本多孝好のレビュー一覧
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ネタバレWILL
「MOMENT」で少しだけ登場する「MOMENT」の主人公の幼なじみの葬儀屋の女社長の物語です。
高校生の時に両親を亡くして葬儀屋を継いだ森野。
彼女が遭遇する葬儀に関わった人の三つの事件とその事件を通しての彼女の成長物語です。
死んだ父親から送られて来た自作の絵を巡る家族の謎。葬儀をやり直したいという故人の愛人を名乗る女の目的は?生まれ変わりと称して夫を亡くした老女と接する少年の真意は?
こういった物語が丁寧につづられます。その中で少しずつ変化していく森野の成長も一つのよみどころとなっています。
若干、プロット設定や登場人物や登場人物の口調に違和感がありましたが、まあそれは些細なことなので。
少し暖かで、細やかな心情描写が好きな方は是非ご一読を。
竹蔵 -
Posted by ブクログ
最初、1話目に登場する先輩女性とのバディものが前作としてあるのかと思いましたが、違ったみたいです。
捜査一課の、コミュ力に定評がある若手男性刑事と、
コミュ力皆無ながら、観察眼と推察力が鋭すぎる美人女性刑事のバディもの連作集。
どんどん読める文章力、警察組織の描写のリアルさ、各事件の意外な真相などは、
標準以上に面白いものの、作者が手練れであることはわかっているので、そこまで驚きではない。
一番興味を引かれるのは、上記の女性刑事「瀬良」のキャラクターだ。
今作では、彼女のバックボーンや、能力の全容は明かされないまま。
続編を期待せずにはいられない。 -
Posted by ブクログ
1994年第16回小説推理新人賞 受賞の
「眠りの海」を含む短編5編
アンソロジー「短編学校」で 「エースナンバー」を
一編読んでいるけれど ほぼ初読みの作家さん
ミステリーに分類されるかとは思うのですが
身近な死をめぐる深層心理に踏み込むような
ストーリーで 素敵な短編集だなと思います
「眠りの海」
ミステリーとしては 見知ったトリックで浅いかなと思いはしますが、書きすぎない少女の気持ちとか あまりにわかろうとしない男性教師の生き方とか ちょっと良い
ラストの失わせた者からの救いみたいなやつが
お洒落だなと思う
他4作も 密やかな殺人というような
死を意識しながらの日常というような
語りが静穏で冷たい雰囲気が好み
なのだけど、まだ読み終わっってさほど時間も経っていないのに ストーリーが混戦するんですよ
私の責任なのかな
雰囲気が似ているからかなあ
村上春樹チルドレンと評される事もあるようですけど この1作ではわからないです
最後の「彼のひそむ場所」は 村上春樹氏が高校生活をこんな風に書きそうという感じもしますが
もう少し読まないとですね -
Posted by ブクログ
ネタバレ「死ぬ時、なにを考えるだろう。」
印象としては、タバコの匂いや無機質な音を感じながら、静かに浸れる本でした。一気に読んでしまいました。
死を目前にした人々からは、色々な願いが出てきます。
自分は、何を考えるだろう。
死ぬことに関してはよく考えますが、この本を読み、考えが深まりました。とても現実的な死生観が描かれているのです。
死ぬということには抗えないし、
死を目前にする頃には実は自由に体を動かせない。
自分の人生におそらく意味はなく、死に意味もない。
だから、死を前にした人間が望むものもシンプル。
「死」
私がこの小説から感じたことでした。
本当にその立場になれば、この小説に描かれた気持ちがわかってくるのでしょう。
ただ、個人的な考えではありますが私はこの現実主義的な考えに逆らって
「それもまた、一つの世の中の見方にすぎません」と
言えるような生き方がしてみたいと感じました。
【印象に残った言葉】
人生なんて、そうなるべくしてそうなるんだ。葬儀屋が性に合ってるって言ったのはそういう意味さ。
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ネタバレ待ちに待った文庫化!待ってた!
本田さんの話を読むと、割り切れないものとの向き合い方とか、法についての向き合い方とか、全てのものについての感じ方っていうのは、人の数だけあって、どれが正しいとかの問題ではないことが痛いほど突きつけられる。全部正義なんだ。登場人物の色々な思いがダイレクトに伝わってきて、そこにはもちろん自分にとって新しい発見もあって、とても新鮮。毎回勉強になる。
ラストは元恋人が主人公を車で迎えに来て、車が発進していくところで終わる。なんだかデジャヴと思ったら、momentのときもそうだった。この表現は、自分の中で区切りをつけて、気持ち新たに未来へ進んでいくことを表しているのかしら。清々しくていい感じ。
あとやっぱり、会話部分がすきなんだよな。
ぶっきらぼうだけど、絶対的に優しい感じ。なんなんだろうな、本多孝好の住人だって安心する感じ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレMOMENTからの7年後を描かれた作品。
MOMENTは神田が主で、森野の存在は薄かったし、神田が探偵のようなそうでもないような、そういうストーリだったのに対し、本作は森野が主となりストーリーが展開していく。
前作で森野側の気持ち、はなんとなく感じていたけれど、神田は気づいているのかいないのか……?な印象だった。
でも、本作では7年の間に変化した2人の関係もところどころに。
飄々として見える森野だけれど、すごく責任感が強い人なんだと感じた。継いでしまった葬儀店を放り出せないからなのか、自分の中の「女の部分」を許容できず、神田を幸せにできる自信がないのか?
女であることを許せないような、そんな印象も受けて。
葬儀店に絡むいくつかの事件?に関わりながら、死者と遺された人たちとに接し、店の第2の父の存在もあって、次第に森野が柔らかくなっていくのを感じた。
神田の前でしか泣けないって、そういうこと……だよね?
最後まで神田と森野の呼び名できたのは、WILLのため、ね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ順番が違っていて、最後に読むべきMEMORYを最初に読んでしまったことに気づいた。
改めて読み返すことに決め、本作を。
個人的に、本多孝好氏の作品が好きだ。
ひねくれているかのような主人公に、不真面目な生き方をしているように感じる方もいると思う。
でも、本作も「本音」が描かれている作品だと思う。生きていくために取り繕うではなく、分からないから分からないと素直に言うみたいな。
淡々としつつ、死生観や、自らの生き方、世の中の理不尽さ、それらに気づき考えさせられる。
人が死を目前にしたときに望むもの。
死ぬ前にひとつだけ願いが叶えられるとしたら?
死を目前にする人たちは素直ではなく、騙したり、擬似的な恋を望んできたりするわけだけれど、頼まれれば、粛々と、でも優しく、できる範囲で望みを叶える手助けをする神田。
それが本作の主軸かと思いきや、実は……という。
森野と神田の微妙な関係が気になる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「文体が村上春樹に近い」と言っている方がいたので、じゃあきっと好きだなと思って読んでみた。
確かに文体は近い。でもハルキの方がクセあるかな。そんなことより内容が面白い。ミステリーチックで引き込まれる。
しかしact2の中学生とキスしたところでいよいよハルキじゃんと思った。主人公の男性がモテるってやつ。相手の女の子が不思議ちゃんかメンヘラちゃん。
act3の上田さんは、身につまされて辛かった。
しかしデート中の神田がキザでちょっとイラッとした(笑)ハルキ読んでる時と同じ感覚のイラつき。
ミステリーチックと言っても結局生と死をテーマにしているから、結局やっぱりハルキっぽいなと思ってしまった。
でも面白かったことは確か。夢中になって読んだ。
これ、初期の作品だと思うから、最近のこの人の本を読んでみようと思う。もっとオリジナリティが出てることを期待して。