本多孝好のレビュー一覧

  • アフター・サイレンス
    読後、どれもなんとも言えない気持ちになった。長くて静かな余韻が残った。

    事件は、加害者と被害者だけの単純な話ではない。
    家族や周りの人にも、それぞれの人生や考え方、思惑、無念さがあって、事件というのはそれらの「沈黙」が複雑に絡み合ったものなんだなと思った。
    それぞれの事件に、厚みを生み出すような作...続きを読む
  • MOMENT
    「MOMENT」本多孝好 著

    【あじわい】
    deleに続いて二冊目として選択した本多さんの著書。deleは一話完結の連作に対して、MOMENTは一話ずつが最後の章で重なり合う連作です。

    また、dele は、主人公に探偵要素を込めているため、小刻みに展開するリズムです。
    一方で、MOMENTは、主...続きを読む
  • アフター・サイレンス
    著者ファンとして、久しぶりに大満足

    今までは少し神憑り的な部分が多いものがあったけれど、今回は主人公の苦悩を軸に、それぞれの人間模様が描かれていて、人に寄り添うことが如何に難しく、カウンセラーの存在意義を知った。

    臨床心理士、公認心理師、精神科医の位置付けもおぼろげにわかり、これからの職種がも...続きを読む
  • dele2
    おお、これはなかなか予想外の結末。気持ちのいい結末ではないけど、事実が明らかになっていく様子は鳥肌もの。
  • アフター・サイレンス
    犯罪を犯した加害者はなぜ被害者と同じ罰を与えず、刑務所の中で生き、そしてまた刑務所から出れるのかと考えたことがあった。なぜすぐに死刑にはならず、反省の時間を設けさせるのか?犯罪を犯した者の家族、被害様の家族それぞれやり場のない気持ちを抱えて生きていかなければならない事件後にスポットを置き、その気持ち...続きを読む
  • dele
    金城さんファンとしては読まざるを得ない作品。山田孝之と菅田将暉で脳内再生されて、ドラマの続きを見れた感覚になれました。
    ありがとうございます。
  • Good old boys
    小学生のサッカークラブの父親たちの短編小説集。
    というと、重松清さん的な、所謂パパ像、を描いたものしか想像出来なかったが、良い意味で予想と違っていた。
    パパ達といっても、普通の若い男の人たちなんだなと初めて思わされた。
    自分側の環境の変化も影響しているのかもしれないけれど、パパの話を自分の親や年配の...続きを読む
  • WILL
    読むのに疲れる内容であったが、他では見かけ無い前提の話ばかりで、読んでる途中で中に引き込まれるストーリーだった。著者の他の作品にもチャレンジしてみたい。
  • MEMORY
    感情表現が素晴らしい。なんとなく思ってたけど言語化出来なかった気持ちを表現してくれていて、そうそうそれそれって感動した。
    最後幸せな2人の姿にじーんとなった。
  • WILL
    終わりはとてもよかった。
    話の一つ、爪痕が心の余裕がない時の会話の捉え方の歪みが見えた。
    心の余裕大事だと感じる。
  • 正義のミカタ I’m a loser
    なかなか面白かった。

    いじめっ子をといじめられっ子の立ち位置の違いが、正義の在り方を考えさせられる。

    強いのか弱いのかよくわからない主人公の心情が最後までよく掴めない感じだった。

    そもそも正義とは、立ち位置の違いで信じるものが違えばいとも簡単にひっくり返ってしまう。

    終盤、部長が行った行動は...続きを読む
  • dele
    ドラマが好きで、小説があることを知り読んだ

    ドラマの話を活字で読めると期待していたのだが、ドラマの話はなく
    小説として新しい話を読めた

    祐太郎がドラマより柔らかく
    猫と暮らしていて、妹の幼馴染みと交流があり両親は離婚していて
    1巻では妹さんの医療事故までたどり着かなかった

    ケイと姉の関係もドラ...続きを読む
  • チェーン・ポイズン <新装版>
    「その自殺、一年待ちませんか?」

    謎のスーツの人物からの言葉を胸に
    生きる自殺志願者の女性と
    たて続いた毒物自殺の関連性を取材する記者
    視点が変わりながら進むお話


    いやー、そういうことかー。
    となる結末で、冒頭からイメージしてた景色がガラッと変わった。
  • MOMENT
    死の間際に、ひとつだけ願いを叶えてくれる
    必殺仕事人の噂。
    掃除夫のバイトをする大学生が、
    入院患者とのやりとりを通じてその人の本当の顔を知っていく。
    各話読み終わったあとに残る、ちょっとした後味の悪さが心地良い。
  • dele3
    コンビ再結成!
    まあ、3巻が出た時点でそれ以外はないだろうと予測は出来たけど、それでもあの二人が一緒にいると嬉しい。
    二人の関係に以前とは違うものも感じるけど、人と人が関わっていく以上ずっと同じというのもありえないし、水の流れのように変わっていくものだと思う。
  • dele2
    本によって文体からイメージするものがあるが、このシリーズは「コンクリート」。
    都会的で冷たいというだけでなく、日差しが染みて温もったコンクリートや、そこに確かに人が大勢住んでいる、そんなざわめきを感じる人工の石。
    この感覚は他の作家や本では感じたことがなかった。
  • MOMENT
    本田孝好を読むきっかけになった1冊を再読。とても軽やかに読める村上春樹という感じ。じんわりきたり、もやもやしたり、憤ったり、読んでいくと色んな感情をざらっとさせられるのに、なぜな嫌な感じがしない、不思議な本。
  • 君の隣に
    人物ごとのパートに分かれていて、どんどん先が気になって仕方がなかった。最下層と呼ばれがちの風俗嬢たちであれ、街を歩いてるサラリーマンであれそこに黒い何かが潜んでいて何がいつ襲ってくるか分からない…。まさに『君の隣に』な感じがして良かった。
  • dele2
    ドラマも見てたけど読むのは今になった本その2。
    アンチェインド・メロディもすきです。

    9年間闇でもがき続けた祐太郎と、尊敬する父親が隠した不祥事が故にずっと向き合うことができなかったケイ。
    ラストがすごく美しかった。


    「そうか。これは最初から、俺の問題なのか」
  • dele
    ドラマが好きで放送当時に本も買ってたけど、読むのは今になりました。
    死んだ人が預けたデータを消すという話の性質上、「依頼者はこう考えたんだろう」という推察で物語は進んでいくんだけど、圭司と祐太郎の考え方が優しくてあったかくて好きです。
    好きなのはロスト・メモリーズとファースト・ハグ。