依頼人が亡くなると、予め頼まれた秘密のデータを削除する会社『dele.LIFE』。
デジタル遺品という時代にぴったりのテーマを扱い、ドラマにもなった本多さんの作品、deleの第2弾。
所長の圭司と、従業員の祐太郎の2人が依頼人の死に伴い、死亡確認・データ削除をするが、ときにその死に不審点などがあった
...続きを読むとき、2人はそのデータから真相を探る。
故人のデジタルデータをどうするかは現代のリアルな問題。特に、本作では故人が自分の死後に消してほしいと願っていたデータであり、残された人がデータの内容、そのデータに秘められた想いを知ることで救われる場合もあるが、実際には複雑な想いが残る場合もあるだろう。本作で兄を失ったミュージシャンの弟、唯一の友人を亡くした少女の場合、良かったと言い切れない気持ちにもなり、色々と考えさせられる。
そして、本作では祐太郎の妹・鈴の死の秘密が明らかになるが、ドラマで既に展開を知ってしまっていたのに改めてこの衝撃の真実にドキドキした。祐太郎の優しさが切ない。妹の死に関わった人を憎むより、妹を純粋な気持ちで思い出したい。自分だったらそんな感情になれるのだろうか。
ドラマのキャスティングが私の中での主人公のイメージとぴったりハマっていたため、読みながら山田孝之さんと菅田将暉さんのやりとりが鮮明に浮かんだ。原作とドラマがここまで相性が良いと感じたのは久しぶり。ドラマの依頼人のストーリーはオリジナルだったけど、原作は第3弾が出てるし、ドラマの続編がぜひ見たい!