクセあるかな。そんなことより内容が面白い。ミステリーチックで引き込まれる。
しかしact2の中学生とキスしたところでいよいよハルキじゃんと思った。主人公の男性がモテるってやつ。相手の女の子が不思議ちゃんかメンヘラちゃん。
act3の上田さんは、身につまされて辛かった。
しかしデート中の神田がキザでちょっとイラッとした(笑)ハルキ読んでる時と同じ感覚のイラつき。
ミステリーチックと言っても結局生と死をテーマにしているから、結局やっぱりハルキっぽいなと思ってしまった