本多孝好のレビュー一覧
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読後、どれもなんとも言えない気持ちになった。長くて静かな余韻が残った。
事件は、加害者と被害者だけの単純な話ではない。
家族や周りの人にも、それぞれの人生や考え方、思惑、無念さがあって、事件というのはそれらの「沈黙」が複雑に絡み合ったものなんだなと思った。
それぞれの事件に、厚みを生み出すような作...続きを読むPosted by ブクログ -
著者ファンとして、久しぶりに大満足
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今までは少し神憑り的な部分が多いものがあったけれど、今回は主人公の苦悩を軸に、それぞれの人間模様が描かれていて、人に寄り添うことが如何に難しく、カウンセラーの存在意義を知った。
臨床心理士、公認心理師、精神科医の位置付けもおぼろげにわかり、これからの職種がも...続きを読むPosted by ブクログ -
犯罪を犯した加害者はなぜ被害者と同じ罰を与えず、刑務所の中で生き、そしてまた刑務所から出れるのかと考えたことがあった。なぜすぐに死刑にはならず、反省の時間を設けさせるのか?犯罪を犯した者の家族、被害様の家族それぞれやり場のない気持ちを抱えて生きていかなければならない事件後にスポットを置き、その気持ち...続きを読むPosted by ブクログ
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小学生のサッカークラブの父親たちの短編小説集。
というと、重松清さん的な、所謂パパ像、を描いたものしか想像出来なかったが、良い意味で予想と違っていた。
パパ達といっても、普通の若い男の人たちなんだなと初めて思わされた。
自分側の環境の変化も影響しているのかもしれないけれど、パパの話を自分の親や年配の...続きを読むPosted by ブクログ -
なかなか面白かった。
いじめっ子をといじめられっ子の立ち位置の違いが、正義の在り方を考えさせられる。
強いのか弱いのかよくわからない主人公の心情が最後までよく掴めない感じだった。
そもそも正義とは、立ち位置の違いで信じるものが違えばいとも簡単にひっくり返ってしまう。
終盤、部長が行った行動は...続きを読むPosted by ブクログ -
「その自殺、一年待ちませんか?」
謎のスーツの人物からの言葉を胸に
生きる自殺志願者の女性と
たて続いた毒物自殺の関連性を取材する記者
視点が変わりながら進むお話
いやー、そういうことかー。
となる結末で、冒頭からイメージしてた景色がガラッと変わった。Posted by ブクログ